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特産物とゴロツキ
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「いいですか、姫様。できる限り白亜の守護神は出さないでくださいね」
「まあ、どうしてですか。これがあれば、いろんな方々を助けることができますのに」
「現状、王都側のことが不明瞭だからですっ!」
宿屋で二室部屋を借り、ベルンは外からコンスタンスの護衛。クロは隣のベッドでコンスタンスの護衛。ボチはどうしようか協議の結果、一旦ベルンが面倒を見るということになり、ベルンの肩に乗せていた。
その中、食事を済ませると、クロと互いのベッドの縁に座って、こんこんと説教を受けているコンスタンスであった。
「現状、バルテルス王国がなにを考えているのかはわかりません。我々の現状については、随時鳥を飛ばしてアルベーク王国には報告しておりますが。彼らがなにを考えているのかはわかりかねますし、どうしてポチを送り込んで姫様を襲撃してきたのかも、まだなにもわかっておりません」
「それはそうですが……わたくしは別に、フレデリク様がわたくしを陥れようとしたなんて思っていませんっ」
クロの言葉に、コンスタンスは反抗した。
フレデリクはバルテルス王国の第一王位継承者であり、コンスタンスの婚約者である。コンスタンスの輿入れが彼女の誘拐により頓挫してしまった以上、本来ならばバルテルス王国に抗議文を送るはずなのだが、現状アルベーク王国側はそれを送ってはいない。
普通に考えれば、他国に嫁ぐ予定の姫が誘拐なんて前代未聞な事件、戦争の口実なり陰謀なりを疑うのだが。コンスタンスは全く婚約者殿を疑ってはいなかった。
それにクロは溜息をついた。
「……姫様の人に対して寛容な姿勢、それは大変に素晴らしいものですが、時と場合がございます。そもそも、嫁ぐ予定の姫が誘拐されたのです。本来ならば王都側になにかしらの動きがあってもおかしくないのですが、それらもまだなにもないようなのです。普通に考えれば、王都側になにかしらあったと考えるのが筋でしょう」
「それはそうですが……王都側になにかがあったと考えるならば、普通に陛下は? 殿下たちは? 彼らの動きが見られないのはおかしいです」
「……こればかりは、各領地に探りを入れて、王都側に入ることを考えるのが筋でしょうね。とにかく。今、姫様が次期妃だということを知られては困るはずですから。できる限り隠しましょう」
「……わかりましたわ。皆様がご無事だといいのですけど」
そうコンスタンスはポツンと漏らした。
手紙のやり取りだけで、顔すら合わせたことのない婚約者ではあったが。嫌いだったらわざわざ国を跨いで嫁ぐこともないのだ。
嫌いではない。ただまだ好きではないだけだ。
そんなことを思いながら、ふたりはそれぞれのベッドに入って眠りについた。なんだかんだ言って疲れたため、コンスタンスはスコンと眠りについてしまった。
****
早朝。
日が出る前に、ベルンは宿屋の窓を開けると、鳥を迎え入れた。鳥にはコンスタンスの父親である王弟と国王からの手紙が括り付けられていたので、それを素早く読む。
「【現状、姫誘拐事件は表立っていない】か……まあ、山中だったらそうなるか」
そもそも互いに誘拐事件を表立たせてもメリットがないのだ。
アルベーク王国側はどうしても王族の姫を嫁がせることよりも世継ぎのほうが大事だったし、バルテルス王国側は防衛の不備がまろび出る。
国王側は心底謝罪が書かれ、王弟はコンスタンスの安否に対する喜びが書かれていた。
ただ、バルテルス王国側の神殿の過度の癒着は、今までの外交でも覚えがないらしく、ここ最近……そうは言ってもコンスタンスが嫁ぐ準備をしている前後だろう……のことらしい。
「これは……思っているよりも大事かも?」
ひとまず神殿側の内部調査の依頼を手紙に書くと、それを鳥に括り付けて飛ばした。
王国が飼っている鳥は強く、魔物からも高速で逃げおおせることができる速さを持っている。今回の鳥も撃ち落とされることなく帰還するだろうと見越してから、ベルンは自分の枕元で寝ているポチを撫でた。
まだ本当に飛ぶことを覚えたばかりのドラゴンであり、これが巨大化された末にコンスタンスをさらったのが全てのはじまりだが。元の飼い主については未だに謎のままだ。
「まだなんにもわからないんだよな」
ひとまず、入れ替えられた各領主と、不平等な癒着を繰り返す神官を殴って話を聞き出さないことには、なにもはじまらない。
そうこう言っている間に朝になり、三人は食事を済ませてから宿の女将に話を聞くことにした。
「そういえば。この辺りで特産品を買える場所はご存じですか?」
クロがそう声をかける。
特産品というのは、その土地特有のものだから、どうしても商人ギルドやら領主やら神殿やらの利権が絡む。悪徳領主を洗うとしたら、特産品巡りをするのが早いからなのだが、特産品が特にない場所だったらお手上げなのだが。
女将が明るく答えてくれた。
「ああ、ございますよ。この森で採れたベリーは名産なんです。ベリージャムの肉料理のソースに絶品なんですよ。森の付近にはベリー採集を行う村も多いですから、覗いてみるとよろしいですよ」
「なるほど……ありがとうございます」
三人は挨拶を済ませ、ポチには朝食の際に取っていた黒パンをあげながら、三人で歩いて行った。
「ベリー採集ですか……さすがに今は季節が外れてはいませんか?」
コンスタンスは首を傾げる。
ベリー採集は基本的に初夏に行うはずだが、たしかに今は季節が若干ずれている。それにクロが「いいえ姫様」と首を振った。
「でもベリージャムが特産品だとしたら、それに関してなにやら規制が敷かれている可能性はございます」
「まあ、どのみち村が無事かどうかにも寄りますからね。行くだけ行ってみましょうや」
「そうですわね。それにベリージャムをかけた肉は、ちょっと興味がありますわ」
そもそもアルベーク王国ではあまり果実を使ったソースを使うことが一般的ではない。だからどんな料理か興味があったのだが。
クロは心底嫌そうな顔をした。
「私はあまりその手の料理が得意ではありませんが……」
「クロが苦手なら俺が食べようか?」
「あなたはこちらの出身ですけど……おいしいんですか?」
「おいしいとかまずいとか考えるほど食べてないからなあ。俺はベリーの産地から離れた場所に住んでたし、そもそも傭兵家業の根無し草だったから」
そうこう話をしている内に、村が見えてきた。
「おやめください! こちらを持って行かれたら、売りに出す分が!」
「なにを! 領主様がぜひとも献上せよとのお達しなのだ!」
……村人を思いっきりいじめているゴロツキと一緒に。
「……クロ、ベルン。やってしまいなさい」
「お待ちください、いきなり介入しては」
「まあ……鎧を着てない以上、正規の騎士ではないんだろうさ。片付けますよっと」
こうして、慌てて村人たちを助けに入った次第だった。
「まあ、どうしてですか。これがあれば、いろんな方々を助けることができますのに」
「現状、王都側のことが不明瞭だからですっ!」
宿屋で二室部屋を借り、ベルンは外からコンスタンスの護衛。クロは隣のベッドでコンスタンスの護衛。ボチはどうしようか協議の結果、一旦ベルンが面倒を見るということになり、ベルンの肩に乗せていた。
その中、食事を済ませると、クロと互いのベッドの縁に座って、こんこんと説教を受けているコンスタンスであった。
「現状、バルテルス王国がなにを考えているのかはわかりません。我々の現状については、随時鳥を飛ばしてアルベーク王国には報告しておりますが。彼らがなにを考えているのかはわかりかねますし、どうしてポチを送り込んで姫様を襲撃してきたのかも、まだなにもわかっておりません」
「それはそうですが……わたくしは別に、フレデリク様がわたくしを陥れようとしたなんて思っていませんっ」
クロの言葉に、コンスタンスは反抗した。
フレデリクはバルテルス王国の第一王位継承者であり、コンスタンスの婚約者である。コンスタンスの輿入れが彼女の誘拐により頓挫してしまった以上、本来ならばバルテルス王国に抗議文を送るはずなのだが、現状アルベーク王国側はそれを送ってはいない。
普通に考えれば、他国に嫁ぐ予定の姫が誘拐なんて前代未聞な事件、戦争の口実なり陰謀なりを疑うのだが。コンスタンスは全く婚約者殿を疑ってはいなかった。
それにクロは溜息をついた。
「……姫様の人に対して寛容な姿勢、それは大変に素晴らしいものですが、時と場合がございます。そもそも、嫁ぐ予定の姫が誘拐されたのです。本来ならば王都側になにかしらの動きがあってもおかしくないのですが、それらもまだなにもないようなのです。普通に考えれば、王都側になにかしらあったと考えるのが筋でしょう」
「それはそうですが……王都側になにかがあったと考えるならば、普通に陛下は? 殿下たちは? 彼らの動きが見られないのはおかしいです」
「……こればかりは、各領地に探りを入れて、王都側に入ることを考えるのが筋でしょうね。とにかく。今、姫様が次期妃だということを知られては困るはずですから。できる限り隠しましょう」
「……わかりましたわ。皆様がご無事だといいのですけど」
そうコンスタンスはポツンと漏らした。
手紙のやり取りだけで、顔すら合わせたことのない婚約者ではあったが。嫌いだったらわざわざ国を跨いで嫁ぐこともないのだ。
嫌いではない。ただまだ好きではないだけだ。
そんなことを思いながら、ふたりはそれぞれのベッドに入って眠りについた。なんだかんだ言って疲れたため、コンスタンスはスコンと眠りについてしまった。
****
早朝。
日が出る前に、ベルンは宿屋の窓を開けると、鳥を迎え入れた。鳥にはコンスタンスの父親である王弟と国王からの手紙が括り付けられていたので、それを素早く読む。
「【現状、姫誘拐事件は表立っていない】か……まあ、山中だったらそうなるか」
そもそも互いに誘拐事件を表立たせてもメリットがないのだ。
アルベーク王国側はどうしても王族の姫を嫁がせることよりも世継ぎのほうが大事だったし、バルテルス王国側は防衛の不備がまろび出る。
国王側は心底謝罪が書かれ、王弟はコンスタンスの安否に対する喜びが書かれていた。
ただ、バルテルス王国側の神殿の過度の癒着は、今までの外交でも覚えがないらしく、ここ最近……そうは言ってもコンスタンスが嫁ぐ準備をしている前後だろう……のことらしい。
「これは……思っているよりも大事かも?」
ひとまず神殿側の内部調査の依頼を手紙に書くと、それを鳥に括り付けて飛ばした。
王国が飼っている鳥は強く、魔物からも高速で逃げおおせることができる速さを持っている。今回の鳥も撃ち落とされることなく帰還するだろうと見越してから、ベルンは自分の枕元で寝ているポチを撫でた。
まだ本当に飛ぶことを覚えたばかりのドラゴンであり、これが巨大化された末にコンスタンスをさらったのが全てのはじまりだが。元の飼い主については未だに謎のままだ。
「まだなんにもわからないんだよな」
ひとまず、入れ替えられた各領主と、不平等な癒着を繰り返す神官を殴って話を聞き出さないことには、なにもはじまらない。
そうこう言っている間に朝になり、三人は食事を済ませてから宿の女将に話を聞くことにした。
「そういえば。この辺りで特産品を買える場所はご存じですか?」
クロがそう声をかける。
特産品というのは、その土地特有のものだから、どうしても商人ギルドやら領主やら神殿やらの利権が絡む。悪徳領主を洗うとしたら、特産品巡りをするのが早いからなのだが、特産品が特にない場所だったらお手上げなのだが。
女将が明るく答えてくれた。
「ああ、ございますよ。この森で採れたベリーは名産なんです。ベリージャムの肉料理のソースに絶品なんですよ。森の付近にはベリー採集を行う村も多いですから、覗いてみるとよろしいですよ」
「なるほど……ありがとうございます」
三人は挨拶を済ませ、ポチには朝食の際に取っていた黒パンをあげながら、三人で歩いて行った。
「ベリー採集ですか……さすがに今は季節が外れてはいませんか?」
コンスタンスは首を傾げる。
ベリー採集は基本的に初夏に行うはずだが、たしかに今は季節が若干ずれている。それにクロが「いいえ姫様」と首を振った。
「でもベリージャムが特産品だとしたら、それに関してなにやら規制が敷かれている可能性はございます」
「まあ、どのみち村が無事かどうかにも寄りますからね。行くだけ行ってみましょうや」
「そうですわね。それにベリージャムをかけた肉は、ちょっと興味がありますわ」
そもそもアルベーク王国ではあまり果実を使ったソースを使うことが一般的ではない。だからどんな料理か興味があったのだが。
クロは心底嫌そうな顔をした。
「私はあまりその手の料理が得意ではありませんが……」
「クロが苦手なら俺が食べようか?」
「あなたはこちらの出身ですけど……おいしいんですか?」
「おいしいとかまずいとか考えるほど食べてないからなあ。俺はベリーの産地から離れた場所に住んでたし、そもそも傭兵家業の根無し草だったから」
そうこう話をしている内に、村が見えてきた。
「おやめください! こちらを持って行かれたら、売りに出す分が!」
「なにを! 領主様がぜひとも献上せよとのお達しなのだ!」
……村人を思いっきりいじめているゴロツキと一緒に。
「……クロ、ベルン。やってしまいなさい」
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