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お忍びの依頼
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パンを焼いている間、フレッシュハーブを刻んでバターに練り込む。ラモーナ様からいただいたハーブでハーブティーを差し出した。
シリルさんは意外そうな顔で、それをいただいてくれた。
「どういう風の吹き回しだ? 招待なんて」
「お礼ですね……いろいろいろいろと」
「いろいろいろいろ」
「久々にラモーナ様の顔を見てきたら、いろいろ想い出しましてね」
「いろいろいろいろ」
そもそもシリルさんとの出会いは、ラモーナ様からの泣きたいほどに細かい依頼からだった。その依頼がなかったら、こうしてシリルさんがうちの店に怒鳴り込んでくることもなく、私もずっと恋人人形づくりに不満を覚えていただろう。
髪を褒められた。そばかすだらけの肌を褒められた。ダリアだと何度も言われたら、こちらだってそうなのかもしれないと思えてくる。
そう考えたら少しだけ前向きになり、恋人人形づくりの中にも楽しさを探すようになってきた。本当は可愛い可愛いメイド人形だけつくっていたいけれど、これも仕事なのだから。
やがてパンが焼き上がった。私は鉄板の上から焼きたてのパンを籠に入れて差し出すと、先程つくったハーブバターを添える。
「焼きたてパンとバターです。これお土産ですね。自炊してらっしゃるなら、もう少しバター出しますけど」
「そうか……いただく」
バターをたっぷりとパンに塗りつけ、サックリとパンをいただく。
パンは保存食だし、そこまで焼きたてのものを食べないのだけれど、今日だけは特別だ。シリルさんは目を細めて、パンを平らげてくれた。
「……美味いな、このパンもバターも」
「よ、よかったぁ……!」
「そこまで声を上げるな。しかし……」
「はい?」
「また忙しいのか?」
「ああ、はい」
帰ってきて早々、注文が殺到したのだ。
夏至明けになにかあったかなと考えたら、そろそろプロムなのだと気が付いた。
婚前恋愛禁止条例は厄介で、王立学園も卒業式にもかかわらず、卒業記念のプロムでダンスの相手を誘うことができないのである。
一緒の学年に婚約者がいるのだったらまだ傷は浅いが、年の差婚、遠方に婚約者がいる場合だと、当然ながらプロムに参列できない。
そのため、慌てて恋人人形の依頼をする人が増えたのだ。
さすがにプロムをひとりで過ごさせるのは可哀想なため、こちらもできる限り頑張ってつくるけれど。いい加減この婚前恋愛禁止条例、どうにかしたほうがいいんじゃないかな。
私がそう思っていたら、シリルさんが「ふむ」と声を上げた。
「シリルさん?」
「いや、済まない。近々、こちらにお忍びで依頼が来るかと思うんだが、余裕があるかと気になってな」
「あれ? 私のことをどなたかに紹介なさったんですか?」
「腕のいい人形師は、どこでだって探されている。知らないのはお前くらいだ」
「そうだったんですか……?」
考えてみるけれど、たしかに貴族令嬢相手に依頼は受けまくっているとはいえど、人形師なんて、皆で寄り合いをつくる程度にはいるんだから、そんな大袈裟な……という顔にはなる。もちろん、王都民の数から比べてみたら、微々たる人数しかいないけれど。
私は「うーん」と唸り声を上げながら、パンをひとつ平らげた。
「あとひとりくらいでしたら、予約を空けておきますよ。さすがに一日で人形つくれと言われても無理ですけど、ひと月ほどお時間をいただけるのならば」
「それでかまわない。ありがとう」
そう言いながら、シリルさんはふっと笑った。
思えば。むっつりとした顔ばかりしていたのに、この人もたまぁーに私に笑いかけることが増えたなと思う。
本当は優しい人なんだろうね、この人も。
****
その日は人形の服を縫うために、一旦店を休んで、布の買い出しに出かけていた。
発注書からメモに写した中身を確認しつつ、布を運んでいく。手芸屋で大量に布を買い込んだ私は、すっかりと布お化け状態になってしまった。
それを運んでヨッチヨッチと歩いていたら、うちの前に馬車が停まっているのが目に留まった。騎士団の馬車であり、装甲がついていてちょっと格好いい。
「あのう……店主ですけれど、どうされましたかぁー?」
「ああ、失礼しました。店主殿ですね?」
騎士の人の服を見て、びっくりしてしまう。
一応王都騎士団にもランクが存在している。王都の端っこの騎士団は、一番下に見えて、実は二番目くらい。災害や戦争が起こったら真っ先に対処しないといけないため、それくらいの人たちが宛がわれているのだ。つまりは、シリルさんはよくうちに顔を出すけれど、実は結構すごい人だったりする。
でも。この人の騎士団服には、金色の刺繍が縫い付けられている。それは王城直轄騎士団であり、一番上の人たちになる。
なんで。なんでそんな人が人形欲しいの。私は途端にわなわなしていたら、馬車に案内された。
「失礼、なかなか来られないために。どうぞ依頼者とお会いください」
「依頼者……ですか」
「市中の方に、国にかかわるような依頼はしませんから」
「はあ……」
待って。王城直轄騎士団が護衛してるって、つまりは。
私はプルプル震えながら、馬車に入った。途端に嗅いだことのないような、甘い匂いが漂ってきた。
馬車の中でちょこんと座っていたのは、髪の毛を立て巻きカールにまとめた、愛らしい女の子だった。赤いパフの大きなドレスを着ていても、それが決して下品に見えない、バラというよりもカーネーションやスイトピーのような、透明感のある愛らしさが見え隠れした。
「あなたがシリルの言っていた人形師ね?」
「は、はい……」
「わたくし、人形が欲しいの。よろしい?」
「へあ」
「へあ?」
「い、いえ……あなたはつまり……」
「わたくし、プロムで卒業しますのに、婚約者は他国の方なため、プロムに参加できませんの」
やっぱり。私はがっくりと首を垂れた。
彼女はうちの国の王女、ベアトリス様だ。たしか、王立学園卒業後に、他国の王子と婚儀が決まっていたはずだ。
婚前恋愛禁止条例の面倒臭い点は、プロムでカップルをつくって踊る際、恋愛は禁止されているため、王立学園側は条例違反で国に難癖付けられることを恐れて「婚約者以外と踊ってはいけない」と規定してしまった点にある。
だから人形師が、夏至明けに急激に忙しくなってしまった訳で。
「それは理解できましたが……私はいったいどのような人形をつくればよろしいんですか?」
イヤァーな予感がするなあと、ダラダラ冷や汗を掻くと、ベアトリス様はにっこりと笑った。
「殿下のような人形が欲しいんですの。でも殿下そのものでしたら、国際問題になりかねないでしょう? ですから、どこからどう見ても人形にしか見えない殿下が欲しいのです」
ものすごく難しい注文が来ましたけど!?
シリルさん、私とんでもない依頼をされたのですけれど、これ断っちゃ駄目でしょうか? 不敬罪で首はねられても困りますけど、これを受けたら絶対に面倒臭いことになりそうなんですけど。
私はダラダラ冷や汗を掻きながら、一旦「スケッチブックを取りに行ってもよろしいですか?」と尋ねた。
ベアトリス様から了承をもらって、そそくさと取りに行った。
とにかく、ラフの段階でそのまま仕事を引き受け了承反対を決めてもらおう。
シリルさんは意外そうな顔で、それをいただいてくれた。
「どういう風の吹き回しだ? 招待なんて」
「お礼ですね……いろいろいろいろと」
「いろいろいろいろ」
「久々にラモーナ様の顔を見てきたら、いろいろ想い出しましてね」
「いろいろいろいろ」
そもそもシリルさんとの出会いは、ラモーナ様からの泣きたいほどに細かい依頼からだった。その依頼がなかったら、こうしてシリルさんがうちの店に怒鳴り込んでくることもなく、私もずっと恋人人形づくりに不満を覚えていただろう。
髪を褒められた。そばかすだらけの肌を褒められた。ダリアだと何度も言われたら、こちらだってそうなのかもしれないと思えてくる。
そう考えたら少しだけ前向きになり、恋人人形づくりの中にも楽しさを探すようになってきた。本当は可愛い可愛いメイド人形だけつくっていたいけれど、これも仕事なのだから。
やがてパンが焼き上がった。私は鉄板の上から焼きたてのパンを籠に入れて差し出すと、先程つくったハーブバターを添える。
「焼きたてパンとバターです。これお土産ですね。自炊してらっしゃるなら、もう少しバター出しますけど」
「そうか……いただく」
バターをたっぷりとパンに塗りつけ、サックリとパンをいただく。
パンは保存食だし、そこまで焼きたてのものを食べないのだけれど、今日だけは特別だ。シリルさんは目を細めて、パンを平らげてくれた。
「……美味いな、このパンもバターも」
「よ、よかったぁ……!」
「そこまで声を上げるな。しかし……」
「はい?」
「また忙しいのか?」
「ああ、はい」
帰ってきて早々、注文が殺到したのだ。
夏至明けになにかあったかなと考えたら、そろそろプロムなのだと気が付いた。
婚前恋愛禁止条例は厄介で、王立学園も卒業式にもかかわらず、卒業記念のプロムでダンスの相手を誘うことができないのである。
一緒の学年に婚約者がいるのだったらまだ傷は浅いが、年の差婚、遠方に婚約者がいる場合だと、当然ながらプロムに参列できない。
そのため、慌てて恋人人形の依頼をする人が増えたのだ。
さすがにプロムをひとりで過ごさせるのは可哀想なため、こちらもできる限り頑張ってつくるけれど。いい加減この婚前恋愛禁止条例、どうにかしたほうがいいんじゃないかな。
私がそう思っていたら、シリルさんが「ふむ」と声を上げた。
「シリルさん?」
「いや、済まない。近々、こちらにお忍びで依頼が来るかと思うんだが、余裕があるかと気になってな」
「あれ? 私のことをどなたかに紹介なさったんですか?」
「腕のいい人形師は、どこでだって探されている。知らないのはお前くらいだ」
「そうだったんですか……?」
考えてみるけれど、たしかに貴族令嬢相手に依頼は受けまくっているとはいえど、人形師なんて、皆で寄り合いをつくる程度にはいるんだから、そんな大袈裟な……という顔にはなる。もちろん、王都民の数から比べてみたら、微々たる人数しかいないけれど。
私は「うーん」と唸り声を上げながら、パンをひとつ平らげた。
「あとひとりくらいでしたら、予約を空けておきますよ。さすがに一日で人形つくれと言われても無理ですけど、ひと月ほどお時間をいただけるのならば」
「それでかまわない。ありがとう」
そう言いながら、シリルさんはふっと笑った。
思えば。むっつりとした顔ばかりしていたのに、この人もたまぁーに私に笑いかけることが増えたなと思う。
本当は優しい人なんだろうね、この人も。
****
その日は人形の服を縫うために、一旦店を休んで、布の買い出しに出かけていた。
発注書からメモに写した中身を確認しつつ、布を運んでいく。手芸屋で大量に布を買い込んだ私は、すっかりと布お化け状態になってしまった。
それを運んでヨッチヨッチと歩いていたら、うちの前に馬車が停まっているのが目に留まった。騎士団の馬車であり、装甲がついていてちょっと格好いい。
「あのう……店主ですけれど、どうされましたかぁー?」
「ああ、失礼しました。店主殿ですね?」
騎士の人の服を見て、びっくりしてしまう。
一応王都騎士団にもランクが存在している。王都の端っこの騎士団は、一番下に見えて、実は二番目くらい。災害や戦争が起こったら真っ先に対処しないといけないため、それくらいの人たちが宛がわれているのだ。つまりは、シリルさんはよくうちに顔を出すけれど、実は結構すごい人だったりする。
でも。この人の騎士団服には、金色の刺繍が縫い付けられている。それは王城直轄騎士団であり、一番上の人たちになる。
なんで。なんでそんな人が人形欲しいの。私は途端にわなわなしていたら、馬車に案内された。
「失礼、なかなか来られないために。どうぞ依頼者とお会いください」
「依頼者……ですか」
「市中の方に、国にかかわるような依頼はしませんから」
「はあ……」
待って。王城直轄騎士団が護衛してるって、つまりは。
私はプルプル震えながら、馬車に入った。途端に嗅いだことのないような、甘い匂いが漂ってきた。
馬車の中でちょこんと座っていたのは、髪の毛を立て巻きカールにまとめた、愛らしい女の子だった。赤いパフの大きなドレスを着ていても、それが決して下品に見えない、バラというよりもカーネーションやスイトピーのような、透明感のある愛らしさが見え隠れした。
「あなたがシリルの言っていた人形師ね?」
「は、はい……」
「わたくし、人形が欲しいの。よろしい?」
「へあ」
「へあ?」
「い、いえ……あなたはつまり……」
「わたくし、プロムで卒業しますのに、婚約者は他国の方なため、プロムに参加できませんの」
やっぱり。私はがっくりと首を垂れた。
彼女はうちの国の王女、ベアトリス様だ。たしか、王立学園卒業後に、他国の王子と婚儀が決まっていたはずだ。
婚前恋愛禁止条例の面倒臭い点は、プロムでカップルをつくって踊る際、恋愛は禁止されているため、王立学園側は条例違反で国に難癖付けられることを恐れて「婚約者以外と踊ってはいけない」と規定してしまった点にある。
だから人形師が、夏至明けに急激に忙しくなってしまった訳で。
「それは理解できましたが……私はいったいどのような人形をつくればよろしいんですか?」
イヤァーな予感がするなあと、ダラダラ冷や汗を掻くと、ベアトリス様はにっこりと笑った。
「殿下のような人形が欲しいんですの。でも殿下そのものでしたら、国際問題になりかねないでしょう? ですから、どこからどう見ても人形にしか見えない殿下が欲しいのです」
ものすごく難しい注文が来ましたけど!?
シリルさん、私とんでもない依頼をされたのですけれど、これ断っちゃ駄目でしょうか? 不敬罪で首はねられても困りますけど、これを受けたら絶対に面倒臭いことになりそうなんですけど。
私はダラダラ冷や汗を掻きながら、一旦「スケッチブックを取りに行ってもよろしいですか?」と尋ねた。
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