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転生編-21

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「マキアちゃん、これ3番さんのテーブルにおねがいね~」
「はーい!」
出されたトレイをゆっくりと運ぶ

「お待たせしました。コフェア二つになります」

テーブルとテーブルをいったりきたりしている

この世界の初めての接客にドキドキしながら、ミスをしないようになんとかがんばる

「あら、かわいらしいお手伝いさんね」
ウサギのお姉さんが頭をなでてくれた

「今日から働かせてもらっています。よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げる

人気のカフェのようで、やはり女性が多い
仕事前に食べにきていたり、遅めのブランチに来てみたりという感じだ


カランカラン・・・と音が鳴りまたお客さんが入る

「いらっしゃいませ!」
元気よく挨拶をしてドアを見ると、昨日ローアンと話していたガロさんがいた

「お!!がんばってるな!!」

本当にお得意さんなんだ・・・
まっすぐとカウンターへ向かい、リッタさんから紙袋を受けとってお会計をしている

「俺の昼飯!!」
ニカっと笑って紙袋を掲げている
食べていくわけではなくテイクアウトね

確かに体が大きいガロさんにこの店が合うかといえば微妙だ・・・
椅子が小さく感じてしまう

「頑張れよチビ!」
ガロさんはすぐに帰っていった

「ありがとうございました~」
てかなチビっておい


「ガロは毎日きてくれるのよ」
リッタさんが小さなポットにミルクをいれている

「マキアちゃん、コフェアを飲んでいるお客様に、ミルクをすすめてきてくれない??」
ポットを渡された

そういえばすすめてみるっていっていたよね

「はい!いってきます!」

ミルクをもって、コフェアを注文したお客さんのところを回ってみる

怪訝な顔をされたが、「まろやかになって飲みやすくなるので、ぜひ試してみてください」とこんな小さな子から言われたら「じゃぁ・・」と受け取ってもらえた

「あら・・おいしいわね」

最初はびっくりしていたけど、おいしいわ!という声で、周りも飲み始めた

「まぁ苦みがなくなったわ」

「これも違った味になるわね」

「おいしいわ~」

あちこちで喜んでくれる声が聞こえる
うれしい

にま~ってしているとリッタもやったわねって顔でウィンクをしてくれる

私が勧めたものが受け入れらるってうれしい
前の世界での知識だけどね・・・

「明日からはどちらでもご注文できますので、お声がけくださいね」

リッタがお会計の時にお客さんに伝えている


ランチの時間も忙しく、2時くらいになりようやく落ち着いた
アッというまでそんなに時間がたっていたなんて・・って感覚だ

「マキアちゃん、ごめんなさいね。ランチが遅くなったわ」
リッタがつくったサンドイッチとミルクをくれた

結構なボリュームだ・・・

「リッタさん、私あまりたべられないので、この半分で平気です!」

リッタは確かに・・・多いわよね・・って顔になっている

「じゃぁ・・シェアしちゃいましょう」

フフフって笑って半分に切ってくれた
カウンターに座って一緒に食べる

誰かと一緒に食べるっておいしい!

なんか切なくなった

両親がいなくなってからはずっと一人でご飯だったし
こんな楽しいことはない
幸せだ

優しいリッタさんに、恵まれた環境

あたしは今すごく充実している
ちょっと涙が出そうになってきたけど、ぐっと我慢して食べることに集中した



その後はまたパラパラとお客さんがきた

モーニングやランチほどは混まなかったので、ゆっくりとできた

リッタさんの手伝いをしながら、味のないパンケーキを皿にもりつけて、
コフェアと一緒にミルクをすすめたりした

夕方の4時にはほとんど誰も来なくなり、後片付けをしながら5時の閉店という感じだ



初日だからかすごくあっという間だった

「今日はお疲れ様。初めてなのに!指示したことを正確に動いてくれて助かったわ~」
リッタがほめてくれたが、そりゃ前世でバイトはたくさんしていたんです

空気も読めますよ

しかしこの小さな体には大変だ
疲れがたまる


すぐに寝たい・・


「ここで食べて行ってもいいんだけど、今日は早めにあがってゆっくりと休んで頂戴ね」
夕食として食べてね、と紙袋を持たせてくれた

「お気遣いいただきありがとうございます。では今日は上がらせていただきます」
お礼をいってエプロンを返した

「また明日よろしくお願いいたします」

挨拶をして店をでる
二階が部屋とか楽すぎる


「ああ~・・・疲れた」

体力なさすぎるのが問題だな~
とりあえずは食べて肉をつけて、あとはたくさん寝よう・・・

そうすれば年相応には成長するだろう

リッタさんのくれた果物やパンにシチューがおいしい~
優しい味で好き




まずは一日目の仕事はクリア
なんとかできそうでよかった

明日からも頑張ろう


ああ~
お風呂はいりたい・・・

眠い目を閉じないように頑張っていたけど、疲れと満腹でもう動けなかった

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