最悪の予知夢を回避しようとしてるのに、問題が尽きないのですが‥!?

kiwi

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第二章 ノアは絶対死なせない!

第七話 解毒魔法

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 ノアは毒物の混入した飲み物を口にした途端、倒れたのよね‥‥。ということはかなりの猛毒よね?あの状態で口から解毒剤を飲むのは不可能だわ。注射か‥‥‥そうだ!魔法よ!

 3人とも治癒魔法の訓練をしているけれど、解毒魔法も練習しているかしら?1番進んでいるのはルーカスよね。

 「ねぇ、ルーカス。解毒魔法はもう覚えたの?」

 「解毒魔法?今練習中だよ。単数を解毒するのは出来るようになったから、今は広範囲に複数の人を一度に解毒する魔法を練習してるんだ!」

 ‥‥‥え?‥‥‥それって、すごくない!?思った以上に天才だわ‥‥‥。

 「すごいわね。ねぇ、私に単数を解毒する魔法を教えてくれない?」

 「いいよ!でも何で?」

 ルーカスはキョトンとした顔をしている。

 「いざという時に役立つからよ!」

 「ふーん。じゃあ、今からする?」

 「いいの?ありがとう!」

 私達は解毒魔法を練習する為、毒に侵された植物が置いてある温室へと向かった。

 その温室は毒に侵された植物が所狭しと並べてあり、瘴気まで出ているんじゃないかと思われる程、空気が澱んでいた。

 「それじゃあ、見本を見せるね。」

 そう言うと、ルーカスは両手を植物に向け、詠唱を始めた。見る見る植物が元気を取り戻していく。

 「すごいじゃない!ルーカス!やっぱり天才ね!」

 ルーカスは嬉しそうに笑った。

 「本当はもう詠唱しなくても解毒出来るようになったんだ。だけど、マリアンヌに見本を見せる為に詠唱したんだよ!さぁ、マリアンヌもやってみて!」

 —————————————————-

   ————————————-

 かれこれもう2時間はやっているが、全く出来ない‥‥。ルーカスは私の側を離れることなくアドバイスしてくれたり、励ましたりしてくれている。‥‥私って魔法の才能がないのね‥‥。

 「‥‥ごめんね。ルーカス、疲れたでしょう?」

 「僕は大丈夫だよ。」

 「‥‥魔法力を溜めて、それを一点に放出するイメージでやるのよね?してるんだけどなかなかうまく出来ないわ‥‥。」

 「僕が手伝ってあげるから、体で覚える?」

 そう言うとルーカスは背後から私を抱き締めた。

 「えっ!?ルーカス何するの!?」

 「‥‥いいから、意識を集中して‥‥。僕の力をマリアンヌの体に流し込んで魔力を放出する手伝いをするから、その感覚を掴んで‥‥。」

 耳元で囁かれた声はいつものルーカスより大人びていて、ドキッとさせられる。魔力が入るって、大丈夫なの‥‥!?

 「大丈夫だよ?僕を信じて‥‥。」

 ルーカスの腕に力が入り、さらにギュッと抱き締められる。

 次第に体が温かくなり‥‥不思議な感覚に覆われた‥‥。

 「それじゃあ、魔力を放出するよ?この感覚を覚えてね。さあ、両手を萎れた花に向けて。」

 ルーカスに言われるままに両手を花に向けた。すると、体から魔力が放出される感覚となり、萎れた花から毒が抜け、花は生き生きと花開いた。

 「すごい!」

 「この感覚を覚えていてね。また明日練習しよ?続けているといつか出来るようになるよ!」

 ルーカスはにこにこ微笑んでいる。

 ‥‥何て優しい子なの!?

 ‥‥それに、いつの間にか大人びてきているわ‥‥。

 「あっ、こんな所にいた。2人で何やっていたんだよ?」

 ノアとショーンがこちらを睨んでいる。

 「ルーカスに解毒魔法を教えてもらっていたのよ。‥‥全然出来なかったけれど‥‥。また明日も練習するの。」

 「‥‥ふーん。僕も明日から練習に加わるよ。ところでマリアンヌ?ルーカスにおかしなことはされなかった?」

 ノアはルーカスを睨む。

 「‥‥何もされないわよ。ルーカスは良い先生よ?」

 「そりゃあ、ルーカスは天才だからな。俺も明日から加わるから教えてくれよな?」

 そう言ってショーンはルーカスの肩をポンポンとたたいた。

 そうして、その日から毎日解毒魔法の訓練が始まった。

 ノアは数日で会得し、私とショーンは苦労することになる‥‥。

 

 

 

 
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