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第4章 魔術学園奮闘編
第278話 意思あるところ、技術の進化は止まらない。
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「お前の言う通り」
「ふうん。大分色が薄いな」
トーマの声には失望が含まれていた。
ワニスは木材などの耐光性を高める。紫外線カットの効果があるのだが、ここでの用途には不足していた。
ヤエヤマブキの感光紙はあまりにも敏感すぎる。
「後処理なしよりは断然良いがな」
サントスを慰めるようにスールーが言った。
「封筒に入れて暗所に保管すれば良いんですね」
「まあ、そういうこと。クローゼットに入れてある分はほとんど退色なし」
感光紙の使い道を探すべく、ステファノがサントスに質問を投げた。
「長期保存や閲覧展示を必要としない用途なら問題ないわけだね」
スールーが考えながら話す。
「使い捨てだな」
トーマは乱暴な言い方で、考えられる用途を口にする。
「後々まで残す必要がない、その場限りの情報伝達ってことか」
「確かに、そういう使い方なら問題ないね」
ステファノが言い直した用途を、スールーが肯定した。
「ステファノの製版器が物になれば、保存用の文書はそっちで作れそうだな」
「可能性は高い。但し、製版器には下書きが必要だ。即時性には欠ける」
トーマが出した使い分けの提案にステファノが頷いた。
「ところで、感光紙も製版器も『字を書かせる』には像が粗すぎる。より細かい絵を描けるように工夫が必要だ」
スールーが現状最大の問題点を確認する。
「感光紙で高密度化は無理。即時性と、汎用性を追うべき技術」
サントスが自分の検討結果を述べた。
「ステファノが言ったようにレンズで光を集めて、人や物を素早く写し取れると思う」
「目で見たままの姿を画に変えられるということか? すごいじゃないか」
その可能性にスールーは興奮を示した。
「ふーん。待ってくれ。感光紙というが、紙である必要はないよな? ガラス板に感光液を塗ったらどうだ?」
「ガラスに上手く馴染んでくれるかどうか……。何かノリが良くなる材料を混ぜればいけるかも」
「トーマ、何か思いついたのか?」
トーマの質問にサントスが答え、スールーは質問の意図を確認する。
「組み合わせたらどうかと思ってね。感光器で人物像をガラス板に写し、それをステファノの版画器で紙に刷ったら保存可能な複製がたくさん作れるぜ」
トーマが思いつきを口にする。
「おおー。それは思いつかなかった。サントス、ステファノ、いけると思うか?」
スールーはそれぞれの試作品を生み出した2人に意見を求めた。
「ガラスに感光剤を均一に塗れれば、できそう」
「下絵さえ作れれば、複製は可能ですね」
このトーマのアイデアが後に感光剤の改良によって銀塩写真技術へと発展することになった。「定着」という技術が生まれれば、複製部分も「焼きつけ」から「定着」へという一連の化学処理で完了できる。
「魔術を必要としない科学」への道が開かれたのであった。
「面白い。スールー、ガラス板を手配してくれ。3ミリ厚で良いだろう」
サントスが前髪の奥で目を輝かせた。
「待ってくれ。1人では手が回らないだろう。感光剤をガラスに塗る工程はうちの工房に検討させよう。塗り物をやってる連中なら心当たりがあるはずだ」
「もっともな考えだな。サントス、そうしよう。君は別の検討を優先してくれ」
技術者に任せっぱなしにすると、何でも自分でやろうとする。エンジニアとはそういう生き物だ。
大店の跡取りたちは、適度に仕事を取り上げる呼吸をよく知っていた。
「むむ。わかった。任せる」
不承不承サントスはガラス感光板試作のタスクを、人任せにした。
「次は、伝声管だ」
スールーの紹介から届いた土管を味見試験した結果を報告する。
「鉄管に比べると若干音が小さくなるが、十分使えそうだ」
土管の内面には釉処理がされておらず、ざらついている。これが音を散らしてしまうのではないかと、サントスは推察していた。
「土管内面にも釉を掛けたら良くなるのか?」
「たぶん」
「わかった。そういうタイプの物があれば入手させる。コストの比較もな」
スールーはいつものように手配品目をメモに書き取る。現代のエンジニアリングにおいては「バックオフィス」と呼ばれる管理機能に当たる。
良い研究成果が上がるかどうかはエンジニアの品質と共に、優秀なバックオフィスに支えられているかどうかが大きく物を言う。
このチームにおいてスールーは「お荷物」ではない。彼女は歯車の1つである。しかも、高性能の歯車であった。
「ついでに送気管。これも土管でいけそう。やはり内面の荒れはない方が良い」
「それはそうだな。カプセルの勢いが止まっちまう」
「うん。カプセルと内壁の間に隙間ができて、空気が漏れるし」
サントスとトーマが技術者トークに入りそうだったので、スールーが背中を叩いて引き戻した。
「痛いっ。最後に、送風器。鞴に圧縮室をつけたもの。これは図面を改良して、トーマに預けた」
「おう。何とか使えそうな図面を預かったぜ。うちで試作に回そうと思うが、それで良いか?」
乱暴なようでトーマはチームワークを知っている。自分の一存で製作を手配せず、研究会としての意思決定を尊重していた。
こういうところを軽視すると、エンジニアリングは迷走し、暴走する。
トーマはそれを失敗から学んでいた。
「良いと思う。ちなみに想定予算と製作期間はどれくらい? あ、そう。それならOK。ステファノも、良いわね?」
「異論ありません」
ステファノにしてみれば大金なのであるが、ここにいる3人にとっては「想定の範囲内」なのであろう。金のことでステファノが文句を言う余地はなかった。
「俺からは以上」
ぶっきらぼうに口を結び、サントスは一座を見渡した。どうだ、文句があるかと言わんばかりに。
「うん。良い成果だ。先に進んで良いね? では、ステファノ、君の報告を」
スールーの言葉にサントスは口元を、ほんの少し緩めた。それをスールーは見逃さない。
スールーが気づいたことに、ステファノも気づいていた。
「俺からは、改良案の提案があります」
「うん? 何の改良だい?」
ステファノは大きく息を吸い込んだ。
「文字まで写せる版画器の製作法です」
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第279話 できるだけ均一な鉄粉を入手できませんか?」
「ふむ。それができれば画期的だね。どう改良するんだい?」
スールーの質問にステファノは、圧印器の実物を手に持って語る。
「この試作品では1ミリに1本の溝を切って、針の山のようなものを作りました。トーマは0.5ミリに1本溝を切れると言いますが、それでも文字を刷るには粗すぎます」
解像度が足りないのだ。0.5ミリに1本の溝では51dpiの解像度しか出せない。コンピュータ用のドットマトリクスプリンタでさえ180から240dpiが必要とされている。
およそ4倍の精度をステファノはどうやって実現しようというのか?
「できるだけ均一な鉄粉を入手できませんか?」
ステファノの言葉は3人の意表をついた。
……
◆お楽しみに。
「ふうん。大分色が薄いな」
トーマの声には失望が含まれていた。
ワニスは木材などの耐光性を高める。紫外線カットの効果があるのだが、ここでの用途には不足していた。
ヤエヤマブキの感光紙はあまりにも敏感すぎる。
「後処理なしよりは断然良いがな」
サントスを慰めるようにスールーが言った。
「封筒に入れて暗所に保管すれば良いんですね」
「まあ、そういうこと。クローゼットに入れてある分はほとんど退色なし」
感光紙の使い道を探すべく、ステファノがサントスに質問を投げた。
「長期保存や閲覧展示を必要としない用途なら問題ないわけだね」
スールーが考えながら話す。
「使い捨てだな」
トーマは乱暴な言い方で、考えられる用途を口にする。
「後々まで残す必要がない、その場限りの情報伝達ってことか」
「確かに、そういう使い方なら問題ないね」
ステファノが言い直した用途を、スールーが肯定した。
「ステファノの製版器が物になれば、保存用の文書はそっちで作れそうだな」
「可能性は高い。但し、製版器には下書きが必要だ。即時性には欠ける」
トーマが出した使い分けの提案にステファノが頷いた。
「ところで、感光紙も製版器も『字を書かせる』には像が粗すぎる。より細かい絵を描けるように工夫が必要だ」
スールーが現状最大の問題点を確認する。
「感光紙で高密度化は無理。即時性と、汎用性を追うべき技術」
サントスが自分の検討結果を述べた。
「ステファノが言ったようにレンズで光を集めて、人や物を素早く写し取れると思う」
「目で見たままの姿を画に変えられるということか? すごいじゃないか」
その可能性にスールーは興奮を示した。
「ふーん。待ってくれ。感光紙というが、紙である必要はないよな? ガラス板に感光液を塗ったらどうだ?」
「ガラスに上手く馴染んでくれるかどうか……。何かノリが良くなる材料を混ぜればいけるかも」
「トーマ、何か思いついたのか?」
トーマの質問にサントスが答え、スールーは質問の意図を確認する。
「組み合わせたらどうかと思ってね。感光器で人物像をガラス板に写し、それをステファノの版画器で紙に刷ったら保存可能な複製がたくさん作れるぜ」
トーマが思いつきを口にする。
「おおー。それは思いつかなかった。サントス、ステファノ、いけると思うか?」
スールーはそれぞれの試作品を生み出した2人に意見を求めた。
「ガラスに感光剤を均一に塗れれば、できそう」
「下絵さえ作れれば、複製は可能ですね」
このトーマのアイデアが後に感光剤の改良によって銀塩写真技術へと発展することになった。「定着」という技術が生まれれば、複製部分も「焼きつけ」から「定着」へという一連の化学処理で完了できる。
「魔術を必要としない科学」への道が開かれたのであった。
「面白い。スールー、ガラス板を手配してくれ。3ミリ厚で良いだろう」
サントスが前髪の奥で目を輝かせた。
「待ってくれ。1人では手が回らないだろう。感光剤をガラスに塗る工程はうちの工房に検討させよう。塗り物をやってる連中なら心当たりがあるはずだ」
「もっともな考えだな。サントス、そうしよう。君は別の検討を優先してくれ」
技術者に任せっぱなしにすると、何でも自分でやろうとする。エンジニアとはそういう生き物だ。
大店の跡取りたちは、適度に仕事を取り上げる呼吸をよく知っていた。
「むむ。わかった。任せる」
不承不承サントスはガラス感光板試作のタスクを、人任せにした。
「次は、伝声管だ」
スールーの紹介から届いた土管を味見試験した結果を報告する。
「鉄管に比べると若干音が小さくなるが、十分使えそうだ」
土管の内面には釉処理がされておらず、ざらついている。これが音を散らしてしまうのではないかと、サントスは推察していた。
「土管内面にも釉を掛けたら良くなるのか?」
「たぶん」
「わかった。そういうタイプの物があれば入手させる。コストの比較もな」
スールーはいつものように手配品目をメモに書き取る。現代のエンジニアリングにおいては「バックオフィス」と呼ばれる管理機能に当たる。
良い研究成果が上がるかどうかはエンジニアの品質と共に、優秀なバックオフィスに支えられているかどうかが大きく物を言う。
このチームにおいてスールーは「お荷物」ではない。彼女は歯車の1つである。しかも、高性能の歯車であった。
「ついでに送気管。これも土管でいけそう。やはり内面の荒れはない方が良い」
「それはそうだな。カプセルの勢いが止まっちまう」
「うん。カプセルと内壁の間に隙間ができて、空気が漏れるし」
サントスとトーマが技術者トークに入りそうだったので、スールーが背中を叩いて引き戻した。
「痛いっ。最後に、送風器。鞴に圧縮室をつけたもの。これは図面を改良して、トーマに預けた」
「おう。何とか使えそうな図面を預かったぜ。うちで試作に回そうと思うが、それで良いか?」
乱暴なようでトーマはチームワークを知っている。自分の一存で製作を手配せず、研究会としての意思決定を尊重していた。
こういうところを軽視すると、エンジニアリングは迷走し、暴走する。
トーマはそれを失敗から学んでいた。
「良いと思う。ちなみに想定予算と製作期間はどれくらい? あ、そう。それならOK。ステファノも、良いわね?」
「異論ありません」
ステファノにしてみれば大金なのであるが、ここにいる3人にとっては「想定の範囲内」なのであろう。金のことでステファノが文句を言う余地はなかった。
「俺からは以上」
ぶっきらぼうに口を結び、サントスは一座を見渡した。どうだ、文句があるかと言わんばかりに。
「うん。良い成果だ。先に進んで良いね? では、ステファノ、君の報告を」
スールーの言葉にサントスは口元を、ほんの少し緩めた。それをスールーは見逃さない。
スールーが気づいたことに、ステファノも気づいていた。
「俺からは、改良案の提案があります」
「うん? 何の改良だい?」
ステファノは大きく息を吸い込んだ。
「文字まで写せる版画器の製作法です」
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ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第279話 できるだけ均一な鉄粉を入手できませんか?」
「ふむ。それができれば画期的だね。どう改良するんだい?」
スールーの質問にステファノは、圧印器の実物を手に持って語る。
「この試作品では1ミリに1本の溝を切って、針の山のようなものを作りました。トーマは0.5ミリに1本溝を切れると言いますが、それでも文字を刷るには粗すぎます」
解像度が足りないのだ。0.5ミリに1本の溝では51dpiの解像度しか出せない。コンピュータ用のドットマトリクスプリンタでさえ180から240dpiが必要とされている。
およそ4倍の精度をステファノはどうやって実現しようというのか?
「できるだけ均一な鉄粉を入手できませんか?」
ステファノの言葉は3人の意表をついた。
……
◆お楽しみに。
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