金に紫、茶に翡翠。〜癒しが世界を変えていく〜

かなえ

文字の大きさ
113 / 113
第四章

閑話 レイノルドでっすっ!浮かれてまっすっ!

しおりを挟む
 ご無沙汰しています。レイノルド・バークレイでっすっ!
 浮かれてまっすっ!
 今私はユリアンのコーク公爵家に遊びに行ってきた帰りです。帰りの馬車の中です。
 行きとは全く違うウキウキ気分です。
 というのも、弟のハロルドが可愛かったからです。前から可愛い気はしていたんだけど、何しろ落ち着かないし、私たちと喋らないし、食事も好き嫌い多いし、…どうやって相手したら良いかわからなかったんですよね。
 少し驚いたり、違うと思ったりすると、激しく泣いたり怒ったりする…なんかそういう病気というか、症状が出る子なんだって。それも何がハロルドを驚かせるかわからないし、何を違うと思っているのかもわからないから、泣かせたくない私としてはとりあえず関われないままって感じになってました。
 本当はね、妹のエリィとはできない騎士様ごっこや庭の探検なんかをハロルドとしてみたかったんですよ。それでユリアンたちみたいに「うちの弟は…」って話したかったの。だって弟だよ?一緒に遊びたいじゃない。
 でも、ハロルドの機嫌が良さそうな時に話しかけても全然反応ないわけです。兄は悲しかった。
 ですが!
 先程!
 ハロルドがついに!
 私の声かけに反応を返したのです!
 大ニュースですよ。
 今まではハロルドが図鑑を眺めている時に、乳母や従者が指差して「カエル。カエルです」とか「てんとう虫。てんとう虫です」とか言うのを無反応で聞いていて、ずっと後になって図鑑を見ながら一人で「カエル。てんとう虫」とか言ってるのだけが、なんとなく人を意識していたのかな?って感じだったんだけど、今日のは違います。違いますとも!
 今日は完全に私の声かけに反応したんです。正確には私の歌だけどね。それでも嬉しい。ハロルドに私の声が聴こえていたんだって実感ができたのだもの。
 だから今もずーっとやっています。ハロルドとトントン遊び。
 私が、口で「とーんとんとん」と言うと、ハロルドは手拍子でパン…パンパンて返してきます。
 …嬉しい。
 弟ができたら騎士様ごっことかしたいと思っていたけど、それよりなんかこっちの方が良い!私たちだけのオリジナルの遊びという感じがして良い!
 「♪光の~」
 「んんんんー」
 はぁ~、これはもう輪唱と言って良いのでは?バークレイ兄弟の合唱会と言って良いのでは?
 ハロルドの好きなカエルも言ってみよう。
 「カ・エ・ル…ぴょーん」
 私はぴょーんのところで両手を上に勢いよく上げて言ってみた。
 「きゃはははは」
 え?ハロルドが笑った?私のしたことでハロルドが笑った?私を見てないけど、私のぴょーんで笑った?
 ちょっとびっくりして私はハロルドの従者ケントを見た。ケントは従者というかハロルドの制止係だ。どこで何をするかわからないハロルドの動きに素早く対応できるケントは、元々看護師とか介護士とかの資格を持ってるマッチョな男だ。このケントの運動神経と専門知識のおかげで今までハロルドは大怪我をしないで済んでいたようなものだ。
 そのケントも、今まで見たことないような表情でこちらを見て頷いた。やっぱりハロルドが笑ったんだ!
 「ハロルド、もう一度言うね。
 カ・エ・ル…ぴょーん!」
 「きゃははは!」
 すごい!ハロルドが笑っている。間違いない。ハロルドはが好きなんだ!
 「ハロルド!ぴょーん」
 「きゃーははは!」
 「ケント!見た?ハロルドが笑っている!」
 「はい。レイノルド様、ハロルド様が笑っています!」
 なんだか私とケントは涙目だ。良く見たらハロルドも笑いすぎて涙目だ。
 ハロルドの笑った顔、とっても可愛い。いくらでも笑わせたい。
 もちろん、屋敷に着くまで、私は「ぴょーん」を連呼し続けた。多分、この時間だけで今年マードの国で一番「ぴょーん」と口にした人間だと思えるくらいに。
 もっと沢山ハロルドを笑わせたい。この笑顔を早く父上や母上やエリィに見せたい。
 とか思っていたのに屋敷に着いた時にはハロルドは笑い疲れて寝てしまった。
 ああ、本当にハロルドは一筋縄ではいかない。そんなハロルドの寝顔を見て、今後は私が笑った。
しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

ひろの
2023.08.29 ひろの

ヴァジュラ殿下www
これから益々活躍されそうで、とても期待しています😂

2023.08.29 かなえ

ありがとうございます😆
ヴァジュラ殿下には私も大いに期待していますww
ゴリマッチョの称号に恥じない王子様になると信じています💪🏻

解除
あーちゃん
2023.08.06 あーちゃん

全てが可愛い😍
可愛すぎる!!!
弟達だけでなく兄達も!!!!
天使がたくさんで癒される〜😊
これからも楽しみにしてます✨

2023.08.07 かなえ

ありがとうございます😆
励みになります🙌🏻🎉
書きながら、兄目線や侍女目線や執事目線になって、色んな「くぅっ」を出しています ww
これからもご一緒に「くぅっ」していただけると嬉しいです😊

解除

あなたにおすすめの小説

過労死して転生したので絶対に働かないと決めたのに、何をしても才能がバレる件

やんやんつけバー
ファンタジー
過労死して異世界転生。今度こそ絶対に働かないと決めたのに、何をやっても才能がバレてしまう——。農村で静かに暮らすはずが、魔力、農業、医療……気づけば誰も放っておかない。チートで穏やか系の異世界スローライフ。

二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした

セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。 牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。 裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

幸せな番が微笑みながら願うこと

矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。 まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。 だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。 竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。 ※設定はゆるいです。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて

奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】 ※ヒロインがアンハッピーエンドです。  痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。  爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。  執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。  だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。  ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。  広場を埋め尽くす、人。  ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。  この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。  そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。  わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。  国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。  今日は、二人の婚姻の日だったはず。  婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。  王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。 『ごめんなさい』  歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。  無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。

弁えすぎた令嬢

ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
 元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。  発端は彼女の父親が行方不明となり、叔父である父の弟が公爵邸に乗り込んで来たこと。  何故か叔父一家が公爵家の資産に手を付け散財するが、祖父に相談してもコロネに任せると言って、手を貸してくれないのだ。  そもそも父の行方不明の原因は、出奔中の母を探す為だった。その母には出奔の理由があって…………。  残された次期後継者のコロネは、借金返済の為に事業を始めるのだ。  小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。