34 / 113
第三章
閑話 アニューレ様に一目惚れ
しおりを挟む
それはマード国立初等学園の参観日初日にことでした。
お母様とはるばる領地からやって来てタウンハウスにいるお父様と一緒に三人でお姉様を観に来ました。
お姉様は10歳の時に編入とかいう形で領地の学園からこちらに入りました。去年からです。タウンハウスはありますが、お父様がいつもいるわけではないので、お姉様は寮舎にお住まいです。
お姉様はむこようしとかをとって領地を継ぐ身なので良い教育と出会いが必要なのだそうです。そのために編入なさいました。お母様がそう話していました。領地でも出会いはあるのにと思いますが、お母様が言うには「次男以下でも良い学園に入れる家柄の次男以下を狙わせたい」とのことです。詳しいことはわからないのですが、お母様の目がギラギラしすぎてちょっとそれ以上は聞けませんでした。
私は5歳ですが、後継ではないので領地の学園でのんびり過ごすつもりです。
だってお姉様のお手紙では時々寂しいって書いてありましたから。でもそれは夏までの話。始めは寂しいって書いてあったお姉様のお手紙が、最近「素敵な新入生が沢山いるの」とか「王子様は王子様だし、王子様じゃない王子様もいるの」とかなんだか浮かれているのです。
とにかく素敵な男性がいるということなのだと思いますが、そんなに素敵な方々が沢山います?しかも新入生ってお姉様より5つも歳下ですよ?
お姉様が寂しさのあまりどうにかなってしまったのではないかと心配なので、早く学園での様子が見たいのです。
学園はとても広そうです。門から学舎入口までちょっと歩きます。
綺麗に着飾ったお母様方やキリッとしたお父様方が沢山います。同じくらいのお子様も何人かいます。皆様可愛らしいお姿です。私は少し時代遅れかな。気にはなりません。私は領地でのんびり派ですから。
「マリア様?」
どなたかがお母様に声をかけました。お母様が嬉しそうにお話を始めます。お父様が「お母様の学園時代のお友達だよ」と教えてくださいました。お父様も学園卒業生です。
お母様のお友達は女の子を連れていました。「私、エリィ。よろしくね」ものすごくハキハキされています。王都の女の子という感じがとってもします。
その時、お母様がお友達に扇でバシバシ叩かれ始めました。お母様になにするの⁉︎でもお母様、あらぬ方向見て「ハゥアッ」て言いました。そちらを見ると。
「ハゥアッ」
私も出ました。
物凄いイケオジ様と美少女と…間に天使の幻が見えます。キラキラしてます。
「夢かしら」
なんだか遠くからお母様の声のような呟きが聞こえます。ぼんやり天使を眺めていたらお母様の二度目の「ハゥアッ」が聞こえました。
てっ…てっ…天使が増えました‼︎
イケオジ様も増えました。お母様方が扇をバッサバッサする音が響きます。
天使様方、パンプキン始めました。あれ、私も大好きです。お父様が領地にお戻りの時はやってもらいます。とっても高く上げてもらえて楽しいのです。
何かに気づいた茶髪の天使様が走りました。
「アニューレ」
ハゥアッ!はーぁっ?学舎から超絶美少年が走り出して来ましたけど?天使様のお兄様?ということはあの方も天使?天使様を見つめる優しい青い瞳の微笑み。物腰、仕草、天使様と手を繋ぐ絵になるお姿。素敵!素敵、素敵っ!
アニューレと呼ばれていました。アニューレ様ですね。待って待って待って待って待って。目からの美のたたみかけに頭が追いつかない。何しに来たのでしたっけ?あ、お姉様よ。お姉様元気かなって。
「あっ」声が出ました。
お姉様のお手紙にあった「王子様じゃない王子様」ってアニューレ様のことだわ!ピンときました。
それにしても素敵…エリィ様はアニューレ様をご存知かしら?あら、いない。ああ、もっとアニューレ様のことが知りたい!どうしたらいいの?
「お父様、お母様、私も学園に入りたいです」
さぁ、来年私はどこにいるでしょう!
お母様とはるばる領地からやって来てタウンハウスにいるお父様と一緒に三人でお姉様を観に来ました。
お姉様は10歳の時に編入とかいう形で領地の学園からこちらに入りました。去年からです。タウンハウスはありますが、お父様がいつもいるわけではないので、お姉様は寮舎にお住まいです。
お姉様はむこようしとかをとって領地を継ぐ身なので良い教育と出会いが必要なのだそうです。そのために編入なさいました。お母様がそう話していました。領地でも出会いはあるのにと思いますが、お母様が言うには「次男以下でも良い学園に入れる家柄の次男以下を狙わせたい」とのことです。詳しいことはわからないのですが、お母様の目がギラギラしすぎてちょっとそれ以上は聞けませんでした。
私は5歳ですが、後継ではないので領地の学園でのんびり過ごすつもりです。
だってお姉様のお手紙では時々寂しいって書いてありましたから。でもそれは夏までの話。始めは寂しいって書いてあったお姉様のお手紙が、最近「素敵な新入生が沢山いるの」とか「王子様は王子様だし、王子様じゃない王子様もいるの」とかなんだか浮かれているのです。
とにかく素敵な男性がいるということなのだと思いますが、そんなに素敵な方々が沢山います?しかも新入生ってお姉様より5つも歳下ですよ?
お姉様が寂しさのあまりどうにかなってしまったのではないかと心配なので、早く学園での様子が見たいのです。
学園はとても広そうです。門から学舎入口までちょっと歩きます。
綺麗に着飾ったお母様方やキリッとしたお父様方が沢山います。同じくらいのお子様も何人かいます。皆様可愛らしいお姿です。私は少し時代遅れかな。気にはなりません。私は領地でのんびり派ですから。
「マリア様?」
どなたかがお母様に声をかけました。お母様が嬉しそうにお話を始めます。お父様が「お母様の学園時代のお友達だよ」と教えてくださいました。お父様も学園卒業生です。
お母様のお友達は女の子を連れていました。「私、エリィ。よろしくね」ものすごくハキハキされています。王都の女の子という感じがとってもします。
その時、お母様がお友達に扇でバシバシ叩かれ始めました。お母様になにするの⁉︎でもお母様、あらぬ方向見て「ハゥアッ」て言いました。そちらを見ると。
「ハゥアッ」
私も出ました。
物凄いイケオジ様と美少女と…間に天使の幻が見えます。キラキラしてます。
「夢かしら」
なんだか遠くからお母様の声のような呟きが聞こえます。ぼんやり天使を眺めていたらお母様の二度目の「ハゥアッ」が聞こえました。
てっ…てっ…天使が増えました‼︎
イケオジ様も増えました。お母様方が扇をバッサバッサする音が響きます。
天使様方、パンプキン始めました。あれ、私も大好きです。お父様が領地にお戻りの時はやってもらいます。とっても高く上げてもらえて楽しいのです。
何かに気づいた茶髪の天使様が走りました。
「アニューレ」
ハゥアッ!はーぁっ?学舎から超絶美少年が走り出して来ましたけど?天使様のお兄様?ということはあの方も天使?天使様を見つめる優しい青い瞳の微笑み。物腰、仕草、天使様と手を繋ぐ絵になるお姿。素敵!素敵、素敵っ!
アニューレと呼ばれていました。アニューレ様ですね。待って待って待って待って待って。目からの美のたたみかけに頭が追いつかない。何しに来たのでしたっけ?あ、お姉様よ。お姉様元気かなって。
「あっ」声が出ました。
お姉様のお手紙にあった「王子様じゃない王子様」ってアニューレ様のことだわ!ピンときました。
それにしても素敵…エリィ様はアニューレ様をご存知かしら?あら、いない。ああ、もっとアニューレ様のことが知りたい!どうしたらいいの?
「お父様、お母様、私も学園に入りたいです」
さぁ、来年私はどこにいるでしょう!
16
あなたにおすすめの小説
過労死して転生したので絶対に働かないと決めたのに、何をしても才能がバレる件
やんやんつけバー
ファンタジー
過労死して異世界転生。今度こそ絶対に働かないと決めたのに、何をやっても才能がバレてしまう——。農村で静かに暮らすはずが、魔力、農業、医療……気づけば誰も放っておかない。チートで穏やか系の異世界スローライフ。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて
奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】
※ヒロインがアンハッピーエンドです。
痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。
爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。
執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。
だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。
ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。
広場を埋め尽くす、人。
ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。
この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。
そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。
わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。
国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。
今日は、二人の婚姻の日だったはず。
婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。
王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。
『ごめんなさい』
歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。
無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。
発端は彼女の父親が行方不明となり、叔父である父の弟が公爵邸に乗り込んで来たこと。
何故か叔父一家が公爵家の資産に手を付け散財するが、祖父に相談してもコロネに任せると言って、手を貸してくれないのだ。
そもそも父の行方不明の原因は、出奔中の母を探す為だった。その母には出奔の理由があって…………。
残された次期後継者のコロネは、借金返済の為に事業を始めるのだ。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる