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奇妙な仲間たち

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「あ、ごめんね? 驚かせるつもりじゃなかったんだけど」

 ここのシステムは少し理解できるようになったけれど、突然出没には慣れない。
 本人に悪気はないようなので、この店に付随したイベントと言い聞かせ「大丈夫です」と答えた。

「ちゃんとした記憶の特典、届けておくからまた見ておいてね……って言おうと思って」
「あ、は、はい」

 ずいっと顔を近づける猫宮さんに、思わず背中を反らし距離を取る。
 わざわざカウンターを出て見送りだなんて、面倒ではないのだろうか。私にはまだ見えないけれど、他にもお客さんはたくさんいるようだし。猫宮さんの不思議な力があるからこそ成せる技なのだろうか。ただの人間の私からしてみれば、全員にこんな密な接客をするなんて途方もないことだ。

「それは仮だから、もう消しておくね?」
「――へ?」

 伸びてきた腕がなにをするのか直感し、右手を勢いよく引っ込めた。
 気づけば私は胸に留めた右手首を、左手で守るように包んでいた。

「……どうしても消さなきゃダメですか?」

 今度は彼がキュッと目尻の上がった大きな瞳をパチパチさせる番だった。

「な、なんか、おしゃれだなって、わざわざなくす必要もないかな、なんて」

 確かに触れられるのに、私と猫宮さんたちにしか見えないお守り。
 これもください、とは言えない私に、猫宮さんは嬉しそうに目を細めた。
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