現世の常識なんて異世界では通じなかった話

(´と・ω・び`)

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第四章 精霊

三節 飛行

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三節

  よく朝起きると、襲おうか襲うまいかと躊躇しているうちに寝てしまったことに気づいた。目が覚めた時にはすでにアリアは起きていて、部屋にはいなかった。布団から出ると、着替えて風呂場の方に向かった。自分で出した水を火の魔法で温度を調節し、40℃くらいのお湯にして顔を洗った。そしてリビングとして使っている部屋の方に行くと、もうすぐ朝ごはんができるところだった。いやぁ、朝起きたら美少女が朝食を作ってくれてるなんて・・・全くどこの乙女ゲーだよ(歓喜)

「アリア、おはよう!」
「あ、ユーリさん、朝ごはんもうちょっとなので待っててください。」

 と、そうこうしているうちにアストラさんも帰ってきた。どうやら鍛錬してたらしい。この世界の人は朝から鍛錬するのが日課なのかな・・・?
 朝食を食べ終わると、外に出る支度をした。一応財布には日本のお金が入っている。いざとなればこれを換金してもらうつもりだけど・・・これって銅とかだよな・・・換金してもらえるのか?なんて事を考えながら、支度を済ませ入り口の外で二人を待っていた。数分すると二人が出てきたので、昨日練習していた例のアレを使うことを提案してみる。

「皆準備はいいようだな。そろそろ出るぞ。」
「あ、アストラさんちょっと僕に提案が。」
「ん?なんだ?」
「流石に半日もかけて歩くのは苦ですよね。そんなと」
「いや、別にそんなことはないが・・・。」
「・・・。そんな時!こんなのはいかがでしょうか!」

 と、今あっけなく切られたのを挽回すべく、足元に気流を発生させる。昨日練習したときに気づいたのだが、リムとの戦いの時に使った風魔法の移動補助の分量を大きくすると、自然に受けた。あとは胸のあたりと背中のあたりを気流で支えるようにすれば簡単に浮くことができる。満足気な顔で二人の方を見ると、アリアは目を丸く。アストラさんは興味深げな顔で見ていた。

「フロートか・・・。いや、まてユーリは人間だよな?なぜ詠唱もなく・・・。」
「ゆ、ユーリさんもしかして昨日それの練習してたんですか!?」
「そうだよ。だからこれ使って行ったら早いんじゃないかなと思って。体力も使わないし。」
「いや、それでも魔力は使うだろう。それに私たちはどうするんだ?」
「魔力そんなに使った感覚はないですけど・・・。とりあえず、ちょっとまだやったことないので一度試させてください。」

 そう言って、二人の周りに自分を浮かせるのと同じ要領で気流を発生させる。と、ここで気づいたのが、アストラさんは民族衣装のような服だから大丈夫だとしてもアリアはスカートだからもしかして・・・!とチラッとアリアの方を見ると、目を輝かせながらスカートの端を抑えていた。デスヨネェー。

「どうですか?もうちょっと調節してほしいとかあれば教えてください。」
「ふむ。これはまた不思議な感覚だな。特に不自由はないぞ。」
「わわわ、こんな魔法初めてみました!私も大丈夫です!」
「あ、それで僕が主動力といいますか、それで飛ぶので、手を繋いでもらってもいいですか?」

 そう言って手を差し出すと、二人とも手をつかんでくれた。けどこれだと俺だけ仰向きで飛ぶことになるからね?お二人さんや。

「あの、じゃあアストラさん、方角を教えてもらってもいいですか?」

と、手を持ち替えながら言う。

「そうだな・・・。ここからだと、北側になるか。とりあえず北向きに飛んで、あとで細かい位置調整を・・・ってできるか?」
「ぶっつけ本番なのでちょっとやってみないとわからないですけど、やってみます。じゃあ、二人ともいいですか?」
「はい!」
「ああ。」

 どぅわぁどぅわぁ(脳内SE)
とその音(鳴ってない)とともに、勢いよく空に上昇した。そして太陽の位置を確認して北向きに気流を変えて飛んだ。速度で言えばどのくらい出ているんだろうか。体感的には高速道路を走る車くらいのスピードのつもりだから、大体80km/hのような気がする。でも、軽飛行機とかでももっと早いよな・・・?でもスピードあげるのもどうかと思うし・・・。後ろを向いて、二人に声を掛けてみる。

「二人とも、速度このくらいで大丈夫ですかー!?」
「だ―――ぶ―す―ぅ!」
「あぁ―――わん!」

 え、なんて?ブス?ワン?風の所為か声が聞こえにくい。まぁでも、大方「大丈夫です」と「ああ、構わん」とかそんな感じだろう。・・・これちゃんと調節できるのか?ちょっと心配になってきた。

 30分くらい飛んだだろうか。いくつか村や町を上から見下ろしながら飛んだ時、左側にいたアストラさんに袖を引っ張られた。何事かと思って、止まると声を掛けられた。

「もう少し西の方に向かえるか?」
「あ、わかりました。」

 こんな感じで何度か調節をし、村にたどり着いたのはそれから大体10分後くらいだった。
着いた村は、アストラさんのように肌が青っぽく、耳が鰓の形をしている部族がたくさん住んでいる村だった。村の周りががけで覆われ、入り江の状態になっている様だった。綺麗な村だなぁ、と思っていると、村の人が駆け寄ってきた。

「あ、アストラ様!おかえりなさいませ!!・・・して、そちらの方々は?」
「ああ、ただいま。この二人は杜の方で世話になったのでな。ちょっとした事情のためにこの村の場所も覚えておいてもらおうと思ってな。連れてきた。」
「あ、中 優里っていいます。こっちはアリア・ウルリアです。」
「そうでしたか、アストラさんのお連れの方ということならば村一番の宿でもてなしましょう。」
「有難うございます、でもすぐに帰」
「折角来たんだ、ゆっくりしていけ。」
「わ、わかりました。有難うございます。」

 そこでアストラさんとは別れ、俺とアリアは宿と思われる建物の中に案内された。部屋は12畳くらいでそこそこ広かった。と、いうか一部屋しか案内されてないし、ベッドも一つしか無いけど、結局またアリアと寝るってことか?・・・俺の理性よ、頑張ってもってくれ・・・!
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