91 / 113
第四章
閑話 マーリンのお茶会。タミラ視点
しおりを挟む
「マーリン様こんにちは」
馬車の中で何回も練習しているからメイドが笑っているわ。でも仕方ないじゃない。毎回緊張で噛んでしまうのだもの。
皆様こんにちはタミラです。
リディラ様の小物破壊でご迷惑をおかけした子爵令嬢のタミラです。
私もこの秋から王立初等学園に入学しました。ドキドキでした。きっと「破壊のタミラ」などと有名になっているのではないかと怖かったのです。ですが、どなたからも「破壊のタミラ」など呼ばれることなく、平穏に楽しい学園生活を送っています。
…てっきりあの破壊行動が噂になっていると思い込んでいたのです。前に参加したお茶会でお茶を派手にこぼしたご令嬢がしばらくしたら「粗相の〇〇」などというあだ名で呼ばれていたのだもの…。でもそのようなことはありませんでした。皆様お口が硬いと言うか、人の失敗を面白おかしく口にされる方々ではなかったのですわ。
しかも小物を破壊した私に、リディラ様は「タミラ様とは趣味が合いそう。是非お友達になってください」などと言われて私はもぅもぅもぅ~リディラ様の大ファンになりました。
今日はララ様もいらっしゃるとか。ララ様は私の破壊行動で足をお怪我してしまった方です。本当に申し訳ない。しかもララ様は私を責めるどころかそれを隠そうとされて…なんてお優しいのか。
とか回想している間に到着です。
ホーリィ公爵家、流石のお屋敷と品の良さ。マーリン様のお父様である公爵様は現王陛下の弟様だとか。それって元王子様ということよね。マーリン様はやはりお姫様なのだわ。本当に美しくて所作が綺麗。
今日は小春日和だから四阿でお茶をするそうよ。素敵。うちには四阿なんてないわ。リディラ様のアトリエも素敵だったけどこちらの四阿も素敵。
ご挨拶をまたまた噛みながら終わらせて着席、と。
「タミラ様、ようこそ」
ああ、マーリン様の笑顔が眩しい。
「お茶も楽しみたいのだけど、早く新しい図鑑を見せていただきたいわ」
マーリン様が小さな拍手をして期待されています。なんて可愛らしいのかしら。
「どなたから披露します?」
「私はララ様の図鑑に興味津々なの」
これもマーリン様。
学園でどのような図鑑を作っているかという話になった時にララ様がちらりとお話になった新しい図鑑のテーマ。「あの物語の登場人物の子供の頃~こんなお子様だったのでは?」なんて!考えもしなかったわ!楽しみ!
「私もララ様の図鑑に興味が…」
と言ってみたわ。ララ様、照れながらも「では、失礼して私から…」と図鑑を差し出されました。
「私の家は男爵家で、領地もなく兄達もいる上に弟もいるから、皆様のようにあまり新しいアクセサリーに縁がなくて…」
確かにアクセサリー図鑑はリディラ様に敵う令嬢はいませんわ。センスの良さから新しいアイディアまで、リディラ様の図鑑は既に新しいアクセサリーの商品カタログのように完成度が高いの。実際自分でリディラ様の図鑑から手持ちのアクセサリーにできる工夫をしてみたら素晴らしく個性的になったのよ。そんなアイディアを惜しみなく分けてくださるところも素敵。流石王太子妃候補筆頭。
で、ララ様ね。ララ様の発想が素晴らしいわよね。正直言ってララ様のお家はお持ちの商会が繁盛されて裕福なんだけど男兄弟が多くて、お金はそちらに回されているのよ。だからあまり流行は追えないみたい。その分発想が素晴らしいのね。ご兄弟様方への不満も聞いたことがないわ。
「まずは、あの物語の男性主人公のキリアン様の幼少時代はこうだったのでは?というページです」
「きゃあ」
「あらぁ」
「まぁ」
「「「素敵ぃ」」」
ララ様が挿絵入りで描かれているわ!物語では筋骨隆々のキリアン様が子どもサイズになるとこんなに愛らしいの?泣いてしまったエピソードは多分こんな、とか、子どもの頃嫌いな食べ物がこれだと嬉しい、とか。面白いわ!
「素晴らしい図鑑ね。面白いわ」
皆様大絶賛よ。するとララ様が
「実は閃いたのはリディラ様の弟様方なのですわ」
あら、意外なところにそんなヒントが?
「まぁ、どういうことかしら?」
リディラ様。とても嬉しそうなお顔。
「お茶会でうさぎ様とお星様にお会いした時にお二人の弟様方がよく似ていらして…とても愛らしくお可愛いかったでしょう?」
あれは反則よね。「ルゼルじゃないでしゅ。うさぎでしゅ」って。バレバレだし、お星様はなんでご一緒なのかわからないし。可愛かったわ。
「それでその後リゼル様がご帰宅されて、私たちをエスコートしてくださいましたでしょ?とても素敵でしたわ。学園に入学してからもお見かけするリゼル様はとても素敵な紳士でいらっしゃるけど、お顔はやっぱりルゼル様方に似てますでしょ?
だから思ったのです。もしかしたら今は素敵なリゼル様もうさぎ様やお星様になられていたことがあるのかなって。
そうしたら、読んでいた本の登場人物の子ども時代も想像してしまって」
なるほど!
「まぁ、お兄様がこんな素晴らしい図鑑の発想に役立っていたなんて。
実はあの日はお兄様方は顔を出さないように話していたのよ。だから花を携えて戻ってきた時は少しカチンときましたの。でもしっかりララ様の発想のために働いていたということですね。帰ったら少し優しくしますわ、ふふ」
「あら、リディラ様がカチンと?」
私がうっかり言うとマーリン様が
「ふふ、リディラ様は弟様方第一主義だからリゼル様やユリアン様には厳しいのよね」
おぉ、ここに私たちの知らない上位貴族様方の交流が見えました。ユリアン様にも厳しくできるリディラ様って素敵。
「ユリアン様にも厳しくできるリディラ様って素敵」
わ。声に出ました。それを聞いたマーリン様がまたまた笑いながら言いました。
「ユリアン様どころかマグヌス殿下にも厳しいのよリディラ様は」
「え、マグヌス殿下にもですか?」
え?あの完全無欠のマグヌス殿下に厳しくするところなんてあるの?
「前にね、弟様方がお昼寝している時にマグヌス殿下がリディラ様に声をかけたら、リディラ様が弟様方が起きてしまうから静かにって殿下の顔も見ずに叱ったのですって」
マーリン様、楽しそうだけど、リディラ様のそれって不敬では?笑ってるマーリン様も不敬では?
というかマグヌス殿下に意見を言えるリディラ様、かっこいい。あの綺麗なお顔を見ないで言い切るところもかっこいい。
リディラ様、やっぱり素敵。ずっとずっと仲良しでいていただきたいわ。
ひとしきりララ様の図鑑で盛り上がって次はマーリン様の「地方特有の小物が買える穴場のお店図鑑」ね。これも楽しそう。
図鑑を作り始めたリディラ様や弟様方って、やっぱり素敵。またいつかあの可愛いうさぎ様たちにお会いしたいわ。
そうだ、次の私の図鑑はララ様のアイディアもお借りして「あの登場人物はこの動物に似てる図鑑」にしましょう!
今からたのしみだわ。
馬車の中で何回も練習しているからメイドが笑っているわ。でも仕方ないじゃない。毎回緊張で噛んでしまうのだもの。
皆様こんにちはタミラです。
リディラ様の小物破壊でご迷惑をおかけした子爵令嬢のタミラです。
私もこの秋から王立初等学園に入学しました。ドキドキでした。きっと「破壊のタミラ」などと有名になっているのではないかと怖かったのです。ですが、どなたからも「破壊のタミラ」など呼ばれることなく、平穏に楽しい学園生活を送っています。
…てっきりあの破壊行動が噂になっていると思い込んでいたのです。前に参加したお茶会でお茶を派手にこぼしたご令嬢がしばらくしたら「粗相の〇〇」などというあだ名で呼ばれていたのだもの…。でもそのようなことはありませんでした。皆様お口が硬いと言うか、人の失敗を面白おかしく口にされる方々ではなかったのですわ。
しかも小物を破壊した私に、リディラ様は「タミラ様とは趣味が合いそう。是非お友達になってください」などと言われて私はもぅもぅもぅ~リディラ様の大ファンになりました。
今日はララ様もいらっしゃるとか。ララ様は私の破壊行動で足をお怪我してしまった方です。本当に申し訳ない。しかもララ様は私を責めるどころかそれを隠そうとされて…なんてお優しいのか。
とか回想している間に到着です。
ホーリィ公爵家、流石のお屋敷と品の良さ。マーリン様のお父様である公爵様は現王陛下の弟様だとか。それって元王子様ということよね。マーリン様はやはりお姫様なのだわ。本当に美しくて所作が綺麗。
今日は小春日和だから四阿でお茶をするそうよ。素敵。うちには四阿なんてないわ。リディラ様のアトリエも素敵だったけどこちらの四阿も素敵。
ご挨拶をまたまた噛みながら終わらせて着席、と。
「タミラ様、ようこそ」
ああ、マーリン様の笑顔が眩しい。
「お茶も楽しみたいのだけど、早く新しい図鑑を見せていただきたいわ」
マーリン様が小さな拍手をして期待されています。なんて可愛らしいのかしら。
「どなたから披露します?」
「私はララ様の図鑑に興味津々なの」
これもマーリン様。
学園でどのような図鑑を作っているかという話になった時にララ様がちらりとお話になった新しい図鑑のテーマ。「あの物語の登場人物の子供の頃~こんなお子様だったのでは?」なんて!考えもしなかったわ!楽しみ!
「私もララ様の図鑑に興味が…」
と言ってみたわ。ララ様、照れながらも「では、失礼して私から…」と図鑑を差し出されました。
「私の家は男爵家で、領地もなく兄達もいる上に弟もいるから、皆様のようにあまり新しいアクセサリーに縁がなくて…」
確かにアクセサリー図鑑はリディラ様に敵う令嬢はいませんわ。センスの良さから新しいアイディアまで、リディラ様の図鑑は既に新しいアクセサリーの商品カタログのように完成度が高いの。実際自分でリディラ様の図鑑から手持ちのアクセサリーにできる工夫をしてみたら素晴らしく個性的になったのよ。そんなアイディアを惜しみなく分けてくださるところも素敵。流石王太子妃候補筆頭。
で、ララ様ね。ララ様の発想が素晴らしいわよね。正直言ってララ様のお家はお持ちの商会が繁盛されて裕福なんだけど男兄弟が多くて、お金はそちらに回されているのよ。だからあまり流行は追えないみたい。その分発想が素晴らしいのね。ご兄弟様方への不満も聞いたことがないわ。
「まずは、あの物語の男性主人公のキリアン様の幼少時代はこうだったのでは?というページです」
「きゃあ」
「あらぁ」
「まぁ」
「「「素敵ぃ」」」
ララ様が挿絵入りで描かれているわ!物語では筋骨隆々のキリアン様が子どもサイズになるとこんなに愛らしいの?泣いてしまったエピソードは多分こんな、とか、子どもの頃嫌いな食べ物がこれだと嬉しい、とか。面白いわ!
「素晴らしい図鑑ね。面白いわ」
皆様大絶賛よ。するとララ様が
「実は閃いたのはリディラ様の弟様方なのですわ」
あら、意外なところにそんなヒントが?
「まぁ、どういうことかしら?」
リディラ様。とても嬉しそうなお顔。
「お茶会でうさぎ様とお星様にお会いした時にお二人の弟様方がよく似ていらして…とても愛らしくお可愛いかったでしょう?」
あれは反則よね。「ルゼルじゃないでしゅ。うさぎでしゅ」って。バレバレだし、お星様はなんでご一緒なのかわからないし。可愛かったわ。
「それでその後リゼル様がご帰宅されて、私たちをエスコートしてくださいましたでしょ?とても素敵でしたわ。学園に入学してからもお見かけするリゼル様はとても素敵な紳士でいらっしゃるけど、お顔はやっぱりルゼル様方に似てますでしょ?
だから思ったのです。もしかしたら今は素敵なリゼル様もうさぎ様やお星様になられていたことがあるのかなって。
そうしたら、読んでいた本の登場人物の子ども時代も想像してしまって」
なるほど!
「まぁ、お兄様がこんな素晴らしい図鑑の発想に役立っていたなんて。
実はあの日はお兄様方は顔を出さないように話していたのよ。だから花を携えて戻ってきた時は少しカチンときましたの。でもしっかりララ様の発想のために働いていたということですね。帰ったら少し優しくしますわ、ふふ」
「あら、リディラ様がカチンと?」
私がうっかり言うとマーリン様が
「ふふ、リディラ様は弟様方第一主義だからリゼル様やユリアン様には厳しいのよね」
おぉ、ここに私たちの知らない上位貴族様方の交流が見えました。ユリアン様にも厳しくできるリディラ様って素敵。
「ユリアン様にも厳しくできるリディラ様って素敵」
わ。声に出ました。それを聞いたマーリン様がまたまた笑いながら言いました。
「ユリアン様どころかマグヌス殿下にも厳しいのよリディラ様は」
「え、マグヌス殿下にもですか?」
え?あの完全無欠のマグヌス殿下に厳しくするところなんてあるの?
「前にね、弟様方がお昼寝している時にマグヌス殿下がリディラ様に声をかけたら、リディラ様が弟様方が起きてしまうから静かにって殿下の顔も見ずに叱ったのですって」
マーリン様、楽しそうだけど、リディラ様のそれって不敬では?笑ってるマーリン様も不敬では?
というかマグヌス殿下に意見を言えるリディラ様、かっこいい。あの綺麗なお顔を見ないで言い切るところもかっこいい。
リディラ様、やっぱり素敵。ずっとずっと仲良しでいていただきたいわ。
ひとしきりララ様の図鑑で盛り上がって次はマーリン様の「地方特有の小物が買える穴場のお店図鑑」ね。これも楽しそう。
図鑑を作り始めたリディラ様や弟様方って、やっぱり素敵。またいつかあの可愛いうさぎ様たちにお会いしたいわ。
そうだ、次の私の図鑑はララ様のアイディアもお借りして「あの登場人物はこの動物に似てる図鑑」にしましょう!
今からたのしみだわ。
58
あなたにおすすめの小説
過労死して転生したので絶対に働かないと決めたのに、何をしても才能がバレる件
やんやんつけバー
ファンタジー
過労死して異世界転生。今度こそ絶対に働かないと決めたのに、何をやっても才能がバレてしまう——。農村で静かに暮らすはずが、魔力、農業、医療……気づけば誰も放っておかない。チートで穏やか系の異世界スローライフ。
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて
奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】
※ヒロインがアンハッピーエンドです。
痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。
爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。
執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。
だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。
ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。
広場を埋め尽くす、人。
ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。
この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。
そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。
わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。
国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。
今日は、二人の婚姻の日だったはず。
婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。
王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。
『ごめんなさい』
歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。
無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。
弁えすぎた令嬢
ねこまんまときみどりのことり
ファンタジー
元公爵令嬢のコロネ・ワッサンモフは、今は市井の食堂の2階に住む平民暮らしをしている。
発端は彼女の父親が行方不明となり、叔父である父の弟が公爵邸に乗り込んで来たこと。
何故か叔父一家が公爵家の資産に手を付け散財するが、祖父に相談してもコロネに任せると言って、手を貸してくれないのだ。
そもそも父の行方不明の原因は、出奔中の母を探す為だった。その母には出奔の理由があって…………。
残された次期後継者のコロネは、借金返済の為に事業を始めるのだ。
小説家になろうさん、カクヨムさんにも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる