【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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鍛冶屋の親方ってクマさんが多い気がする

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太陽が上がる頃にはだいぶ首都から離れてきたと思う。
途中でピグに全速力で走らせたりなんかもしてたから、予定よりは大分進んでるんじゃないかな?

そろそろ町も動き出すだろうから、何処か適当な所でご飯と位置を確認しようかな。

町も幾つか超えてきて、夜中だったから普通に通り過ぎて来たけれど、昼間だったら寄ってみたい町も幾つかあった。

ああ、早く団長なんか辞めてのんびり旅して、適当な町に居ついてのんびり過ごしたいなぁ!
そういえば俺が首都に来てから5年も経ってるのか。早いなぁ。こんなに長く居座るつもりは無かったんだけどなぁ。

やっぱりまずは海!海見に行きたいなぁ。イカも美味しかったし、他にも俺の知らない食べ物いっぱいありそう!海の男って色黒でタンクトップのイメージだけど本当かな?やっぱり一度は足を運んで実際に見てみたいな!

団長なんかやってなかったら、辞めることもすぐ出来るのに。そしたら今頃も何の憂いもなくハルトの町まで行けてたはずだし。いやって言うかそもそも団長じゃなかったら剣も欠けてなかったんじゃない!?

俺本当になんで団長やってんだろう?いや、誰かさんに嵌められて団長になったんだった。

はぁ~。なんか考えてたら色々嫌になってきた。
逃げちゃおうかな、このまま。

いやいや何考えてんの。ピグだって騎士団所属なんだし俺ただの窃盗犯じゃん。エディス誘拐犯にもなっちゃう??ダメダメそんなの。寝てないから!寝てないから思考が悪い方向に引きずられてるんだ!

早くハルトに着いて剣を見てもらおう!そして一旦寝よう。



「イリィ、そろそろどこかの町で休憩とご飯食べない?」

エディスが疲れた顔で伺ってくる。
エディス、付き合わせちゃってごめんね。

「そうだね、そろそろしっかり食べよっか。ハルトに着くまでは寝ないからお腹いっぱいまではダメだよ?」
「ん、わかったぁ。」

エディ眠そうだなぁ。
とりあえず、俺たちは次の街で朝ごはんを食べることにした。

食堂でエディスが定食を頼んだので俺はそれをちょっと貰う。エディスにまで食べる量が少ないと心配された。

そんなに心配するほどか?そもそもの食べる量が違うんだし、今はとにかくハルトまで行って、剣が直せるか確認したいし。

「女将さん。ハルトの町まではあとどれくらいですか?」

食堂を後にする際に女将さんが居たので聞いてみる。

「ああ、ハルトなら2つ先の町だよ。もう行くのかい?」
「はい、そこで作ってもらったのが欠けちゃって直してもらいたくて。ご飯美味しかったです、ご馳走様でした!」
「あ、そういや、途中で盗賊狼が出るって噂だよ。気をつけな。」
「はい、分かりました。情報ありがとうございます。」


「盗賊狼だって。どれくらいの群れかな?」
「イリィ、もしかして討伐していくつもり?」
「偶然襲われたらね?とりあえず鍛冶屋が先。」
「僕、補給要員だから実戦は自信ないっていうか怖いんだけど。」
「一介の騎士団員が何言ってんの。訓練だってキチンとしてんだから怖いとか言うな。」
「僕、実戦経験が極端に少なくて。」
「そっかぁー。実戦経験、ね。」

俺がにまにまエディスの顔を見たら、彼は顔を引き攣らせた。

「ひぇっ。まさか。」
「剣を預けた後は暇だと思うから実戦経験たくさん積もうか!ここら辺だともう冬眠終えてる方が多いでしょ!」
「ぇぇぇぇぇー。」
「とりあえずハルトの町まで急ごっ」

ハルトの町まで順調だった。
朝だったからかな?盗賊狼も他の獣達も出て来なくてすんなりとハルトの町に着いた。

ハルトの町は後ろに聳え立つ双子山の片方から良質の鉄が採れることから剣作りが盛んになって栄えた町だ。
今は鉄そのものを首都に運んでいるため、鍛冶屋はむしろ首都の方が多い。けれど昔ながらの店を続けているのもあって、剣を見るなら首都の次にはここ、ハルトの店を見て回るのが良いとされている。
ハルトの町は赤オレンジ色のレンガ造りの建物が多い。
暖かみのある雰囲気の通りになっている。
これも、双子山の土がレンガ造りに最適だから、ということだ。

「伝えた時間よりだいぶ早いけどいっか。早く見て貰えるならその方が良いし。」
「僕は早く寝たいよ。」
「そうだね、エディ適当な宿屋探してきてよ。」
「いや、イリィを1人にするなって散々言われてるから着いていく。」
「何それ、本当に信用ないなぁ。俺じゃない人に団長やらせればいいのに。えーと、古い建物古い建物・・・。」
「・・・。」
「あ、あれかな!・・・ウーリスって書いてあるのかなこれ。」

メイン通りのさらに奥、建物が疎らになってきた所に目当ての鍛冶屋と思しき建物を発見した。
いかにも古い!という感じのする、表面が風化して粉っぽくなって、角は既に丸みを帯びたレンガ積みの建物に、木でできた文字が掠れて所々判別の出来ない看板がぶら下がっていた。

「これ、建物として大丈夫なのかな。」

だって見てよここ!レンガ積みの建物なのにここレンガ無いんだけど。すっぽり抜けてて穴が、・・・あぁ、内側から板打って穴は閉じてあるっぽいけど大丈夫なのか本当に・・・。
俺たちが入ってる間に倒壊したりとかしないよね?
とりあえず、意を決して入る。

カランコロン。

扉を開けると木で出来たベルの優しい音が響く。
扉を開けると外観とは似ても似つかない、木の温もりで溢れた店内だった。外から入る光が優しく壁や床に反射して柔らかく店内を照らし、古い感じは一切しない。

「すみませーん。お邪魔しまぁす。」
「こんにちはー。」

いつも通り声を掛けながら入る。
するとカウンター奥の扉から親方と思しき厳つくてガタイのいいクマ耳の人が現れた。

ここの親方もクマなのかな。

「あ?こんなとこに坊主がどうした?」

「ぁ、すみません。昨日の夕方、大きな箱でえっと、首都のお店の、あー、ヤバい親方の名前忘れた、えっとそれで俺の剣が欠けちゃってて、このウーリスっていうお店で見てもらえることになって、えっと、それで来た、んですけど。」

じっと俺のしどろもどろの説明を聞いていた親方は突然ニヤッと笑って俺に言った。

「おぉ、お前かぁ!声が若ぇなって思ったけど実物はガキだな!ちょっと待ってろ今呼んでくるわ!ぁ、そこに欠けたの出しといてくれ。」

そう言って奥に引っ込んで行った。
とりあえず言われた通り双剣を出しておく。

「呼んでくるって親方は別に居るってことかな?」
「どうなんだろ?今の人すごい親方っぽいけど。」
「だよねぇ。」


もっとデカイ人でも出てくるのかな。

俺たちはそこら辺に適当に置いてあった椅子に座ってその人を待った。
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