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一回戻るのは面倒と話していた生徒達だったが、結局は寮長の意見で朝食をとった後、一旦寮の部屋に戻って必要な物を持ってからまた直ぐ談話室に集まる事になった。
何故か火の国の二人も男爵家の寮に集合するという。
(何で二人も? 火の国の寮から直接行った方が近いんじゃ?)
男爵家の寮に集合する事になると、火の国の二人は真っ直ぐ校舎に行ける所を男爵家の寮を経由する事になるので遠回りになる。朝一でアーロンを迎えに来て、それからまた来るのってそれこそ面倒なんじゃと、先程「一回寮に帰るのは面倒」とタイスケは言っていたのにとアーロンは不思議に思う。
それに朝食を食べ終わった男爵家の一年生は、寮長の所へやって来て何か指示を受けてから食堂を退出して行く。何だろうとアーロンもそわそわしてしまうが、イアンが「一緒に帰ろう。待って」というので彼がドーナツを食べ終わるのを待っている。イアンは大きなドーナツをナイフで凄く小さな欠片に切っていて、一口がとても小さい。それをゆっくりゆっくりと咀嚼する。周りを全く気にする様子はない。とうとう火の国の二人も食べ終わって食堂から出て行ってしまった。
「皆先に帰っちゃったね」
「そうだね」
イアンは全く気にしていない様子で最後迄食べ切り、食べ終わると今度は、早く戻ろう、一回歯磨きしたいと急かして来た。イアンが食べ終わるのを待っていたのか、寮長も帰ると言う。まだ男爵家の一年生は二、三人残っていたが、「紅茶もう一杯飲んで行くから気にしないで」と言うので、三人で寮に戻る。
帰りは何処か早足で寮長は何か考え込んでいる様子。イアンは仕切りに、「急いで食べたからお腹が痛い」と言ってお腹をさすっているので碌に会話も無い。
そんなこんなで寮に戻り筆記用具を持って自室から談話室に戻って来ると、寮長は既に居て生徒達に囲まれていた。コの字に並んだソファの真ん中に寮長は座っている。イアンはまだ戻って来ていない。寮長は彼等から報告を受けている様だ。
その様子を少し距離をあけて更に囲む様に、立ったり座ったりして、面白がっている顔で見守っているのは恐らく上級生なのだろう。知らない顔だから。アーロンはそんな中を通って、一年生達の所へ行くのは気が引けたが、待ち合わせした手前行かなければと、恐る恐る誰とは無しに上級生達に会釈しながら、寮長達の後ろにあったソファに腰を下ろした。流石に正面に行く勇気は無い。寮長達は真剣に会話している。
「やっぱり探して居たか?」
「うん。でも、もう食べ終わって帰ったのかもと納得はしてた」
「そうか、で、何時頃出た?」
「七時ちょっと過ぎ。まあ連中にしては早い方だと思うよ」
「明日もそうだと思うか?」
「それはちょっと分からない。今日の様子を見ないと」
「やっぱりそうか」
「まあ、朝はそこ迄早起きして合わせるっていう雰囲気では無かったよ」
「なら良いか。問題は昼だな」
「うん」
「あの」
話が途切れた所で、仲間に加わって何の話か聞こうとアーロンが身を乗り出すと、全員が振り返って気まずそうな顔をして黙った。
(何なの?)
話しかけてはいけなかったのか、仲間外れにされている理由が分からず悲しくなる。そこに、寮の入り口が勢い良く開いた。
「お待たせっす! バッチリっす!」
やって来たのはタイスケとイチロウだった。タイスケはにこにこで、
「バッチリ! さすがもう、ライム先輩っす! 何なら夕食もって仰ってたっす!」
と小躍りする様に入って来て、一年生の周りを囲んでいる上級生達に臆する様子もなく、真正面から寮長の元へ駆け寄って行く。その後ろをイチロウが上級生に会釈しながらおっとりと続く。
「はあ、いやこれで一安心」
「うんうん」
タイスケの報告に何故か一年生達は喜び、しかもアーロンに向けて拍手して来た。不可解。
ライム先輩の名前に上級生達がざわついている。一部はアーロンを見て意味深に頷いているので、余計に意味が分からない。
(何だろう?)
「えっと、僕にも教えて貰えますか?」
寮長は嫌そうな、というより気まずそうな顔をして、「すると恐らく君は嫌がると思うんだが」と言い淀む。はっきり言わないのは寮長らしくないし、やっぱり自分は仲間外れなのかとアーロンは嫌な気持ちになる。そこへ、「どうなったの?」とイアンが戻って来てすとんとアーロンの隣に腰を下ろした。
「上手くいった。夕食も引き受けても良いそうだ」
「ふうん。ま、夕食は僕達と一緒でも良いんじゃないの? ね」
寮長の返事を聞いた後、イアンはアーロンに首を傾げて見せた。
「えっと?」
アーロンは何が何だか分からない。
「説明してないの?」
イアンは不思議そうに寮長を見と、寮長は気まず気に首を横に振る。
「あー。じゃ、代わりに話すけど、アーロン様昼はライム伯爵家の御子息と食べて」
「え?」
「おいら達も一緒っす!」
タイスケが手を挙げる。
「なん、で?」
「嫌なの? 嫌なら断って貰うけど?」
イアンがきょとんとするので、アーロンは慌てて否定した。あの格好良いライム先輩が嫌な訳が無い。火の国の二人も嫌では無い。
「嫌じゃないけど」
「じゃあ、そういう事で」
「え?」
アーロンが訳が分からないときょろきょろしていると、別の声が割り込んで来た。
「甘いな」
そう言いながらイアンの隣に無理やり腰を下ろしたので、イアンが押されるのにつられてアーロンも押されて二人ぎゅっと狭く座る事になってしまった。
割り込んで来たのはイアンと似た容貌の生徒だった。ただ顔にはそばかすは無く、彼の方が少しがっちりしている。
「イアンの兄のルーク、よろしくね」
アーロンを覗き込んで来た顔は明らかにこの状況を面白がっている。イアンは淡々と、
「これ、二年生の寮長」
と兄を指さしてアーロンに紹介した。アーロンはそれに「初めまして」と挨拶する。
ルークは、
「うぉっ! 可愛い」
とアーロンに手を伸ばそうとして来たので、イアンに押し留められてしまう。
「何でだよう」
と不満気なルークは、「だったら愚弟もまとめて可愛がってやるぜ!」とイアンとアーロンの二人に抱き着いてきた。
「えっと」
アーロンは益々状況が見えない。ルークの醸し出す空気は明るくて嫌ではないのだが、何だかやたらに元気だし、慣れない体温に触れられる違和感と狭くなった座席がきつい。しかも相変わらず状況が見えない。イアンも居心地悪そうにもぞもぞしているし。
それに「はあ」とため息を吐いて、こちらを振り返ったままの寮長が眼鏡をくいっと押し上げた。周りの一年生達もルークの登場に困惑顔だ。
「ルーク先輩甘いってどういう事ですか?」
「ん? だって聞いたぞ、奴等昨日の夕方うちの寮迄来たんだろ?」
ルークの返事に一年生だけで無く、周りの上級生達も騒めく。寮長は苦い顔だ。
「ねえ、三年の先輩方、男爵家の寮が子爵家の連中に荒らされた事についてどう思います?」
ルークが芝居がかった様な大袈裟な素振りで、周りの上級生達に問いかける。
「キースだったら即学院に抗議だな」
「で、しょう」
どうだ、というようにルークは寮長を見るが、寮長は不満気だ。
「荒らされたって、寮の前に来ただけですよね? そこ迄言うのは大袈裟では? 寧ろ自分達は気にし過ぎな位だと思っていたんですが」
それに寮長の周りの一年生達も同意するように頷くが、ルークはアーロンとイアンから手を離して、呆れた様に肩をすくめた。
「それが分からないんなら、寮長を名乗る資格は無いな。一年生のやっている事は児戯に等しい。未来の義弟殿の腕前を楽しみにしてたんだけど、がっかりだな」
「取れる手は全て取ったつもりですけど?」
「本当にそう? 俺ならまず、本人にしっかり理解される。騎士ごっこは楽しいかもしれないけど、守られる方が理解してないと綻びが出るけど?」
とルークはアーロンをにやにやと見て来る。その笑い方が何だか馬鹿にされているように感じてアーロンはむすっとしてしまう。
「それに、伯爵家の御子息を巻き込んだのは良いけど、それっていつ迄? 向こうも見返りが無いとずっとは助けてくれないよ? 一番美味しいとこ持って行かれちゃうかもしれないけどいいの?」
「それは嫌」
イアンが即答した。
何故か火の国の二人も男爵家の寮に集合するという。
(何で二人も? 火の国の寮から直接行った方が近いんじゃ?)
男爵家の寮に集合する事になると、火の国の二人は真っ直ぐ校舎に行ける所を男爵家の寮を経由する事になるので遠回りになる。朝一でアーロンを迎えに来て、それからまた来るのってそれこそ面倒なんじゃと、先程「一回寮に帰るのは面倒」とタイスケは言っていたのにとアーロンは不思議に思う。
それに朝食を食べ終わった男爵家の一年生は、寮長の所へやって来て何か指示を受けてから食堂を退出して行く。何だろうとアーロンもそわそわしてしまうが、イアンが「一緒に帰ろう。待って」というので彼がドーナツを食べ終わるのを待っている。イアンは大きなドーナツをナイフで凄く小さな欠片に切っていて、一口がとても小さい。それをゆっくりゆっくりと咀嚼する。周りを全く気にする様子はない。とうとう火の国の二人も食べ終わって食堂から出て行ってしまった。
「皆先に帰っちゃったね」
「そうだね」
イアンは全く気にしていない様子で最後迄食べ切り、食べ終わると今度は、早く戻ろう、一回歯磨きしたいと急かして来た。イアンが食べ終わるのを待っていたのか、寮長も帰ると言う。まだ男爵家の一年生は二、三人残っていたが、「紅茶もう一杯飲んで行くから気にしないで」と言うので、三人で寮に戻る。
帰りは何処か早足で寮長は何か考え込んでいる様子。イアンは仕切りに、「急いで食べたからお腹が痛い」と言ってお腹をさすっているので碌に会話も無い。
そんなこんなで寮に戻り筆記用具を持って自室から談話室に戻って来ると、寮長は既に居て生徒達に囲まれていた。コの字に並んだソファの真ん中に寮長は座っている。イアンはまだ戻って来ていない。寮長は彼等から報告を受けている様だ。
その様子を少し距離をあけて更に囲む様に、立ったり座ったりして、面白がっている顔で見守っているのは恐らく上級生なのだろう。知らない顔だから。アーロンはそんな中を通って、一年生達の所へ行くのは気が引けたが、待ち合わせした手前行かなければと、恐る恐る誰とは無しに上級生達に会釈しながら、寮長達の後ろにあったソファに腰を下ろした。流石に正面に行く勇気は無い。寮長達は真剣に会話している。
「やっぱり探して居たか?」
「うん。でも、もう食べ終わって帰ったのかもと納得はしてた」
「そうか、で、何時頃出た?」
「七時ちょっと過ぎ。まあ連中にしては早い方だと思うよ」
「明日もそうだと思うか?」
「それはちょっと分からない。今日の様子を見ないと」
「やっぱりそうか」
「まあ、朝はそこ迄早起きして合わせるっていう雰囲気では無かったよ」
「なら良いか。問題は昼だな」
「うん」
「あの」
話が途切れた所で、仲間に加わって何の話か聞こうとアーロンが身を乗り出すと、全員が振り返って気まずそうな顔をして黙った。
(何なの?)
話しかけてはいけなかったのか、仲間外れにされている理由が分からず悲しくなる。そこに、寮の入り口が勢い良く開いた。
「お待たせっす! バッチリっす!」
やって来たのはタイスケとイチロウだった。タイスケはにこにこで、
「バッチリ! さすがもう、ライム先輩っす! 何なら夕食もって仰ってたっす!」
と小躍りする様に入って来て、一年生の周りを囲んでいる上級生達に臆する様子もなく、真正面から寮長の元へ駆け寄って行く。その後ろをイチロウが上級生に会釈しながらおっとりと続く。
「はあ、いやこれで一安心」
「うんうん」
タイスケの報告に何故か一年生達は喜び、しかもアーロンに向けて拍手して来た。不可解。
ライム先輩の名前に上級生達がざわついている。一部はアーロンを見て意味深に頷いているので、余計に意味が分からない。
(何だろう?)
「えっと、僕にも教えて貰えますか?」
寮長は嫌そうな、というより気まずそうな顔をして、「すると恐らく君は嫌がると思うんだが」と言い淀む。はっきり言わないのは寮長らしくないし、やっぱり自分は仲間外れなのかとアーロンは嫌な気持ちになる。そこへ、「どうなったの?」とイアンが戻って来てすとんとアーロンの隣に腰を下ろした。
「上手くいった。夕食も引き受けても良いそうだ」
「ふうん。ま、夕食は僕達と一緒でも良いんじゃないの? ね」
寮長の返事を聞いた後、イアンはアーロンに首を傾げて見せた。
「えっと?」
アーロンは何が何だか分からない。
「説明してないの?」
イアンは不思議そうに寮長を見と、寮長は気まず気に首を横に振る。
「あー。じゃ、代わりに話すけど、アーロン様昼はライム伯爵家の御子息と食べて」
「え?」
「おいら達も一緒っす!」
タイスケが手を挙げる。
「なん、で?」
「嫌なの? 嫌なら断って貰うけど?」
イアンがきょとんとするので、アーロンは慌てて否定した。あの格好良いライム先輩が嫌な訳が無い。火の国の二人も嫌では無い。
「嫌じゃないけど」
「じゃあ、そういう事で」
「え?」
アーロンが訳が分からないときょろきょろしていると、別の声が割り込んで来た。
「甘いな」
そう言いながらイアンの隣に無理やり腰を下ろしたので、イアンが押されるのにつられてアーロンも押されて二人ぎゅっと狭く座る事になってしまった。
割り込んで来たのはイアンと似た容貌の生徒だった。ただ顔にはそばかすは無く、彼の方が少しがっちりしている。
「イアンの兄のルーク、よろしくね」
アーロンを覗き込んで来た顔は明らかにこの状況を面白がっている。イアンは淡々と、
「これ、二年生の寮長」
と兄を指さしてアーロンに紹介した。アーロンはそれに「初めまして」と挨拶する。
ルークは、
「うぉっ! 可愛い」
とアーロンに手を伸ばそうとして来たので、イアンに押し留められてしまう。
「何でだよう」
と不満気なルークは、「だったら愚弟もまとめて可愛がってやるぜ!」とイアンとアーロンの二人に抱き着いてきた。
「えっと」
アーロンは益々状況が見えない。ルークの醸し出す空気は明るくて嫌ではないのだが、何だかやたらに元気だし、慣れない体温に触れられる違和感と狭くなった座席がきつい。しかも相変わらず状況が見えない。イアンも居心地悪そうにもぞもぞしているし。
それに「はあ」とため息を吐いて、こちらを振り返ったままの寮長が眼鏡をくいっと押し上げた。周りの一年生達もルークの登場に困惑顔だ。
「ルーク先輩甘いってどういう事ですか?」
「ん? だって聞いたぞ、奴等昨日の夕方うちの寮迄来たんだろ?」
ルークの返事に一年生だけで無く、周りの上級生達も騒めく。寮長は苦い顔だ。
「ねえ、三年の先輩方、男爵家の寮が子爵家の連中に荒らされた事についてどう思います?」
ルークが芝居がかった様な大袈裟な素振りで、周りの上級生達に問いかける。
「キースだったら即学院に抗議だな」
「で、しょう」
どうだ、というようにルークは寮長を見るが、寮長は不満気だ。
「荒らされたって、寮の前に来ただけですよね? そこ迄言うのは大袈裟では? 寧ろ自分達は気にし過ぎな位だと思っていたんですが」
それに寮長の周りの一年生達も同意するように頷くが、ルークはアーロンとイアンから手を離して、呆れた様に肩をすくめた。
「それが分からないんなら、寮長を名乗る資格は無いな。一年生のやっている事は児戯に等しい。未来の義弟殿の腕前を楽しみにしてたんだけど、がっかりだな」
「取れる手は全て取ったつもりですけど?」
「本当にそう? 俺ならまず、本人にしっかり理解される。騎士ごっこは楽しいかもしれないけど、守られる方が理解してないと綻びが出るけど?」
とルークはアーロンをにやにやと見て来る。その笑い方が何だか馬鹿にされているように感じてアーロンはむすっとしてしまう。
「それに、伯爵家の御子息を巻き込んだのは良いけど、それっていつ迄? 向こうも見返りが無いとずっとは助けてくれないよ? 一番美味しいとこ持って行かれちゃうかもしれないけどいいの?」
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