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第二章 ノアは絶対死なせない!
第四十三話
しおりを挟む厳かな講堂の中で今、粛々と式が行われている。
今は学園長が長‥‥違うわ、為になるお話をして下さっている。
昨日のありえない出来事の所為で全く眠れなかった。本来なら欠伸の一つも出るところだけど‥‥今、おかしな状況に目を白黒させている。
‥‥私、何故こんなに注目されているの‥‥??!
コソコソと話しては私を振り返る。決して好意的でない表情や態度が、あちらこちらから見受けられる。
‥‥何を言われてるの私!?
‥‥まさか‥‥昨日のアレ!?
「‥‥‥‥‥‥。」
微かに聞こえてくる話し声。
『あの方よ!?生徒会長のレミニール侯爵子息様と第一王子殿下を騙して誑かしておられるのは‥‥。』
『何でも恐ろしい魅了の魔術を使われるとか‥‥目を合わせては駄目よ‥‥。』
‥‥‥はい!?
‥‥‥みっ、魅了の魔術って‥‥‥??
‥‥‥私、恐ろしい魔女だと思われてる‥‥??
そう言えば、鮨詰め状態の講堂の中、若干私の周りだけ空いている‥‥。
‥‥‥どうしよう‥‥‥。
ドキドキと心臓が早鐘を打ち、背中に冷たい汗が流れる。
俯いたまま、顔を上げることが出来ない‥‥。
その時、講堂に黄色い声が響き渡った。
!?
びっくりした‥‥!
恐る恐る顔を上げると、壇上にはノアがいた。
凛々しく立つノアに対し、女子生徒達が色めき立っていた。
ノアとはかなり距離があるが、真っ直ぐにこちらを見ているような気がした。
ノアは代表挨拶を始めた。
‥‥もう立っているのがやっとだわ‥‥。
そして、意識を失う瞬間、ノアの私を呼ぶ声が聞こえた気がした‥‥。
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