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人属編-48
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「この度は大変お世話になりました」
ついに帰る日がやってきた
本来なら結婚式に出て、会議やら所用を済ませたらすぐに帰る予定だったが
襲撃事件に、チョコレート事件に・・・濃かった4日間だったな
「ガハハハ!!いやいや!なんのことはない!!何日でもいてもらって構わないぞ!」
本当に同じ人属のように接してくれるシドニー王
「この度は遠い中、本当にありがとうございました」
ルド王子も顔つきが柔らかくなった。ミレイ様を通じてピアノを弾いたことにより少しでもいい印象を与えられたのならなによりだ
一緒にケリー様も頭を下げている
ちょっと顔色が悪いけど・・・大丈夫かな
「マキア様・・・!っぐず・・!」
ミレイ様が泣いている~
「ミレイ様~!泣かないで!お手紙書きますね!また連弾できる日を楽しみにしております!」
ミレイ様と手を握り合って約束をする
「・・・ぐず・・・はい!!たくさん練習して・・・ぐず・・・マキア様のように感動できるピアノを弾けるように・・・ぐず・・・」
もうだいぶ上手いのに
ジアン達も挨拶をして荷物を入れ始める
「ピアノは出来上がり次第、そちらにお送りする予定です。しばらくお待ちくださいませ」
ダンテ様が「またぜひいらしてください」とにっこりと礼を取る
「ダンテ様・・・ダンテ様もぜひまた獣人地区へいらしてください。新しいお菓子を用意してお待ちしております」
「ふぉっふぉっふぉ、これはすぐにでも行きたい気分ですな」
ひげを触りながら喜んでくれる
さて、また長い道のりを戻るのか~
帰りはうさぎ地区によって、孤児施設の話し合いを詰めるって言っていたから・・・
また数日お泊りかな?
「マキアちゃん、ちょっとよろしいですか??」
シェイクによばれた
みんなから離れて、少し距離を取ったところにナターシャ様もいらっしゃった
「・・・マキア様・・・あの・・・」
どうした恋の告白のように顔が真っ赤だぞ
シェイクを見ると苦笑いをしている
「今回の滞在でゆっくと話し合うことがきました。私たちはお互いの進む道は違うけれど、これからも大切な友であることは変わらないと」
え・・なんの報告?
そういうのあたしにするの??
てか、ナターシャ様もシェイクも相思相愛だったんじゃないの?
っていっても・・・もうナターシャ様には婚約者がいるしね
どうにもならないのかな
「あ、あの・・そのわたくし・・マキア様に失礼な態度を・・」
ああ、それか
「いえ、全然気にしていないです!大丈夫です」
「そんな!あからさまにあたくし・・・本当に申し訳ございませんでした」
ナターシャ様が頭を下げ謝罪する
「ちょ!頭をあげてください。知ってます。シェイクを想うからこそですよね」
カーっと耳まで真っ赤になるナターシャ様がかわいい
「本当は・・・プリンもとてもおいしかったんです・・・。ピアノも・・素晴らしくて・・」
きちんとお礼もいえずに・・・とひたすら縮こまっている
シェイクがあたしといるからやきもちやいたのね
きっとピアノも褒めていたんだろう
素直になれない女子かぁ
ジェラシーだよね
かわいいな
まだ19歳だもんね
は~と深呼吸をして、しっかりと目を見て話す
「わたくしの・・わたくしの初恋の思い出は消えません。でもこれからはお友達として、お互いを尊重し生活をすると約束をいたしました」
つらいな
好きな人とも結ばれないのか
「・・・それに・・・私はシェイク様の番ではないようですし・・・」
伏し目がちに落ち込む
「皇族としてしっかりと王女の責務を果たすつもりです」
シェイクの目を見ながらしっかりと宣言している
そうか・・決断したんだね
「・・・はい。ナターシャ様が幸せになれるようにお祈り申し上げます」
私にしてあげられることは何もない
「獣人属と人属の平和と繁栄を」
ナターシャ様が手を胸に当て、スカートの端をつまみ礼を取る
私も倣う「平和と繁栄を・・・」
きっと今回の訪問はいいきっかけだっただろう
ナターシャ様のふわふわした気持ちにしっかりと決断がついたことも
獣人属との関係がより良いものになったことも確かだ
あたし自身も人属の家族とは決別できた
ちょっとは心配しているかなとか思ったけど・・・全然そうでもなかったという
ふとそう思ったとたんに体が軽くなったんだよね
ひとつ重りのついた鎖がとれたように
きっと私の中のマキアの気持ちに決着がついた瞬間だったんだろう
リゾーレスト伯爵は審議会の後、申し開き文書を提出し、なんとかまたあたしに再会を求めてきたが、ジアンが絶対に通すなと厳戒命令を出していた
昼食会の騒動もあったせいで観光もできなかったし
今回はふんだりけったっりだったな~
「行くぞ、マキア」
ジアンに呼ばれ馬車に乗り込む
もう来ることもないだろうって思っていたけど、ミレイ様に会いにはまた来たいな
ふー疲れたな
怒涛の人属地区だったわ
ついに帰る日がやってきた
本来なら結婚式に出て、会議やら所用を済ませたらすぐに帰る予定だったが
襲撃事件に、チョコレート事件に・・・濃かった4日間だったな
「ガハハハ!!いやいや!なんのことはない!!何日でもいてもらって構わないぞ!」
本当に同じ人属のように接してくれるシドニー王
「この度は遠い中、本当にありがとうございました」
ルド王子も顔つきが柔らかくなった。ミレイ様を通じてピアノを弾いたことにより少しでもいい印象を与えられたのならなによりだ
一緒にケリー様も頭を下げている
ちょっと顔色が悪いけど・・・大丈夫かな
「マキア様・・・!っぐず・・!」
ミレイ様が泣いている~
「ミレイ様~!泣かないで!お手紙書きますね!また連弾できる日を楽しみにしております!」
ミレイ様と手を握り合って約束をする
「・・・ぐず・・・はい!!たくさん練習して・・・ぐず・・・マキア様のように感動できるピアノを弾けるように・・・ぐず・・・」
もうだいぶ上手いのに
ジアン達も挨拶をして荷物を入れ始める
「ピアノは出来上がり次第、そちらにお送りする予定です。しばらくお待ちくださいませ」
ダンテ様が「またぜひいらしてください」とにっこりと礼を取る
「ダンテ様・・・ダンテ様もぜひまた獣人地区へいらしてください。新しいお菓子を用意してお待ちしております」
「ふぉっふぉっふぉ、これはすぐにでも行きたい気分ですな」
ひげを触りながら喜んでくれる
さて、また長い道のりを戻るのか~
帰りはうさぎ地区によって、孤児施設の話し合いを詰めるって言っていたから・・・
また数日お泊りかな?
「マキアちゃん、ちょっとよろしいですか??」
シェイクによばれた
みんなから離れて、少し距離を取ったところにナターシャ様もいらっしゃった
「・・・マキア様・・・あの・・・」
どうした恋の告白のように顔が真っ赤だぞ
シェイクを見ると苦笑いをしている
「今回の滞在でゆっくと話し合うことがきました。私たちはお互いの進む道は違うけれど、これからも大切な友であることは変わらないと」
え・・なんの報告?
そういうのあたしにするの??
てか、ナターシャ様もシェイクも相思相愛だったんじゃないの?
っていっても・・・もうナターシャ様には婚約者がいるしね
どうにもならないのかな
「あ、あの・・そのわたくし・・マキア様に失礼な態度を・・」
ああ、それか
「いえ、全然気にしていないです!大丈夫です」
「そんな!あからさまにあたくし・・・本当に申し訳ございませんでした」
ナターシャ様が頭を下げ謝罪する
「ちょ!頭をあげてください。知ってます。シェイクを想うからこそですよね」
カーっと耳まで真っ赤になるナターシャ様がかわいい
「本当は・・・プリンもとてもおいしかったんです・・・。ピアノも・・素晴らしくて・・」
きちんとお礼もいえずに・・・とひたすら縮こまっている
シェイクがあたしといるからやきもちやいたのね
きっとピアノも褒めていたんだろう
素直になれない女子かぁ
ジェラシーだよね
かわいいな
まだ19歳だもんね
は~と深呼吸をして、しっかりと目を見て話す
「わたくしの・・わたくしの初恋の思い出は消えません。でもこれからはお友達として、お互いを尊重し生活をすると約束をいたしました」
つらいな
好きな人とも結ばれないのか
「・・・それに・・・私はシェイク様の番ではないようですし・・・」
伏し目がちに落ち込む
「皇族としてしっかりと王女の責務を果たすつもりです」
シェイクの目を見ながらしっかりと宣言している
そうか・・決断したんだね
「・・・はい。ナターシャ様が幸せになれるようにお祈り申し上げます」
私にしてあげられることは何もない
「獣人属と人属の平和と繁栄を」
ナターシャ様が手を胸に当て、スカートの端をつまみ礼を取る
私も倣う「平和と繁栄を・・・」
きっと今回の訪問はいいきっかけだっただろう
ナターシャ様のふわふわした気持ちにしっかりと決断がついたことも
獣人属との関係がより良いものになったことも確かだ
あたし自身も人属の家族とは決別できた
ちょっとは心配しているかなとか思ったけど・・・全然そうでもなかったという
ふとそう思ったとたんに体が軽くなったんだよね
ひとつ重りのついた鎖がとれたように
きっと私の中のマキアの気持ちに決着がついた瞬間だったんだろう
リゾーレスト伯爵は審議会の後、申し開き文書を提出し、なんとかまたあたしに再会を求めてきたが、ジアンが絶対に通すなと厳戒命令を出していた
昼食会の騒動もあったせいで観光もできなかったし
今回はふんだりけったっりだったな~
「行くぞ、マキア」
ジアンに呼ばれ馬車に乗り込む
もう来ることもないだろうって思っていたけど、ミレイ様に会いにはまた来たいな
ふー疲れたな
怒涛の人属地区だったわ
応援ありがとうございます!
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