愛が重いなんて聞いてない

音羽 藍

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駆け巡る普天率土の章

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「あの……助けてくれてありがとうございます。」
「別に良い、俺のせいだからな。ここは危ないこっちへ。」
「え、でも私っ」

グイグイと引っ張られてしまい、小道の方へと私は引きずられてしまった。

「これ以上離れると本当に合流できにくいのでっ」
「あそこはまだ血気盛んな男が多い。それに、女性一人が街角で立っていると売女だと思われる。」
「そうではなくて……婚約者がいて、離なれてしまって。」
「そうだったのか。それは惜しいな……こんなに美しいのに。」

私の手首を取り、するりと撫でられて、ユリウスではない声や肌の感覚にゾワッとした。

嫌だ嫌だ嫌だっ

これじゃないっ

「あのっ離していただけます?婚約者は嫉妬深いので……」
「なぁ……そんな男より、俺にしないか?」
「は?」

私は目の前に立つ変な事を言う男を見上げた。

珍しいオッドアイの瞳で、私はどこかで見た姿と声でどこだったけ?と考えていると、ブルっとなにか毛を逆立つ様な予感がして、絶対ユリウスが猛烈に怒っていそうな予感しかしなかった。

「俺したら、この世界をあげる。全て、君の物だよ。」
「なにを言っているの?この世界はあなたの物ではないでしょ?」
「俺の物にやがてはなる。リソースが集まれば、棺に力が溜まり、闇に全て救われる。そして……俺は解放されるんだ。」
「言っている事が理解できないわ。お願い、離してっ」

私は手首を離して逃げようともがいたが彼の手は強く握られており、振り解けない。

「本当に俺じゃダメか?」
「ええ、私の相手は唯一たったあの人だけなの。今後だってそうよ。」
「……仕方ない。諦めるよ、だけど、もし……」

そう言ってやっと、手を離してくれて私は一呼吸ついた。

「俺の物になってくれたら、欲しいモノ全部あげる。俺の……身体や心もね?」
「……それはダメでしょ、見ず知らずの人に言ったら。」

私は囁いてきた男を変な人だと見上げると、ニヤリと笑った後、私の言葉を聞いて不思議な表情をした。

「なんでだ?恋愛は等価交換だろ?なら俺は全てを差し出す。そしたら、相手は全てを俺に差し出す。幸せだろ?」
「それは……怖くないの?」

目の前に悠然とさも当然の事の様に笑った不思議な青年を見るとまるで夕食のメニューを聞く様に簡単そうに笑った。

「俺はいつも全力だから……その覚悟もしている。それだけの事だよ。」
「……覚悟ね。」

私は目を見開き、目の前の青年を見つめながら、幸せなのだろうか?と自問した。

思い浮かべながら、私は番は満ち足りている。
番と一緒にいると、不安や怒りはあまりない。

ユリウスにいろんな意味で責められるのは慣れないし、少しやり過ぎて困ったり少し怒る事はあるけれど。

「シアッ」
「……ユリウス?」

声がして振り向くと、息をきらして、駆け寄って抱きしめられた。

「不安だった……大丈夫だったか?こんな小道にいたから探したぞ。」
「えぇ、少し絡まれそうになったけど、助けてくれて。」
「それは危なかったな、大丈夫か?」
「ほら、そこに……」

振り向くと、彼は居なくて忽然と誰も居なかった。

「あら?居なかった……もう帰ったのかもしれないわ。」
「そうか?とりあえず、家に帰ろうか。そろそろ時間も遅い。」

ひょいっと抱っこされてしまい、私は辺りをみたが隠れる場所は無く、考えていたいつのまにかに帰ってしまったのだろうと思いながらユリウスの身体へ頭を寄せて、彼の匂いを嗅いで安心した。


――――――――――――――――――



「……担い手様、こんな街へ何かご要望ですか?私共が代わりに済ませておきますよ?」
「いや、少し昔来た店に来たかっただけだ。それに……少し魂が惹かれる人が見つかったから、良い出会いもあった。」
「魂がですか?お相手様は?」
「それが名を聞いてないと去ってから思い出してな。失敗した」
「それはもったいないことを。しかし、魂が惹かれるのでしたら、再び会い見舞える事でしょう。」
「あぁ、そうだな。」

血塗られたナイフを男と女の死体の衣服で拭き取りながら、灰色の法衣を着込んだ男性は肉片を樽に詰めていった。

「しかし、やはり余り何でもありとはいえ、質の良くないものはリソースが微妙ですね。あの大精霊のリソースと比べると段違いの力の差が。」
「それはそうだろう。世界側が用意した最高級の品種と雑多な雑種を比べるのは烏滸がましい。」
「それはそうでしたね。これで少しはエネルギー源となりますね。あと少しで終わりそうですが、中々最後が厳しく難関で未だかかりそうなのが、厄介極まりないです。」

樽に蓋をして、唾を吐き捨てた法衣を着た男性はへらっと笑い、その笑みは、まるで農作業した後の様な爽やかな笑顔だった。

―――――――――――――――



「そこは触らないで」
「ん……さっきは喜んでいただろ?」
「あれはっ…その我慢していたのっ」

ユリウスにお風呂上がりのさっぱりした体なのに、臀部をするりと撫でられてやはり、ユリウスが良いとこんな事だけどそう思った。
彼にだったら…足を開いて寝屋に誘うのもやぶさかではない。

「へぇ?なのに感じながら我慢していたんだ。」
「ぅ……」

振り向くとユリウスの髪は湿り気が少し残っていて、少しセクシーだ。
青い瞳の熱のこもった視線を浴びて、私はびくりと体を揺らした。

彼の両手がそわりと臀部を撫でながら引き寄せられて、私は彼にもたれかかった。

「あんなにシたでしょ?それに明日学校あるし…」
「そういうシアは足りないって感じないのか?」
「足りてる……から」
「噓つきはダメだ」
ぐいっとかきわけながら持ち上げられて、なすすべなくベッド上へ運ばれた。

「……わがまま言ってもいい?」
「なんだ?」
「ユリウスにして欲しい気持ちもあるの。ここに頂戴?」

私は足を開いてショーツを降ろして脱ごうとすると、彼に荒々しく取られてショーツは投げられた。

「ユリウス投げちゃっ」

私は驚いていると、足の間に入って顔を寄せてきて驚いていると、ぬめっとした感覚にんっと感じた。

「……俺から離れた後、どんな男と会った?」
「えっ?……ぁっ」

ユリウスの舌がくちゅりとひだを舐められて、彼の舌先がクリトリスを辺りを舐め始めてきた為に私は足を開きながら、ベッドシーツを掴み耐えた。

「シアから他人の男の臭いがして不快だった。」
「それはんっ、あの人がいっぱいいたからでっ、ひぁっ」

腰を上げて、快楽から逃げようとしたが彼のひじが太ももを押さえられてしまい、動けない。
指がぬぷっと入り込み、私は両方ともはダメだと思いながらも、ヒクヒクと彼を待ち望んでいた様に締め付けた。

「すでにこんなトロトロなんだけど、可愛いなシア」
「ぁぁっ、やめっそこはっぁぁんっ」
「ほんと、ここ弱いよな。待ってて、たくさん今日はイカせるから。」
「やだっ、そんならめっ」
「……ッシアたくさん溢れてくるんだけど」

ぐちゅぐちゅと私の下半身からは、おびただしい愛液ですっかりトロトロだった。
彼の指が出たり入ったりする度に、びぐびくっと揺れ動く私の身体はすっかり、彼に翻弄されていて、焦ったく、しかし安堵していると彼の舌先がクリトリスを吸い上げられて、がぐがくと揺れてイキそうになるが、止められてしまう。

「だっ、イキたいっぁぁ、やめないっでぇっ、」
「さっきはしないでっ、言ってたけど?」

ぐちゅぐちゅと内部で指が動かされ、くいくいと軽く擦られ押し上げられるが優しくであり、イケそうにない。
もう少し強めにして欲しいと腰を動かしたいけど、膝で縫い止められており、動けない。

「ユリウスっ、して欲しいのっ。ユリウスのおちんぽ欲しいっ。たくさん愛してっユリウスが欲しいの」
「今は、指だからなぁ?まだそれは後だ。可愛いから嫌だって言ってもたくさん後で、中に出してあげるから。今指でイキたい?」
「イキたいからぁ、ユリウス」

私はまるで言ってはいけないのに、欲に負けて彼の望み通りの言葉を思考停止して言ってしまった。









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