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ep.4 悪魔と一緒だと、宿が見つからない
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結論から言うと――
宿は、見つからなかった。
「すみません、満室でして」
「悪魔はちょっと……」
「いや、その……怖いので……」
「はいはい、次行こ」
「ねー、主。人間って正直だよね」
「今はそれ褒めてないからな」
シェルター都市カレイド。
安全。清潔。秩序。
――悪魔付きには、だいぶ居心地が悪い。
「昔はもっと適当な宿、多かったんだけどな」
「ねー。草の上で寝る日もあったよね」
「あったな」
ルナが懐かしそうに笑う。
もう、どれくらい一緒に旅してるだろう。
世界の端から端まで、悪魔だらけの土地を二人で歩いてきた。
「主、あのとき覚えてる?」
「どれだよ」
「初めて会ったとき」
「……覚えてるよ」
忘れるわけがない。
「主、あのとき強かったよね」
「たまたまだ」
「でも助けてくれた」
ルナは、少しだけ声を落とす。
「一人じゃ、たぶん消えてた」
俺は歩きながら、頭をぽん、と叩いた。
「はいはい。過去話は一日一回までな」
「むー。主、照れてる」
「照れてねえ」
ルナは、くすっと笑って、また腕に絡んでくる。
……この距離感にも、もう慣れた。
「それよりさ、宿どうする?」
「最悪、野宿」
「えー、人間の街で?」
「いつものことだろ」
そのとき。
「――ちょっと」
後ろから声がした。
振り返ると、
例の銀髪の防衛隊――アリシアが、腕を組んで立っていた。
「……見ていられません」
「奇遇だな。俺もだ」
「あなたたち、本気で路上で寝る気ですか」
「まあ、な」
ルナが元気よく手を挙げる。
「屋根なくても寝れるよ!」
「張り切るな!」
アリシアは、深く、深くため息をついた。
「……空き部屋があります」
「え」
「防衛隊の寮に、です。
一時的に、ですからね」
ルナの目が、きらきら輝いた。
「ベッドある!?」
「あります」
「お風呂は!?」
「……あります」
「最高!」
俺は頭を掻いた。
「助かるよアリシア」
「勘違いしないでください」
アリシアは冷たい目で俺を見る。
「あなたを信用しているわけではありません。
ただ――」
ちらっと、ルナを見る。
「都市の秩序のためです」
「そっか」
ルナがにやにや笑う。
「ねー主。人間の女の子、優しいね」
「睨まれてるぞ」
「愛情の裏返し?
「違います!」
こうして俺たちは、
常識人の監視付きで、
シェルター都市の夜を迎えることになった。
神はいない。
悪魔は嫌われる。
でも――
「ジル」
「ん?」
「今日も一緒だね」
「ああ」
それだけで、十分だった。
宿は、見つからなかった。
「すみません、満室でして」
「悪魔はちょっと……」
「いや、その……怖いので……」
「はいはい、次行こ」
「ねー、主。人間って正直だよね」
「今はそれ褒めてないからな」
シェルター都市カレイド。
安全。清潔。秩序。
――悪魔付きには、だいぶ居心地が悪い。
「昔はもっと適当な宿、多かったんだけどな」
「ねー。草の上で寝る日もあったよね」
「あったな」
ルナが懐かしそうに笑う。
もう、どれくらい一緒に旅してるだろう。
世界の端から端まで、悪魔だらけの土地を二人で歩いてきた。
「主、あのとき覚えてる?」
「どれだよ」
「初めて会ったとき」
「……覚えてるよ」
忘れるわけがない。
「主、あのとき強かったよね」
「たまたまだ」
「でも助けてくれた」
ルナは、少しだけ声を落とす。
「一人じゃ、たぶん消えてた」
俺は歩きながら、頭をぽん、と叩いた。
「はいはい。過去話は一日一回までな」
「むー。主、照れてる」
「照れてねえ」
ルナは、くすっと笑って、また腕に絡んでくる。
……この距離感にも、もう慣れた。
「それよりさ、宿どうする?」
「最悪、野宿」
「えー、人間の街で?」
「いつものことだろ」
そのとき。
「――ちょっと」
後ろから声がした。
振り返ると、
例の銀髪の防衛隊――アリシアが、腕を組んで立っていた。
「……見ていられません」
「奇遇だな。俺もだ」
「あなたたち、本気で路上で寝る気ですか」
「まあ、な」
ルナが元気よく手を挙げる。
「屋根なくても寝れるよ!」
「張り切るな!」
アリシアは、深く、深くため息をついた。
「……空き部屋があります」
「え」
「防衛隊の寮に、です。
一時的に、ですからね」
ルナの目が、きらきら輝いた。
「ベッドある!?」
「あります」
「お風呂は!?」
「……あります」
「最高!」
俺は頭を掻いた。
「助かるよアリシア」
「勘違いしないでください」
アリシアは冷たい目で俺を見る。
「あなたを信用しているわけではありません。
ただ――」
ちらっと、ルナを見る。
「都市の秩序のためです」
「そっか」
ルナがにやにや笑う。
「ねー主。人間の女の子、優しいね」
「睨まれてるぞ」
「愛情の裏返し?
「違います!」
こうして俺たちは、
常識人の監視付きで、
シェルター都市の夜を迎えることになった。
神はいない。
悪魔は嫌われる。
でも――
「ジル」
「ん?」
「今日も一緒だね」
「ああ」
それだけで、十分だった。
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