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小学校の頃を思い出してる場合じゃない
しおりを挟むガヤガヤガヤガヤ
廊下はまるで祭りの様な騒ぎとなっていた。まぁ確かにそうだろう、この学校の成績によって僕たちの未来は大きく変わる。逆にここでいい成績で卒業すれば将来は約束されたも同然なのだ。
(そろそろ見に行こうか。)
僕はぶっちゃけそこまで成績に興味はなかった、少し年上の大人達が己の経験などという形のない査定方法で生み出した答えに真実などない。しかし学校にいる間は自分の立場を分かっておく必要がある。紙の前に立ち、結果用紙に目を移す。
(おそらく下の辺りだろう。)
名前がなかなか見つからない、400名の中から1つを探すのだから無理はないだろう。
下から順番に目で追う、
390……380
5、4……
(おいおいまさか、)
3、2、………1………
(はい?無いし。)
ちょっと待て、名前がないんだが。よくあるあれだろ、小学校の卒業式とかでみなさんちゃんと校長先生のハンコ押してありますね~?ないと卒業できませんよ~。って先生が冗談で言ってくるけど本当にないみたいな…
そんな事ある?
ちょんちょん
そんな無駄にに頭を回転させている僕の肩を誰かが突いた。
「漣くんの名前ならあそこに書いてあるよ。」
・・・
首筋までのびたふわふわの髪の毛に、少し垂れ目君の眼、高校生とは思えない低身長。
誰だったっけなぁ、なんか覚えがある様でない様な。僕が頭を悩ませていると、
「私だよ。漣くんの後ろの席の清水谷 小春(しみずだに こはる)。」
今度は後ろの席の方でしたか、失礼しました。
「し、清水谷さん、ありがとう。」
しどろもどろながら返答し、僕の名前が書いてあるという紙の前に向かう。するとそこには
漣 羽音 測定規則違反 再測定
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