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「そっか、子々子ちゃんは牛坐さんのことが大好きなのね」
「そのせいで猫宮には迷惑をかけたがな」
追加のため息とともに牛坐さんの口から漏れた言葉。
不思議になって子々子ちゃんを見てみると、気まずそうに肩をすくめていた。
「それって、もしかして……ネズミが猫を騙した話?」
ネズミは猫に嘘をついた。神様に指定されたのとは、違う日を教えたのだ。そして約束の時に間に合わなかった猫が、十二支に入れなかったのは有名な言い伝え。
一番最初に奇妙に感じた。
それが本当なら、猫宮さんはどうして、何事もなかったかのように子々子ちゃんにも優しくしているんだろう、と。
「……牛坐に一番になってほしくて、すばしっこい猫を遠ざけたかったんでち。まさか仲間はずれになってしまうとは思っていなかったでち」
「ええ? でも、干支の始めってネズミなんじゃ……」
「それは牛坐の肩に乗っていって、神様の前に先に降りてしまったからでち」
要するに、子々子ちゃんは神様に声がけされる前から牛坐さんに恋をしていた。
その牛坐さんに一番になってもらうため、手強そうな猫を騙し乗っかっていったはいいが、意図せず自分がゴールラインを切ってしまった、と。
なんといううっかり屋さん。
当然、牛坐さんはその時、子々子ちゃんが猫宮さんに嘘をついて来たとは知らなかったのだろう。
「そのせいで猫宮には迷惑をかけたがな」
追加のため息とともに牛坐さんの口から漏れた言葉。
不思議になって子々子ちゃんを見てみると、気まずそうに肩をすくめていた。
「それって、もしかして……ネズミが猫を騙した話?」
ネズミは猫に嘘をついた。神様に指定されたのとは、違う日を教えたのだ。そして約束の時に間に合わなかった猫が、十二支に入れなかったのは有名な言い伝え。
一番最初に奇妙に感じた。
それが本当なら、猫宮さんはどうして、何事もなかったかのように子々子ちゃんにも優しくしているんだろう、と。
「……牛坐に一番になってほしくて、すばしっこい猫を遠ざけたかったんでち。まさか仲間はずれになってしまうとは思っていなかったでち」
「ええ? でも、干支の始めってネズミなんじゃ……」
「それは牛坐の肩に乗っていって、神様の前に先に降りてしまったからでち」
要するに、子々子ちゃんは神様に声がけされる前から牛坐さんに恋をしていた。
その牛坐さんに一番になってもらうため、手強そうな猫を騙し乗っかっていったはいいが、意図せず自分がゴールラインを切ってしまった、と。
なんといううっかり屋さん。
当然、牛坐さんはその時、子々子ちゃんが猫宮さんに嘘をついて来たとは知らなかったのだろう。
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