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AVATAR

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さてと、

範囲の広い魔法を使うと楽なんだが、
それでは教官や生徒も巻き込んでしまう。

仕方ない。

テレポートトランスファーシステム 

「AVATAR(アバター) 発動。」

座標入力22036.22078.22063.22076・・・・・・

全ての敵の位置を把握、座標入力完了。

分身を開始、1278体。

ショックアブゾーバー起動。

空間移動開始。

ーシュンー

1278体の僕が1278体の敵の位置に
同時に一瞬で移動する。

AVATAR オリジナルと同期。

同期する事によって全ての分身が
僕と同じ動きをする事が可能になる。

右手で黒い影に触れる。

「ばいばい」

フシュー

右手が影を吸い込む。


AVATAR解除 

全ての分身と、全ての影が消えた。

皆からしてみればほんの一瞬の出来事だった。

これ以上敵も湧いてくる様子はない。

学校側の勝利だ。

負傷者3名、死者0名 
これだけの被害で抑える事ができた。

さてと彼女を迎えに行かなきゃ。

これ以上力を晒す必要はないだろう、
普通に走って向かう。

「終わったよ、ケガは?」

「大丈夫・・・」

「よかった、じゃあみんなの所へ行こうか。」

「ぁりがとう、、」

声が小さくて聞こえない。

「ん、何だって?」

・・・

「ありがとう!!」

うおっ、鼓膜が破けるかと思った。
そういうと彼女はみんなの元へ走っていった。

と思ったが途中で止まり、こちらを振り向く。

・・・

しかし何も言わず、
また振り向き直して走りだした。



やっぱり女の子はよくわからない。




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