115 / 137
人属編-40
しおりを挟むはぁ・・・
「それで・・・そちらの方はどちらさまですか?」
知らない男性が一緒に来て挨拶もないのかよ
「ああ!そうだそうだ!ほら、エドガー君だよ」
いや、誰だよ
話しがそれたとばかりにテンションがあがるあほな父
「マキア、久しぶりだな。元気そうで何よりだ」
呼び捨てかよ
なれなれしい
ジアンもピクっと反応している
「・・すみません。転化前の記憶はほとんどなくて、どちら様でしょうか」
「ひどいわぁ!お姉さまぁ!エドガーはお姉さまの婚約者だったんですよぉ~」
??だから??
「へー」
ッぷとジアンが噴きだしている「失礼・・」と顔を背けているが今笑ったでしょ
「で、今は?」
「あたしの婚約者なんですぅ~もう家族ですしぃ~今日は久しぶりにお姉さまも会いたいかと思ってぇ~」
この子は・・・大丈夫か?
「へー」
ジアンが隣でプルプル震えている
だって・・どうでもいいし
「ちなみに、なんであたしとは結婚しなかったんですかね?」
「あたしと話しているほうが楽しい~って言ってくれてぇ~、だったら婚約者かえちゃう~?ってなって~」
そうかそうか、よかったな
あたしもよかったよ
こんな子に乗り換えるような男と結婚しなくて
「じゃぁ、サナより話していて楽しい人が出来たらまた婚約者変わるんですかね?」
その場が凍り付いた
え?なにいっているの?って顔のサナ
バカな子だな~
まぁそんな子にはそんな程度の人がちょうどいいのかもね
「マキア、あの頃はちょっとうまくいかなかったけど、とても僕に慕ってくれただろう?」
おいおい、やめてくれよ
吐き気する
「・・・先ほども申し上げたとおり、わたしには転化前の記憶がありませんので」
・・・押し黙るエドガー
どうしろというんだよ
「え・・と、でねぇ~今度結婚式をしたいんだけどぉ、お姉さまにもお祝いしてほしくてぇ~」
うふふと笑っている
「おめでとうございます。しかし参加することはないでしょう」
「うん、人属限定だから呼べないんだけどぉ~ほら、今度新しい事業をしたいってエドガーがいうからねぇ、DULCISの人属店舗をやらせてあげたいのぉ~」
爆笑だ
語るに落ちている
「・・・無理です」
「えぇ~~!?どうしてぇ~??」
なんで断られるの?って顔してる
むしろなぜ断られないだろうって思っていたのかを聞きたい
コテンと顔を傾けて、バサバサっと音が聞こえそうな目をキラキラさせて上目遣いで聞いてくる
きもいな
メイクがあっていないのか、粉が吹いているぞ
目がでかいけど、メイクの力?
まつ毛の上に何本ポッキー乗るんだよ
「人属店舗は売り上げの見込みがないので、展開する予定は初めからありません」
お前らも食べないだろうが
誰が買うんだよ
「マキア!知り合いのシェフがいてな!ちゃんと作ってくれるから大丈夫だぞ!!」
父再び
ちゃんと作ってくれるってナニ?
ここに並べているお菓子もちゃんと作られていますよ??
「そのシェフに何か作らせてお店を出せばいいともいますが」
やるなら勝手にやってくれよ
「いや・・・だから、そのレシピを・・「申し訳ございませんが、経営に関しては私が全責任を負っています。レシピに関してましても店舗のシェフにしか教えておりませんので」」
ジアンが入ってくれた
「だから!サナが結婚するんだぞ!姉であるお前がお祝いでレシピの一つや二つやったらいいだろう!!」
はいでた
これが本音ね
「申し訳ありません。妹とも思っておりませんし、お祝いもする気はありません」
「なっ!!」
ガバっと怒りで立ち上がるリゾーレスト伯爵
ビクっとなる
あたしの中のマキアの反応だ
きっといつも怒らせては殴られていたのだろう
防衛本能だ
はぁ・・いつまでもこんなのがまとわりつかれたらたまったもんじゃない
「なんなら家族としての縁を切っても構いませんので、今後私にかかわることはやめてください」
冷たい目でリゾーレスト伯爵にそう伝えればはっとしたのか「そうじゃないんだそうじゃないんだ」とニコニコしてきた
「ほら!じゃぁあれはどうだ?!お前癒の魔力があるんだろう?」
うわ~その情報ももれているのか
ケリー様のところのイースラント公爵の仕業か・・・
癒の魔力を使ったときにはたくさんの公爵、侯爵家がいたからな
きっとあっという間に社交界に広まるんだろう
「・・・」
答える必要はない
「・・・っく!あるんだろう!?魔力が!?」
おお怖い
怒鳴ってきたぞ
「・・リゾーレスト伯爵、お座りください」
ジアンが優しく諭すが、頭に血が上っているリゾーレスト伯爵はまだつづける
「わかっているんだぞ!今まで育ててやった恩を返しもしないでその態度はなんだ?!」
うるさいなー
「みんなこうやって会いに来たんぞ!本来ならお前がうちに来て挨拶をするべきだろうが!」
なんでだよ
「いいか、DULCISのレシピ渡すんだ。それと!!癒の魔石の専属取引を我が家とするんだ」
命令かよ
金か~所詮そうだよね
もしあたしに何にもなかったら寄り付きもしなかっただろうな
そしてあんなことしておいて、まだあたしから搾取する気でいるのか
「カーラ」
「はい、お待ちください」
「リゾーレスト伯爵、申し訳ございません、しばらくお待ちください」
ジアンがカーラに指示を出し、リゾーレスト伯爵とはなす
ようやく話が通じたかとフンと鼻をならし「さっさとすればいいものを」といいながらソファにどかりと座る
「お姉さまぁ~お姉さまは~ジアン様とどうお知り合いになったんですかぁ?」
ジアンを上目づかいでじろじろ見ながらはなしかけてくる
犬じゃなかったらイケメンなのに・・とかおもっているのだろうか
となりでムっとしているエドガー
バカだな。こんな子選んで
「転化後の保護者となっていただきました」
書類が不備だったんでね
おまえらのせいで
「えーっとぉ、ジアン様はぁ~領主なんですよねぇ~」
この頭のおかしいしゃべり方・・いらいらいする
「はい。そうですよ」
ジアンのにっこり営業スマイル
「お姉ちゃんは~あまり要領がよくなくてぇ~いつも暗くて~大丈夫ですかぁ」
何がだよ
なんの心配してるんだよ
暗にあたしの方がいいですよね?と言ってほしいのか?
「マキアは、今まで出会った人の中で一番素敵な女性ですよ」
「えぇ~信じられない~そうだ!こんどぉ~領主様の家にいってもいいですかぁ~?」
なんでだよ
「いえ、お断りします」
いいですよって言ってもらえるとでも思ったのか
にっこり断れて、「え?」って顔をしている
「・・・残念です~お料理ふるまいたかったのにぃ~」
エドガーがびっくりしている
いや、お前作れんの?みたいな
「結構です。残念ながら人属の料理はあまり口にあわなかったようなので」
ことごとく断るジアン
やばい・・・うける
笑いをこらえているとすごい形相でそうでにらんでくるサナ
「マキアは料理もしますし、感性にあふれていて、優しく、毎日楽しく過ごさせていただいておりますので、心配なさらないでください」
のろけている!!
「・・・っく」そんなはずないじゃん!!って顔して下唇をかみしめている
可愛いあたしには何でも許されると思っているんだろう
その舌足らずなしゃべり方で、胸をぎゅーっと押し付けられたらあほな人はおちるかもだけど
若いうちだけしか通用しないそんなもの
将来をちゃんと考えている賢い人は馬鹿な女枠で愛人にするくらいかな
頑張れサナw
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
25
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる