3 / 24
火車
三
しおりを挟む
新しい店子は左官屋の佐助と言う。燃えた長屋の再築のために出かける、よく仕事をする男であった。朝早くに出かけていっては、夕方になるかならないくらいに帰ってくる。酒はそこまで飲まないようで、史郎と椿とは、よく惣菜屋の前で立ち話をしていた。
椿はお節介にも彼にはしょっちゅう声をかけに行く。
「この辺りにはもう慣れましたか?」
「ああ、椿ちゃんか。お陰さんで、無事に楽しく過ごさせてもらっているよ」
「そうですか。もしなにかお困り事がありましたら、いつでも先生が相談に乗りますからね!」
「陰陽師さんが俺ぁの相談になんか乗ってくれるのかね」
「そりゃもう」
佐助はなにか言いたげに顎に手を当てているのに、史郎は思わず「こら椿」と彼女の切り揃えられた頭をはたく。
「なんですか、先生。人助けですよ」
「いい加減なことを言うんじゃねえ。暦を読むしか能のねえ役人が、おおぼら吹く訳にゃあいくめえよ」
「まあ、でも先生。江戸ではしょっちゅうお札や護符を売りさばいて、さぞやなんでも効くって言い張っている陰陽師もいらっしゃるでしょう? 先生はそれはしないじゃないですか」
「みかじめ料払えるんだったらいくらでもすりゃいいさ。俺ぁ、そんなの払えないからな」
ちなみに民間の陰陽師も、暦やお札、護符を売る場合は陰陽寮にみかじめ料の支払いを要求される。たしかに大店や武家に顧客を持っているような陰陽師であったら高くはない程度の額だが、庶民相手に札をばらまいているような者では少々高く感じる。
そのせいで史郎は暦の分の支払い以外はしたがらなかった。
史郎の言い分に、椿はぷくっと頬を膨らませる。
「まあ! お役人だったら庶民の力になりませんと!」
「小役人だって。町奉行ほどの力もねえや」
「……ふむ。町奉行では言えない話だったら、この場の話と聞いてくれやしませんか」
いつものように師弟でギャンギャン言い合っていたら、佐助はひとつ提案をしてきた。
それに史郎はピクンと眉を持ち上げる。
「江戸の町奉行は有能だろうさ。それが調べられないことでも?」
「いや、なあ……この間の火事だが」
佐助はポツリポツリと語り出した。
江戸では火事なんて珍しくもなんともない。そもそも道が狭い上に家も狭い。ろうそくひとつ倒したら、木でできた家なんて燃料にしかならない。もしも付け火だったら、もっと早くに町奉行の捜査が入るだろう。
「……妖怪のしわざなんじゃねえかと、思っちまってなあ」
「……はあ?」
史郎は顔をひん曲げる。椿は目をキラキラさせたあと、家を失った佐助の面前では失礼だと悟ったのか、白衣の袖で口元を誤魔化した。
佐助は老木の枝のような指で、頬を引っ掻いた。
「あの長屋、元は猫長屋と呼ばれるくらい、猫がたくさんいたんだよ。誰が拾ってきたのかは知らねえ。最初は一匹二匹がみゃあみゃあ鳴く程度だったんだが、日を追うごとに増えていった。皆も子猫だったら無下に扱うこともなく、普通に育てていたんだが、どこかで子供が生まれたんだろうな。ねずみ式……とまではいかねえが、だんだんと餌の食べ方、糞害、なによりもあちこちでバタバタと走り回る足音で、我慢がならなくなって、もらい手を探すことにした」
「なるほど。だが猫を普通にもらってもらったのなら、妖怪でもなんでもないじゃねえか」
「もらい手は全員には付かなくってな。しかしうるさい、糞害がひどい、餌を食い散らかしたせいで烏まで長屋を飛び回るようになり、晴れた日でも洗濯物が干せなくなってきた。これでどたまに来て、とうとう残っていた奴らも外に捨てられていったんだよ。でも、そのあとさ。うちの長屋が燃えはじめたのは」
史郎は黙り込んでしまった。
猫と言うと、猫の恨みは三代まで祟るとも言われている。愛猫家は気まぐれで言うことを全く聞かない猫を溺愛しているが、そうじゃないものからしてみればたまったもんではあるまい。
そして猫は何十年も生きると猫又になり、更に猫又が何十年も生きると、火車《かしゃ》……猫の姿が完全に解け、ぐるぐると回る火の輪……になることもよく知られていた。
椿は袖で口元を抑えつつも、「先生」と史郎の袖を引く。史郎はまだ、佐助の言い分をそのまんま鵜呑みにはしていないようだった。
「するってぇと。佐助さんは火車によって長屋が燃やされたと?」
「自分はそう思っています……今はあの長屋の再築のために仕事をしてますが、怖いんですよ。また立て直された長屋に火がつくんじゃないかと」
「ふうん……」
「先生先生、それなら見に行きましょうよ。妖怪のしわざじゃないならそれでかまいませんし、妖怪だったら退治しないと!」
「だあ……だから、俺ぁ妖怪退治する術なんかねえって」
「ああ、見てくださいますか!? 町奉行も手一杯みたいで。お願いしますお願いします」
史郎は正直、この手のところに首を突っ込むのが嫌だった。
遠い先祖のせいで、陰陽師に求められているものが大きくなり過ぎているのだ。これで万が一解決してしまったら、さすが陰陽師あっぱれと仕事が増えてしまうかもしれない。仕事が増えれば増えるほど、みかじめ料の額が上がるから嫌だった。
しかし陰陽師が下手にかかわって、なにも解決できなかった場合。これもまた困るのである。陰陽師たちは、今や貴族や武士はよっぽどの顧客がいない限りは相手をしていない。客はもっぱら一般庶民なのだから、彼らの理想や憧れをくじいた場合、陰陽師の仕事に支障が出る。同業者たちに喧嘩を売りたくはなかった。
だが。史郎はガリガリと頭を引っ掻いた……どうにも、町奉行すら今回の火事の原因が突き止められていないのが引っかかった。
「まあ、現場に行くくらいなら」
「ありがとうございます!」
「さあ、参りましょう先生!!」
こうして、史郎は佐助に何度も頭を下げられ、椿を伴って件の長屋跡に出かけることになった次第であった。
****
そうは言っても、数日前の火事で焼けた場所は、既に焦げたあとしか残っておらず、崩れた長屋片は軒並み始末を付けられてしまっていた。
「うーん……もうなあんもねえじゃねえか」
「先生が妖怪のしわざじゃないかと思って、さっさと捜査に出ないからですよぉ」
「なんでもかんでも妖怪のしわざだったら町奉行はいらねえだろ。で、佐助さん。この辺りの再建を手伝ってるんだろう? なにか気になるものは?」
「気になる……そういえば、ある日を境にいきなり猫が増えたあたりですかねえ」
「誰かが餌をやってたからじゃねえのかい?」
「いえ……猫は気まぐれですから、子供が生まれても餌を与えても、よっぽど辛抱強くしないと残りません。あと……猫だけでなく、烏もですかね」
「烏ぅ……?」
思わず史郎は空を仰いだ。
烏は鳥の中でもとりたてて頭がよく、人の多い場所にはあまり出てこないはずだったが。佐助は小さく首を振った。
「いえ。長屋が火事になる前は、猫だけでなく烏もよく鳴いていたはずです」
「今はいねえじゃねえか」
「なんでしょうねえ」
佐助と史郎が首を捻っている中、椿だけは目をキラキラとさせていた。
「これはきっと、火車のしわざですね。先生、出番ですよ」
「おいおい、まだ妖怪のしわざと決まった訳じゃねえし、猫とからすが増えた理由と火事になった理由が繋がってるかもわからねえじゃねえか……」
呆れたところで、チリンと音がしたことに気付き、史郎は顔を上げた。
「先生?」
「……季節外れじゃねえか。風鈴なんて」
史郎は首を傾げた。
今は冬だ。惣菜屋であつあつの煮物を買いたくなる季節。その時期に風鈴は、いささか情緒に欠けると史郎はただ首を捻った。
椿はお節介にも彼にはしょっちゅう声をかけに行く。
「この辺りにはもう慣れましたか?」
「ああ、椿ちゃんか。お陰さんで、無事に楽しく過ごさせてもらっているよ」
「そうですか。もしなにかお困り事がありましたら、いつでも先生が相談に乗りますからね!」
「陰陽師さんが俺ぁの相談になんか乗ってくれるのかね」
「そりゃもう」
佐助はなにか言いたげに顎に手を当てているのに、史郎は思わず「こら椿」と彼女の切り揃えられた頭をはたく。
「なんですか、先生。人助けですよ」
「いい加減なことを言うんじゃねえ。暦を読むしか能のねえ役人が、おおぼら吹く訳にゃあいくめえよ」
「まあ、でも先生。江戸ではしょっちゅうお札や護符を売りさばいて、さぞやなんでも効くって言い張っている陰陽師もいらっしゃるでしょう? 先生はそれはしないじゃないですか」
「みかじめ料払えるんだったらいくらでもすりゃいいさ。俺ぁ、そんなの払えないからな」
ちなみに民間の陰陽師も、暦やお札、護符を売る場合は陰陽寮にみかじめ料の支払いを要求される。たしかに大店や武家に顧客を持っているような陰陽師であったら高くはない程度の額だが、庶民相手に札をばらまいているような者では少々高く感じる。
そのせいで史郎は暦の分の支払い以外はしたがらなかった。
史郎の言い分に、椿はぷくっと頬を膨らませる。
「まあ! お役人だったら庶民の力になりませんと!」
「小役人だって。町奉行ほどの力もねえや」
「……ふむ。町奉行では言えない話だったら、この場の話と聞いてくれやしませんか」
いつものように師弟でギャンギャン言い合っていたら、佐助はひとつ提案をしてきた。
それに史郎はピクンと眉を持ち上げる。
「江戸の町奉行は有能だろうさ。それが調べられないことでも?」
「いや、なあ……この間の火事だが」
佐助はポツリポツリと語り出した。
江戸では火事なんて珍しくもなんともない。そもそも道が狭い上に家も狭い。ろうそくひとつ倒したら、木でできた家なんて燃料にしかならない。もしも付け火だったら、もっと早くに町奉行の捜査が入るだろう。
「……妖怪のしわざなんじゃねえかと、思っちまってなあ」
「……はあ?」
史郎は顔をひん曲げる。椿は目をキラキラさせたあと、家を失った佐助の面前では失礼だと悟ったのか、白衣の袖で口元を誤魔化した。
佐助は老木の枝のような指で、頬を引っ掻いた。
「あの長屋、元は猫長屋と呼ばれるくらい、猫がたくさんいたんだよ。誰が拾ってきたのかは知らねえ。最初は一匹二匹がみゃあみゃあ鳴く程度だったんだが、日を追うごとに増えていった。皆も子猫だったら無下に扱うこともなく、普通に育てていたんだが、どこかで子供が生まれたんだろうな。ねずみ式……とまではいかねえが、だんだんと餌の食べ方、糞害、なによりもあちこちでバタバタと走り回る足音で、我慢がならなくなって、もらい手を探すことにした」
「なるほど。だが猫を普通にもらってもらったのなら、妖怪でもなんでもないじゃねえか」
「もらい手は全員には付かなくってな。しかしうるさい、糞害がひどい、餌を食い散らかしたせいで烏まで長屋を飛び回るようになり、晴れた日でも洗濯物が干せなくなってきた。これでどたまに来て、とうとう残っていた奴らも外に捨てられていったんだよ。でも、そのあとさ。うちの長屋が燃えはじめたのは」
史郎は黙り込んでしまった。
猫と言うと、猫の恨みは三代まで祟るとも言われている。愛猫家は気まぐれで言うことを全く聞かない猫を溺愛しているが、そうじゃないものからしてみればたまったもんではあるまい。
そして猫は何十年も生きると猫又になり、更に猫又が何十年も生きると、火車《かしゃ》……猫の姿が完全に解け、ぐるぐると回る火の輪……になることもよく知られていた。
椿は袖で口元を抑えつつも、「先生」と史郎の袖を引く。史郎はまだ、佐助の言い分をそのまんま鵜呑みにはしていないようだった。
「するってぇと。佐助さんは火車によって長屋が燃やされたと?」
「自分はそう思っています……今はあの長屋の再築のために仕事をしてますが、怖いんですよ。また立て直された長屋に火がつくんじゃないかと」
「ふうん……」
「先生先生、それなら見に行きましょうよ。妖怪のしわざじゃないならそれでかまいませんし、妖怪だったら退治しないと!」
「だあ……だから、俺ぁ妖怪退治する術なんかねえって」
「ああ、見てくださいますか!? 町奉行も手一杯みたいで。お願いしますお願いします」
史郎は正直、この手のところに首を突っ込むのが嫌だった。
遠い先祖のせいで、陰陽師に求められているものが大きくなり過ぎているのだ。これで万が一解決してしまったら、さすが陰陽師あっぱれと仕事が増えてしまうかもしれない。仕事が増えれば増えるほど、みかじめ料の額が上がるから嫌だった。
しかし陰陽師が下手にかかわって、なにも解決できなかった場合。これもまた困るのである。陰陽師たちは、今や貴族や武士はよっぽどの顧客がいない限りは相手をしていない。客はもっぱら一般庶民なのだから、彼らの理想や憧れをくじいた場合、陰陽師の仕事に支障が出る。同業者たちに喧嘩を売りたくはなかった。
だが。史郎はガリガリと頭を引っ掻いた……どうにも、町奉行すら今回の火事の原因が突き止められていないのが引っかかった。
「まあ、現場に行くくらいなら」
「ありがとうございます!」
「さあ、参りましょう先生!!」
こうして、史郎は佐助に何度も頭を下げられ、椿を伴って件の長屋跡に出かけることになった次第であった。
****
そうは言っても、数日前の火事で焼けた場所は、既に焦げたあとしか残っておらず、崩れた長屋片は軒並み始末を付けられてしまっていた。
「うーん……もうなあんもねえじゃねえか」
「先生が妖怪のしわざじゃないかと思って、さっさと捜査に出ないからですよぉ」
「なんでもかんでも妖怪のしわざだったら町奉行はいらねえだろ。で、佐助さん。この辺りの再建を手伝ってるんだろう? なにか気になるものは?」
「気になる……そういえば、ある日を境にいきなり猫が増えたあたりですかねえ」
「誰かが餌をやってたからじゃねえのかい?」
「いえ……猫は気まぐれですから、子供が生まれても餌を与えても、よっぽど辛抱強くしないと残りません。あと……猫だけでなく、烏もですかね」
「烏ぅ……?」
思わず史郎は空を仰いだ。
烏は鳥の中でもとりたてて頭がよく、人の多い場所にはあまり出てこないはずだったが。佐助は小さく首を振った。
「いえ。長屋が火事になる前は、猫だけでなく烏もよく鳴いていたはずです」
「今はいねえじゃねえか」
「なんでしょうねえ」
佐助と史郎が首を捻っている中、椿だけは目をキラキラとさせていた。
「これはきっと、火車のしわざですね。先生、出番ですよ」
「おいおい、まだ妖怪のしわざと決まった訳じゃねえし、猫とからすが増えた理由と火事になった理由が繋がってるかもわからねえじゃねえか……」
呆れたところで、チリンと音がしたことに気付き、史郎は顔を上げた。
「先生?」
「……季節外れじゃねえか。風鈴なんて」
史郎は首を傾げた。
今は冬だ。惣菜屋であつあつの煮物を買いたくなる季節。その時期に風鈴は、いささか情緒に欠けると史郎はただ首を捻った。
0
あなたにおすすめの小説
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
白苑後宮の薬膳女官
絹乃
キャラ文芸
白苑(はくえん)後宮には、先代の薬膳女官が侍女に毒を盛ったという疑惑が今も残っていた。先代は瑞雪(ルイシュエ)の叔母である。叔母の濡れ衣を晴らすため、瑞雪は偽名を使い新たな薬膳女官として働いていた。
ある日、幼帝は瑞雪に勅命を下した。「病弱な皇后候補の少女を薬膳で救え」と。瑞雪の相棒となるのは、幼帝の護衛である寡黙な武官、星宇(シンユィ)。だが、元気を取り戻しはじめた少女が毒に倒れる。再び薬膳女官への疑いが向けられる中、瑞雪は星宇の揺るぎない信頼を支えに、後宮に渦巻く陰謀へ踏み込んでいく。
薬膳と毒が導く真相、叔母にかけられた冤罪の影。
静かに心を近づける薬膳女官と武官が紡ぐ、後宮ミステリー。
香死妃(かしひ)は香りに埋もれて謎を解く
液体猫
キャラ文芸
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞受賞しました(^_^)/
香を操り、死者の想いを知る一族がいる。そう囁かれたのは、ずっと昔の話だった。今ではその一族の生き残りすら見ず、誰もが彼ら、彼女たちの存在を忘れてしまっていた。
ある日のこと、一人の侍女が急死した。原因は不明で、解決されないまま月日が流れていき……
その事件を解決するために一人の青年が動き出す。その過程で出会った少女──香 麗然《コウ レイラン》──は、忘れ去られた一族の者だったと知った。
香 麗然《コウ レイラン》が後宮に現れた瞬間、事態は動いていく。
彼女は香りに秘められた事件を解決。ついでに、ぶっきらぼうな青年兵、幼い妃など。数多の人々を無自覚に誑かしていった。
テンパると田舎娘丸出しになる香 麗然《コウ レイラン》と謎だらけの青年兵がダッグを組み、数々の事件に挑んでいく。
後宮の闇、そして人々の想いを描く、後宮恋愛ミステリーです。
シリアス成分が少し多めとなっています。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる