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第4章 魔術学園奮闘編
第337話 虹の王よ、来りて身を守れ! 蛇の巣!
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「そのままアカデミーを卒業するつもりで、すべてを3月の研究報告会でぶち上げます」
言葉は勇ましいものだったが、ステファノの様子は静かだった。興奮も、葛藤も、怒りもなかった。
「そうか。それはまた忙しないな」
「たかだか3カ月のことですから」
「3カ月も続く苦労だと考えるか、3カ月経てば終わる騒ぎと考えるかだな」
「もう少しゆっくり勉強してみたかったし、魔術の訓練も続けたかったですね」
ステファノは老人のような諦観を見せて、微笑んだ。
「どちらもここでしかできないということはない。続けたら良いさ」
「そうですね」
そう言いながら、2人ともそれは同じものではないと知っていた。
アカデミーでの日々は2度と戻らない。青葉の香りを載せた風はここでしか流れないのだ。
「口より手を動かしましょう。魔法を試させてください」
「魔法か。わざわざそう言うなら複合魔術とは違うのだな? 良いだろう。5番、飯屋流魔法。撃って良し」
ステファノは5番ブースに入ると、ヘルメスの杖を上段に構えた。
「我ステファノの名において命ずる。虹の王よ、来りて身を守れ! 蛇の巣!」
宣言と共に、標的を目掛けて杖を振り下ろす。風を切る音と共に、標的の足元に六芒星の魔術円が現れた。
「むっ! 出るな? 虹の王!」
ドリーが察知した瞬間、魔術円の中心が光り、7つの頭を持つ大蛇が召喚された。7つの頭はそれぞれ光る蛇となって走り出て、標的に絡まり消えていった。
いつのまにか虹の王も魔術円の中に姿を消してしまった。
後に残ったのは傷1つない標的と、足元で光り続ける魔術円だけであった。
「これは……術の効果が続いているのか? どういう術だ?」
ドリーの目には魔力の存在が見えていながら、属性の色が見えなかった。
「試した方が早いでしょう。ドリーさん、ダガーかナイフを持っていますか?」
「護身用のダガーならある」
「それを標的に向かって投げて見てください」
「何だと?」
ステファノのやることである。わけがわからないのはいつものことだと割り切って、ドリーはブーツに隠した短いダガーを抜き取り、無言の気合とともに標的目掛けて投げ打った。
殺傷力のある勢いで、ダガーは20メートルの距離を狂いも見せずに標的へと飛んだ。
「馬鹿な!」
標的の胸に刺さる寸前、ダガーは大きく軌道を変えて標的からそれていった。まるで強い風にあおられたような。
「風など吹いていないぞ!」
ドリーの驚きをよそに、ステファノは冷静だった。
「次は、火魔術をお願いします。続いてすべての属性を」
「くっ! 行くぞ。火球!」
右手に短杖を持ち替えたドリーは、魔力も練らずに火球を飛ばした。手加減なし。その勢いは、優に殺傷力を持つものであった。
「当たらんのか?」
標的に届く寸前、ドリーの火球は地面から立ち上がった氷の壁に阻まれて消えた。
火球を飲み込むと、崩れるように氷の壁は大地に戻る。
「水球! ……雷電!」
ドリーは水球を連発し、その直後に雷魔術雷電を放った。
近接魔術である雷電は水球から水球へ、4発の水球を縫うように飛び移り、標的に迫った。
しかし――。
今度は足元から水の壁が立ち上がり、雷電と水球を吸い込んで消えた。
「うぬっ。風刃、鎌鼬!」
目に見えぬ風の刃が標的に迫る。標的の手前で空気が歪み、大鎌の形になって標的を襲った。
土魔術を重ね掛けし、空気の刃を鉄の質量にして加速したのだ。
魔術円が光り、真っ白な炎が地面から立ち昇り壁になった。大鎌は急激に勢いを失い、炎に触れると蒸発するように飲み込まれた。
白炎も役割を終えると、地面に戻って消える。
「どうなっている? これでどうだ! 光龍の息吹!」
ドリーが突き出す短杖の先から、一条の白光が宙を走った。ドリーが自ら編み出した秘術、パルスレーザーであった。
ドリーが持つ術の中で最速であり、かつ細すぎて軌道が目に見えない。必殺の奥の手であった。
「何だと?」
レーザー光は目標手前で曲がり、魔術円の中へと吸い込まれた。ドリーのギフト蛇の目は、放物線を描いて地面に突き刺さるレーザーの軌跡を捉えていた。
「一体これは何の術だ? とっておきの秘術まで無効化されただと?」
さすがのドリーも結果を見て青ざめていた。
「蛇の巣とは虹の王による防御陣です。仕掛けられた術を属性に応じて無効化する手順を組み込みました」
ステファノは言葉をかみ砕くように、今見せた術について説明した。
この術はヨシズミに与えられた課題に対する、ステファノなりの回答であった。
「すべての術を無効化するだと?」
「俺は虹の王の本質、そのあり様についてずっと考えてきました。虹の王は俺とイデア界の間に存在する代理人です。個別の因果を求める代わりに、俺は1つの結果そのものを求めました」
すべての危害から身を守れ、と。
「刃や矢が身に迫れば、虹の王は土魔術でそらします。魔術が迫れば打ち消し、吸収します」
「だが、誰が判断しているのだ? 虹の王とはお前の術ではないのか?」
「魔力は1つ。励起した性質が変わるだけです。虹の王が考える必要はありません。ただ、身に迫る脅威を消し去るだけです」
術を消し去るだけなら終焉の紫である「陰気」をぶつければ済む。しかし、それでは術を向けられるたびに防御しなければならない。防御が遅れればダメージを受けるし、万一意識を失っていれば防げない。
蛇の巣であれば、一度掛ければ術者の介入は必要ない。虹の王はいつまでも外部からの危害を防ぎ続けるのだ。
「ふうー。身の毛もよだつ恐ろしい術だな。すべての魔術師が絶望するぞ」
「ただの防御ですからね。逃げるための術です」
「これまでで一番お前らしい術かもしれん。『最強の弱者』というわけだな」
「俺は弱者の道を貫きたいと思います」
ステファノの言葉に迷いはなかった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第338話 食材を入れる金庫でも作りましょうか。」
「ステファノ、3月の報告会では蛇の巣も発表するつもりか?」
「そのつもりです。あわよくば、俺を狙うような連中に対する抑止力になれば」
あらゆる術、物理攻撃を無効化する守りを有することを知れば、手を出すことを控えるだろう。
普通の相手であれば。
「毒殺を仕掛けて来る奴がいるかもしれんな……」
「ええ。そこまでやられると、魔術ではどうにもなりません」
毒避けの魔術などないし、おとぎ話のような「万能薬」も存在しない。ステファノも毒には無防備であった。
……
◆お楽しみに。
言葉は勇ましいものだったが、ステファノの様子は静かだった。興奮も、葛藤も、怒りもなかった。
「そうか。それはまた忙しないな」
「たかだか3カ月のことですから」
「3カ月も続く苦労だと考えるか、3カ月経てば終わる騒ぎと考えるかだな」
「もう少しゆっくり勉強してみたかったし、魔術の訓練も続けたかったですね」
ステファノは老人のような諦観を見せて、微笑んだ。
「どちらもここでしかできないということはない。続けたら良いさ」
「そうですね」
そう言いながら、2人ともそれは同じものではないと知っていた。
アカデミーでの日々は2度と戻らない。青葉の香りを載せた風はここでしか流れないのだ。
「口より手を動かしましょう。魔法を試させてください」
「魔法か。わざわざそう言うなら複合魔術とは違うのだな? 良いだろう。5番、飯屋流魔法。撃って良し」
ステファノは5番ブースに入ると、ヘルメスの杖を上段に構えた。
「我ステファノの名において命ずる。虹の王よ、来りて身を守れ! 蛇の巣!」
宣言と共に、標的を目掛けて杖を振り下ろす。風を切る音と共に、標的の足元に六芒星の魔術円が現れた。
「むっ! 出るな? 虹の王!」
ドリーが察知した瞬間、魔術円の中心が光り、7つの頭を持つ大蛇が召喚された。7つの頭はそれぞれ光る蛇となって走り出て、標的に絡まり消えていった。
いつのまにか虹の王も魔術円の中に姿を消してしまった。
後に残ったのは傷1つない標的と、足元で光り続ける魔術円だけであった。
「これは……術の効果が続いているのか? どういう術だ?」
ドリーの目には魔力の存在が見えていながら、属性の色が見えなかった。
「試した方が早いでしょう。ドリーさん、ダガーかナイフを持っていますか?」
「護身用のダガーならある」
「それを標的に向かって投げて見てください」
「何だと?」
ステファノのやることである。わけがわからないのはいつものことだと割り切って、ドリーはブーツに隠した短いダガーを抜き取り、無言の気合とともに標的目掛けて投げ打った。
殺傷力のある勢いで、ダガーは20メートルの距離を狂いも見せずに標的へと飛んだ。
「馬鹿な!」
標的の胸に刺さる寸前、ダガーは大きく軌道を変えて標的からそれていった。まるで強い風にあおられたような。
「風など吹いていないぞ!」
ドリーの驚きをよそに、ステファノは冷静だった。
「次は、火魔術をお願いします。続いてすべての属性を」
「くっ! 行くぞ。火球!」
右手に短杖を持ち替えたドリーは、魔力も練らずに火球を飛ばした。手加減なし。その勢いは、優に殺傷力を持つものであった。
「当たらんのか?」
標的に届く寸前、ドリーの火球は地面から立ち上がった氷の壁に阻まれて消えた。
火球を飲み込むと、崩れるように氷の壁は大地に戻る。
「水球! ……雷電!」
ドリーは水球を連発し、その直後に雷魔術雷電を放った。
近接魔術である雷電は水球から水球へ、4発の水球を縫うように飛び移り、標的に迫った。
しかし――。
今度は足元から水の壁が立ち上がり、雷電と水球を吸い込んで消えた。
「うぬっ。風刃、鎌鼬!」
目に見えぬ風の刃が標的に迫る。標的の手前で空気が歪み、大鎌の形になって標的を襲った。
土魔術を重ね掛けし、空気の刃を鉄の質量にして加速したのだ。
魔術円が光り、真っ白な炎が地面から立ち昇り壁になった。大鎌は急激に勢いを失い、炎に触れると蒸発するように飲み込まれた。
白炎も役割を終えると、地面に戻って消える。
「どうなっている? これでどうだ! 光龍の息吹!」
ドリーが突き出す短杖の先から、一条の白光が宙を走った。ドリーが自ら編み出した秘術、パルスレーザーであった。
ドリーが持つ術の中で最速であり、かつ細すぎて軌道が目に見えない。必殺の奥の手であった。
「何だと?」
レーザー光は目標手前で曲がり、魔術円の中へと吸い込まれた。ドリーのギフト蛇の目は、放物線を描いて地面に突き刺さるレーザーの軌跡を捉えていた。
「一体これは何の術だ? とっておきの秘術まで無効化されただと?」
さすがのドリーも結果を見て青ざめていた。
「蛇の巣とは虹の王による防御陣です。仕掛けられた術を属性に応じて無効化する手順を組み込みました」
ステファノは言葉をかみ砕くように、今見せた術について説明した。
この術はヨシズミに与えられた課題に対する、ステファノなりの回答であった。
「すべての術を無効化するだと?」
「俺は虹の王の本質、そのあり様についてずっと考えてきました。虹の王は俺とイデア界の間に存在する代理人です。個別の因果を求める代わりに、俺は1つの結果そのものを求めました」
すべての危害から身を守れ、と。
「刃や矢が身に迫れば、虹の王は土魔術でそらします。魔術が迫れば打ち消し、吸収します」
「だが、誰が判断しているのだ? 虹の王とはお前の術ではないのか?」
「魔力は1つ。励起した性質が変わるだけです。虹の王が考える必要はありません。ただ、身に迫る脅威を消し去るだけです」
術を消し去るだけなら終焉の紫である「陰気」をぶつければ済む。しかし、それでは術を向けられるたびに防御しなければならない。防御が遅れればダメージを受けるし、万一意識を失っていれば防げない。
蛇の巣であれば、一度掛ければ術者の介入は必要ない。虹の王はいつまでも外部からの危害を防ぎ続けるのだ。
「ふうー。身の毛もよだつ恐ろしい術だな。すべての魔術師が絶望するぞ」
「ただの防御ですからね。逃げるための術です」
「これまでで一番お前らしい術かもしれん。『最強の弱者』というわけだな」
「俺は弱者の道を貫きたいと思います」
ステファノの言葉に迷いはなかった。
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第338話 食材を入れる金庫でも作りましょうか。」
「ステファノ、3月の報告会では蛇の巣も発表するつもりか?」
「そのつもりです。あわよくば、俺を狙うような連中に対する抑止力になれば」
あらゆる術、物理攻撃を無効化する守りを有することを知れば、手を出すことを控えるだろう。
普通の相手であれば。
「毒殺を仕掛けて来る奴がいるかもしれんな……」
「ええ。そこまでやられると、魔術ではどうにもなりません」
毒避けの魔術などないし、おとぎ話のような「万能薬」も存在しない。ステファノも毒には無防備であった。
……
◆お楽しみに。
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