現世の常識なんて異世界では通じなかった話

(´と・ω・び`)

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第八章 水の国

二節 王国

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第八章 二節

 表があれば、裏があるように。光が差せば影ができるように。この活気あふれる都市にも暗く、陰湿な面があった。簡単に言えば、奴隷売買・窃盗・強盗。昼間は衛兵が見回っているから安全に思える。夜も見回ってはいるが、衛兵が強盗に遭うケースもあるという。表があれば裏があるのは、自然の摂理ともいえるが、裏の面を侮っていると最悪この世界の場合死ぬ。

 街を散策している衛兵や冒険者から、宿の場所を聞きながら歩いた。ふと、とある路地で喧嘩をしているような声が聞こえる。女の子の声と、数人の男たちの声。何を言っているかまではわからないが、まぁ・・・大体察しの通りだろう。奴隷にするための人攫いか、もしくは・・・強姦か。大体そんなもんだろう。
 アリアを自分の陰に隠し、路地を奥に進む。だんだん声が聞こえてきた。

「おとなしくしやがれ!」
男が叫ぶと同時に、頬を叩く音が聞こえた。
「やだー!!離して!!!!」
甲高い少女の叫び声。アリアを路地裏のところに隠れさせて、出た。
「おい、何してんだ。」
「あぁ?」

見れば、男二人が麻袋と縄を持って少女の腕を掴んでいる。片方はゴリゴリのマッチョメン。もう片方は、顔はフードでわからなかったが、魔術師のようだった。その魔術師がこちらに気づいたの詠唱を始める。それを土の槍を発生させて牽制。さらに槍を伸ばし、心臓を一突き。マッチョメンもそれで警戒したらしく、その少女を盾にした。

「お、おい・・・。クソッ!てめぇ!こいつがどうなってもいいのかぁ!?」
「さぁ・・・どうなろうと構いませんよ。私からしてみれば見ず知らずの他人ですので。」
「なっ・・・!」

 疎かになっている後ろから槍で一突き・・・もよかったが、やめた。それじゃあ面白味がないだろう?足元から敵の身体ごと土の柱を作る。手も足も出ないとはこのことか。出るのはせいぜい虚勢と命乞いくらいなものだった。その柱の内部。つまり、この男と接している部分から徐々に。ゆっくりと。幾千もの棘を出す。さながら、アイアンメイデンってところか。

「いっ・・・うわ・・・やめっ」
この辺りはまだチクチクする程度だろう。
「ぐっ・・・なぁああぁアァぁぁアアああアア!!!!」
おっ。刺さったか。

 その後も緩ませることなく針を貫いた。一本一本はせいぜい刺繍針程度の太さなので、即死なんてことは無いだろう。

「やっ・・・やめっ・・・いづっ」

そういって土より外に出している身を捩る。次は針を振動させてみた。時折ぐちゅっという音が聞こえる気がするが気のせいだろう。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
恐らく、土の中はもう血や肉片でぐっちゃぐちゃになっているのであろう。
「もう・・・やめ」

やめて欲しいようなので、地上10mくらいあるところで土魔法を解除する。太ももや下腹部、腕などいろいろな箇所が削がれた元マッチョが大量の血と共に落ちてきた。べちょっという音と共に地面に衝突した。
 もう虫の息だったが、最後に返しの付いた土の槍を地面から出し、男を突き刺して空中に固定する。そして、槍の先に土塊を発生させた。

パァァァァアアアアアンッ!!

轟音と共に血と肉片。更には見て取れるものだと大腸や肺なんかの臓器が辺りに飛散した。

「大丈夫ですか?」
・・・いや、冷静になって考えてみたらここまでやっている俺の方が怖がられるか。
「だ、大丈夫です。あの、お強いんですね・・・。」
彼女は少し俯く。ああ、やらかしたか。
「尊敬します!!」
杞憂だったようだ。

 どうやら彼女はこの国の王女の侍女(替え玉)ということらしい。今回もそういった一件らしい。一応衛兵は付いていたらしいが、助かる見込みは無いと切り捨てられたらしい。ひどい話だな。一応近衛侍女としての役割を果たすため、魔法の心得があったらしく、俺の技を凄いと褒めてくれた。怖がられるかと思ったが、意外とそうでもないようだ。俺とアリアを連れ、城へと足を運んだ。
 城へ入ると、王の家臣らしき人の前に連れてこられた。この侍女さんが戻ったことに驚いていたらしい。侍女さんは、その家臣さんに俺を命の恩人だ。と紹介してくれた。

 特に家臣の人から感謝とかの言葉は無かったが、一応の恩があるということで一部屋貸してもらえることになった。一人一部屋ずつ与えられた。そういえば、久々に一人で寝る様な気がする。今まで大抵一人で眠れないからとアリアが布団に入ってきたものだったが、今日は居なかった。
と、思ったら、意識を手放しかけていたころになって部屋に入ってきた。

「ん・・・?あれ、・・・アリア?」
「・・・一緒に寝ても・・・?」

 黙って布団の端を持ち上げると、持ち上げたところに入ってきた。なんというか恋人みたいだな。最初のころは襲うor襲わないで脳内で審議した結果ヘタレたものだったが、なんというか最近は、妹のように思えてきた。・・・というか、この世界での成人って15だったよな・・・。この子はそういう意識あるのかな?じゃなかったら・・・危なくね・・・?

「ねぇ。ユーリさん。」
「え、うんなに?」
「私・・・邪魔じゃないですか?」
「・・・え、なんで?」
「私・・・魔法とかもそんなに使えないですし・・・その・・・。」
「気にしなくていいよ。大丈夫だから。」

そういうと、くるっとこちらに寝がえりを打って俺の腕を枕にした。
気づくとそのまま意識を手放していた。
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