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人属編-43

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意識が回復した時には腕に点滴をされていた

「・・あ・・・りぇ・・・」

「マキア!?」
ジアンが駆け寄ってきてくれた

「大丈夫か?!」

「・・う・・・ん・・・」

なんだか舌が重たい
巨大化したように呂律が回らない

「持って・・・た!」

シェイクの声が聞こえる

「リリー様!もう少し・・・開してください!ガロも!!」

何の声だ・・
視界がぼやける

体中が重たい
鉛を付けられているかのようだ

「いいか、マキア!・・・だから!・・・えるんだ!」

耳まで遠くなる

「・・・ん・・・?」

聞こえない

なんかしなくちゃいけないの??


腕にカチャリと何かつけれる
すっと体が軽くなるが、またすぐに重たくなる

「・・めです・・許容値を・・・ています」

許容値・・・?

「・・・だ!私・・で抑える!一度爆発させ・・・だ」

なんか大変なことになっているのかも



この展開デジャヴなんだけど
もしかして・ひょっとして・・魔力暴走している・・?



ふと意識してみるともう暴走どころじゃない

お風呂のお湯をひっくり返したようにざぶざぶと溢れ出てきている
なんとかコントロールしようと思っても、体に自由が利かない

ジアンを見て涙目で無理って訴える

「わかって・・!大丈・・・しろ!」

なに・・なんていってるの??

ああ・・だめだ
力が入ってしまう


・・・・・!!!!


ドカン・・・・!!!



揺れた



部屋全体が



す~っと抜けていく不快感

「・・っく!大丈夫だ!持ちこたえられる!」
リリー様が叫んでいる

「ガロ!マキア殿自身にシールドをはれ!」

「了解っす!!」

ブオンっと音と一緒にガロの慣れ親しんだ魔力がそばに感じられる
「3回くらいか?」

「はい!次はもっと大きいです」


やばい~ごめん・・みんな
あとで謝る~



・・・・・・!!!!




ドカン!!!!



ガシャン!!


さっきより大きく揺れ、窓が割れた音が聞こえた

「・・・おいおいおい、魔力量あがってるだろう・・・」
さっきより楽になってきた

「マジで、あいつ死刑だな~」
リンクが大きなため息をついてる

誰が・・・死刑・・・??

「リンク!集中しなさい」
シェイクが怒っている?珍しい

「僕、この中じゃぁ一番魔力量少ないんだからね~!もう勘弁してよ~~」

ごめん・・リンク・・

あとでたくさんお菓子作るわ


あたしも・・ぼやッとしてらんない
集中して・・・

お腹に力入れて、魔力が流れるイメージして
よし。今こそ初心に戻るのよマキア・・・

すぅ~~っと戻していく

「マキア?」のぞき込んでくるジアンの顔がはっきり見える
手をつないでくれている感覚もわかる

「う・・ん・・ごめ・・」

「いい!大丈夫だ。もう一回くらい放出するか?!」

「・・・したら楽になりそう・・だけど・・・」

「いいぞ!だせ!」

それは・・大丈夫なの?
かなり危ないと思う

「マキア~大丈夫~みんなで結界はるから~」

「王・・宮・・ふきとば・・しちゃ・・うよ」



「「「問題ない!」」」



ww問題あるだろww

「・・・ごめん、ありがとう・・」

意識的に放出するイメージをだす
ここにいる人たち、魔力持ちのトップランカーだし

まぁ・・なんとかなるか
思いっ切ってだしちゃおう




・・・・・!!!



ドカン!!

ドカン!!

ガシャン!!



なんか・・あまりいい音しなかったけど




「・・あり・・がとう・・すっきりし・・た・・」



スピースピー




そのまま寝てしまって起きたときには朝だった


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