先輩を追いかけて東京に行こうとしたら京都大学を目指していた件

鷹橋渚

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痛み

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遠くで自室の扉を叩く音がする。子供の頃から聞き慣れた男の声が震え、泣いているように聴こえる。飛鳥が騒いでいるのだ。だが、全部どうでもいい。麻琴も同じ気持ちなのだろう。ドアに気が行っていない。

現在いま、素肌で麻琴と抱き合っている世界が彼女の世界の全てだ。

やっと、麻琴と結ばれる。彼を初めて予備校で見てからどれくらいの期間が過ぎたのだろうか?

千鶴の胸は感激と熱い感傷で大きく息を弾ませ、涙をハラハラと落とした。

しかし、千鶴は麻琴を性技で圧倒していた。

三階に続く階段の踊り場で、彼女は性的に彼からイニシアチブを取った。二度、麻琴を射精させ、言葉責めで彼を自分の性奴隷にした。彼を玩具がんぐにした。

確かに彼は千鶴を二度絶頂の災禍に投げ込んだが、彼女の意識を途絶させる程のエクスタシーを与えた訳ではなかった。

もっと、シたい。麻琴のオトコを下半身で飲み込んで彼を感じたい。

「麻琴・・・今。誰が好きなの?私?梨沙?どっちなの?」

千鶴は悪戯に彼に問うた。どう答えるか。誰と答えるか彼女はとうに見越しているかのように。

「ちづだ!ちづがいないと俺はダメになる。マジで愛してる。離れたくない!離したくない!何とかしてくれ!俺、おかしいんだ。今日。」

麻琴の言葉に彼女の虚栄心と満足で一杯になった。

「どうしたい?麻琴。」

「ちづ!入れたい!挿れさせてくれ!お願いだ!俺!狂っちまってる。お前に狂ってる。」

彼は拝んだ。彼女は悪戯にまたしても麻琴のスペルマの先端を握った。手コキを始める。うぅっ!と彼が唸った。

彼の脆弱さを見て、彼女も恍惚の表情を浮かべて股下を濡らしていった。

既に純白のベッドシーツには彼女と彼の体液と汗でシミが出来ていた。

麻琴が、紅く熱を持った棒を彼女に弄ばれながら、自分の精一杯の性技で千鶴を愛撫した。

彼の舌が彼女の口元から左右の首筋に移り、左手で下半身の彼女が感じて膨れている突起をさらに揉みほぐして行く。

「あっ!麻琴!いいわっ!そこッ!膣の周りがッ!いいのっ!もっと!もっと!そこ弄って!イジり続けてっ!おかしくなりたいのっ!」

千鶴は大声で腰を振って、麻琴に命令した。呼応するかのように麻琴が従う。

彼女が完全にこの今の性行為をコントロールしている。麻琴がまた、脱落した。

「あああ!またイグッ!おかしい!おかしいぜ!壊れちまったぜ!俺のアソコ。」

「お腹に出して!いっぱい私にかけて!あなたの精液でドロドロになりたいのッ!」

「あああ!あああ!あああ!」

彼の身体中が波を打った。顎がガクガクになる。彼にとって三回目のテッペンだった。彼の白い迸り青春を彼女の腹の上で爆発させた。

「麻琴の!熱い!いいっ!嬉しいのっ!」

と、千鶴は絶叫した。

絶頂を迎えて真っ赤に怒り狂った彼のオトコをまた、彼女は口の中に含む。

ここまでは、性のHow to本を散々読んだ彼女の豊富な知識が彼の行動を凌駕していた。

『そろそろよ・・・私も入れてもらいたい。麻琴のモノで彼のオンナになりたい・・・』

彼女はこれから迎える歓喜と強い痛みの両方を予測し、悦びと感激に胸が打ち震えた。

「ヤバいよ、まただ!イキリ勃って来やがった!何度、勃ちゃ気が済むんだ。くっそっ!」

麻琴は今日、何度も千鶴と性をぶつけ合ったが彼は勃起するにつれ、毎度、自分も呆れるほど、性の持続時間が短くなると思えてくる奇妙な感覚を味わった。

パニック症状になった彼は闇雲に怒りに任せて、自分のイメージする最大限の愛撫を千鶴に行った。

もう、麻琴に先程から余裕はない。どこにキスマークを着けたのかも分からない。彼の舌が干からびてしまう程、千鶴の身体に唾液を溢した。

二つの身体がジリジリと夏に迎える夏のように焦げた。

興奮で落ち着きがない。不安で二つの体が浮いたり接続したりしている。

千鶴の子宮が疼いた。もう麻琴のオトコを奉仕する事も放棄している。

彼女のメンタルが限界だった。

麻琴の肉棒を欲している。彼女は優しく麻琴の髪の毛を撫でた。そして消え入りそうな声で。

「麻琴・・・来て・・・欲しいの。」

と言った。麻琴との意見も完全に一致した。

お互いの心拍が高まり、麻琴は千鶴の心拍を千鶴は麻琴のそれを聞き入った。

彼は正常位で彼女に向き合い、股間を焦るように近づけた。

彼女は穏やかに彼の顔に吹き出した緊張の汗を左手で拭い微笑んだ。

「麻琴ので無茶苦茶にしてっ!・・・」

千鶴のその言葉で彼は一瞬、正気に戻った。性の経験者が手を引いて一つになるがため、彼女を最高の快楽を与えなくてはならない。と思った。

高鳴る気持ちを抑えつけ、彼はゆっくりと彼の肉棒を彼女の生殖器に亀頭を挿し入れた。

水分をとっぷりと含んだ彼女のオンナが『ピトッ・・・』と張り詰めた部屋にある静寂に響いた。彼と一つになる瞬間の音だった。

「あ!ああっ!痛っつっつう!」

彼女は絶句した。経験したことのない鈍いが、しかし、壮絶な痛みだった。そして、悦びの痛みでもあった。

「う!うおおおおおおおお!キ!キツイ!気持ちいいっ!」

麻琴は彼女のナカの具合を喜んだ。

彼女はふと、目を閉じて見ると涙が溢れて来た。千鶴は泣いた。喜びで泣いた。何という充実感。何という満足感。

そして、麻琴の男茎を受け入れながら恥部から溢れ落ちる経血の中に初めて千鶴はオンナとしての自覚を見た。

そこには痛みしかない。だが、心の傷みはない。麻琴に激しく腰を振られ腰をぶつけられても歓喜しかない。

そして、麻琴という男に出会えたこと、愛せたことに感謝した。
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