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買い物に出かけるときは本当に楽だし
1話
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私が目を覚ましたとき、体がものすっごく痛いことに気付いた。
「うう……」
痛いはずだ。テーブルに突っ伏して寝ていたのだから、寝返りすら打たず、寝る体勢がおかしかったのだ。私は手元にあるスマホを引き寄せると、それを鏡替わりに自分の顔を見る。私の額にはテーブルで突っ伏した赤い跡がしっかりと付いていて、「あちゃー」と呟いた。
あれだけ飲んでいたはずなのに、空き缶は全部片付けられ、代わりに置かれていたのは酔い止めや胃薬だった。
私、酔っ払って相当愚痴を言っていたような気がする。酔っ払って記憶が飛ぶ人間だったらよかったんだけれど、私は残念ながら記憶が飛ぶほど飲む趣味はないし、酔って口を滑らせたことは大概覚えている人間だ。
うざ絡みして浜尾さんをさんざん困らせたことを思い出して、頭が痛くなった。二日酔いするほど飲まないから、頭が痛いのは酒のせいではない。
私はどうにか起き上がって、薬を飲むための水を取りに行こうとしたら、なにかが肩から落ちた。肩にかけられていたのは毛布だったことに、ますますいたたまれなくなった。
浜尾さんは女性恐怖症なんだから、私を触れる訳がない。私がうざ絡みした末に眠ってしまったのにさんざん困った末に、薬の処方と毛布をかけていったんだろうと思ったら、心底申し訳なくなった。
私が台所に立ってコップに水を汲んで、薬を飲む。胃になにも入れなくても飲めるありがたい薬を飲んでいたところで、リビングに浜尾さんが来た。
「おはようございます……あ、あの。かしこ先生お体大丈夫ですか?」
「ああ、浜尾さん。おはようございます。本当に申し訳ありません。酔って寝てしまって。困ったでしょう?」
「い、いえ……こっちこそ申し訳ありません。本当だったらかしこ先生をお部屋にお連れしたかったんですけど、自分だとかしこ先生を抱えて布団まで寝かせられませんでしたし、中途半端に毛布を用意するしかできなくって……風邪とか、体勢とか、大丈夫でしたか?」
「いえ。私、風邪は三年に一度くらいしか全然引きませんので」
「それは……体が丈夫でなによりです」
ふたりで朝ご飯を用意し、私はその間にスマホで溜まったメールの整理をしていた。フリーメールだったら、パソコンでもスマホでも整理できるから、仕事に行くときでもメール整理くらいはできる。
そこで私は、何度も断っている会社のメールを見つけて、渋い顔になった。
「あの、かしこ先生。胃が荒れてないんでしたら、コーヒーを用意しても大丈夫ですか? あの、かしこ先生?」
浜尾さんに声をかけられ、私ははっとした。顔があからさまに不機嫌になっていたらしい。
「ああ、胃は先程薬いただきましたし、飲んでも多分大丈夫です! ああ、仕事で変なメールをいただきましたので、ちょっと困ってました」
「仕事……これって自分が聞いても大丈夫な話ですか?」
「さすがに本の発売日のスケジュールを言いふらすのは駄目ですけど、仕事打診メールだったら、問題ないかなと思います。ちょっと断り続けている仕事打診のメールがまた届いたんで、どうしようと考えていたところです」
「かしこ先生が嫌がっている仕事……ですか?」
「はい」
さすがにメールの本文を言っていないし、既に断っている旨は伝えてもいいだろうと、大まかにあらましを語った。
私のBL小説を読んで打診があったものの、私はBL小説が書きたいのであって、一般文芸には興味がない。でも一般文芸の編集部の人が私にぜひにと打診してくる。そこまで言うんならと受けたいのはやまやまだけれど、この人はどうもBL小説を馬鹿にしているような気がするから、その人に自分の原稿を預けるのは怖いと。
一通り話をしたあと、浜尾さんは「そうですねえ……」と腕を組んだ。
「たしかにBL小説家にBLを馬鹿にするような発言をするのは、普通に失礼だと思います」
「そうなんです。だから断り続けている訳で」
「ただ……あくまで自分個人は、ですが。かしこ先生の一般文芸は読んでみたいような気がしますが、かしこ先生的にはどうなんでしょうか?」
「うーん……それ、回答にすごく困るんですよね。私が書きたいものと言いますか」
あんまりにもセンティシブな内容をあけすけに言っていいものか。いくらなんでも浜尾さん相手に言うのはセクハラにならないか。そう思いながら、言葉にしても大丈夫な部分を探るようにして、口にしてみた。
「セックス描写を書きたいのに、書かせてもらえないところには、あんまり興味がないと言いますか」
「……一般文芸って、書いちゃ駄目なんですか?」
「どうなんでしょうね。少なくとも、少女小説だったら、ほとんどは寸止めでぼかし入れられてしまって、書いちゃ駄目なんですよ。だからと言って、私別にTLが書きたい訳でもないんです。恋愛メインの話が書きたい訳じゃないんで」
広義の上ではBL小説も恋愛小説にカウントされるんだけれど、それ以外のことを書いても許されるのが、BL小説のいいところだと思っている。他のジャンルだったらタブーとされる性を大きく書いても、それを問題だと思われない。
官能小説だと男性が喜ぶものを書かないと駄目だし、TL小説だとそもそも性に積極的な女性がすごい勢いで嫌われるから書き切れないところがある。だから私はBL小説が書きたい。性に積極的な登場人物を書いても許される数少ないジャンル。
一般文芸だと、読者のターゲット層がそもそも違うために、性に奔放な登場人物を淫乱とか心に問題があるとか言われてしまい、書き切れると思えない。
私の言葉に、浜尾さんは心底困った顔をしているので、私は慌てて言った。
「ご、ごめんなさい。こういうあけすけな話、したら駄目だったですかねっ!? すいません、きちんと断りますから……!」
「い、いえ。こういう話、聞けると思ってなかったんで。こ、ちらこそ……セクハラみたいになってしまってすみません」
浜尾さんは、こちらが申し訳なくなってくるほどに、顔を真っ赤にして必死で首を振っている。それにますます私はいたたまれなくなる。
「いや、この場合セクハラしているの、どう考えても私じゃないですかね!?」
「い、いえ……本当に、お気遣いなく! コ、コーヒーどうぞ!」
「いただきます!」
私たちは、気まずい思いをしながらパンを食べ、コーヒーで流し込んでから、それぞれの職場へと旅立っていった。
本当に、こういう話をしたかった訳ではなかったんだけれど。反省。
****
私が嫌だ嫌だと打診を断り続けていたものの、まあ受けるかという気になったのは、単純にスケジュールが中途半端に空いてしまったからだった。
『申し訳ありません、うちの都合で、発売日を三ヶ月ずらしたくて』
「いえ、そういうこともありますよね。わかりました。スケジュール決まりましたらまた連絡ください」
『本当に申し訳ありません』
出版社都合により、出した原稿の発売日が変更になってしまい、ついでに立てていたスケジュールがずれてしまった。
他の出版社も既に原稿を出したあとで、返信待ちだし、少なくともこれで三ヶ月の空白ができてしまったから、心境的に話だけでも聞いてみようかという気分になったのである。
最悪の場合、スケジュールを盾に断ろう。そう思って、問題の出版社との打ち合わせに出かけた。
大手出版社なだけあり、かなり綺麗なビルで、私は「うわあ」と思わず口にしていた。普段お世話になっている出版社が中堅なため、専用ビルを持っているところが少ないというのがある。
受付に言うと、すぐに編集部の階を教えてもらい、そこまでエレベーターに乗って進む。大手出版社ってすごいなあと他人事のように思いながら通されたのは、個室ブースまである編集部であった。
どこもかしこもタワーのように紙束やら本やらが積まれている中、「こんにちは!」と小綺麗な女性が声をかけてきた。この人が、私にずっとメールを送り続けていた編集さんか。
名刺交換をしてから、ひとつのブースに案内される。
「いやあ、何度も何度も申し訳ございません。どうしてもうちで出版して欲しいなと思いまして!」
「はあ……私も今回は話を聞きに来ただけなんですが」
「ええ、ええ。もしうちで書いてくださったらラッキーくらいに思っていますから!」
なんというか。私はどうにもチクチクとしてものを感じながら、編集さんを見ていた。
どうにも相性が悪いと思う編集さんの特徴は、一貫してテンションが合わないのと、話をしていても向こうが書かせたいという圧が強過ぎて会話が噛み合わない、あと根本的に日本語が下手くそ過ぎてこちらが書いた漢字が読めないというのがある。
この人はテンションが高過ぎて、早速相性が悪い気がして、まだ説明を受けていないにもかかわらず、既に帰りたくなっている中、彼女は嬉々としてレーベルの説明をはじめた。
「うちは新しいキャラクター文芸を出したいと思いまして、それで作家さんを探していました!」
キャラクター文芸は比較的ライトノベルと一般文芸のおいしいどころ取りをしたタイプのジャンルだ。特徴としてはキャラが立っている、話がお約束に則っているというのがあるけれど。
振り返ってみても、私が書いてきたジャンルで似ている話が思いつかない。
「あのう、私今までBL作品ばかり書いていて、お役に立てるかわからないんですが」
「そこなんですけれど、かしこ先生の書く作品って、基本的に男同士の湿度のない関係が特徴じゃないですか。徹底的にドライな人間関係の中に、セックス描写があるという。その徹底的なドライな人間関係をベースにしたブロマンス小説を打診したいんですよ」
「ブロマンス……ですか」
この人、メールの文章は失礼だったし、話のテンションは高過ぎるけれど、言っていること自体はそこまで的外れじゃないな。帰りたい気分が薄れ、及び腰になっていたのがようやく据わりがよくなってきた。
「具体的にはどういう?」
「うう……」
痛いはずだ。テーブルに突っ伏して寝ていたのだから、寝返りすら打たず、寝る体勢がおかしかったのだ。私は手元にあるスマホを引き寄せると、それを鏡替わりに自分の顔を見る。私の額にはテーブルで突っ伏した赤い跡がしっかりと付いていて、「あちゃー」と呟いた。
あれだけ飲んでいたはずなのに、空き缶は全部片付けられ、代わりに置かれていたのは酔い止めや胃薬だった。
私、酔っ払って相当愚痴を言っていたような気がする。酔っ払って記憶が飛ぶ人間だったらよかったんだけれど、私は残念ながら記憶が飛ぶほど飲む趣味はないし、酔って口を滑らせたことは大概覚えている人間だ。
うざ絡みして浜尾さんをさんざん困らせたことを思い出して、頭が痛くなった。二日酔いするほど飲まないから、頭が痛いのは酒のせいではない。
私はどうにか起き上がって、薬を飲むための水を取りに行こうとしたら、なにかが肩から落ちた。肩にかけられていたのは毛布だったことに、ますますいたたまれなくなった。
浜尾さんは女性恐怖症なんだから、私を触れる訳がない。私がうざ絡みした末に眠ってしまったのにさんざん困った末に、薬の処方と毛布をかけていったんだろうと思ったら、心底申し訳なくなった。
私が台所に立ってコップに水を汲んで、薬を飲む。胃になにも入れなくても飲めるありがたい薬を飲んでいたところで、リビングに浜尾さんが来た。
「おはようございます……あ、あの。かしこ先生お体大丈夫ですか?」
「ああ、浜尾さん。おはようございます。本当に申し訳ありません。酔って寝てしまって。困ったでしょう?」
「い、いえ……こっちこそ申し訳ありません。本当だったらかしこ先生をお部屋にお連れしたかったんですけど、自分だとかしこ先生を抱えて布団まで寝かせられませんでしたし、中途半端に毛布を用意するしかできなくって……風邪とか、体勢とか、大丈夫でしたか?」
「いえ。私、風邪は三年に一度くらいしか全然引きませんので」
「それは……体が丈夫でなによりです」
ふたりで朝ご飯を用意し、私はその間にスマホで溜まったメールの整理をしていた。フリーメールだったら、パソコンでもスマホでも整理できるから、仕事に行くときでもメール整理くらいはできる。
そこで私は、何度も断っている会社のメールを見つけて、渋い顔になった。
「あの、かしこ先生。胃が荒れてないんでしたら、コーヒーを用意しても大丈夫ですか? あの、かしこ先生?」
浜尾さんに声をかけられ、私ははっとした。顔があからさまに不機嫌になっていたらしい。
「ああ、胃は先程薬いただきましたし、飲んでも多分大丈夫です! ああ、仕事で変なメールをいただきましたので、ちょっと困ってました」
「仕事……これって自分が聞いても大丈夫な話ですか?」
「さすがに本の発売日のスケジュールを言いふらすのは駄目ですけど、仕事打診メールだったら、問題ないかなと思います。ちょっと断り続けている仕事打診のメールがまた届いたんで、どうしようと考えていたところです」
「かしこ先生が嫌がっている仕事……ですか?」
「はい」
さすがにメールの本文を言っていないし、既に断っている旨は伝えてもいいだろうと、大まかにあらましを語った。
私のBL小説を読んで打診があったものの、私はBL小説が書きたいのであって、一般文芸には興味がない。でも一般文芸の編集部の人が私にぜひにと打診してくる。そこまで言うんならと受けたいのはやまやまだけれど、この人はどうもBL小説を馬鹿にしているような気がするから、その人に自分の原稿を預けるのは怖いと。
一通り話をしたあと、浜尾さんは「そうですねえ……」と腕を組んだ。
「たしかにBL小説家にBLを馬鹿にするような発言をするのは、普通に失礼だと思います」
「そうなんです。だから断り続けている訳で」
「ただ……あくまで自分個人は、ですが。かしこ先生の一般文芸は読んでみたいような気がしますが、かしこ先生的にはどうなんでしょうか?」
「うーん……それ、回答にすごく困るんですよね。私が書きたいものと言いますか」
あんまりにもセンティシブな内容をあけすけに言っていいものか。いくらなんでも浜尾さん相手に言うのはセクハラにならないか。そう思いながら、言葉にしても大丈夫な部分を探るようにして、口にしてみた。
「セックス描写を書きたいのに、書かせてもらえないところには、あんまり興味がないと言いますか」
「……一般文芸って、書いちゃ駄目なんですか?」
「どうなんでしょうね。少なくとも、少女小説だったら、ほとんどは寸止めでぼかし入れられてしまって、書いちゃ駄目なんですよ。だからと言って、私別にTLが書きたい訳でもないんです。恋愛メインの話が書きたい訳じゃないんで」
広義の上ではBL小説も恋愛小説にカウントされるんだけれど、それ以外のことを書いても許されるのが、BL小説のいいところだと思っている。他のジャンルだったらタブーとされる性を大きく書いても、それを問題だと思われない。
官能小説だと男性が喜ぶものを書かないと駄目だし、TL小説だとそもそも性に積極的な女性がすごい勢いで嫌われるから書き切れないところがある。だから私はBL小説が書きたい。性に積極的な登場人物を書いても許される数少ないジャンル。
一般文芸だと、読者のターゲット層がそもそも違うために、性に奔放な登場人物を淫乱とか心に問題があるとか言われてしまい、書き切れると思えない。
私の言葉に、浜尾さんは心底困った顔をしているので、私は慌てて言った。
「ご、ごめんなさい。こういうあけすけな話、したら駄目だったですかねっ!? すいません、きちんと断りますから……!」
「い、いえ。こういう話、聞けると思ってなかったんで。こ、ちらこそ……セクハラみたいになってしまってすみません」
浜尾さんは、こちらが申し訳なくなってくるほどに、顔を真っ赤にして必死で首を振っている。それにますます私はいたたまれなくなる。
「いや、この場合セクハラしているの、どう考えても私じゃないですかね!?」
「い、いえ……本当に、お気遣いなく! コ、コーヒーどうぞ!」
「いただきます!」
私たちは、気まずい思いをしながらパンを食べ、コーヒーで流し込んでから、それぞれの職場へと旅立っていった。
本当に、こういう話をしたかった訳ではなかったんだけれど。反省。
****
私が嫌だ嫌だと打診を断り続けていたものの、まあ受けるかという気になったのは、単純にスケジュールが中途半端に空いてしまったからだった。
『申し訳ありません、うちの都合で、発売日を三ヶ月ずらしたくて』
「いえ、そういうこともありますよね。わかりました。スケジュール決まりましたらまた連絡ください」
『本当に申し訳ありません』
出版社都合により、出した原稿の発売日が変更になってしまい、ついでに立てていたスケジュールがずれてしまった。
他の出版社も既に原稿を出したあとで、返信待ちだし、少なくともこれで三ヶ月の空白ができてしまったから、心境的に話だけでも聞いてみようかという気分になったのである。
最悪の場合、スケジュールを盾に断ろう。そう思って、問題の出版社との打ち合わせに出かけた。
大手出版社なだけあり、かなり綺麗なビルで、私は「うわあ」と思わず口にしていた。普段お世話になっている出版社が中堅なため、専用ビルを持っているところが少ないというのがある。
受付に言うと、すぐに編集部の階を教えてもらい、そこまでエレベーターに乗って進む。大手出版社ってすごいなあと他人事のように思いながら通されたのは、個室ブースまである編集部であった。
どこもかしこもタワーのように紙束やら本やらが積まれている中、「こんにちは!」と小綺麗な女性が声をかけてきた。この人が、私にずっとメールを送り続けていた編集さんか。
名刺交換をしてから、ひとつのブースに案内される。
「いやあ、何度も何度も申し訳ございません。どうしてもうちで出版して欲しいなと思いまして!」
「はあ……私も今回は話を聞きに来ただけなんですが」
「ええ、ええ。もしうちで書いてくださったらラッキーくらいに思っていますから!」
なんというか。私はどうにもチクチクとしてものを感じながら、編集さんを見ていた。
どうにも相性が悪いと思う編集さんの特徴は、一貫してテンションが合わないのと、話をしていても向こうが書かせたいという圧が強過ぎて会話が噛み合わない、あと根本的に日本語が下手くそ過ぎてこちらが書いた漢字が読めないというのがある。
この人はテンションが高過ぎて、早速相性が悪い気がして、まだ説明を受けていないにもかかわらず、既に帰りたくなっている中、彼女は嬉々としてレーベルの説明をはじめた。
「うちは新しいキャラクター文芸を出したいと思いまして、それで作家さんを探していました!」
キャラクター文芸は比較的ライトノベルと一般文芸のおいしいどころ取りをしたタイプのジャンルだ。特徴としてはキャラが立っている、話がお約束に則っているというのがあるけれど。
振り返ってみても、私が書いてきたジャンルで似ている話が思いつかない。
「あのう、私今までBL作品ばかり書いていて、お役に立てるかわからないんですが」
「そこなんですけれど、かしこ先生の書く作品って、基本的に男同士の湿度のない関係が特徴じゃないですか。徹底的にドライな人間関係の中に、セックス描写があるという。その徹底的なドライな人間関係をベースにしたブロマンス小説を打診したいんですよ」
「ブロマンス……ですか」
この人、メールの文章は失礼だったし、話のテンションは高過ぎるけれど、言っていること自体はそこまで的外れじゃないな。帰りたい気分が薄れ、及び腰になっていたのがようやく据わりがよくなってきた。
「具体的にはどういう?」
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