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5話 錬金術レベル その2
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ラグナ王太子殿下と出会った日から数日後……私は彼の馬車に乗り、そのままイシューマ王国へと向かうことになった。国境を越えてさらに数時間といったところかしら? 馬車で数時間だから、かなりの距離を走行したことになる。
「ここが我がイシューマ王国の王都ミラボレスさ。こうして、入るのは初めてじゃないか?」
「はい、もちろん初めてです……」
なんだか夢みたい……建物などの作りは大陸の風土を強調しているから、ジドル王国の都バンハールとそんなに変わらないけれど、空気の重みが違うというか。何よりも、隣にラグナ王太子殿下が居ることが空気の違う最大の要因でしょうね。
「緊張しているか、ウィンリー?」
「あははっ、そうですね……数日前にアラン王子殿下やマリーナ公爵令嬢に追放されたばかりですので……」
「そうだったな……急に連れて来てしまったのは、申し訳なかった。なるべく早く、あの場を離れた方が君の傷が癒えやすいかとも考えた結果だったんだが」
「いえ、ラグナ様のお気遣いは本当にありがたいです。どのみち、私の所持金は底を尽きかけてましたし」
もう、2万ゴールドを切っているし……野宿とかを考えれば、もう少し生活は出来るかもしれないけれど、私の体力で野宿は流石にキツい。そうなると、ラグナ王太子殿下に連れて来てもらったのは良かったと言える。
「私が心配しているのは……私の錬金術が、イシューマ王国の宮殿内での仕事にお役に立てるのか、という部分で」
「なるほどな、その部分か」
ラグナ王太子殿下も少しだけ真剣な表情になっていた。私としても、緊張感が増してしまう……なんたって、私はアラン王子殿下や、マリーナ公爵令嬢にも大笑いをされた身。代わりはいくらでも居るように吹聴されてしまった。事実、マリーナ公爵令嬢は私以上の錬金術を行えるようだし。
「実は、我がイシューマ王国のレブラント王宮にも錬金術師が居るんだ」
「そ、そうなんですか?」
それは初耳だ。ラグナ王太子殿下と何度も会っていたけど、そんな話は聞いたことがない。まあ、当時は簡単に自国のことを言うわけにもいかなかったんだろうけど。
「錬金術は我が国でも役立っているさ。だから私は、錬金術師としての君の実力が分かっているつもりだ……早速で悪いが、レブラント王宮内の錬金施設で能力を披露してみないか?」
「錬金術を披露……私の……」
いきなりの採用試験みたいなものかしら? 私の心臓の音は一段と高くなっていた。でも大丈夫……きっと上手く行くという安心感の方が強かった。
「ここが我がイシューマ王国の王都ミラボレスさ。こうして、入るのは初めてじゃないか?」
「はい、もちろん初めてです……」
なんだか夢みたい……建物などの作りは大陸の風土を強調しているから、ジドル王国の都バンハールとそんなに変わらないけれど、空気の重みが違うというか。何よりも、隣にラグナ王太子殿下が居ることが空気の違う最大の要因でしょうね。
「緊張しているか、ウィンリー?」
「あははっ、そうですね……数日前にアラン王子殿下やマリーナ公爵令嬢に追放されたばかりですので……」
「そうだったな……急に連れて来てしまったのは、申し訳なかった。なるべく早く、あの場を離れた方が君の傷が癒えやすいかとも考えた結果だったんだが」
「いえ、ラグナ様のお気遣いは本当にありがたいです。どのみち、私の所持金は底を尽きかけてましたし」
もう、2万ゴールドを切っているし……野宿とかを考えれば、もう少し生活は出来るかもしれないけれど、私の体力で野宿は流石にキツい。そうなると、ラグナ王太子殿下に連れて来てもらったのは良かったと言える。
「私が心配しているのは……私の錬金術が、イシューマ王国の宮殿内での仕事にお役に立てるのか、という部分で」
「なるほどな、その部分か」
ラグナ王太子殿下も少しだけ真剣な表情になっていた。私としても、緊張感が増してしまう……なんたって、私はアラン王子殿下や、マリーナ公爵令嬢にも大笑いをされた身。代わりはいくらでも居るように吹聴されてしまった。事実、マリーナ公爵令嬢は私以上の錬金術を行えるようだし。
「実は、我がイシューマ王国のレブラント王宮にも錬金術師が居るんだ」
「そ、そうなんですか?」
それは初耳だ。ラグナ王太子殿下と何度も会っていたけど、そんな話は聞いたことがない。まあ、当時は簡単に自国のことを言うわけにもいかなかったんだろうけど。
「錬金術は我が国でも役立っているさ。だから私は、錬金術師としての君の実力が分かっているつもりだ……早速で悪いが、レブラント王宮内の錬金施設で能力を披露してみないか?」
「錬金術を披露……私の……」
いきなりの採用試験みたいなものかしら? 私の心臓の音は一段と高くなっていた。でも大丈夫……きっと上手く行くという安心感の方が強かった。
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