落とし穴を掘るのだ!

はりもぐら

文字の大きさ
1 / 3

落とし穴を掘るのだ!・1

しおりを挟む
僕はある日の放課後、友達のケンジくんと落とし穴を掘ることにした。

母さんにバレるときっとやめなさいと言われるから、僕は納屋からこっそりおじいちゃんの大きなスコップを持ち出したんだ。

ケンジくんのうちには大きなスコップがないから、僕は重いスコップを2本肩にかついだ。

鉄でできたスコップはとても重かったけれど、落とし穴を掘るためならへっちゃらだ。

僕が通っていた幼稚園の裏手に広い空き地がある。

その幼稚園は今は使われていないから、普段は誰もいない。

僕が空き地で待っているとケンジくんが息を切らしてやってきた。

「お待たせー!早く落とし穴掘ろうよ」

「うん、わかってるって」

僕らは落とし穴を掘る場所を決めるため、空き地を歩き回った。

ケンジくんにもスコップを渡し、地面をザクザクやって掘りやすい場所を探した。

すると広場の半分くらいは柔らかい土であることが分かった。

僕はスコップをズルズル引きずって線を引いた。

「こっから向こうに作ろう」

「うん分かった」

「あとね、堀り終わって蓋をしたら、ちゃんと目印をしないといけないよ」

「分かってるって」

僕らが決めたルールは、自分が掘った落とし穴に、相手を落とすというものだ。

自分が落ちてしまったら台無しだから、自分にだけ分かる目印を持ってきている。

何にしようか迷ったけれど、僕は折り紙を小さくちぎったものにした。

ケンジくんが何を目印にしたのか僕はもちろん知らない。

僕とケンジくんは背中合わせに歩き始めた。

そして堀り終わるまでは決して振り返ってはいけない。

僕とケンジくんは適当な場所を見つけるとさっそく掘り始めた。

僕はスコップで大体の大きさの輪を書いてその内側を掘った。

10センチくらいの深さまで掘ったところで僕はあることに気が付いた。

掘った分の土が山になっているのだ。

これではここに穴がありますよと言っているようなものだ。

「ケンジくん、ちょっといいかな」

僕は大声で言った。

「なに?」

手遅れになる前にどうしても話さなければいけない。

「掘った時に出る土なんだけどさ、これどうにかしないとマズいよね」

「あー、ほんとだ、どうしようこれ」

僕らの動きは完全にストップした。

「考えてなかったね」

「そうだね」

「一旦集合しない?」

「そうしよう」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

エリちゃんの翼

恋下うらら
児童書・童話
高校生女子、杉田エリ。周りの女子はたくさん背中に翼がはえた人がいるのに!! なぜ?私だけ翼がない❢ どうして…❢

小さな歌姫と大きな騎士さまのねがいごと

石河 翠
児童書・童話
むかしむかしとある国で、戦いに疲れた騎士がいました。政争に敗れた彼は王都を離れ、辺境のとりでを守っています。そこで彼は、心優しい小さな歌姫に出会いました。 歌姫は彼の心を癒し、生きる意味を教えてくれました。彼らはお互いをかけがえのないものとしてみなすようになります。ところがある日、隣の国が攻めこんできたという知らせが届くのです。 大切な歌姫が傷つくことを恐れ、歌姫に急ぎ逃げるように告げる騎士。実は高貴な身分である彼は、ともに逃げることも叶わず、そのまま戦場へ向かいます。一方で、彼のことを諦められない歌姫は騎士の後を追いかけます。しかし、すでに騎士は敵に囲まれ、絶対絶命の危機に陥っていました。 愛するひとを傷つけさせたりはしない。騎士を救うべく、歌姫は命を賭けてある決断を下すのです。戦場に美しい花があふれたそのとき、騎士が目にしたものとは……。 恋した騎士にすべてを捧げた小さな歌姫と、彼女のことを最後まで待ちつづけた不器用な騎士の物語。 扉絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

生まれたばかりですが、早速赤ちゃんセラピー?始めます!

mabu
児童書・童話
超ラッキーな環境での転生と思っていたのにママさんの体調が危ないんじゃぁないの? ママさんが大好きそうなパパさんを闇落ちさせない様に赤ちゃんセラピーで頑張ります。 力を使って魔力を増やして大きくなったらチートになる! ちょっと赤ちゃん系に挑戦してみたくてチャレンジしてみました。 読みにくいかもしれませんが宜しくお願いします。 誤字や意味がわからない時は皆様の感性で受け捉えてもらえると助かります。 流れでどうなるかは未定なので一応R15にしております。 現在投稿中の作品と共に地道にマイペースで進めていきますので宜しくお願いします🙇 此方でも感想やご指摘等への返答は致しませんので宜しくお願いします。

隣のじいさん

kudamonokozou
児童書・童話
小学生の頃僕は祐介と友達だった。空き家だった隣にいつの間にか変なじいさんが住みついた。 祐介はじいさんと仲良しになる。 ところが、そのじいさんが色々な騒動を起こす。 でも祐介はじいさんを信頼しており、ある日遠い所へ二人で飛んで行ってしまった。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

緑色の友達

石河 翠
児童書・童話
むかしむかしあるところに、大きな森に囲まれた小さな村がありました。そこに住む女の子ララは、祭りの前日に不思議な男の子に出会います。ところが男の子にはある秘密があったのです……。 こちらは小説家になろうにも投稿しております。 表紙は、貴様 二太郎様に描いて頂きました。

処理中です...