53 / 74
【最終章 西上作戦】 武田家を滅ぼす策略に抗うべく、信長と家康打倒を決断す
第五十三話 南蛮貿易という醜悪な取引
しおりを挟む
武田武田家を滅ぼす策略に抗うべく、武田信玄が『西上作戦』を開始した頃。
鉄砲が日本に伝来して30年ほどが経過していた。
最初こそ南蛮人[スペイン人とポルトガル人のこと]から買っていたが、値段は非常に高く、納品に何年も掛かっていたらしい。
「もっと値段を安くし、もっと早く届ける方法はないか?」
優秀な日本の鍛冶職人たちは……
鉄砲を分解して構造を研究すると、次々と模倣品を作り始めた。
日本人の『模倣技術』の高さに、さすがの南蛮人も驚嘆したという。
日本各地で生産され、大勢の武器商人が取り扱うことで『競争』も働き、もっと値段は安くなり、もっと早く納品されるようになった。
◇
当たり前のことだが。
『弾丸と火薬』がなければ、鉄砲を撃つことなどできない。
大量の弾丸と火薬を確保できるがどうかが戦争の勝敗を左右すると言っても過言ではないのだ。
「鉄砲の数だけ揃えても全く意味がない」
第二十四話で、どこかの武器商人が言った通りである。
どの歴史書にも書かれていないが……
弾丸と火薬の『作り方』は、どうなっているのだろうか?
まず弾丸。
これは鉛という金属で出来ていて、方鉛鉱という鉱石から得られる。
日本は元々、金、銀、銅や鉄を採掘する鉱山を保有し、鉛も一緒に得ることはできたものの……
鉄砲を撃つ度に大量消費されることから、鉛は常に『不足』していた。
次に火薬。
これは硝石という化合物で出来ているが、当時の日本人は作り方そのものを『知らなかった』。
「鉄砲を自作することよりも、弾丸と火薬を自作する方がはるかに大事であることに日本人は気付いてさえいない。
模倣技術の能力こそ高いが、己の頭で筋道を立てて『考える』能力は低いようだな」
こう考えた南蛮人は、日本人を徹底的に利用することに決めた。
「馬鹿な日本人ども。
我々から弾丸と火薬を買い続けよ。
日本人どもが戦に明け暮れている間に、我々は日本の富を全て吸い尽くしてやろう」
と。
◇
ところで。
南蛮人は、どんな方法で大量の弾丸と火薬を確保していたのだろうか?
まず弾丸の原料となる鉛。
南蛮人は、東南アジアにいくつもの鉛鉱山を持っていた。
そこでは現地の人間を奴隷として送り込み、ひたすら鞭打って過酷な作業をさせていた。
劣悪な衛生状態で満足な食事も休息も与えず大勢の人間を作業中に死なせたらしい。
同じ人間を『虫けら』のように扱うことで、安価で大量の鉛を得ていたのである。
こうして得た大量の鉛を積んだ船を、戦国乱世の日本へと向ける。
日本に着いて鉛と売るのと引き換えに、日本の金や銀、戦争で奴隷となった若い男女や子供などを買った。
次に火薬の原料となる硝石。
特に中国では黒色火薬の原料として人間や家畜の排泄物から作る技術があったが、意図的に日本人には秘密にしていた。
南蛮人は何らかの手段を用いてこの事実を『吐かせた』のだろう。
彼らは日本で得た金や銀、日本人奴隷の一部を中国へと売って大量の硝石を買う。
これを鉛と同じように日本へ持って行って高く売り付けた。
南蛮人との貿易、つまり『南蛮貿易』の中身とは……
弾丸と火薬を買うために、金や銀に加えて同じ日本人である同胞まで売り渡すという醜悪な取引であったのだ!
エンターテインメントばかりを追求する歴史書は、南蛮貿易のキラキラした部分だけを書いて醜悪な現実から目を逸らしている。
◇
さて。
南蛮貿易という醜悪な取引は、『どこ』で行われていたのだろうか?
歴史書によると……
堺のある和泉国[現在の大阪府堺市など]、安濃津のある伊勢国[現在の三重県]、摂津国[現在の大阪府北部と兵庫県東部あたり]の3つであったらしい。
実は4つ目として博多のある筑前国[現在の福岡市]もあるが、ここは本編の舞台から遠いので考慮に入れないこととする。
大量の弾丸と火薬を確保する重要性を強く認識していた織田信長は、最初に和泉国を狙った。
足利義昭を将軍に据えた褒美にこの国を要求し、松井友閑という代官を置いて直轄地としてしまう。
次に狙ったのは伊勢国であった。
この国を治める大名の北畠家へ、次男の信雄を送り込んで家ごと乗っ取った。
そして武田家を不倶戴天の敵と見なすことを決めた信長は、残る摂津国の掌握を急いだが……
この国を治める大名がとっくの昔に没落したために秩序は完全に崩壊し、池田一族などの国衆[独立した領主のこと]や石山[現在の大阪市中央区]に総本山を置く本願寺教団などが各地に割拠して勝手気ままな行動を取っている『無法地帯』と化していた。
「無秩序な連中め!
どいつもこいつも己の都合ばかり……
国衆も厄介だが、教団はもっと厄介だぞ!
国の掌握が全く進まんではないか!」
焦る信長を助けたのは、ここでも明智光秀の策略であった。
「この国で最も『勢い』のある男を利用するのです」
「誰じゃ?」
「荒木村重を」
「荒木村重!?
主の池田勝正を追放してその城を我が物とした『大罪人』のことか?」
「はい」
「奴のことを下剋上の手本と褒め称える馬鹿も多いらしいが……
わしが秩序を乱す者をどれだけ忌み嫌うか、そちもよく存じておろう?」
「信長様。
あの男を、摂津国の『大名』に抜擢されては如何」
信長は激しい苛立ちを見せた。
「何だと!?
このわしが、村重を大名に?」
「御意」
「馬鹿げたことを申すなっ!
村重は主を追放した不義不忠の大罪人であろうが。
そちの正義は、一体どこへ消え失せたのじゃ!」
「信長様。
正しさに拘っていては、戦に勝利できませんぞ」
信長は短気であったが、計算高い男でもあった。
「『正しさに拘ってはならない』
か……
そちの口癖であったな」
「ここは、忍耐のときかと」
「分かった。
そちの申す通りにしよう」
「お聞き届け頂き、有り難く存じます」
「光秀よ。
ただし、このわがままだけは通させてもらうぞ」
「どのような?」
「あんな大罪人と親戚になるなど絶対に嫌じゃ!」
「……」
「考えるだけでも虫唾が走る!
荒木の家に、織田の姫は絶対に嫁がせたくない!」
「承知致しました。
荒木家には、それがしの長女である凛を嫁がせましょう」
「凛?
ああ、あの娘か」
「覚えておいでで?」
「忘れるはずがあるまい。
凛は、わしの愛娘と同じ『目』をしていたのじゃ」
しばらく後。
織田信長は荒木村重を摂津国の国主に抜擢し、織田軍の将帥の一人に任命した。
村重は感激のあまり涙を流して信長に忠誠を誓ったという。
これが策略の一環だとは、当の本人ですら夢にも思っていなかった。
◇
一人の男が独裁者・武田信玄に復命している。
「信玄様。
真に申し訳ありません。
堺の港より送り出した船が、徳川水軍に拿捕されてしまいました」
「前田屋よ。
積んでいた鉄砲の弾丸と火薬はどうなった?」
「徳川水軍に……
全て『奪われた』とのことです」
「正直に申せ。
伊賀者を使って罪のない数百人もの民を嬲り殺しにし、遠山一族を買収して上村合戦を引き起こし、一族の無能者まで操って織田信長の愛娘を恵林寺へと向かわせた一連の企て……
うぬも一枚噛んでいるのか?」
「……」
「答えよ!
うぬは……
『我が娘』でもある女子を殺したのか!」
「申し訳ございません。
全ては、武田家の将来を考えてのことです」
「どんな将来ぞ?
さっさと囀れ」
「織田信長は……
南蛮貿易の拠点である和泉国と伊勢国を瞬く間に直轄地としました。
残る摂津国を掌握されれば、弾丸と火薬を全て信長に『独占』されてしまいます」
「それで?」
「信長が摂津国に全軍を投入できないよう、各地に火種を起こさねばなりません」
「うぬと比べれば……
我が娘は、はるかに『優れた』人物であったな」
「……」
「うぬが我が娘を殺さなければ……
織田信長が南蛮貿易の拠点を全て直轄地としたところで、何の問題もなかったのにのう」
「……」
「役立たずの無能者めが。
余計なことをして、全てをぶち壊しおって。
『代償』を払え」
「だ、代償……?」
「うぬの家族よ」
「家族!?」
「欲深く、人でなしの伊賀者どもは……
銭[お金]のためなら何でも引き受けるらしいではないか」
「ま、まさか!」
「わしは、うぬの家族を全て拐った。
息子の勝頼に預けている。
家族を死なせたくなければ、最後の最後まで武田家のために尽くせ」
【次話予告 第五十四話 武田信玄、望まぬ戦いに出撃す】
武田信玄の演説は、2つの声を地鳴りの如く響かせます。
「卑怯者の徳川家康を倒せ!」
「奸賊の織田信長を倒せ!」
と。
鉄砲が日本に伝来して30年ほどが経過していた。
最初こそ南蛮人[スペイン人とポルトガル人のこと]から買っていたが、値段は非常に高く、納品に何年も掛かっていたらしい。
「もっと値段を安くし、もっと早く届ける方法はないか?」
優秀な日本の鍛冶職人たちは……
鉄砲を分解して構造を研究すると、次々と模倣品を作り始めた。
日本人の『模倣技術』の高さに、さすがの南蛮人も驚嘆したという。
日本各地で生産され、大勢の武器商人が取り扱うことで『競争』も働き、もっと値段は安くなり、もっと早く納品されるようになった。
◇
当たり前のことだが。
『弾丸と火薬』がなければ、鉄砲を撃つことなどできない。
大量の弾丸と火薬を確保できるがどうかが戦争の勝敗を左右すると言っても過言ではないのだ。
「鉄砲の数だけ揃えても全く意味がない」
第二十四話で、どこかの武器商人が言った通りである。
どの歴史書にも書かれていないが……
弾丸と火薬の『作り方』は、どうなっているのだろうか?
まず弾丸。
これは鉛という金属で出来ていて、方鉛鉱という鉱石から得られる。
日本は元々、金、銀、銅や鉄を採掘する鉱山を保有し、鉛も一緒に得ることはできたものの……
鉄砲を撃つ度に大量消費されることから、鉛は常に『不足』していた。
次に火薬。
これは硝石という化合物で出来ているが、当時の日本人は作り方そのものを『知らなかった』。
「鉄砲を自作することよりも、弾丸と火薬を自作する方がはるかに大事であることに日本人は気付いてさえいない。
模倣技術の能力こそ高いが、己の頭で筋道を立てて『考える』能力は低いようだな」
こう考えた南蛮人は、日本人を徹底的に利用することに決めた。
「馬鹿な日本人ども。
我々から弾丸と火薬を買い続けよ。
日本人どもが戦に明け暮れている間に、我々は日本の富を全て吸い尽くしてやろう」
と。
◇
ところで。
南蛮人は、どんな方法で大量の弾丸と火薬を確保していたのだろうか?
まず弾丸の原料となる鉛。
南蛮人は、東南アジアにいくつもの鉛鉱山を持っていた。
そこでは現地の人間を奴隷として送り込み、ひたすら鞭打って過酷な作業をさせていた。
劣悪な衛生状態で満足な食事も休息も与えず大勢の人間を作業中に死なせたらしい。
同じ人間を『虫けら』のように扱うことで、安価で大量の鉛を得ていたのである。
こうして得た大量の鉛を積んだ船を、戦国乱世の日本へと向ける。
日本に着いて鉛と売るのと引き換えに、日本の金や銀、戦争で奴隷となった若い男女や子供などを買った。
次に火薬の原料となる硝石。
特に中国では黒色火薬の原料として人間や家畜の排泄物から作る技術があったが、意図的に日本人には秘密にしていた。
南蛮人は何らかの手段を用いてこの事実を『吐かせた』のだろう。
彼らは日本で得た金や銀、日本人奴隷の一部を中国へと売って大量の硝石を買う。
これを鉛と同じように日本へ持って行って高く売り付けた。
南蛮人との貿易、つまり『南蛮貿易』の中身とは……
弾丸と火薬を買うために、金や銀に加えて同じ日本人である同胞まで売り渡すという醜悪な取引であったのだ!
エンターテインメントばかりを追求する歴史書は、南蛮貿易のキラキラした部分だけを書いて醜悪な現実から目を逸らしている。
◇
さて。
南蛮貿易という醜悪な取引は、『どこ』で行われていたのだろうか?
歴史書によると……
堺のある和泉国[現在の大阪府堺市など]、安濃津のある伊勢国[現在の三重県]、摂津国[現在の大阪府北部と兵庫県東部あたり]の3つであったらしい。
実は4つ目として博多のある筑前国[現在の福岡市]もあるが、ここは本編の舞台から遠いので考慮に入れないこととする。
大量の弾丸と火薬を確保する重要性を強く認識していた織田信長は、最初に和泉国を狙った。
足利義昭を将軍に据えた褒美にこの国を要求し、松井友閑という代官を置いて直轄地としてしまう。
次に狙ったのは伊勢国であった。
この国を治める大名の北畠家へ、次男の信雄を送り込んで家ごと乗っ取った。
そして武田家を不倶戴天の敵と見なすことを決めた信長は、残る摂津国の掌握を急いだが……
この国を治める大名がとっくの昔に没落したために秩序は完全に崩壊し、池田一族などの国衆[独立した領主のこと]や石山[現在の大阪市中央区]に総本山を置く本願寺教団などが各地に割拠して勝手気ままな行動を取っている『無法地帯』と化していた。
「無秩序な連中め!
どいつもこいつも己の都合ばかり……
国衆も厄介だが、教団はもっと厄介だぞ!
国の掌握が全く進まんではないか!」
焦る信長を助けたのは、ここでも明智光秀の策略であった。
「この国で最も『勢い』のある男を利用するのです」
「誰じゃ?」
「荒木村重を」
「荒木村重!?
主の池田勝正を追放してその城を我が物とした『大罪人』のことか?」
「はい」
「奴のことを下剋上の手本と褒め称える馬鹿も多いらしいが……
わしが秩序を乱す者をどれだけ忌み嫌うか、そちもよく存じておろう?」
「信長様。
あの男を、摂津国の『大名』に抜擢されては如何」
信長は激しい苛立ちを見せた。
「何だと!?
このわしが、村重を大名に?」
「御意」
「馬鹿げたことを申すなっ!
村重は主を追放した不義不忠の大罪人であろうが。
そちの正義は、一体どこへ消え失せたのじゃ!」
「信長様。
正しさに拘っていては、戦に勝利できませんぞ」
信長は短気であったが、計算高い男でもあった。
「『正しさに拘ってはならない』
か……
そちの口癖であったな」
「ここは、忍耐のときかと」
「分かった。
そちの申す通りにしよう」
「お聞き届け頂き、有り難く存じます」
「光秀よ。
ただし、このわがままだけは通させてもらうぞ」
「どのような?」
「あんな大罪人と親戚になるなど絶対に嫌じゃ!」
「……」
「考えるだけでも虫唾が走る!
荒木の家に、織田の姫は絶対に嫁がせたくない!」
「承知致しました。
荒木家には、それがしの長女である凛を嫁がせましょう」
「凛?
ああ、あの娘か」
「覚えておいでで?」
「忘れるはずがあるまい。
凛は、わしの愛娘と同じ『目』をしていたのじゃ」
しばらく後。
織田信長は荒木村重を摂津国の国主に抜擢し、織田軍の将帥の一人に任命した。
村重は感激のあまり涙を流して信長に忠誠を誓ったという。
これが策略の一環だとは、当の本人ですら夢にも思っていなかった。
◇
一人の男が独裁者・武田信玄に復命している。
「信玄様。
真に申し訳ありません。
堺の港より送り出した船が、徳川水軍に拿捕されてしまいました」
「前田屋よ。
積んでいた鉄砲の弾丸と火薬はどうなった?」
「徳川水軍に……
全て『奪われた』とのことです」
「正直に申せ。
伊賀者を使って罪のない数百人もの民を嬲り殺しにし、遠山一族を買収して上村合戦を引き起こし、一族の無能者まで操って織田信長の愛娘を恵林寺へと向かわせた一連の企て……
うぬも一枚噛んでいるのか?」
「……」
「答えよ!
うぬは……
『我が娘』でもある女子を殺したのか!」
「申し訳ございません。
全ては、武田家の将来を考えてのことです」
「どんな将来ぞ?
さっさと囀れ」
「織田信長は……
南蛮貿易の拠点である和泉国と伊勢国を瞬く間に直轄地としました。
残る摂津国を掌握されれば、弾丸と火薬を全て信長に『独占』されてしまいます」
「それで?」
「信長が摂津国に全軍を投入できないよう、各地に火種を起こさねばなりません」
「うぬと比べれば……
我が娘は、はるかに『優れた』人物であったな」
「……」
「うぬが我が娘を殺さなければ……
織田信長が南蛮貿易の拠点を全て直轄地としたところで、何の問題もなかったのにのう」
「……」
「役立たずの無能者めが。
余計なことをして、全てをぶち壊しおって。
『代償』を払え」
「だ、代償……?」
「うぬの家族よ」
「家族!?」
「欲深く、人でなしの伊賀者どもは……
銭[お金]のためなら何でも引き受けるらしいではないか」
「ま、まさか!」
「わしは、うぬの家族を全て拐った。
息子の勝頼に預けている。
家族を死なせたくなければ、最後の最後まで武田家のために尽くせ」
【次話予告 第五十四話 武田信玄、望まぬ戦いに出撃す】
武田信玄の演説は、2つの声を地鳴りの如く響かせます。
「卑怯者の徳川家康を倒せ!」
「奸賊の織田信長を倒せ!」
と。
0
あなたにおすすめの小説
if 大坂夏の陣 〜勝ってはならぬ闘い〜
かまぼこのもと
歴史・時代
1615年5月。
徳川家康の天下統一は最終局面に入っていた。
堅固な大坂城を無力化させ、内部崩壊を煽り、ほぼ勝利を手中に入れる……
豊臣家に味方する者はいない。
西国無双と呼ばれた立花宗茂も徳川家康の配下となった。
しかし、ほんの少しの違いにより戦局は全く違うものとなっていくのであった。
全5話……と思ってましたが、終わりそうにないので10話ほどになりそうなので、マルチバース豊臣家と別に連載することにしました。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
高遠の翁の物語
本広 昌
歴史・時代
時は戦国、信州諏方郡を支配する諏方惣領家が敵に滅ぼされた。
伊那郡高遠の主、諏方頼継は惣領家家族のうち、齢十一歳の姫君を、ひょんなことから保護できた。
頼継は豪傑でもなければ知将でもない。その辺の凡将だろう。
それでも若き姫を守りながら、滅びた惣領家の再興を叶えるため、死に物狂いで強大な敵に立ち向かっていく歴史物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる