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やってみなくちゃ始まりません。
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次に影雪が降り立ったのは、視界一面を覆う青い草の大地だった。
青青と生い茂っている、とはよく言うが、ここは比喩ではなく、本当に青い。
透明感ある瑠璃色の草は、日光を浴びてきらきらと輝いている。
「わあ、すごい……!」
感激した夢穂は、影雪の手を離れると小鹿のように野原を駆け巡った。
足を止めた場所で両手を開き、思いきり息を吸い込めば、清涼な空気が胸いっぱいに広がる。
それから夢穂はその場にしゃがむと、いつも通り合掌してから薬草を採取した。
一般的によく見られる、楕円形の葉だ。
空に向けてかざしてみると、透き通って葉脈までよくわかる。
青玉のように美しく、目にも爽やかな自然の芸術だ。
「この色も誰かの妖力のせいだったりするの?」
「いや、それは天然だな、この辺りではよくある葉っぱだぞ」
「そうなんだ、すごく綺麗」
野草に囲まれ微笑む夢穂は、景色に溶け込み自然と一体化したようだ。
この時の影雪の瞳にも、確かにこの風景は美しく映った。
普段はなんとも思わない、意識さえしない、見慣れた野原。
そこに夢穂がいるだけで、とても特別になった気がして、目が離せない。
夢穂といると頻繁に起こるこの現象の正体を、影雪はまだ知らなかった。
「気持ちいい」
「そうね、風が吹くと」
「いや、そうではなく……」
蓮華摘みをする少女のように可憐な夢穂は、無垢な瞳で傍らに立つ影雪を見上げていた。
「夢穂といると、気持ちがいい」
夢穂はきょとん、と目を丸くした。
「いや、気分がいい、と言った方がいいか? 形のない気持ちを言葉で表すのは、難しいな」
黙っている夢穂を見て、影雪はまずいことを言ったのかと頭を悩ませた。
しばらくして影雪が伝えたいことを理解した夢穂は、少しあきれたように、けれど嬉しそうに笑った。
青青と生い茂っている、とはよく言うが、ここは比喩ではなく、本当に青い。
透明感ある瑠璃色の草は、日光を浴びてきらきらと輝いている。
「わあ、すごい……!」
感激した夢穂は、影雪の手を離れると小鹿のように野原を駆け巡った。
足を止めた場所で両手を開き、思いきり息を吸い込めば、清涼な空気が胸いっぱいに広がる。
それから夢穂はその場にしゃがむと、いつも通り合掌してから薬草を採取した。
一般的によく見られる、楕円形の葉だ。
空に向けてかざしてみると、透き通って葉脈までよくわかる。
青玉のように美しく、目にも爽やかな自然の芸術だ。
「この色も誰かの妖力のせいだったりするの?」
「いや、それは天然だな、この辺りではよくある葉っぱだぞ」
「そうなんだ、すごく綺麗」
野草に囲まれ微笑む夢穂は、景色に溶け込み自然と一体化したようだ。
この時の影雪の瞳にも、確かにこの風景は美しく映った。
普段はなんとも思わない、意識さえしない、見慣れた野原。
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夢穂といると頻繁に起こるこの現象の正体を、影雪はまだ知らなかった。
「気持ちいい」
「そうね、風が吹くと」
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「夢穂といると、気持ちがいい」
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「いや、気分がいい、と言った方がいいか? 形のない気持ちを言葉で表すのは、難しいな」
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