オサキ怪異相談所

てくす

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第一章

第九話 鬼の駅

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骸:『めいをもって#命____いのち#を与え
   みことの名の下に、つくりだす
  人も神も 仏も鬼も
  全ては 掌の上』



ある場所に一人、骸が立っていた
そこに、一人の女が駆け寄る

織紙:あ、いた!骸ちゃーーん!

骸:来てもらって悪いね

織紙:骸ちゃんの頼みなら何処へでも行くよ、私はね

骸:ははっ、モノ好きだね

織紙:最近、全然遊んでくれないんだもん

骸:僕も忙しいからね

織紙:嘘。オサキの所にいるんでしょ?

骸:君も道唵も、僕を監視でもしてるのかい?

織紙:あら、この業界は耳が重要なのよ

骸:と言っても、隠すつもりもないんだけど

織紙:それで?今日は何処に?

そう問われ、切符を取り出す骸

骸:うん、今日はね
  ちょっとした場所に…ね


 
【間】



織紙:此処は……駅?

骸:うん、だけど今回は迎えがあるはずだよ

織紙:今回?

骸:あぁ、こっちの話

織紙:まぁ、そうだろうね
   だってもう終電終わってるし
   ……ん?これって

骸:へぇ、凄いね……空間系のやつかな?
  一気に雰囲気が変わった

すると、いつの間にか電車が到着していた
それは、音も無く突然に現れた

織紙:……乗れってこと?これ

骸:ハハッ!どうやらそうみたいだ


その電車に乗り込む二人


織紙:それで?これからどうするの?

骸:まぁまぁ、電車と言えば、まずは寝ようか

織紙:…なるほどね
   それじゃ、お先に

骸:ふふっ、楽しみだなァ……



【間】



骸:織紙

織紙:…ん、……あら、骸ちゃん
   もう着いたの?

骸:どうやら、ね
  ……ふーん、さい駅ね

織紙:さい駅?
   あら、つまらない
   そこは、きさらぎ駅じゃないのね

骸:まぁ、有名どころに行けるのは無理なんじゃない?

織紙:そういうモノね
   さい……賽の河原ってとこかな

骸:きさらぎ駅然り、駅は鬼に纏わるからね

織紙:それで?何処に行ったの?

骸:何が……かな?

織紙:行ったんでしょ?別の駅に

骸:流石…ことろう駅だよ

織紙:……子を取る…ね

駅員:じゃあ、アンタらが呼ばれたわけ?

骸:やぁ、はじめましてかな?

駅員:はじめましてで、間違いではないかな

織紙:私は呼ばれてないけど?
   そのことろう駅には

駅員:切符を使ったんだろ?

骸:あぁ、2枚くれたからね

駅員:それ、行き帰りの往復で2枚じゃないの?

骸:ハハッ、別にこっちで買えば、帰れるでしょ?

駅員:ふーん……

織紙:あら、貴重な一枚をくれたわけ?骸ちゃん

骸:最近、かまってなかったからね
  ここらで恩を売ろうかと

織紙:そんなことしなくてもいいのに
   けど、嬉しいからそのままの意味で受け取るわ

駅員:何しに来た?
   蒐集品を見に来たの?

骸:キミは僕に興味はないのかい?

駅員:あぁ、目のこと?
   別にいいかな、どうせ無理だから

骸:全然違うなぁ、キミたち

駅員:同じであって、同じじゃないからね

織紙:面倒くさ

駅員:じゃあ、アンタら人間は皆同じなの?
   全員同じで何も違わないんだ?

織紙:あら、人と同じって言いたいの?
   ちなみに、人は十人十色だけど

駅員:だったら一緒だよ
   模倣はしているけど
   だけど、怪異も人も変わらない
   共有していることはあるけど 

骸:キミたちに名を付けるならなんだろう?駅の怪異なのかな

駅員:そうだね
   駅の一部に変わりはない

骸:随分、口が軽いね

駅員:ことろうは会話にならないから
   そういう奴だ

織紙:それにしても若い見た目ね

駅員:さい駅だから

織紙:そういうこと
   解りやすくていいことね
   じゃあ、ホームを越えれば行けるのかな?

駅員:行ってみるかい?
   案内はしないよ、駅の外だから

骸:それも楽しそうだけど
  まずは蒐集品を見たいかな
  それに織紙もいるし

駅員:アンタと狐…あと女のことは聞いた
   だけど、アンタは違う女だな?

織紙:オサキの彼女とは違う
   天と地がひっくり返っても違う
   一緒にされると反吐が出そう
   あ、あの子のことじゃないよ?
   オサキと一緒にされると反吐が出るの

骸:嫌われてるな~オサキは

織紙:当然
   ところで、そのオサキは?

骸:あぁ、別の用件でね
  噂の彼女と出かけてるよ

駅員:それで?アンタは誰だ?

織紙:私は、織紙

骸:偽名だけどね

織紙:源氏名よ

駅員:うん?そういうことなのか?

織紙:あら、冗談よ

骸:彼女は写真家だよ

駅員:それは興味深いな
   いくつか持ってきているか?

織紙:ええ、骸ちゃんに言われたから厳選して、ね

駅員:後で見せてもらう

織紙:ええ、是非

骸:と、表の顔は写真家なんだけど
  裏はまた別の顔だよ、織紙は

駅員:だろうな
   にしては、黒すぎる

織紙:骸ちゃんほどじゃないけど、良く視えるのね?

駅員:まぁ、それなりに
   六道と一緒にされたら困るな

織紙:じゃあ逆に聞こうかな
   私は何者?

駅員:フ、フフ、聞くのか?
   答えられない訳がないだろう
   アンタは呪いだ

骸:へぇ、そう言うのか

駅員:人間なんだろうが、関わりすぎたな
   もう人間のソレじゃない
   外にまでれている

織紙:あら?あぁ、違う……違うのよ
   こんな場所だから、隠してないの
   ひけらかしているの

骸:趣味が悪いね、織紙

織紙:私もテンション上がってるのよ
   だって怪異の世界にいるのだから
   私は滅多に無いのよ?こんなこと

骸:それもそうだね
  そう、彼女は呪物に関わりが深い
  儀式も歌も、言葉も…ね

駅員:写真家もいいけど、そちらの方が良い
   好きだよ、織紙…だったかな

織紙:アナタも、男か女か解らないから
   私も好きよ、骸ちゃんに似ていて

骸:全然違うけど、似ているかい?

織紙:やだ、その目で視ないで
   うっかり、魅入っちゃうじゃない

駅員:よし、入れ
   話をしようじゃないか


【間】



骸:いつ見ても凄いね、共有されているんだろうけど
  …あぁ、収納が違うのか

駅員:その駅それぞれで色が出るだろ?
   あと、共有されないモノもある
   独自のルートもあるからさ

織紙:見ていて気持ちの良いものは少ないねぇ
   此処にあるから良いものが多い
   外に出すと危ないモノばかり

駅員:あぁ、そうだろうね

骸:……

駅員:赤羽の眼かい?

骸:あぁ、丁度今頃と思ってね

織紙:オサキのこと?
   今は考えないでよ、反吐が出る

骸:ははっ、ごめん
  …まぁ、今回は大丈夫だろうけど

駅員:使うか?

骸:…いいのかい?

駅員:ことろうと違うって?
   認めれば使ってもいいと思う
   色は違う方がいいだろ?

骸:……遠慮しておくよ
  僕にばっかり頼られても困るし

織紙:あら、いい傾向!
   そうよ!オサキにばっかり構うのはダメ

駅員:さい駅は…好きにしていいでしょ?
   だって、私たちは、頑張ってる

骸:あぁ、そうだね

織紙:面白い、へぇ……
   ことろうは何なの?

駅員:ことろうは、難しいの
   あそこは行きたくない

織紙:じゃあ、きさらぎは?

駅員:きさらぎはダメ
   そっちに行き過ぎちゃったから

織紙:じゃあ、やみは?

駅員:近い、とても近くて怖い

織紙:あっは!じゃあ…

骸:それくらいに、織紙

織紙:骸ちゃんは興味ないの?

骸:反応で全部解るでしょ
  虐めるのは良くないよ

駅員:少し、喋りすぎた
   忘れてくれ

織紙:ふぅん…じゃ、私も少し見せてもらおうかな

骸:宝の山だよ
  キミはこれをどうするのか聞いているかい?

駅員:いや、全てをあつめるとしか解らない
   ただ、異様に惹かれはする

骸:僕と同じだ
  全てのモノに詳しいかい?

駅員:此処にあるモノは全部
   意味も理解しているよ

織紙:…これ、日本のじゃないよね
   確か、中国のやつ

駅員:あぁ、扶鸞ふらん
   持ち込んだのは日本からだよ

織紙:あってもおかしくはないけど
   本物じゃないのこれ?

駅員:紛い物は、ここにはないよ
   全部本物

織紙:まさか、あの時のとか言わないよね?

駅員:あはは、言わないでおくよ

骸:自動書記のまじないか
  織紙の専門だね

織紙:ちょっと震えるわね
   海外関係の怪異もあるのね?

駅員:あぁ、あるよ
   人間と同じで怪異も"渡る”だろう?

骸:僕も関わったことあるからね
  けど、珍しいから中々見られない

織紙:じゃあ、これなんかどう?骸ちゃん

骸:犬の剥製かな?
  ……へぇ、器か

駅員:正解
   それはブラック・シュックの入れ物だった
   だけど、使わなくなったみたいだね

骸:イギリスの怪異だ
  織紙、知っていたのかい?

織紙:全く
   ただの女の勘よ

骸:怪異、というより妖精かな
  いかにも海外って感じがするよ
  善とも悪とも捉えられる
  人間の尺度での話だけどね

織紙:博識だねぇ、骸ちゃんは

駅員:さて、いくら見ても構わないけど
   本題はなんだい?骸

骸:うん、話そうか
  キミなら、ちゃんと話せそうだからね
  織紙にも聞きたいことがあるんだ

織紙:どうぞ、何でも聞いて

骸:新解釈怪異譚
  って聞いたことあるかい?
  今、あちらの世界で面倒を起こしてる
  僕も会った、オサキも道唵も会っているね

駅員:うん、事情はよく知らないけど
   改変された怪異を作っているらしいね
   一つだけ持っているよ

そういうと、蒐集品を漁り出す駅員

駅員:……あった、これだ

織紙:その話、私も骸ちゃんにしようと思ってたの
   面白い話だったから
   だけど、会ったんだね

骸:僕の知り合いは狙われているのかな
  織紙も関わったんだね

駅員:これはアナウンス用のマイクだけど
   駅の怪異同士繋がったんだろうね

織紙:猿夢?

駅員:あぁ、アンタ
   察しがいいな

骸:きさらぎ駅と猿夢が繋がる…ね
  ハハッ!面白いこともあるもんだ

駅員:本物の猿夢じゃなかった
   乗ってた人間は、もう死んでいた
   現実に帰らず、此処に来たんだろう

骸:改変されて別の駅に繋がる電車の怪異
  夢の中と現実の境界線を曖昧にしてるのも
  神隠しに近い現象を起こしているのも
  改変した部分だろうね

駅員:そう、猿夢はその名の通り、夢で起こることだが、これは違う
   実際に連れてこられている

織紙:死んだ乗客はどうしたの?

駅員:ホームの外、だよ

織紙:あら、そう

駅員:実際に連れて行き、殺す
   そのまま駅に関連した怪異に繋げる
   そこまで出来るのなら、相当に危険だ

骸:ただ、此処に来た時点で対価は払わないといけない
  その対価が、そのマイクってわけね

駅員:あぁ、だが困る
   これは紛い物なのかもしれない
   此処には本物しかないのに

骸:僕もコトリバコと、くねくねを持っているよ
  どちらも作られたヤツだけど

織紙:じゃあ、次は私の番かな?
   骸ちゃんに会うからって私は持ってきたよ
   はい、これ

骸:珍しい、今どき見ないよこれ

駅員:それも半々…どっちなんだ

織紙:私の意見で言えば、偽物よ
   私が関わったのは、こっくりさん
   話聞いた時は、狐だし嫌だったんだけど、一応専門だからね、見に行ったのよ

骸:狐はオサキに任せるのが一番だよ

織紙:反吐が出る
   それに、こっくりさん如き私で十分だから

骸:何が改変されていたんだい?

織紙:漢字で書くと狐、狗、狸
   または狢を書くこともあるけど
   つまりは動物霊を降霊する占いでしょ?
   はい、これよく見て

駅員:鬼、鬼が憑いてる…

織紙:そう、呼び出したのが鬼なのよ

骸:餓鬼か…これをやったのは?

織紙:小3の女の子4人
   憑かれたのはその内、2人
   残りが私の所に来たって感じかな

骸:言葉遊びが好きな奴らだ
  子供と餓鬼、ね

織紙:私が見た時には、お互いをひん剥いて
   お互いを食べようとしてたわね
   あれは欲食よくじきかな

骸:人間の遊び場に行くとされてはいるけど
  …あぁ、なるほど
  盗る物が無くて、お互いをね

駅員:気持ちが悪いな
   見たくない代物だ

骸:キミたちはそうだろうね
  こっくりさんとしては、偽物だけど、降霊術としては本物だ

織紙:とりあえず祓って
   鬼は紙に閉じ込めたって感じかな
   私いらないから骸ちゃんにあげる

骸:思わぬ収穫だ
  じゃあ次は、僕の本題
  情報を集めたいんだ
  だけど、向こうじゃ限界があってね
  何かないかなって
  あぁ、織紙はただ連れてきただけだよ
  まさか関わっているとは思わなかった

織紙:そういうことにしておきましょう

駅員:何が欲しいんだ?
   だが、そこの女が言ったように
   外に出すのは禁忌だ

骸:うん、だから
  向こうで見つけられるモノがないかなって

駅員:……なるほど

骸:僕が以前、ことろう駅に行った時
  ミツメイシってやつを見せてもらったんだけど
  あれはもう無かったんだ
  それに此処にあるモノに詳しいんだろう?さい駅はね

駅員:情報収集に長けた怪異、か
   フフ、フフフ、アハハ!
   まるで道具のように使うじゃないか

織紙:あら、骸ちゃんに使われるなら本望よね?
   私も情報収集手伝うから言ってね

骸:ありがたく受け取っておくよ
  それで、どうだい?
  何か教えてくれないかな?

駅員:そこの女がいるだろう?
   何故使わない?それこそ専門なんだろう?

織紙:たしかに私は呪術は扱えるけど
   扶鸞ふらんでも使えって?

駅員:自動書記なら、話に出た
   狐狗狸こっくりでいいだろう?
   神仏霊しんぶつれいを頼るならの話だ

骸:やっぱりそうなるんだね
  もっと手っ取り早いのあるかと思ったんだけど

駅員:お前ほどのやつが頼るんだろう?
   自分の収集で十二分だろうにさ
   使い勝手のいい駒は渡さないよ

骸:それは……人間に対しての話かい?

駅員:いいや、そっちの世界に対して、だ

骸:フフッ、期待はしてなかったけど
  そういう立ち位置なんだね

駅員:わざわざ貴重な切符を使ったのに
   手柄が無くて残念だね

骸:いいや、全く
  元々これは本題だけど、期待はしてないって言ったでしょ?

織紙:あっちに戻ったら少しやってみようかな
   情報収集

骸:助かるよ、織紙

駅員:ただ、久しぶりにいっぱい話せたから
   一つだけやってあげる

骸:うん?何をやるんだい?

駅員:あぁ、見ないでくれ
   アンタらは違うやつ見ててくれ

骸:解ったよ



【間】



織紙:それにしても凄い量ね
   骸ちゃんは頑なに見せてくれないから
   こんな量、見たことない

骸:見せびらかすモノじゃないからね

駅員:待たせたね、これだよ

紙に書かれた文字を見せる駅員

骸:……

織紙:命?

骸:あぁ、やっぱり
  いるんだ、そういう人間が

織紙:どういうこと?

骸:その文字通り
  いのちを与え、めいを下す

織紙:新解釈怪異譚の命そのもの…?

骸:僕は一人会ったんだ
  怪異じゃない、作ってる側だ
  だけど、アレは違った
  やっぱり別にいるね

織紙:霊能力者っていうより神に近くない?
   そんなふざけた力

骸:僕の眼も、だろう?

織紙:…そうね、いてもおかしくないか

駅員:怪異に命を与え、新しい命令を下す
   それが改変か
   みことと呼べば神に等しい

骸:うん、助かったよ
  これで色々動き易い

駅員:さて、そろそろ切符を売ろうか
   アンタらは対価に何を置いていく?

骸:織紙、あれ出してよ

織紙:はいはい、どうぞ

駅員:このファイルに結界が張ってあるのは?

織紙:ネタバラシ
   中身は心霊写真よ

駅員:あぁ、閉じ込めているのか

織紙:そ、表は写真家ですからね
   写真に残ってる残穢なんて、そうそう脅威ではないけど
   本物は少し面倒だからね

駅員:何枚ある?

織紙:30枚くらい?

骸:足りるかい?

駅員:会話も査定だから
   ギリギリにしといてあげる

骸:子ども料金でもいいよ?

駅員:アンタは騙せそうだ
   そっちの女は無理だろう

織紙:あら、大人の魅力が解るのかしら?
   それに骸ちゃん、そんな狡いことするのね?

骸:ははっ、何が狡いのか分からないな

駅員:今回は渡さない
   次は自力で来るんだな

骸:繋げてくれるのかい?

駅員:それは、駅次第だね

織紙:そうだ、これもあげる

駅員:名刺?

織紙:独自のルート、あるんでしょ?

駅員:共有しておく

織紙:あら、私はアナタたちが好きなのに

駅員:独り占めはダメなんだ
   さ、電車が来たよ

骸:また、来るよ

織紙:次はホームの外を見てみたいところね

駅員:あぁ、案内はしないよ
   じゃあ、さようなら



【間】


電車に乗り、眠る
気がつくと元の世界に戻っていた

織紙:意外と近くまで送ってくれたのね

骸:優しい子たちだ

織紙:じゃ、帰ろうかな

骸:今日はありがとう
  お土産までもらっちゃった

織紙:鬼の出る占いなんて必要ないからね

骸:悪いモノでもないよ?
  未来を聞けば教えてくれるかも

織紙:あっは!不気味に笑うだけよ、そんなの

骸:ハハッ!やっぱりキミは面白いね
  オサキのこと、そろそろ認めてね

織紙:反吐が出る
   反吐が出るほど認めてるわよ
   ただ、反吐が出るほど嫌いなだけ

骸:そういうことにしておくよ

織紙:それじゃ、骸ちゃん
   また面白い場所に連れて行ってね

骸:あ、織紙

織紙:何?

骸:僕が会ったのは四月一日わたぬきって奴
  どうせ偽名だけど、エセ関西弁の男だった
  これもどうせキャラ付けだけど

織紙:覚えとくわ

骸:それで?織紙が見たのは?

織紙:……それが本題?

骸:うん、いいモノ見れたでしょ?

織紙:隠すつもりはなかったよ
   ただ、子どもを傷つける奴は、私が見つけて殺したいのよ

骸:うん、知ってる

織紙:たけど……そうね、骸ちゃんになら
   私が見たのは男だった
   言葉も交わしてない
   すぐに逃げられたからね
   ただ、牛鬼みたいなことをしてた

骸:牛鬼?

織紙:追いかけて殺そうとしたんだけど
   建物の影を舐めて燃やして帰ったわ

骸:ふぅん…なるほどね

織紙:だから名前も解らない
   もしかしたらその四月一日ってやつかも

骸:多分違うね、アイツはお喋りだった

織紙:キャラ変かもよ
   あーあ、私が関わったの知らないって話してたのに知ってたのね

骸:この業界は耳が重要だからね

織紙:敵わないなぁ、骸ちゃんには
   耳より目の方が良いくせに
   耳は女の特権よ

骸:まるで僕が女じゃないって言い方だ

織紙:あら?だったら女って断言してもいいのよ?
   骸ちゃんを知るためなら安い情報ね

骸:遠慮しておくよ

織紙:そうでなくちゃね!
   はい、これで隠し事はなし
   帰るわ

骸:またね、織紙

そう言い、一人帰る織紙
それを見送る骸は、少し笑っていた

骸:命、ね
  大層な名前だよ、全く



鬼の駅 終
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