現世の常識なんて異世界では通じなかった話

(´と・ω・び`)

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第四章 精霊

二節 例のアレ

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二節

 とりあえず、部屋の方に戻ってみると、アリアが椅子に腰かけて本を読んでいた。
「あ、おかえりなさい。なにかあったんですか?」
「いや、なんか水の巫女の人が訪ねてきたんだよ。なんかリ・・・ウンディーネ様の行き先がどうのって。」
「え、巫女様が・・・?それでなんて・・・?」
「いや、向こうも全然情報がないみたいで・・・。なんか四大精霊の集まりがどうとか・・・。」
「・・・。小さいころに聞かされていた話ですが、四大精霊様が集まられる時はエレメンティウムとオーミニウムの大戦の予兆だ、と。・・・なので、もしかしたら大戦が近づいているのかも・・・。」

 もし、そうだとするならこのタイミングでこの世界に呼ばれたことに何か意味でもあるんじゃないか、なんて思ってしまうのはゲームのやりすぎかラノベの読みすぎか。

「え、でも、光の国と闇の国って小競り合いしてるんじゃ・・・?」
「何年前の話をしてるんですか?オーミニウムの二国は200年ほど前に同盟を結んでいるので今は争いは起きていないですよ。」

 あれ、リムから聞いた話と違うぞ・・・?と、ここでふと思ったけどそんな数百年前の話をするリムって一体いくつ何だろう・・・。・・・ハッ!これが俗に言う、ロリバb((とまぁそんな話は置いておいて・・・。200年前に同盟組んだから争いは無い。で、こっちのエレメンティウムに攻めてくる、まではなんとなくわかった。ただ、四大精霊が集まった時は大戦の予兆ってことは、オーミニウムの二国って[小競り合い→同盟→大戦→こz(以下、無限ループ)]ってのを繰り返してる、ってことなんだろうか?と、そんな話をしていた時だった。バタンッ!と杜の扉を開く音が聞こえた。

「ユーリィ!!!ユーリィィ!!!」

 突然扉がとんでもない勢いで開いたと思ったらアストラさんが大声で自分の名前を呼んで入ってきた。

「は、はい?どうしたんですか?」
「そういえば私の居場所を教えるのを忘れていたと思ってな。良ければ付いてくるか?」

 確かに聞いてないなとは思ったけど・・・、わざわざ戻ってきてくれたのか。そりゃあ有難いけど・・・。

「その村ってどのくらいの時間かかるんですか?」
「そうだな・・・。歩いて半日ってところか。」
「遠っ・・・。」
「なんだユーリ、そんなに体力がないのか。貧弱か。」

 
体力は人並みにあると思っていたんだが・・・。この世界的には貧弱な部類らしい。というか、そりゃ車もないんだからメインの移動方法が歩きになっても仕方ないのか・・・?と、そんなことを考えていると、アリアが口を開いた。

「わ、私もついて行っても・・・いいですか・・・?」
「ああ、別に構わんが・・・。ついてきたところで何もないぞ?」
「あ、わ、私村からあまり出たことが無くて・・・。村の外に出たのもこの杜が初めてですし。だから、行ってみたいんです。」

 アストラさんはアリアの顔と俺の顔を何度か見るとなぜかちょっとニヤッとした。

「わかった。2.3日家を空けると家族に言っておけ。」
「あ、それは大丈夫です。」

 なぜ大丈夫なのかはわからないが、アリアは家を、俺は杜を空けても大丈夫なんだろうか?と、思ったがリムが出て行った翌日に杜を空けたのは私でしたすいません。

「あ、それでいつ出るんでしょう?」
「今日でもいいが・・・。もうすぐ夕刻になるしな。明日あたりでどうだ。」
「わかり・・・あれ、なんでアリアちょっとむすってしてるの?」
「なんでもないです。」

 え、えぇー・・・。ほら、話あったら聞くのに。わからないことがあれば教えてあげるよ、手取り足取りウへへへへィ・・・冗談ですすいません。アリアがむすっとしてる原因はよくわからないが、明日に出発するってことは、アリアもアストラさんも今晩どうするんだろう?杜に泊まるのかな?ということは、ウへh((

「二人とも今晩はどうするんですか?」
「私は野宿でも構わんが・・・。」
「あの、ここに泊めてもらっても・・・いいですか?」
「・・・ホントはリムに聞くべきなんだろうけど・・・。俺は構わないよ。アストラさんもよければ泊っていってください。」
「あ、ああ。すまんな。世話になる。」

 その後、結局夕飯をアリアが作ってくれることになり、適当に部屋を割り振りして、解散ということになった。夕飯も美少女の手料理だぞ。羨ましいか、やらねぇーぞ。

 その夜、色々と夕飯を済ませたりだとかして、部屋に戻った。そして、魔法について考えてみた。歩きで半日とか体力が持つ気がしないから、移動補助みたいな魔法がないかなと。そこで思い浮かんだのが、例の、どぅわぁどぅわぁという効果音とともに空にばしゅっっと飛び上がって知っている街にワープするというアレだ。アレを風を操ればできるんじゃないかと思って、自室でちょっとやってみた。最初は制御がうまくいかず、屋内で例のアレを使ったときみたく天井に思いっきり頭をぶつけたりした。15分くらいかけて制御に成功したときにはたんこぶが3つくらいできていてもおかしくないんじゃないかってくらい頭をぶつけていた。こんな時回復魔法でもないのかと思う。と、そんな時だった。部屋の扉が開いた。

「え、ユーリさん、なんでそんなボロボロなんですか?部屋もぐちゃぐちゃになってますし・・・。」
「ああ、気にしなくていいよ。」
「いえ、ちゃんと傷は治してください。ほらこっちに来て。」

 そういうとアリアは俺の頭をつかんで、ベッドに座り膝枕みたいにした。

「ちょ、ちょっと、アリアさん!??」

 ビックリして声が裏返った。残念ながらこちとら、膝枕をされたこともましてや膝枕をしてくれるような彼女もいなかったもんで、やっぱ緊張するんですよ。なんてことを考えていると、アリアが小指を出して、その小指を十字に振って、手を頭に乗せた。

「ヒーリング。」

そう唱えるとアリアの手が淡い緑色の光に包まれ、気づいたら頭の痛みが引いていた。ほう、これが詠唱・・・。確かに指で印を作ってから詠唱するだけなら楽そうだ。

「ありがとう、痛み引いたよ。これが詠唱か・・・。」
「無理はしちゃ駄目ですよ。って、詠唱見たことないんですか?じゃあ今日の昼間のとかどうやって出してたんですか・・・?」
「ああ、見てたの?あれはこう、感覚でこんな形に~みたいな。」
「・・・って、ことは精霊の加護があるんじゃないですか・・・?」
「ん?あぁー・・・、そういえばそんな話してたね。でも別に特別すごいわけじゃないでしょ?」
「いや・・・、とっっっってもすごいですよ。・・・ほんと、私料理でも魔法でもユーリさんに敵いませんね。」
「えっ、そんなことないよ。アリアの料理は美味しいし、そのヒーリングとか俺使えないもん。」

 そういうと、にこっとアリアは笑った。と、その表情もすぐ変わった。なんとなく言いたいことはあるけどちょっと迷っているような。

「そういえば、なんで俺の部屋きたの?」
「こんなことを言うのも恥ずかしいんですが・・・。私いつもお父さんと同じ部屋で寝ていたので、その・・・。人が近くにいないと寝れないんです。」
「あぁー・・・。じゃあそのベッド使っていいよ。俺は床で寝るから。」

 と、タオルか何かないかな、と探そうと席をはずそうとした時、服の裾をつかまれた。

「ん、どうした?」

 アリアが 寂しそうな顔で こちらを 見上げている。
A)アリアを置いてタオルを取りに行く
B)もちろん一緒にベッドイン?←

「・・・一緒に寝る?」

 アリアがこくりと頷いたので、ランタンの火を消し、一緒にベッドに潜った。ねぇ!これってOKなんですか!?いいんですか!?

 まぁ、結局襲えなかったヘタレです。
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