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研修と帰りのおでん
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ところで、立川さんにケーキを持っていって以降、気まずいまま進行している。
職場はおんなじだし、部署もおんなじだし、年齢も近いし。後輩たちはまだ立川さんに直接仕事の質問とかできないみたいだから、私が間に入らないと駄目で、仕事の話はなんとかできるものの、プライベートな話は一切なくなった。
この人とは食の趣味が合うのになあ。そう残念には思うものの。
そんな中、私たち経理は研修に行かないといけなくなった。最近ころころ変わる経理のシステムの見直しで、専門家を呼んで勉強会を開くのだ。世の中仕事は全てAIに置き換えられるとか豪語されている割に、AIだと簡単に切って捨てる部分に必要なものがあるんだから、どのみち経理に人をかけないと仕事にならない。
会社に呼ぶんじゃなく、他の会社との合同勉強会で、皆筆記用具一式を持っていって、せっせとそれらを書いて、自分の仕事に必要な部分を逐一質問して、業務内容に必要な部分を書き込んでいく。
研修が終わった頃、私たちの業務時間も終わった。
「終わったあ……」
「お疲れ様。帰りに研修の打ち上げで飲みにでも行くか?」
立川さんがあれこれと気を回して最近古いと言われがちな飲みニケーションを企画するのは、お酒の入った上で適当に会話をし、有事の際に助けを求めに行ける人を増やすためだ。もっとも。
「すみません……今日は家に早く帰らないと駄目なんですよ」
「ごめんなさい、先約がありまして」
……この辺りは突発だったらなかなか成立しないんだよね。だから後輩たちは皆帰ってしまい、私と立川さんだけ残される。
私は帰ったもんかなあ、でも立川さんが可哀想だしなあと思い、振り返る。
「ええっと……お酒なしでよかったら」
「ああ。まだ禁酒気味?」
「せっかく健康診断で最近健康になったと言われたばかりですので、もうちょっとだけ健康でいたいです、私も」
実のところワイン一杯くらいだったら満足に飲める程度には体も回復しているけれど、男女でお酒の入った食事をするのは駄目だよなあと思う。
立川さんはそれに気付いたのか気付いてないのか、本当にいつも通りに笑う。
「あははは、わかった。じゃあどこ行こうか」
「最近和食食べてないんで和食がいいです。イタリアンとかフレンチとかも好きですけど、今はとにかく出汁の利いたものが食べたいです」
「ああ、いいなあ。ひとり暮らしだったら意外と出汁取るの嫌がってインスタント出汁に頼りがちだしなあ」
本当にプライベートではギクシャクしていたのに、「じゃあ食べよう」で平気で付き合えるのは、立川さんは食事の部分では無下なことはしてこないだろうという信頼がひとつ。この人があまりにもしつこくないせいで、むしろこちらのほうが申し訳なくなってきたのがひとつ。
あとひとつは、最近婚活にまた失敗したという風の噂を聞いたので、立川さんレベルで婚活に失敗って原因はなんだろうなという漠然とした不安が少々。
好きかどうかと言われると未だに「わからない」としか言えないけれど、本当に嫌いじゃないんだよな、この人のことは。
こうして私たちは、研修をしていたビルの地下へと移動していった。地下には結構寂れた食事処が多く、これが案外おいしいから夜に用事が終わったあと、散策するのも楽しかったりする。
****
プンと漂ってきたのは昆布出汁の強い匂い。ここまで濃厚だと、もう口の中が唾液で満たされる。
「ここ。おでん屋。関東おでんが主流」
「うわあ……おいしそう。既に匂いがおいしそうです」
「うんうん。おでん美味いもんなあ。昔ながらのおでん屋だから、皿にひとつずつ盛る形になるけど大丈夫?」
「好きです、そういうの」
「了解。飲み物はどうする?」
「ええっと……」
中に入ると、本当に煤けた店だ。
少し壁紙が黒ばみ、長テーブルには椅子は六つ。会社帰りのサラリーマンが寄ったらすぐに満席になるようなこじんまりとした店に、店主さんが熱心に桂剥きした大根を落としているのが目に入った。
壁にはお品書き。大根や卵、はんぺんやちくわの他に、飲み物は日本酒、ビール、あとジンジャーエールに烏龍茶だ。
「じゃあ烏龍茶で」
「了解。すみません。大根ひとつずつ、はんぺんひとつずつ。あとビールと烏龍茶を」
「はいよ」
店主さんは小ぶりのビール瓶を栓抜きでプシューと開けてコップに注いでくれた。私の分の烏龍茶もだ。そしてお皿にそれぞれ大根と卵、はんぺんとちくわが盛り付けられたものを私たちのテーブルの前に並べてくれた。
「からしはそっち」
「ありがとうございます。いただきます」
ぺこんと挨拶してから、私は大根をお箸で割った。出汁の色にすっかりと染まって色付いているそれは、ひと口食べた途端にじゅわじゅわと染みた出汁が溢れてきた。
「おいひい……色が黒くて存在感あるのに、しつこい味じゃない」
「うん。ここ元々料亭で働いてた店主さんが出した店だって」
「なるほど……」
おでんも煮る順番や場所によって、味が格段に変わってしまうらしい。出汁になるもの、出汁を吸うもの、それぞれの素材の味を繋ぎ合わせるもの。
家でつくるとなったら、鍋の大きさにも限りがあるからそこまで細かく考えられないけれど、ここのおでんは四角く囲いをして場所ごとに煮るものを変えているから、味の循環が素晴らしい。
ひと口お皿の出汁を飲んでみるけれど、澄んだ味がしておいしい。
これ、日本酒と一緒だったら絶対に合うと思うんだけど……今は日本酒を飲みたい雰囲気じゃない。
立川さんは日本酒をゆるゆる飲みながら、卵を割って食べている。その中、私は「あのう……」と声をかけた。それで立川さんは「うん?」と首を傾げた。
本当になんでもおいしそうに食べる人だな。そう思いながら口を開く。
「この間、いきなりの急用で逃げ出してすみません……」
「いやあ……こちらこそ、いきなり呼び立ててごめん。自分の家に招いた時点で、いろいろ駄目だよなあ。はしゃぎ過ぎた」
「いえ……私もこう……あのう」
「うん?」
これは聞いても大丈夫なのかどうか。
そもそも婚活が上手く行ってないから私に声をかけたのか、特に深い意味はないのか。立川さんはお酒に強い上に、日頃から無茶な飲み方はしない。自分が会計済ませられる程度にしか飲まないから、多分今も普通に会話は成立していると思うけれど。
「……立川さんの家に招いたの、一応裏があったりしますか? 私も、誰の家でも上がる訳ではありません」
この辺りはきちんと伝えておいた。
……嫌いじゃないんだよ。本当の本当に。ただ好きに変わる程のきっかけもないから、宙ぶらりんで、多分立川さんの婚活が成功したらそのまま消えるんだろうな程度の感情だ。私は最近スマホマンガでよく出てくるような寝取り寝取られマンガの悪役にはなれない。
立川さんは黙って卵を飲み込んだ。ゴクリ、という音が異様に大きく聞こえた。
「……それ、また一緒に仕事帰り以外にも飲みに行ってもいい奴?」
「ええっと……そのつもりです。ただ、私も立川さんが婚活してるの知ってますから、キープ扱いは互いに悪いと思いますので、ちゃんと正式な手続き踏んでくださればと……」
なんだこれ。なんだこれ。
もうちょっとなんかなかったのか、告白の台詞。自分でも言っていて駄目だろうと思ったけれど、この辺りストレートに言わないと駄目だよなあと思った。
というより、普段からご飯ばかり食べていても一応なけなしの乙女心が染みついている。ちゃんと告白してほしいのだ。
立川さんは「あー」「うー」と視線を彷徨わせてから、箸を皿にカチンと置いた。そしてこちらに頭を下げてきた。
「……婚活で出かけるたび、頭に一ノ瀬さんがちらついて駄目だった。どこに出かけても、このとき一ノ瀬さんだったらどう反応するだろうって想像するから、もう婚活辞めた方がいいと思って、登録していたアプリはデータ消して全部デリートしました」
「私、面白いこととか特にしてませんけど。緊張し過ぎてもご飯が喉を通らないのは風邪引いてるときくらいですし。情緒もあんまりありませんよ?」
「そんなしょっちゅう食事の話してるの君くらいでしょ。君とがちょうどいいよ」
思わず私は「ブハッ」と噴き出してしまい、ひとしきり笑ってしまった。
なけなしの乙女心を持っている割に、告白にTPOを選ばな過ぎるのだ。おでん屋さんは悪くないし、特に摩天楼の光を見ながらワインを傾けてのプロポーズにロマンを見出すタイプでもない。
ただ、なんだそっかぁ、とだけ漠然と思った。
「よろしくお願いします。お付き合いしましょう」
「本当に、よろしく」
巾着、がんもどき、ちくわ。練り物もたっぷりと食べてから、お会計を済ませた。
温かくなり、心も少しだけ軽くなった。
これからのことは、これから考えようと。
……ただ、もし立川さんとお付き合いして、このまま着々と婚約する場合。
うちの実家に報告しなきゃいけないんだよなという、漠然とした不安は残っていた。
職場はおんなじだし、部署もおんなじだし、年齢も近いし。後輩たちはまだ立川さんに直接仕事の質問とかできないみたいだから、私が間に入らないと駄目で、仕事の話はなんとかできるものの、プライベートな話は一切なくなった。
この人とは食の趣味が合うのになあ。そう残念には思うものの。
そんな中、私たち経理は研修に行かないといけなくなった。最近ころころ変わる経理のシステムの見直しで、専門家を呼んで勉強会を開くのだ。世の中仕事は全てAIに置き換えられるとか豪語されている割に、AIだと簡単に切って捨てる部分に必要なものがあるんだから、どのみち経理に人をかけないと仕事にならない。
会社に呼ぶんじゃなく、他の会社との合同勉強会で、皆筆記用具一式を持っていって、せっせとそれらを書いて、自分の仕事に必要な部分を逐一質問して、業務内容に必要な部分を書き込んでいく。
研修が終わった頃、私たちの業務時間も終わった。
「終わったあ……」
「お疲れ様。帰りに研修の打ち上げで飲みにでも行くか?」
立川さんがあれこれと気を回して最近古いと言われがちな飲みニケーションを企画するのは、お酒の入った上で適当に会話をし、有事の際に助けを求めに行ける人を増やすためだ。もっとも。
「すみません……今日は家に早く帰らないと駄目なんですよ」
「ごめんなさい、先約がありまして」
……この辺りは突発だったらなかなか成立しないんだよね。だから後輩たちは皆帰ってしまい、私と立川さんだけ残される。
私は帰ったもんかなあ、でも立川さんが可哀想だしなあと思い、振り返る。
「ええっと……お酒なしでよかったら」
「ああ。まだ禁酒気味?」
「せっかく健康診断で最近健康になったと言われたばかりですので、もうちょっとだけ健康でいたいです、私も」
実のところワイン一杯くらいだったら満足に飲める程度には体も回復しているけれど、男女でお酒の入った食事をするのは駄目だよなあと思う。
立川さんはそれに気付いたのか気付いてないのか、本当にいつも通りに笑う。
「あははは、わかった。じゃあどこ行こうか」
「最近和食食べてないんで和食がいいです。イタリアンとかフレンチとかも好きですけど、今はとにかく出汁の利いたものが食べたいです」
「ああ、いいなあ。ひとり暮らしだったら意外と出汁取るの嫌がってインスタント出汁に頼りがちだしなあ」
本当にプライベートではギクシャクしていたのに、「じゃあ食べよう」で平気で付き合えるのは、立川さんは食事の部分では無下なことはしてこないだろうという信頼がひとつ。この人があまりにもしつこくないせいで、むしろこちらのほうが申し訳なくなってきたのがひとつ。
あとひとつは、最近婚活にまた失敗したという風の噂を聞いたので、立川さんレベルで婚活に失敗って原因はなんだろうなという漠然とした不安が少々。
好きかどうかと言われると未だに「わからない」としか言えないけれど、本当に嫌いじゃないんだよな、この人のことは。
こうして私たちは、研修をしていたビルの地下へと移動していった。地下には結構寂れた食事処が多く、これが案外おいしいから夜に用事が終わったあと、散策するのも楽しかったりする。
****
プンと漂ってきたのは昆布出汁の強い匂い。ここまで濃厚だと、もう口の中が唾液で満たされる。
「ここ。おでん屋。関東おでんが主流」
「うわあ……おいしそう。既に匂いがおいしそうです」
「うんうん。おでん美味いもんなあ。昔ながらのおでん屋だから、皿にひとつずつ盛る形になるけど大丈夫?」
「好きです、そういうの」
「了解。飲み物はどうする?」
「ええっと……」
中に入ると、本当に煤けた店だ。
少し壁紙が黒ばみ、長テーブルには椅子は六つ。会社帰りのサラリーマンが寄ったらすぐに満席になるようなこじんまりとした店に、店主さんが熱心に桂剥きした大根を落としているのが目に入った。
壁にはお品書き。大根や卵、はんぺんやちくわの他に、飲み物は日本酒、ビール、あとジンジャーエールに烏龍茶だ。
「じゃあ烏龍茶で」
「了解。すみません。大根ひとつずつ、はんぺんひとつずつ。あとビールと烏龍茶を」
「はいよ」
店主さんは小ぶりのビール瓶を栓抜きでプシューと開けてコップに注いでくれた。私の分の烏龍茶もだ。そしてお皿にそれぞれ大根と卵、はんぺんとちくわが盛り付けられたものを私たちのテーブルの前に並べてくれた。
「からしはそっち」
「ありがとうございます。いただきます」
ぺこんと挨拶してから、私は大根をお箸で割った。出汁の色にすっかりと染まって色付いているそれは、ひと口食べた途端にじゅわじゅわと染みた出汁が溢れてきた。
「おいひい……色が黒くて存在感あるのに、しつこい味じゃない」
「うん。ここ元々料亭で働いてた店主さんが出した店だって」
「なるほど……」
おでんも煮る順番や場所によって、味が格段に変わってしまうらしい。出汁になるもの、出汁を吸うもの、それぞれの素材の味を繋ぎ合わせるもの。
家でつくるとなったら、鍋の大きさにも限りがあるからそこまで細かく考えられないけれど、ここのおでんは四角く囲いをして場所ごとに煮るものを変えているから、味の循環が素晴らしい。
ひと口お皿の出汁を飲んでみるけれど、澄んだ味がしておいしい。
これ、日本酒と一緒だったら絶対に合うと思うんだけど……今は日本酒を飲みたい雰囲気じゃない。
立川さんは日本酒をゆるゆる飲みながら、卵を割って食べている。その中、私は「あのう……」と声をかけた。それで立川さんは「うん?」と首を傾げた。
本当になんでもおいしそうに食べる人だな。そう思いながら口を開く。
「この間、いきなりの急用で逃げ出してすみません……」
「いやあ……こちらこそ、いきなり呼び立ててごめん。自分の家に招いた時点で、いろいろ駄目だよなあ。はしゃぎ過ぎた」
「いえ……私もこう……あのう」
「うん?」
これは聞いても大丈夫なのかどうか。
そもそも婚活が上手く行ってないから私に声をかけたのか、特に深い意味はないのか。立川さんはお酒に強い上に、日頃から無茶な飲み方はしない。自分が会計済ませられる程度にしか飲まないから、多分今も普通に会話は成立していると思うけれど。
「……立川さんの家に招いたの、一応裏があったりしますか? 私も、誰の家でも上がる訳ではありません」
この辺りはきちんと伝えておいた。
……嫌いじゃないんだよ。本当の本当に。ただ好きに変わる程のきっかけもないから、宙ぶらりんで、多分立川さんの婚活が成功したらそのまま消えるんだろうな程度の感情だ。私は最近スマホマンガでよく出てくるような寝取り寝取られマンガの悪役にはなれない。
立川さんは黙って卵を飲み込んだ。ゴクリ、という音が異様に大きく聞こえた。
「……それ、また一緒に仕事帰り以外にも飲みに行ってもいい奴?」
「ええっと……そのつもりです。ただ、私も立川さんが婚活してるの知ってますから、キープ扱いは互いに悪いと思いますので、ちゃんと正式な手続き踏んでくださればと……」
なんだこれ。なんだこれ。
もうちょっとなんかなかったのか、告白の台詞。自分でも言っていて駄目だろうと思ったけれど、この辺りストレートに言わないと駄目だよなあと思った。
というより、普段からご飯ばかり食べていても一応なけなしの乙女心が染みついている。ちゃんと告白してほしいのだ。
立川さんは「あー」「うー」と視線を彷徨わせてから、箸を皿にカチンと置いた。そしてこちらに頭を下げてきた。
「……婚活で出かけるたび、頭に一ノ瀬さんがちらついて駄目だった。どこに出かけても、このとき一ノ瀬さんだったらどう反応するだろうって想像するから、もう婚活辞めた方がいいと思って、登録していたアプリはデータ消して全部デリートしました」
「私、面白いこととか特にしてませんけど。緊張し過ぎてもご飯が喉を通らないのは風邪引いてるときくらいですし。情緒もあんまりありませんよ?」
「そんなしょっちゅう食事の話してるの君くらいでしょ。君とがちょうどいいよ」
思わず私は「ブハッ」と噴き出してしまい、ひとしきり笑ってしまった。
なけなしの乙女心を持っている割に、告白にTPOを選ばな過ぎるのだ。おでん屋さんは悪くないし、特に摩天楼の光を見ながらワインを傾けてのプロポーズにロマンを見出すタイプでもない。
ただ、なんだそっかぁ、とだけ漠然と思った。
「よろしくお願いします。お付き合いしましょう」
「本当に、よろしく」
巾着、がんもどき、ちくわ。練り物もたっぷりと食べてから、お会計を済ませた。
温かくなり、心も少しだけ軽くなった。
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