最悪の予知夢を回避しようとしてるのに、問題が尽きないのですが‥!?

kiwi

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第一章 9歳で死にたくない!

第一話 あれは予知夢だったの!?

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「マリアンヌ、今日から君の義兄さんになるノアだよ。仲良くしなさい。」

 そう父から紹介された男児は遠縁の伯爵家の四男8歳で、毎晩のように私の夢に登場する不仲の義兄だった‥‥。

 ‥あの夢は‥私が9歳で溺死する夢は予知夢だったんだ!!どうしよう!!

 私はレミニール侯爵家の一人娘7歳。家族、特にお菓子作りが趣味の祖母から溺愛され、欲望の赴くままに食べ続けた結果、かなりのポッチャリ体型になっていた。それでも皆に愛されていた私は毎日が楽しくて仕方なかった。

 そんな私は一年前から毎晩同じ夢を見るようになった。

 




 夢の中では、侯爵家の跡取りとして3人の養子が迎えられていた。一人は遠縁の伯爵家の4男8歳、二人目は孤児院から魔力の強い4歳男児、そして3人目も孤児院から正義感と腕っ節が強い5歳男児が迎えられていた。
 養子が来てからは自分だけに向けられていた関心が彼らにも向けられるようになり、嫉妬から我儘が爆発してしまった。そして彼らを虐めるようになった私は当然のように彼らに嫌われる‥‥。
 そんな私が9歳になった時、家族皆で湖にピクニックに行くことになった。そこで私が一人で湖の辺りでお菓子を爆食いしていたところ、それを喉に詰め、誤って湖に転落、溺死してしまった。声も出ず静かに溺死した為誰にも気付かれなかった‥‥‥というか3人はそのことに気付いており、どうやら見殺しにされていたようだ!太り過ぎと彼らを虐めた報いで助けてもらえず、死を迎えてしまう残酷な夢だった‥‥。










 




 そして今、目の前にいる彼‥‥ノアは夢の中の登場人物の1人だった‥‥!

 1つ年上のノアは歳の割に落ち着いており、美貌の両親から受け継いだ金髪碧眼の眉目秀麗な容姿をしていた。

 夢が予知夢だったという現実を突きつけられ、あまりにショックを受けた私は全身に冷水を浴びたかのような感覚を覚えた。そして、その場で意識を失ってしまった‥‥。






———————————-–————————-

———————————






 
 気がつくと、私はベッドに寝かされていた。

 「マリアンヌ!大丈夫かい?!」

 皆が私を覗き込んでいる。母と側付きメイドのアリアは涙まで流している。そして心配そうな父と執事のマクベルがいて、明らかにどうでもよさそうな表情をしている義兄のノアもいた。



 ‥これからどうしよう‥。私は夢の中でどうしてたっけ?確か皆の関心を独り占め出来なくなって義兄に当たり散らしていたっけ‥?

 「‥‥‥‥‥‥‥‥。」

 ‥‥うん。我儘は控えよう‥‥死にたくないもの‥‥。

 私はベッドに起き上がり、
 「大丈夫です。ご心配をおかけしました。」
と、精一杯の笑顔を見せた。

 私が回復したので皆抱き合って喜んでいる。ああ、やっぱり私、愛されているなぁ!

 ‥‥でも、視界にどうでもよさそうな表情をしているノアが目に入ると興醒めする。

 ‥だけど。嫌われるとあの悲劇が起こる!嫌われないようにしなきゃ!

 「ノア様。これから宜しくお願い致します。素敵なお義兄様が出来て嬉しいです。」

 精一杯の愛想を振り撒きながら挨拶した。

 「様はつけなくてノアとお呼び下さい。こちらこそ宜しくお願い致します。マリアンヌ様。」

 「どうか様は付けずにマリアンヌとお呼び下さい。」

 側から見れば2人の会話は微笑ましいと思われたのだろう。周りの大人達はほっこりした雰囲気だった。



 ‥‥あの興味なさそうなノアの顔と声音をちゃんと聞いているのか!?



 

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