上 下
11 / 137

転生編-11

しおりを挟む
ジアンは私をおろしながらローアンに「書類は?」と尋ねている。

「あまり・・情報がなくて・・・こちらになります」
ローアンも伏し目がちに渡している

ジアンは書類を見ながら目を曇らせている

「記憶はまだもどらないか??」
ちらっとこっちを見ながらたずねてくる

「・・はい」

心配になる
これってなんかよくない雰囲気??

領主が私に一目ぼれ~な展開も恥ずかしいくらい一切しないし

・・・この先の生活はいったいどうなるのか



「あ・・の、私、働くので・・・。どこかお仕事できる場所があれば、おしえていただけませんか??」

勇気を出していってみる
書類をにらんでいたジアンとローアンは目を見開いてこっちをみてくる

え・・なんのよ・・だめなの??泣きたくなってきた

「そんな小さくて、記憶もないのに何かできるのか??」

もっともだ・・
この世界のなにもしらない私が何かできることってあるのか・・

「・・ちょっとこっちにこい」

ジアンに連れられて、大きな鏡の前にきた。



・・・・うわ~・・・ナニコレ・・・


元いた世界の姿に耳がはえているのを想像していたんだけど、全然違うじゃん・・

まったく別人
ちょっと赤毛のストレートボブの髪の毛から、ふわふわの耳がでている
年齢はどう見ても小学6年生くらいだ

身長もない
胸もない

つかそれ以前にガリガリじゃない??


固まっている私を見てジアンはほらな?って顔をしている

確かに・・・こんなヒヨヒヨしたやつにいったい何ができるのか

「マキア・リゾーレスト。14歳。人属のリゾーレスト伯爵の長女か・・・売られたのか??いや・・・希望となっているな。それにしてもこの金額・・」

ジアンはぼそぼそとローアンと話しているが、私にはこっちの容姿が問題だ・・

どうしようか・・このままでは仕事がない気がする
小さくても働ける場所ってこの世界にあったりするのかな

・・・・え!!!まって「14歳・・・!!?」

ジアンの14歳に思わず反応してしまった
14歳って・・ええ~この体どう見ても小学5.6年生の体じゃない??

14歳って中学二年生くらいってもっとふくよかじゃないの?
ガリガリだし、こっちの人属って成長遅いの?

つか、服もボロボロ!
髪もパサパサだし、なんか全体的に汚い・・??

え・・伯爵だったんだよね?
人属って貧乏なの?!
もう人属に対するイメージが浮浪者のようなイメージしかない

どうりでローアンと食べたご飯が入らないはずだ
胃が小さそうだもん

さっき馬車を降りる時にも抱きかかえられたのは、降りれないと思ったんだろうか

見上げるほど大きいジアンは・・・
まぁジアンが大きいんだろうけど、私も小さいのか・・・

ジアンに持ち上げられたのも・・・ってのは、これはちがうか
わざとくさい

ああ~
これじゃ働けないよね・・

掃除でも洗濯でもするんだけど・・・

パソコン得意よ?!ってあるわけないか~




・・マジで詰んでる

私の幸せどこよ・・・
しおりを挟む

処理中です...