38 / 39
第八章 水の国
三節 仲間
しおりを挟む
第八章 三節
「貴様が例の魔導士か。」
ふてぶてしい顔をして、玉座にどっかりと座っている、この国の王様が口を開いた。例のと付いていることから、恐らく昨日の話は伝わっているんだろう。せいぜい侍女を助けた魔導士くらいだろうが。
「お初にお目にかかります。ユーリ・ウルリアと申します。こちらが妹の・・・」
「あ・・・アリアです・・・。」
「ふむ。顔は似てないようだが・・・。腹違いか何かか。」
「ええ、そんなところです。」
この国の礼儀や作法は分からないので、とりあえず日本式に一礼。
「まぁ、一応恩はあるからな。何が欲しい。金か?地位か?」
「そうですね・・・。」
正直、金は蒼竜の時のがまだ350万ほどあるし、別にこの国で生きるつもりもないから地位も要らない。
「・・・そういえば、一つ質問をよろしいでしょうか。」
「ん?なんだ?」
「僕が助けたのって侍女の方ですよね。それくらい・・・っていうと失礼だとは思うんですが、それで地位とかっていうのは大げさなんじゃ・・・。」
「・・・歯切れの悪い奴だな。あやつは王女の側近でもある。侍女とは言えど、それなりに地位の高い者だ。助けてもらっておいて礼を渡さんのはいささか失礼というものだろう。」
こういう王族の人とかってそういった人たちを物みたく扱うと思っていたが、意外とそうでもないのかもしれない。ふてぶてしい顔をしているとか失礼なことを考えてしまって申し訳なかったな。人を見た目で判断するのはよくなかった。とりあえず、礼を貰えるということなので何を貰おうか考えよう。なんだろ・・・。ああ、そうだ。
「お礼の話ですが。」
「ほう、決まったか。」
「ええ。これから土の国 テラに向かおうと思うんですが」
「ほう、テラか・・・。」
「・・・はい。それで、テラの地図が欲しいのです。」
「ふむ・・・。おい、テラの地図なんかあったか?」
「確認して参ります。少々お待ちくださいませ。」
そういうと、執事らしき人は部屋から出て行った。
暫くすると2m近くはありそうなスクロールを持って戻ってきた。そして、そのスクロールを俺の前に広げた。
「こちらが土の国 テラの地図にございます。」
土の国は、今までの国の形とは一風変わった形の大陸だった。なんというか・・・新潟県みたいな。
「なるほど・・・。あれ、土の村かもしくは土の杜ってどこですかね。」
「土の村はテラでも北西にあるこの島にございます。杜の方は・・・すみませんが、あまりわかりません。土の村に近いところにはあると思いますが・・・」
「そうですか、分かりました。そういえば、土の国に渡るにはどこから行けばいいですかね。」
「水の国の南東部、アクアスから行くことができます。」
なんかどっかの水族館みたいな名前だな。
「なるほど・・・有難うございます。」
「・・・本当にこの程度の事でいいのか?」
「ええ、大丈夫です。ありがとうございました。」
「そうか・・・。そういえば貴様は冒険者か?」
「はい。」
「ふむ・・・護衛でもつけてやろうかと思ったが・・・冒険者なら大丈夫か。」
「そうですね・・・仲間は居ればいるだけ安心できますが・・・。」
「まぁ、一応つけておいてやろう。そうだな・・・。エイダを連れてこい。」
「畏まりました。」
その声にまた執事が動く。
2,3分といったところで一人の女性を連れて戻ってきた。その顔には俺も見覚えがある。
「あれ、昨日の・・・。」
「はい、昨日は有難うございました。」
「多少なりとも顔なじみの方がいいであろう。」
「いや、でも王女様の側近って・・・」
「そんなものいくらでもおる。」
ぴしゃっと言い切られた。やはり物と思って扱っているのだろうか。なんとも判断しがたい。
「そいつは多少なり剣と魔法の知識がある。使えないということは無かろう。」
「そうですか・・・。なら。」
昨日の、もとい、エイダさんの方を見る。
「ご同行して頂いてもよろしいでしょうか?」
「はい。よろしくお願い致します。」
[エイダが なかまに 加わった▼Ⓐ]
なんてテロップと見方が増えた時のSEが脳内で流れた(気がした)
アリアとエイダを連れて、水の国の東側へ向かう。この国からでいうと、大体南東の方だろうか。このアクアラグーンからアクアスまで向かう。案の定浮かせたときにとても驚いていたが、しばらくすると慣れてきたようだった。
「大丈夫ですか?」
「えぇ、とっても驚きましたが・・・。これものすごく便利ですね!というか詠唱してないように思いましたが・・・。」
「あぁ・・・まぁ、なんか無詠唱みたいな感じですよ。」
「へぇ~、なるほど!」
エイダさんは話してみると意外と気さくな感じで、話しやすかったのが意外だった。王様の前ではもっとこう、堅苦しい感じだったからだ。案外、話好きなのかもしれない。というか、多分そうだろう。
ちょくちょく話しながら飛んでいると、アクアスの街が見えてきた。
「貴様が例の魔導士か。」
ふてぶてしい顔をして、玉座にどっかりと座っている、この国の王様が口を開いた。例のと付いていることから、恐らく昨日の話は伝わっているんだろう。せいぜい侍女を助けた魔導士くらいだろうが。
「お初にお目にかかります。ユーリ・ウルリアと申します。こちらが妹の・・・」
「あ・・・アリアです・・・。」
「ふむ。顔は似てないようだが・・・。腹違いか何かか。」
「ええ、そんなところです。」
この国の礼儀や作法は分からないので、とりあえず日本式に一礼。
「まぁ、一応恩はあるからな。何が欲しい。金か?地位か?」
「そうですね・・・。」
正直、金は蒼竜の時のがまだ350万ほどあるし、別にこの国で生きるつもりもないから地位も要らない。
「・・・そういえば、一つ質問をよろしいでしょうか。」
「ん?なんだ?」
「僕が助けたのって侍女の方ですよね。それくらい・・・っていうと失礼だとは思うんですが、それで地位とかっていうのは大げさなんじゃ・・・。」
「・・・歯切れの悪い奴だな。あやつは王女の側近でもある。侍女とは言えど、それなりに地位の高い者だ。助けてもらっておいて礼を渡さんのはいささか失礼というものだろう。」
こういう王族の人とかってそういった人たちを物みたく扱うと思っていたが、意外とそうでもないのかもしれない。ふてぶてしい顔をしているとか失礼なことを考えてしまって申し訳なかったな。人を見た目で判断するのはよくなかった。とりあえず、礼を貰えるということなので何を貰おうか考えよう。なんだろ・・・。ああ、そうだ。
「お礼の話ですが。」
「ほう、決まったか。」
「ええ。これから土の国 テラに向かおうと思うんですが」
「ほう、テラか・・・。」
「・・・はい。それで、テラの地図が欲しいのです。」
「ふむ・・・。おい、テラの地図なんかあったか?」
「確認して参ります。少々お待ちくださいませ。」
そういうと、執事らしき人は部屋から出て行った。
暫くすると2m近くはありそうなスクロールを持って戻ってきた。そして、そのスクロールを俺の前に広げた。
「こちらが土の国 テラの地図にございます。」
土の国は、今までの国の形とは一風変わった形の大陸だった。なんというか・・・新潟県みたいな。
「なるほど・・・。あれ、土の村かもしくは土の杜ってどこですかね。」
「土の村はテラでも北西にあるこの島にございます。杜の方は・・・すみませんが、あまりわかりません。土の村に近いところにはあると思いますが・・・」
「そうですか、分かりました。そういえば、土の国に渡るにはどこから行けばいいですかね。」
「水の国の南東部、アクアスから行くことができます。」
なんかどっかの水族館みたいな名前だな。
「なるほど・・・有難うございます。」
「・・・本当にこの程度の事でいいのか?」
「ええ、大丈夫です。ありがとうございました。」
「そうか・・・。そういえば貴様は冒険者か?」
「はい。」
「ふむ・・・護衛でもつけてやろうかと思ったが・・・冒険者なら大丈夫か。」
「そうですね・・・仲間は居ればいるだけ安心できますが・・・。」
「まぁ、一応つけておいてやろう。そうだな・・・。エイダを連れてこい。」
「畏まりました。」
その声にまた執事が動く。
2,3分といったところで一人の女性を連れて戻ってきた。その顔には俺も見覚えがある。
「あれ、昨日の・・・。」
「はい、昨日は有難うございました。」
「多少なりとも顔なじみの方がいいであろう。」
「いや、でも王女様の側近って・・・」
「そんなものいくらでもおる。」
ぴしゃっと言い切られた。やはり物と思って扱っているのだろうか。なんとも判断しがたい。
「そいつは多少なり剣と魔法の知識がある。使えないということは無かろう。」
「そうですか・・・。なら。」
昨日の、もとい、エイダさんの方を見る。
「ご同行して頂いてもよろしいでしょうか?」
「はい。よろしくお願い致します。」
[エイダが なかまに 加わった▼Ⓐ]
なんてテロップと見方が増えた時のSEが脳内で流れた(気がした)
アリアとエイダを連れて、水の国の東側へ向かう。この国からでいうと、大体南東の方だろうか。このアクアラグーンからアクアスまで向かう。案の定浮かせたときにとても驚いていたが、しばらくすると慣れてきたようだった。
「大丈夫ですか?」
「えぇ、とっても驚きましたが・・・。これものすごく便利ですね!というか詠唱してないように思いましたが・・・。」
「あぁ・・・まぁ、なんか無詠唱みたいな感じですよ。」
「へぇ~、なるほど!」
エイダさんは話してみると意外と気さくな感じで、話しやすかったのが意外だった。王様の前ではもっとこう、堅苦しい感じだったからだ。案外、話好きなのかもしれない。というか、多分そうだろう。
ちょくちょく話しながら飛んでいると、アクアスの街が見えてきた。
0
あなたにおすすめの小説
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。彼女が父親を亡くしてからの爵位は、叔父(父親の弟)が管理してくれていた。
彼女には亡き父親の決めた婚約者がいたのだが、叔父の娘が彼を好きだと言う。
彼女は思った。
(今の公爵は叔父なのだから、その娘がこの家を継ぐ方が良いのではないか)と。
今後は彼らの世話にならず、一人で生きていくことにしよう。そんな気持ちで家を出たコロネだった。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる