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落とし穴を掘るのだ!・3
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しかし、なぜだか掘っても掘っても出てくるのはボールばかりだ。
ボールが入っていた分だけ穴は深くなっているけれど、もしこれがここだけじゃないとしたら。
僕は、そう考えるとちょっとゾッとしてしまったんだ。
「ねえケンジくん、こんなこと言うのはどうかと思ったんだけどさ、もしかしてこの空き地全体にボールが埋まってるなんてことはないよね?」
「まさか、そんなことは」
そう言ったケンジもたぶん同じことを考えていたようだ。
「ちょっと、集合しようか」
僕とケンジくんはまた最初にいた場所に集合した。
「随分出たねボールが」
「うん、そうだね」
僕とケンジくんがいた場所のまわりはボールだらけだった。
「あのさ、あれをまた穴に入れないといけないんだよね」
ケンジくんに言われて、ぼくはゲッソリした気持ちになった。
「ねえ、僕もう帰りたくなってきた」僕が言うと、ケンジくんも「僕も」と言った。
「だけど、あのままじゃマズいよね」
僕らはたくさんのボールを眺めた。
「ねえ、うちの納屋に行こう」僕はあのボールを土に埋めるのがどうしてもいやだった。
「どうするの?」とケンジくんが聞いてきたけれど「おたのしみ」とだけ答えて、僕らは納屋に向かった。
納屋の中は物だらけで、奥の方に行くのが一苦労だったけど、僕らは協力してなんとか目的のものにたどりついた。
それはおじいちゃんの使っていたリヤカーだ。
「これに乗せて運ぼう」僕が言うと、ケンジくんは「どこに?」と聞いてきた。
「それは、まだ考え中」
僕は、とにかく掘り出したボールを埋めるのが嫌だっただけで、実はそのあとのことはあまり考えていなかったんだ。
「ええー」と言うケンジくんはをなんとか説得して空き地までリヤカーを引いていった。
「やっとついた」
リヤカーを引くのも初めてだったらか、実はちょっと楽しかった。ケンジくんも同じ気持ちだったらしく、さっきより機嫌がいい。
「あれ?おかしいなボールが無くなってるよ」
「ほんとだ!」
僕らはキツネにつままれた気分だ。
「ねえ、さっき掘ったのはボールだったよね」僕が尋ねると「ボールにきまってるよ」とケンジくんは答えた。
だけど、今はそのボールは影も形もなくなっていて、ぽっかりと大きな穴だけが開いていた。
「だけどさ、これで落とし穴の土が入れられるんじゃない?」
ケンジくんは気持ちの切り替えが早い。
僕はまだ、目の前のことが信じられなくて頭が働かないというのに。
「じゃあ、落とし穴掘ろうか」
ケンジくんはやる気満々で走り出した。
僕はボールのことが気になって、正直もう落とし穴のことはどうでもよくなっていた。
「うん」
僕はのろのろと歩き始めた。
それから二人はそれぞれ落とし穴を作り、場所を入れ替わってよーいドンでどっちが先に落ちるかの勝負をして遊んだ。
結果は僕が先にケンジくんの掘った穴に落ちたから、ケンジくんの勝ちだった。
ケンジくんは大いに喜び、また今度もやろうと言ってきたけれど、僕は「気が向いたら」とだけ答えた。
だって、僕はあのボールのことが気になてしかたがないんだ。
そんな僕に比べて、ボールのことなどすっかり忘れて落とし穴を楽しんでいるケンジくんはなんだかすごいなと思ったんだ。
ボールが入っていた分だけ穴は深くなっているけれど、もしこれがここだけじゃないとしたら。
僕は、そう考えるとちょっとゾッとしてしまったんだ。
「ねえケンジくん、こんなこと言うのはどうかと思ったんだけどさ、もしかしてこの空き地全体にボールが埋まってるなんてことはないよね?」
「まさか、そんなことは」
そう言ったケンジもたぶん同じことを考えていたようだ。
「ちょっと、集合しようか」
僕とケンジくんはまた最初にいた場所に集合した。
「随分出たねボールが」
「うん、そうだね」
僕とケンジくんがいた場所のまわりはボールだらけだった。
「あのさ、あれをまた穴に入れないといけないんだよね」
ケンジくんに言われて、ぼくはゲッソリした気持ちになった。
「ねえ、僕もう帰りたくなってきた」僕が言うと、ケンジくんも「僕も」と言った。
「だけど、あのままじゃマズいよね」
僕らはたくさんのボールを眺めた。
「ねえ、うちの納屋に行こう」僕はあのボールを土に埋めるのがどうしてもいやだった。
「どうするの?」とケンジくんが聞いてきたけれど「おたのしみ」とだけ答えて、僕らは納屋に向かった。
納屋の中は物だらけで、奥の方に行くのが一苦労だったけど、僕らは協力してなんとか目的のものにたどりついた。
それはおじいちゃんの使っていたリヤカーだ。
「これに乗せて運ぼう」僕が言うと、ケンジくんは「どこに?」と聞いてきた。
「それは、まだ考え中」
僕は、とにかく掘り出したボールを埋めるのが嫌だっただけで、実はそのあとのことはあまり考えていなかったんだ。
「ええー」と言うケンジくんはをなんとか説得して空き地までリヤカーを引いていった。
「やっとついた」
リヤカーを引くのも初めてだったらか、実はちょっと楽しかった。ケンジくんも同じ気持ちだったらしく、さっきより機嫌がいい。
「あれ?おかしいなボールが無くなってるよ」
「ほんとだ!」
僕らはキツネにつままれた気分だ。
「ねえ、さっき掘ったのはボールだったよね」僕が尋ねると「ボールにきまってるよ」とケンジくんは答えた。
だけど、今はそのボールは影も形もなくなっていて、ぽっかりと大きな穴だけが開いていた。
「だけどさ、これで落とし穴の土が入れられるんじゃない?」
ケンジくんは気持ちの切り替えが早い。
僕はまだ、目の前のことが信じられなくて頭が働かないというのに。
「じゃあ、落とし穴掘ろうか」
ケンジくんはやる気満々で走り出した。
僕はボールのことが気になって、正直もう落とし穴のことはどうでもよくなっていた。
「うん」
僕はのろのろと歩き始めた。
それから二人はそれぞれ落とし穴を作り、場所を入れ替わってよーいドンでどっちが先に落ちるかの勝負をして遊んだ。
結果は僕が先にケンジくんの掘った穴に落ちたから、ケンジくんの勝ちだった。
ケンジくんは大いに喜び、また今度もやろうと言ってきたけれど、僕は「気が向いたら」とだけ答えた。
だって、僕はあのボールのことが気になてしかたがないんだ。
そんな僕に比べて、ボールのことなどすっかり忘れて落とし穴を楽しんでいるケンジくんはなんだかすごいなと思ったんだ。
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