抱かれてみたい

小桃沢ももみ

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ライム先輩との冬

ケビンの手紙とライム先輩との予定

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 試験の結果を思い、項垂れながらアーロンが寮の自室に戻ると、例の文箱が寝台の上に移動していた。

 「え?」

 アーロンは驚いて思わず声を上げた。蓋が閉まっていて、上に手紙の様な物が置かれている。机を見ると、あの忌々しい銀の鼠は居なくなっていた。

 散々だった、ぱちんこで離れた所から鼠を一撃してやろうとしたら構えた瞬間に目が光って、「警告! 警告!」とがなり立て出した。しかも声は段々大きくなっていくので、直ぐにイアンを始めとする他の部屋の生徒達が心配して駆けつけて来てしまった。凄い勢いで部屋の扉を叩かれて「大丈夫?」と友人達に心配されてしまっては、諦めるしか無かった。
 いっその事自分で何とか防音の魔道具を作ってみようか、そうしたら鼠の大声を気にせずに壊せる、と考えたのだが、図書館に魔道具自体の作り方の本は無かった。職員に尋ねると魔道具図書館にあるが、一年生はまだ中には入れないと言われてしまった。
 それで渋々我慢して忌々しい鼠と試験迄同居して来たのに、いつの間に誰がやったのか。まあ想像は付くが。

 アーロンが寝台に近付いて、手紙を取り上げると、それはケビンからだった。

 「もう!」

 兄に頭に来ながら拡げると、見慣れたケビンの汚い字が踊っている。

 『アーロンたんへ

  試験お疲れ! 明日から楽しい冬休み、アーロンちゃんはどきどきお泊まり&初体験だな! 
  前にも言ったけど、嫌なプレイを強要されたら本気で暴れて逃げて来ていいからな! 賠償金は心配するな!
  (まあライムの息子ならそんな心配はないと思う!)

  兄ちゃんからの最後のアドバイスだ。
  ライムの息子なら、多分お淑やかなのが好みだ。実家みたいに、風呂上りに裸足でぺたぺた歩くなよー。ちゃんとした貴族には裸足と裸はイコールだからな! 最初の内は借りて来た猫みたいに大人しく良い子にしとくんだぞ。
  今晩は母上に送って貰った銀鼠のお手入れセットでちゃんと全身を磨き上げておけよ! アーロンちゃんは可愛いし、若くてピチピチだけど初夜のお手入れは怠っちゃダメだぞ!

  それから、うんこの心配は無用だ! 火の国の神アイテムがあるから、気にせず朝も昼もちゃんと食っておけよ。受けちゃんは体力がいるからな。うんうん。(←洒落じゃねえぞ!)
  どうしても気になるなら、先に自分で綺麗にしておけばいい。あんまり拡張し過ぎると、処女じゃねえと勘違いされるかもしんないから、一、二分位か? ちょっとだけ待ってすぐ抜けば拡張はされずに、あら不思議! 舐めても平気な綺麗なアナルになるはずだ。
  因みに、それはライムの息子の息子サイズになってるからな! 経験豊富な兄ちゃんの見立ては完璧だ! バッチリ信用してくれ! 心の準備が要るなら、水に漬けるだけで実物大のナニのサイズに膨らむはずだ! 
  (慣れて来たらそれでアナニーするのもオススメだぜ!)

  んじゃ、イチロウに赤飯炊いて貰っておくからな!

  ケビン兄ちゃんより』
  
 アーロンは読み終わると、ぐしゃっと手紙を潰した。顔から火が出そうだった。
 そのまま顔から寝台に倒れ込むと、勢いで文箱の蓋がかたっと音を立ててずれた。アーロンは寝っ転がったまま、ごろんと横向きになって手を伸ばし、文箱の中からお尻に入れる紙縒を一つ取り出した。

 寮に残らない生徒は、明日帰る。家が遠い者は朝早く、イアンや寮長の様に家が近い者は朝食をとってから、大体皆昼過ぎには皆帰ってしまうそうだ。
 ライム先輩もいつもなら明日朝食後に寮を出るが、今年は他の生徒より一日遅らす。その延ばした一日、アーロンは伯爵家のライム先輩の部屋に泊まりに行く約束になっている。ーー伯爵家の寮の生徒達で寮に残る生徒は居ないそうなので、一日遅らせたお陰でアーロンも安心して行く事が出来る。だって、誰かに、例えば、同じクラスの伯爵家の生徒に、会ったりしたら気まずい。ーー
 それから一緒に夕飯を食べて、伯爵家の寮にお泊まりして、次の日一緒に朝食。その後、ライム先輩はタウンハウスへ移り、アーロンは自寮へ戻る。
 先輩は年内はご両親やご婚約者様と共に王都で社交、年が明けたら皆で領地へ帰る。そして新学期は、ライム先輩はいつもより一日早めに王都に戻って来る。アーロンはその日伯爵家のタウンハウスにお呼ばれしていて、一泊、次の日は一緒に登校、という予定だ。

 何故それを兄が知っているのか! 僕言ってないのに!と紙縒を弄りながらむっとしたが、考えれば分かる。火の国の二人には明日と新学期の前日はライム先輩と約束したから一緒に行動出来ないと話したし、リバー先生にも外泊許可を申請したから、そのどちらかから聞いたのだろう。
 リバー先生も幾ら恋人だからって、簡単にアーロンの部屋に兄を入れてしまうのはやめて欲しい。
 
 今度は仰向けになって、アーロンは目の前に紙縒を近付けてよく見た。

 うっかり、兄が置いて行った銀の鼠を見てしまった事は何度かあって、アーロンの紙縒についての知識は完璧だ。その前からケビンにも聞いていたし。大きさが色々あるのは知っていたが、ライム先輩の息子の大きさって何なんだ!と兄の手紙の内容を思い出し、怒りと恥ずかしさでアーロンはまた顔が赤くなる。

 紙縒は手で持つ部分が紅色になっている。それ以外は白っぽい紙の様な見た目で、指の半分、いやもっとか、かなり細いので、これなら確かにお尻に入るだろうと思える。持ち手の色がついていなかったら本当にただ紙を撚っただけの様に見える。これが膨らんで男性器の大きさになるなんてとても不思議だ。そんな卑猥な物になるんじゃ無かったら、いつものアーロンなら入手したら直ぐに確かめていただろう。でもどういう物か、よくよく聞かされていたので触りたく無かったのだ。存在し無い物としておいたのに、とうとう使ってみないといけない日が来るとは。
 確かに食事の事は気になっていた。食べない方がいいのかとは思ったが、そんなのはとても我慢出来そうにないので少しだけにしようかと考えたりはしていた。それでもやっぱり食べたら出る物は出るだろうから……、と考えたが、最後は面倒になって考える事を放棄していたのだった。
 
 「これをお尻に入れて、色が付いてる所のちょっと上を残すように入れたら色が変わって来るのが分かるから、薄桃色になったら綺麗になっていて、持ち手と同じ紅色になる迄入れて置いたら拡張されるんだったよね……」

 うじうじしていても仕方が無い、明日はどうせやらなきゃなんだし、ライム先輩にやって貰うのも何だから、多分その前にお手洗いかお風呂を借りて自分でやろう。だったら前もって試さなきゃ!とアーロンは新台から起き上がった。

 「はあ。よし! お風呂に入ろう! ……うん」
 
  
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