8 / 26
押しかけ嫁の言い分
私はあおじを肩に乗せ、元気に立ち去っていく天女さんを見送っていた。そのあと「ふうっ!」と作業部屋から出てきた鶴子さんに感嘆の声を上げた。
「すごいですね。短時間であんなに見事な織物を」
「いえねえ。花嫁修業に一環ですよ。相手を食うのに困らせない。花嫁の勤めですから」
鶴子さんは「ふふん」とでも言いたげに胸を仰け反らせた。なるほど。私は鶴子さんに「ええっと」と口火を切る。
「鶴子さんって、いわゆる『鶴の恩返し』の鶴……なんですかね?」
あおじは大丈夫と言ってくれたけど、これって指摘して大丈夫なのかなと頭の隅で疑問に思った。それに鶴子さんは「あはは」と笑う。
「ばれちゃいました?」
「ばれちゃいましたというか、この話は日本人だったらほとんどの人が知っている話かと」
「そうですねえ……私、鶴ですけど猪突猛進なんですよ。好きになった人は相手が折れるまで押して押して押しまくれと言いますか」
「……なるほど」
絵本で知られている『鶴の恩返し』では貞淑な妻っぽい印象だったけれど、よくよく考えてみれば押しかけ嫁が貞淑な妻な訳はなかったか。
私が思わずメモ帳を広げてそれをメモっている中、鶴子さんは「ふふーん」と胸を仰け反らせた。だからなんで。
「だから私が押しかけたら、それはそれはもう楽しい! 夫婦愛が繰り広げられるんですけど……なあんか、最近は上手くいかないんですよねえ……」
「ええ? 今って結構草食男子やら惚れっぽい男子やらが多いですから、鶴子さんみたいな人が押したらすぐ上手くいきそうな気がしますけどねえ」
なんだかんだ言って、男女問わずに好かれて嫌な気になる人は少ないと思う。相手との相性もあるだろうけど。それに鶴子さんは「ですよね、私、間違ってませんよねっ!」と声を荒げた。
いや、私もその辺りは知らんけど。
「今って、すぐなんでもかんでもネットに上げるじゃないですかあ。私が鶴だってバレた途端にびっくりして皆すぐにスマホで撮るんですよぉ」
「ええっと、そりゃまあ」
いきなり自宅に押しかけてきた彼女が、「開けないでください」と注意勧告出して空き部屋に篭もり、それを開けてみたら鶴だったら、びっくりして写真を撮りそうな気はしている。でも行儀が悪いし、彼女にすべきことでもないんだよなあ。
鶴子さんは息巻く。
「それを撮った彼氏、すぐネットに上げるんですからぁ。しかもそれを【嘘つき】とか言われて、しょぼくれるかキレるかで、最終的に私たち大喧嘩して別れちゃうんです。もう知りません知りません。人の甲斐性台無しにする人は」
「それは、まあ……」
他に言いようがなかった。
行儀悪くも写真を撮る人の気持ちも、それに怒る鶴子さんに気持ちも、わかるようなわからないような。
鶴子さんはだんだんとテンションを上げてくる。
「私のことをネットに上げるとかは別にかまわないんですよ。神様とかだったら、勝手に写真撮られるんじゃないとか怒られますけど、私別に神様でもなんでもありませんし。でも【嘘つき】呼ばわりしてきたのはネットを見た人であって、私にはなんの落ち度もないじゃないでsか。ああいうのを、性格が悪いって言うんですから!」
「ま、まあ……そうですね?」
「今は傷心中ですので、こうして店主様のお店で働いてるんです。傷心を人間にぶつけてもしょうがないため、ひとの世話をして骨休みしてから、再び現世に戻って逆ナンを展開する予定です」
あおじは鶴子さんのことを恋愛脳だとばっさり言っていたが。
ここまで許して尽くして報われない押しかけ嫁っていう、属性過多なキャラクターをどう処理すればいいのか、さっぱりわからん。
私は顔を引きつらせていると、あおじは「ちゅちゅーん」と鳴き声を上げた。
「つるこさんつるこさん、そのへんで。そのへんで。こまってらっしゃいますから」
「あ、はっ! ごめんなさい、おきなさんにしゃべり過ぎてもいい話ではなかったですね!?」
「い、いえ……こんな人もいるんだなあという見聞を深められましたので……はは」
「ごめんなさーい! ああ、そうだ。昼食はどうされますか?」
「そうですね。食堂で食べようかと思ってましたけど、今日のメニューでお勧めなのはなんですか?」
食堂はぱっとお品出しを見た限り、ファミリー食堂みたいなラインナップだった。
朝が料亭の朝ご飯、夜はごちそうフルコースなんだから、昼はちょっと手抜きしたものを食べてみたいところだ。
それにあおじは「ちゅちゅーん」と鳴き声を上げた。
「うみのさちのどんぶりがございますよ。そのひのとれだかでかわりますから、おなじものをちゅうもんしてもあしたたべられるかはわかりません」
「わあ、おいしそう」
「やまのさちのばあいは、てんぷらどんでございますね。こちらもそのひとれたものをちゅうしんにおだししますので、こんだてがかわります」
「そっちもいいなあ。じゃあランダムなどんぶりをどっちにするか考えてみますね」
「はい、それではごあんない」
こうして私は鶴子さんと一旦お別れして、あおじと一緒に食堂へと向かった。私は腕を組んであおじに尋ねてみる。
「鶴子さんはああ言ってたけど、異類婚姻譚ってそんな頻繁にあるものだったの? 鶴子さんが今も昔も普通に人間とお付き合いあったことにも、SNS活用してたことにも驚いたけど」
「ちゅちゅーん。げんだいのほうが、きせいがいねんがこりかたまってかくれやすいばあいもございますね。こせいをだいじにしつつも、どうせこうだからこうだろうと、いっこうにしんじないからぎゃくにかくれやすいという」
「なるほど……」
世の中、結構SNSの普及のせいで見聞は深まったと思うけれど、それは学者くらいのものかもしれない。一般人のほとんどは、自分の常識が他人の非常識だと気付かないから、自分の知っている常識と外れたものを見ても「ありえない」と一蹴してしまうから見落としてしまう。
鶴子さんはそこにすっぽりと治まって今でも異類婚姻譚を楽しんでいるんだからかなり逞しい人だ。
「私には結構無理かもなあ。あそこまでアグレッシブにはなれないわ」
「つるこさんほどおげんきなかたもなかなかおられませんよ」
「あおじが言うんだったら、そうなんだろうねえ」
そうふたりで言い合いながら食堂に入ったら、既に先客がいるようだった。そこにいたのは若彦さんだった。食べているのはかきあげ丼みたいだった。
「わあ、おいしそう」
「あれ、奥菜さんですか。こんにちは。今日は取材は?」
「今ちょーっと異類婚姻譚の見聞を深めてきたところですよ。あ、おいしそう。このかきあげ……」
「季節の野菜に出汁を利かせてありますね。同じもの召し上がりますか?」
「うーん。私は違うものを食べたいかなあ。すみません、私に海の幸の海鮮丼ください」
店員さんにそう声をかけた。
「すごいですね。短時間であんなに見事な織物を」
「いえねえ。花嫁修業に一環ですよ。相手を食うのに困らせない。花嫁の勤めですから」
鶴子さんは「ふふん」とでも言いたげに胸を仰け反らせた。なるほど。私は鶴子さんに「ええっと」と口火を切る。
「鶴子さんって、いわゆる『鶴の恩返し』の鶴……なんですかね?」
あおじは大丈夫と言ってくれたけど、これって指摘して大丈夫なのかなと頭の隅で疑問に思った。それに鶴子さんは「あはは」と笑う。
「ばれちゃいました?」
「ばれちゃいましたというか、この話は日本人だったらほとんどの人が知っている話かと」
「そうですねえ……私、鶴ですけど猪突猛進なんですよ。好きになった人は相手が折れるまで押して押して押しまくれと言いますか」
「……なるほど」
絵本で知られている『鶴の恩返し』では貞淑な妻っぽい印象だったけれど、よくよく考えてみれば押しかけ嫁が貞淑な妻な訳はなかったか。
私が思わずメモ帳を広げてそれをメモっている中、鶴子さんは「ふふーん」と胸を仰け反らせた。だからなんで。
「だから私が押しかけたら、それはそれはもう楽しい! 夫婦愛が繰り広げられるんですけど……なあんか、最近は上手くいかないんですよねえ……」
「ええ? 今って結構草食男子やら惚れっぽい男子やらが多いですから、鶴子さんみたいな人が押したらすぐ上手くいきそうな気がしますけどねえ」
なんだかんだ言って、男女問わずに好かれて嫌な気になる人は少ないと思う。相手との相性もあるだろうけど。それに鶴子さんは「ですよね、私、間違ってませんよねっ!」と声を荒げた。
いや、私もその辺りは知らんけど。
「今って、すぐなんでもかんでもネットに上げるじゃないですかあ。私が鶴だってバレた途端にびっくりして皆すぐにスマホで撮るんですよぉ」
「ええっと、そりゃまあ」
いきなり自宅に押しかけてきた彼女が、「開けないでください」と注意勧告出して空き部屋に篭もり、それを開けてみたら鶴だったら、びっくりして写真を撮りそうな気はしている。でも行儀が悪いし、彼女にすべきことでもないんだよなあ。
鶴子さんは息巻く。
「それを撮った彼氏、すぐネットに上げるんですからぁ。しかもそれを【嘘つき】とか言われて、しょぼくれるかキレるかで、最終的に私たち大喧嘩して別れちゃうんです。もう知りません知りません。人の甲斐性台無しにする人は」
「それは、まあ……」
他に言いようがなかった。
行儀悪くも写真を撮る人の気持ちも、それに怒る鶴子さんに気持ちも、わかるようなわからないような。
鶴子さんはだんだんとテンションを上げてくる。
「私のことをネットに上げるとかは別にかまわないんですよ。神様とかだったら、勝手に写真撮られるんじゃないとか怒られますけど、私別に神様でもなんでもありませんし。でも【嘘つき】呼ばわりしてきたのはネットを見た人であって、私にはなんの落ち度もないじゃないでsか。ああいうのを、性格が悪いって言うんですから!」
「ま、まあ……そうですね?」
「今は傷心中ですので、こうして店主様のお店で働いてるんです。傷心を人間にぶつけてもしょうがないため、ひとの世話をして骨休みしてから、再び現世に戻って逆ナンを展開する予定です」
あおじは鶴子さんのことを恋愛脳だとばっさり言っていたが。
ここまで許して尽くして報われない押しかけ嫁っていう、属性過多なキャラクターをどう処理すればいいのか、さっぱりわからん。
私は顔を引きつらせていると、あおじは「ちゅちゅーん」と鳴き声を上げた。
「つるこさんつるこさん、そのへんで。そのへんで。こまってらっしゃいますから」
「あ、はっ! ごめんなさい、おきなさんにしゃべり過ぎてもいい話ではなかったですね!?」
「い、いえ……こんな人もいるんだなあという見聞を深められましたので……はは」
「ごめんなさーい! ああ、そうだ。昼食はどうされますか?」
「そうですね。食堂で食べようかと思ってましたけど、今日のメニューでお勧めなのはなんですか?」
食堂はぱっとお品出しを見た限り、ファミリー食堂みたいなラインナップだった。
朝が料亭の朝ご飯、夜はごちそうフルコースなんだから、昼はちょっと手抜きしたものを食べてみたいところだ。
それにあおじは「ちゅちゅーん」と鳴き声を上げた。
「うみのさちのどんぶりがございますよ。そのひのとれだかでかわりますから、おなじものをちゅうもんしてもあしたたべられるかはわかりません」
「わあ、おいしそう」
「やまのさちのばあいは、てんぷらどんでございますね。こちらもそのひとれたものをちゅうしんにおだししますので、こんだてがかわります」
「そっちもいいなあ。じゃあランダムなどんぶりをどっちにするか考えてみますね」
「はい、それではごあんない」
こうして私は鶴子さんと一旦お別れして、あおじと一緒に食堂へと向かった。私は腕を組んであおじに尋ねてみる。
「鶴子さんはああ言ってたけど、異類婚姻譚ってそんな頻繁にあるものだったの? 鶴子さんが今も昔も普通に人間とお付き合いあったことにも、SNS活用してたことにも驚いたけど」
「ちゅちゅーん。げんだいのほうが、きせいがいねんがこりかたまってかくれやすいばあいもございますね。こせいをだいじにしつつも、どうせこうだからこうだろうと、いっこうにしんじないからぎゃくにかくれやすいという」
「なるほど……」
世の中、結構SNSの普及のせいで見聞は深まったと思うけれど、それは学者くらいのものかもしれない。一般人のほとんどは、自分の常識が他人の非常識だと気付かないから、自分の知っている常識と外れたものを見ても「ありえない」と一蹴してしまうから見落としてしまう。
鶴子さんはそこにすっぽりと治まって今でも異類婚姻譚を楽しんでいるんだからかなり逞しい人だ。
「私には結構無理かもなあ。あそこまでアグレッシブにはなれないわ」
「つるこさんほどおげんきなかたもなかなかおられませんよ」
「あおじが言うんだったら、そうなんだろうねえ」
そうふたりで言い合いながら食堂に入ったら、既に先客がいるようだった。そこにいたのは若彦さんだった。食べているのはかきあげ丼みたいだった。
「わあ、おいしそう」
「あれ、奥菜さんですか。こんにちは。今日は取材は?」
「今ちょーっと異類婚姻譚の見聞を深めてきたところですよ。あ、おいしそう。このかきあげ……」
「季節の野菜に出汁を利かせてありますね。同じもの召し上がりますか?」
「うーん。私は違うものを食べたいかなあ。すみません、私に海の幸の海鮮丼ください」
店員さんにそう声をかけた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
本の虫な転生赤ちゃんは血塗りの宰相の義愛娘~本の世界に入れる『ひみちゅのちから』でピンチの帝国を救ったら、冷酷パパに溺愛されてます
青空あかな
ファンタジー
ブラック企業に勤める本の虫でアラサーOLの星花は、突然水に突き落とされた衝撃を感じる。
藻掻くうちに、自分はなぜか赤ちゃんになっていることを理解する。
溺死寸前の彼女を助けたのは、冷徹な手腕により周囲から「血塗りの宰相」と恐れられるアイザック・リヴィエール公爵だった。
その後、熱に浮かされながら見た夢で前世を思い出し、星花は異世界の赤ちゃんに転生したことを自覚する。
目覚めた彼女は周囲の会話から、赤ちゃんの自分を川に落としたのは実の両親だと知って、強いショックを受けた。
前世の両親もいわゆる毒親であり、今世では「親」に愛されたかったと……。
リヴィエール公爵家の屋敷に連れて行かれると、星花にはとても貴重な聖属性の魔力があるとわかった。
アイザックに星花は「ステラ」と名付けられ彼の屋敷で暮らすようになる。
当のアイザックとはほとんど会わない塩対応だが、屋敷の善良な人たちに温かく育てられる。
そんなある日、精霊と冒険する絵本を読んだステラはその世界に入り込み、実際に精霊と冒険した。
ステラには「本の世界に入り込み、その本の知識や内容を実際に体験したように習得できる特別な力」があったのだ。
彼女はその力を使って、隣国との条約締結に関する通訳不在問題や皇帝陛下の病気を治す薬草探索など、様々な問題を解決する。
やがて、アイザックは最初は煩わしかったはずのステラの活躍と愛らしさを目の当たりにし、彼女を「娘として」大切に思うようになる。
これは赤ちゃんに転生した本好きアラサーの社畜OLが、前世の知識と本好きの力を活かして活躍した結果、冷徹な義父から溺愛される話である。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
妻に不倫され間男にクビ宣告された俺、宝くじ10億円当たって防音タワマンでバ美肉VTuberデビューしたら人生爆逆転
小林一咲
ライト文芸
不倫妻に捨てられ、会社もクビ。
人生の底に落ちたアラフォー社畜・恩塚聖士は、偶然買った宝くじで“非課税10億円”を当ててしまう。
防音タワマン、最強機材、そしてバ美肉VTuber「姫宮みこと」として新たな人生が始まる。
どん底からの逆転劇は、やがて裏切った者たちの運命も巻き込んでいく――。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
悪徳公主と冷徹皇帝陛下の後宮薬膳茶
菱沼あゆ
キャラ文芸
冷徹非道と噂の皇帝陛下のもとに、これまた悪しき評判しかない異国の王女、琳玲がやってきた。
琳玲は皇后の位は与えられたが、離宮に閉じ込められる。
それぞれの思惑がある離宮の女官や侍女たちは、怪しい薬草で皇帝陛下たちを翻弄する琳玲を観察――。
悪徳公主と冷徹皇帝陛下と女官たちの日々は今日も騒がしい。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。