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第肆章 武器商人の都、京都炎上の章
第五十九節 天下を握る好機到来
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無敵を誇る武田軍の将帥の中でも優れた実力の持ち主のみに与えられた称号・武田四天王の筆頭に名前が挙がっている高坂昌信。
この武将の任務は……
北へわずか60km行った場所にある越後国の春日山城[現在の新潟県上越市]にいる上杉謙信の軍勢から、武田家の領地である善光寺平[現在の長野市周辺]を『防衛』することであった。
ただし。
戦国最強と言われ、軍神と恐れられた上杉謙信の軍勢から領地を防衛するなど容易なことではない。
彼がまだ10代後半の頃……
黒田一族という国衆[独立した領主のこと]が主の命令に逆らったとの報告を聞くや否や周囲の反対を押し切り、何と兵が集結するのも待たずに出撃したらしい。
「国の主を軽んじる者どもに、『秩序』の何たるかを教えてやろう」
こう言って自軍の数倍もある敵へわずかな軍勢で襲い掛かったのだ!
想定外の早さに不意を突かれた黒田一族はあっさりと撃破され、恐怖に震え上がった他の国衆たちは次々と主への忠誠を誓ったという。
それでも。
彼を主と認めず、頑強に抵抗する国衆や家臣たちも少なからずいたようだ。
「主と認めぬ者どもには……
武人らしく、武力を以って認めさせようではないか」
抵抗勢力を片っ端から討伐し始めた彼は、20代半ばまでにはそれら全てを排除、あるいは懐柔[手なずけるという意味]して『秩序』の確立に成功する。
これによって越後国[現在の新潟県]は極めて平和で安全な国へと変貌したのである。
何年か経ち、彼が20代後半の頃……
こう言って居城の春日山城を出撃した。
「足利将軍家より関東一円の支配を任された御方である関東管領の命令に逆らうばかりか、その領地を掠め取って室町幕府の『秩序』を乱す極悪人・北条一族に対し、わしが天に代わって罰を下してやろう!」
と。
わずか8千人程度の軍勢を率いて三国峠[現在の新潟県と群馬県の境界にある峠]を越え、関東平野へとなだれ込む。
関東管領に従ったために数万の北条軍に包囲された唐沢山城[現在の栃木県佐野市]を救援すべく疾風怒涛の勢いで駆け付けると……
何と数万の北条軍は、甲冑すら身に着けていない上杉謙信の率いる数千の軍勢を見ただけで圧倒された。
「こんな軍勢とまともに戦うべきではない」
咄嗟にこう判断した総大将・北条氏政は慌てて唐沢山城の包囲を解くと、本拠地の小田原城[現在の神奈川県小田原市]へ全速力で逃げ帰ったようだ。
海津城[現在の長野市松代町]と、およそ1万人もの守備兵を預けられているとはいえ……
北へわずか60km行った場所にいる上杉謙信の軍勢から領地を防衛することが、どれだけ困難な任務であったかお分かり頂けただろうか。
◇
ところが!
任務の遂行すら容易ではないにも関わらず、任地から大きく離れることを高坂昌信は突如として全軍に命令した。
「『上杉謙信公は、卑怯な戦い方を好まぬ御方。
攻めて来ることはないゆえ安心致せ』
昌信様はこう申されていたが、本当に大丈夫なのか?
その気になれば……
春日山城を出撃して疾風の如く木曽福島城へ向かう我らの無防備な背中へと襲い掛かり、一人残らず討つことだってできるのだぞ?」
こう恐怖に慄く兵士は少なくなかっただろう。
しかし。
どれだけの恐怖を覚えたとしても、兵士たちは軍の秩序を守ることを優先した。
「高坂昌信の統率能力の高さは尋常ではない」
たった一人の脱落者すら出さず、全軍を任地から木曽福島城へ集結させたのを見た武田勝頼がこう呟いたのも至極当然のことだと言える。
◇
昌信は話の核心に迫っていく。
「勝頼様。
単刀直入に申し上げます。
この通り……
織田信長の背後を突く軍勢、集結しましたぞ」
「わしに、この軍勢を率いて信長の無防備な背中へ襲い掛かれと?」
「御意。
信長が全軍を率いて京の都へと向かったことで、信長の本拠である岐阜城にこれという有能な武将はいないではありませんか。
勝頼様も千載一遇の『好機』であることにお気付きのはず」
「勿論、気付いてはいる」
「この1万人を超える武田軍が……
信長から全く見えていない軍勢であることもお分かりでしょう?」
「ああ。
それも分かっている。
この軍勢を率いて岐阜城へと向かえば、確実に信長の『不意』を突くことができよう」
2人の会話に付いていけないのか……
勝頼の側にいる武藤喜兵衛[後の真田昌幸]が、疑問を口にした。
「勝頼様。
昌信様。
この軍勢が信長から全く見えていないとは、どういう意味なのでしょうか?
確実に信長の不意を突くことができる、とは?」
勝頼がすぐに答えた。
「喜兵衛よ。
確かに信長は全軍を率いて京の都へと向かったが……
万が一の『備え』を怠ってなどいないのだ」
「備えとは、何です?」
「武田軍本隊のいる『甲府』へ多数の乱波[大名などに雇われ、相手国の現地住民などに成りすまして動向を探るスパイのこと]を放ち、わしが信長の背後を突く動きをするか否かを監視することよ」
「なるほど。
甲府にいる乱波から武田軍本隊が動いたとの知らせが届けば、信長とその軍勢は直ちに岐阜城へと引き返すつもりなのですか」
「ただし。
さすがの信長も、上杉謙信の軍勢から領地を防衛している武田軍が向かってくるなど夢にも思ってはいまい」
「それはつまり……
『善光寺平[現在の長野市周辺のこと]』にいる、上杉謙信の軍勢から領地を防衛している武田軍は信長の監視対象から外れていると?」
「善光寺平の監視に人を割くよりは、甲府の監視を強化する方が良いからな。
だからこそ昌信が連れてきた、この1万人を超える武田軍は……
信長から全く見えていない軍勢となるのだ」
「勝頼様。
疾風の如く進めば、ここから岐阜城までは1日も掛からない距離です」
「うむ」
「だとすれば!
信長がようやく、この1万人を超える武田軍の存在に気付くのは……
岐阜城の『目前』にまで迫られた瞬間となるのでは?」
「そう、なるだろうな」
「岐阜城の守備兵たちは慌てて籠城の支度をし、信長とその軍勢は京の都から慌てて引き返したところで、間に合いますまい。
対応の『遅れ』は致命的となりましょう」
「……」
「間髪を入れず準備不足の岐阜城へと襲い掛かり、城を落として城下の町に火を放てば……
信長とその軍勢が引き返してくる前に、信長の本拠地は壊滅するのではありませんか?」
「……」
「勝頼様。
この喜兵衛の『見立て』に間違いがありましょうや?」
「ない」
◇
最後の一言を放ってから沈黙を続ける勝頼に、昌信は軍勢を進めるよう強く促し始めた。
「勝頼様。
さあ!
この軍勢を率いて、信長の本拠である岐阜城へと向かいなされ!」
「……」
「この軍勢を率いて進むだけで信長の本拠は落ち、京の都と幕府を滅びから救うことができ、そして己の手で『天下』を握ることさえ可能なのです!」
「……」
「二度と、このような好機は訪れませんぞ!」
「昌信よ。
確かに……
この軍勢を率いて進むだけで信長の本拠は落ち、京の都と幕府を滅びから救うことができよう。
ただし。
天下を握ることさえ可能なのは、少し『違う』気がするのだが?」
「どこが違うのです?」
「信長の本拠を落とした程度で、信長は倒せまい」
「……」
「『戦国乱世に終止符を打ち、平和な世を達成したい』
信長には……
この志を同じくする協力者たちがいる。
同盟相手の徳川家康、柴田勝家や丹羽長秀といった織田家の重臣たち、幕府を裏切ってまで信長の家臣となった明智光秀、そして街から街へと売り歩く行商人集団の親玉から信長の家臣へと転じた木下秀吉、そして信長に忠誠を誓った堺[現在の大阪府堺市]の商人たち。
加えて京の都へ放った乱波の知らせによると、吉田屋と茶屋が同胞を裏切って信長に内通しているとか」
「……」
「信長の本拠地が壊滅したところで、これら志を同じくする者たちは決して信長を見捨てないだろう」
「……」
「信長とその同志たち全てを滅ぼそうとするならば……
銭[お金]を儲けることしか頭にない屑どもがいる、京の都。
己のためなら尽くしてくれた信長さえも平然と裏切る、腐り果てた幕府。
加えて己の利益のために存在もしない神を騙って民を操り、政にまで口を出す、本願寺教団。
こいつらと手を組むしかない」
「それはそうですが……」
「だが!
わしはな!
奴らと手を組むなど虫酸が走るのだ!」
【次節予告 第六十節 真の敵とは、誰か】
武田勝頼はこう言います。
「『他人を危険な戦場へと送り込む一方で自らを安全な場所に置き、せっせと兵糧や武器弾薬を売り捌いて銭[お金]儲けをしている連中こそが真の敵でしょう』
今は亡き我が妻が、こう申したことを忘れたのか?」
と。
この武将の任務は……
北へわずか60km行った場所にある越後国の春日山城[現在の新潟県上越市]にいる上杉謙信の軍勢から、武田家の領地である善光寺平[現在の長野市周辺]を『防衛』することであった。
ただし。
戦国最強と言われ、軍神と恐れられた上杉謙信の軍勢から領地を防衛するなど容易なことではない。
彼がまだ10代後半の頃……
黒田一族という国衆[独立した領主のこと]が主の命令に逆らったとの報告を聞くや否や周囲の反対を押し切り、何と兵が集結するのも待たずに出撃したらしい。
「国の主を軽んじる者どもに、『秩序』の何たるかを教えてやろう」
こう言って自軍の数倍もある敵へわずかな軍勢で襲い掛かったのだ!
想定外の早さに不意を突かれた黒田一族はあっさりと撃破され、恐怖に震え上がった他の国衆たちは次々と主への忠誠を誓ったという。
それでも。
彼を主と認めず、頑強に抵抗する国衆や家臣たちも少なからずいたようだ。
「主と認めぬ者どもには……
武人らしく、武力を以って認めさせようではないか」
抵抗勢力を片っ端から討伐し始めた彼は、20代半ばまでにはそれら全てを排除、あるいは懐柔[手なずけるという意味]して『秩序』の確立に成功する。
これによって越後国[現在の新潟県]は極めて平和で安全な国へと変貌したのである。
何年か経ち、彼が20代後半の頃……
こう言って居城の春日山城を出撃した。
「足利将軍家より関東一円の支配を任された御方である関東管領の命令に逆らうばかりか、その領地を掠め取って室町幕府の『秩序』を乱す極悪人・北条一族に対し、わしが天に代わって罰を下してやろう!」
と。
わずか8千人程度の軍勢を率いて三国峠[現在の新潟県と群馬県の境界にある峠]を越え、関東平野へとなだれ込む。
関東管領に従ったために数万の北条軍に包囲された唐沢山城[現在の栃木県佐野市]を救援すべく疾風怒涛の勢いで駆け付けると……
何と数万の北条軍は、甲冑すら身に着けていない上杉謙信の率いる数千の軍勢を見ただけで圧倒された。
「こんな軍勢とまともに戦うべきではない」
咄嗟にこう判断した総大将・北条氏政は慌てて唐沢山城の包囲を解くと、本拠地の小田原城[現在の神奈川県小田原市]へ全速力で逃げ帰ったようだ。
海津城[現在の長野市松代町]と、およそ1万人もの守備兵を預けられているとはいえ……
北へわずか60km行った場所にいる上杉謙信の軍勢から領地を防衛することが、どれだけ困難な任務であったかお分かり頂けただろうか。
◇
ところが!
任務の遂行すら容易ではないにも関わらず、任地から大きく離れることを高坂昌信は突如として全軍に命令した。
「『上杉謙信公は、卑怯な戦い方を好まぬ御方。
攻めて来ることはないゆえ安心致せ』
昌信様はこう申されていたが、本当に大丈夫なのか?
その気になれば……
春日山城を出撃して疾風の如く木曽福島城へ向かう我らの無防備な背中へと襲い掛かり、一人残らず討つことだってできるのだぞ?」
こう恐怖に慄く兵士は少なくなかっただろう。
しかし。
どれだけの恐怖を覚えたとしても、兵士たちは軍の秩序を守ることを優先した。
「高坂昌信の統率能力の高さは尋常ではない」
たった一人の脱落者すら出さず、全軍を任地から木曽福島城へ集結させたのを見た武田勝頼がこう呟いたのも至極当然のことだと言える。
◇
昌信は話の核心に迫っていく。
「勝頼様。
単刀直入に申し上げます。
この通り……
織田信長の背後を突く軍勢、集結しましたぞ」
「わしに、この軍勢を率いて信長の無防備な背中へ襲い掛かれと?」
「御意。
信長が全軍を率いて京の都へと向かったことで、信長の本拠である岐阜城にこれという有能な武将はいないではありませんか。
勝頼様も千載一遇の『好機』であることにお気付きのはず」
「勿論、気付いてはいる」
「この1万人を超える武田軍が……
信長から全く見えていない軍勢であることもお分かりでしょう?」
「ああ。
それも分かっている。
この軍勢を率いて岐阜城へと向かえば、確実に信長の『不意』を突くことができよう」
2人の会話に付いていけないのか……
勝頼の側にいる武藤喜兵衛[後の真田昌幸]が、疑問を口にした。
「勝頼様。
昌信様。
この軍勢が信長から全く見えていないとは、どういう意味なのでしょうか?
確実に信長の不意を突くことができる、とは?」
勝頼がすぐに答えた。
「喜兵衛よ。
確かに信長は全軍を率いて京の都へと向かったが……
万が一の『備え』を怠ってなどいないのだ」
「備えとは、何です?」
「武田軍本隊のいる『甲府』へ多数の乱波[大名などに雇われ、相手国の現地住民などに成りすまして動向を探るスパイのこと]を放ち、わしが信長の背後を突く動きをするか否かを監視することよ」
「なるほど。
甲府にいる乱波から武田軍本隊が動いたとの知らせが届けば、信長とその軍勢は直ちに岐阜城へと引き返すつもりなのですか」
「ただし。
さすがの信長も、上杉謙信の軍勢から領地を防衛している武田軍が向かってくるなど夢にも思ってはいまい」
「それはつまり……
『善光寺平[現在の長野市周辺のこと]』にいる、上杉謙信の軍勢から領地を防衛している武田軍は信長の監視対象から外れていると?」
「善光寺平の監視に人を割くよりは、甲府の監視を強化する方が良いからな。
だからこそ昌信が連れてきた、この1万人を超える武田軍は……
信長から全く見えていない軍勢となるのだ」
「勝頼様。
疾風の如く進めば、ここから岐阜城までは1日も掛からない距離です」
「うむ」
「だとすれば!
信長がようやく、この1万人を超える武田軍の存在に気付くのは……
岐阜城の『目前』にまで迫られた瞬間となるのでは?」
「そう、なるだろうな」
「岐阜城の守備兵たちは慌てて籠城の支度をし、信長とその軍勢は京の都から慌てて引き返したところで、間に合いますまい。
対応の『遅れ』は致命的となりましょう」
「……」
「間髪を入れず準備不足の岐阜城へと襲い掛かり、城を落として城下の町に火を放てば……
信長とその軍勢が引き返してくる前に、信長の本拠地は壊滅するのではありませんか?」
「……」
「勝頼様。
この喜兵衛の『見立て』に間違いがありましょうや?」
「ない」
◇
最後の一言を放ってから沈黙を続ける勝頼に、昌信は軍勢を進めるよう強く促し始めた。
「勝頼様。
さあ!
この軍勢を率いて、信長の本拠である岐阜城へと向かいなされ!」
「……」
「この軍勢を率いて進むだけで信長の本拠は落ち、京の都と幕府を滅びから救うことができ、そして己の手で『天下』を握ることさえ可能なのです!」
「……」
「二度と、このような好機は訪れませんぞ!」
「昌信よ。
確かに……
この軍勢を率いて進むだけで信長の本拠は落ち、京の都と幕府を滅びから救うことができよう。
ただし。
天下を握ることさえ可能なのは、少し『違う』気がするのだが?」
「どこが違うのです?」
「信長の本拠を落とした程度で、信長は倒せまい」
「……」
「『戦国乱世に終止符を打ち、平和な世を達成したい』
信長には……
この志を同じくする協力者たちがいる。
同盟相手の徳川家康、柴田勝家や丹羽長秀といった織田家の重臣たち、幕府を裏切ってまで信長の家臣となった明智光秀、そして街から街へと売り歩く行商人集団の親玉から信長の家臣へと転じた木下秀吉、そして信長に忠誠を誓った堺[現在の大阪府堺市]の商人たち。
加えて京の都へ放った乱波の知らせによると、吉田屋と茶屋が同胞を裏切って信長に内通しているとか」
「……」
「信長の本拠地が壊滅したところで、これら志を同じくする者たちは決して信長を見捨てないだろう」
「……」
「信長とその同志たち全てを滅ぼそうとするならば……
銭[お金]を儲けることしか頭にない屑どもがいる、京の都。
己のためなら尽くしてくれた信長さえも平然と裏切る、腐り果てた幕府。
加えて己の利益のために存在もしない神を騙って民を操り、政にまで口を出す、本願寺教団。
こいつらと手を組むしかない」
「それはそうですが……」
「だが!
わしはな!
奴らと手を組むなど虫酸が走るのだ!」
【次節予告 第六十節 真の敵とは、誰か】
武田勝頼はこう言います。
「『他人を危険な戦場へと送り込む一方で自らを安全な場所に置き、せっせと兵糧や武器弾薬を売り捌いて銭[お金]儲けをしている連中こそが真の敵でしょう』
今は亡き我が妻が、こう申したことを忘れたのか?」
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