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今日みたいな日をきっと厄日と言うんだろう
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雪がしんしんと降り積もる中、俺の気合いの入った声が響く。
「おぅうりゃっ!」
バチバチと雷をまとった剣で凍らせたカニの後ろ脚の付け根を思いっきり叩く。すると脚の付け根から ボキンッ と気持ち良い音がして脚が綺麗に外れた。
すぐに後ろに後退して距離をとる。
「ふぅ、まず1本~。」
カニは脚が左右に4本ずつ計8本ある。移動する時は胴体を腹這いにして左右4本の脚を順々に繰り出して移動するのだが、鋏を使って攻撃する時は胴体を浮かせて後ろ脚左右2本ずつの計4本で支えて鋏を振り下ろして来る。
なので先に後ろ脚左右2本ずつを順番に潰していくと、攻撃の際の可動域が格段に狭まるし、移動する時も体を1部引きづらなくては行けなくなるので、この方法が定石である。俺の育った村ではね!
1番厄介な鋏を先に潰すという手もあるが、大抵のカニは大振りなので隙も多く避けるのに苦労はさほど無い。
なので大きく振りかぶってくる鋏を潰すよりは先に脚を潰して動きを鈍らせた方が後がとても楽である。
よし、次も右後ろ!2本目!
右手に持った剣に冷気を纏わせる。
因みに俺は今双剣の右剣だけを構えている状態だ。
何故かと言うと、寒さで鈍っている相手の動きは余裕で避けられるから受け止める必要はないし、甲羅で硬いから手数で勝負、ではなく確実に弱い部分を突く為に左手を補助として空けているためだ。
たとえ硬い甲羅で全身を覆っていても、稼働する関節部分には甲羅同士がぶつからないように少し隙間がある。そこを確実に突くのである。
カニの鋏が俺を狙って振りかぶって来るが、脚が1本無いせいで狙いが定まらないのか動きがブレている気がする。
それを難なくいなして距離を詰めて、
パキパキンッ
剣を関節の隙間に突き刺すと同時に氷魔法で周囲を固める、一旦剣を抜き構え直して今度はバチバチと雷を纏わせて思いっきり振り下ろす。
「っおりゃ!」
ガキンッ
2本目も難なく落とす。
右側の脚が半分になったお陰で体重を支えられなくなったカニがこちら側に倒れて来たので、それも後退して難なく避ける。
少し距離をとって観察する。
反対側の脚は落とさなくても良さそうだな。んじゃ、あとはでっかい方の鋏を潰しますか!
大きな鋏の右側に回り込む。
元々雪と寒さで動きが鈍いのに、脚を落とすために凍らせていったので最初の頃に比べて更に動きが鈍くなっている。
危なげなく、鋏のある右腕の根元部分を同じように冷気を纏った剣で突き刺して凍らせ、一旦抜いて雷を纏わせてまた思いっ切り振り下ろす。
「うぉりゃっ!」
バキンッ
ガキンッ
脚を落とすために振り下ろした衝撃とは違う衝撃と、脚を落としたのと違う音が聞こえて持っていた剣を見た。
「・・・え?」
俺の剣が、黒めの刀身の3分の1程先が、盛大に欠けていた。
「欠けっ、えっ!俺の剣が!・・・っ!!」
俺の動揺を察知したのか、途端にカニが残っている脚で地面を蹴り、体を回転させて小さい方の鋏を俺目掛けて突き出してきた。
俺はそれを欠けた剣で一旦受け止め、突き出してきた勢いを使って体を捻って鋏を地面へ向かわせる。
咄嗟にもう一方の剣を出し、欠けた方の剣は手放して、両手で持って目の前にある関節を、風魔法で強化した剣でぶった斬った。
そして後退して距離をとる。
俺の剣が欠けた・・・今までずっと、5年間一緒に戦って来たのに!イルより長い間一緒だったのに!・・・もう今日は最悪だ。
「エクスプロージョン」
自分の声とは思えない程低い声が出た。
怒りそのままにカニのお腹の下で小爆発を起こしてカニをひっくり返させる。そのまま近づいで柔らかい腹側の節と節の間に剣を突き立てて
「サンダーボルト」
電撃でトドメを刺す。
そのままカニはピクリとも動かなくなった。
「はぁ。もうほんっと最悪。」
倒したカニには目もくれず、欠けて手放してしまった剣の方へ行き、降り積もる雪で隠れそうになっていたそれを拾い上げる。
「あぁぁぁ。でっかく欠けてる。まぢかぁ・・・。」
少し色の濃い刀身の3分の1から先が大きく欠けている。きょろきょろと辺りを見回すと、欠けた部分にしては小さいが破片が雪の中に落ちていたのでそれも拾う。
ぅぅ。欠けちゃった。本当に欠けてる。どうしようこれ、こんな事初めてなんだけど。鍛冶屋とかで直してもらえるのかなぁ。でも破片どう見ても足りないし、直せるのかなぁ。ぁぁぁ、なんかもう、もう、もうもうもう!なんなの今日は!
定時には帰れないし、人災に巻き込まれて予定は狂うし、俺の愛剣は欠けるし・・・厄日ってこういう日の事をいうのかなぁ、ぁぁもぅ泣きたいぃぃぃ。
「団長、大丈夫です、か?」
ミッキィが俺の傷心した様子に近づいて声を掛けてきてくれる。
「ミッキィ見て、俺の剣、欠けちゃったぁ。」
ミッキィに盛大に欠けた部分を見せる。
「あ。だ、大丈夫です団長!鍛冶屋、私良い鍛冶屋を知っていますので紹介します!直してもらいましょう?・・・だから団長、泣かないでくださいよ。」
「泣いてなんかないし。」
どうやら俺は今にも泣きそうな顔をしてるらしい。
「おぅうりゃっ!」
バチバチと雷をまとった剣で凍らせたカニの後ろ脚の付け根を思いっきり叩く。すると脚の付け根から ボキンッ と気持ち良い音がして脚が綺麗に外れた。
すぐに後ろに後退して距離をとる。
「ふぅ、まず1本~。」
カニは脚が左右に4本ずつ計8本ある。移動する時は胴体を腹這いにして左右4本の脚を順々に繰り出して移動するのだが、鋏を使って攻撃する時は胴体を浮かせて後ろ脚左右2本ずつの計4本で支えて鋏を振り下ろして来る。
なので先に後ろ脚左右2本ずつを順番に潰していくと、攻撃の際の可動域が格段に狭まるし、移動する時も体を1部引きづらなくては行けなくなるので、この方法が定石である。俺の育った村ではね!
1番厄介な鋏を先に潰すという手もあるが、大抵のカニは大振りなので隙も多く避けるのに苦労はさほど無い。
なので大きく振りかぶってくる鋏を潰すよりは先に脚を潰して動きを鈍らせた方が後がとても楽である。
よし、次も右後ろ!2本目!
右手に持った剣に冷気を纏わせる。
因みに俺は今双剣の右剣だけを構えている状態だ。
何故かと言うと、寒さで鈍っている相手の動きは余裕で避けられるから受け止める必要はないし、甲羅で硬いから手数で勝負、ではなく確実に弱い部分を突く為に左手を補助として空けているためだ。
たとえ硬い甲羅で全身を覆っていても、稼働する関節部分には甲羅同士がぶつからないように少し隙間がある。そこを確実に突くのである。
カニの鋏が俺を狙って振りかぶって来るが、脚が1本無いせいで狙いが定まらないのか動きがブレている気がする。
それを難なくいなして距離を詰めて、
パキパキンッ
剣を関節の隙間に突き刺すと同時に氷魔法で周囲を固める、一旦剣を抜き構え直して今度はバチバチと雷を纏わせて思いっきり振り下ろす。
「っおりゃ!」
ガキンッ
2本目も難なく落とす。
右側の脚が半分になったお陰で体重を支えられなくなったカニがこちら側に倒れて来たので、それも後退して難なく避ける。
少し距離をとって観察する。
反対側の脚は落とさなくても良さそうだな。んじゃ、あとはでっかい方の鋏を潰しますか!
大きな鋏の右側に回り込む。
元々雪と寒さで動きが鈍いのに、脚を落とすために凍らせていったので最初の頃に比べて更に動きが鈍くなっている。
危なげなく、鋏のある右腕の根元部分を同じように冷気を纏った剣で突き刺して凍らせ、一旦抜いて雷を纏わせてまた思いっ切り振り下ろす。
「うぉりゃっ!」
バキンッ
ガキンッ
脚を落とすために振り下ろした衝撃とは違う衝撃と、脚を落としたのと違う音が聞こえて持っていた剣を見た。
「・・・え?」
俺の剣が、黒めの刀身の3分の1程先が、盛大に欠けていた。
「欠けっ、えっ!俺の剣が!・・・っ!!」
俺の動揺を察知したのか、途端にカニが残っている脚で地面を蹴り、体を回転させて小さい方の鋏を俺目掛けて突き出してきた。
俺はそれを欠けた剣で一旦受け止め、突き出してきた勢いを使って体を捻って鋏を地面へ向かわせる。
咄嗟にもう一方の剣を出し、欠けた方の剣は手放して、両手で持って目の前にある関節を、風魔法で強化した剣でぶった斬った。
そして後退して距離をとる。
俺の剣が欠けた・・・今までずっと、5年間一緒に戦って来たのに!イルより長い間一緒だったのに!・・・もう今日は最悪だ。
「エクスプロージョン」
自分の声とは思えない程低い声が出た。
怒りそのままにカニのお腹の下で小爆発を起こしてカニをひっくり返させる。そのまま近づいで柔らかい腹側の節と節の間に剣を突き立てて
「サンダーボルト」
電撃でトドメを刺す。
そのままカニはピクリとも動かなくなった。
「はぁ。もうほんっと最悪。」
倒したカニには目もくれず、欠けて手放してしまった剣の方へ行き、降り積もる雪で隠れそうになっていたそれを拾い上げる。
「あぁぁぁ。でっかく欠けてる。まぢかぁ・・・。」
少し色の濃い刀身の3分の1から先が大きく欠けている。きょろきょろと辺りを見回すと、欠けた部分にしては小さいが破片が雪の中に落ちていたのでそれも拾う。
ぅぅ。欠けちゃった。本当に欠けてる。どうしようこれ、こんな事初めてなんだけど。鍛冶屋とかで直してもらえるのかなぁ。でも破片どう見ても足りないし、直せるのかなぁ。ぁぁぁ、なんかもう、もう、もうもうもう!なんなの今日は!
定時には帰れないし、人災に巻き込まれて予定は狂うし、俺の愛剣は欠けるし・・・厄日ってこういう日の事をいうのかなぁ、ぁぁもぅ泣きたいぃぃぃ。
「団長、大丈夫です、か?」
ミッキィが俺の傷心した様子に近づいて声を掛けてきてくれる。
「ミッキィ見て、俺の剣、欠けちゃったぁ。」
ミッキィに盛大に欠けた部分を見せる。
「あ。だ、大丈夫です団長!鍛冶屋、私良い鍛冶屋を知っていますので紹介します!直してもらいましょう?・・・だから団長、泣かないでくださいよ。」
「泣いてなんかないし。」
どうやら俺は今にも泣きそうな顔をしてるらしい。
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