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6 二人乗りですか?
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「申し訳ありません。ちょっと狭いかもしれませんけど……」
千葉動物園なら、駅前からモノレールですかね、と言ったら「僕、車で来てるんです。だから車で行きませんか?」と言われ……。そして今、駅近の駐車場だ。深緑色の二人乗りのオープンカー。いや、駐車場では屋根は閉じられていたが。
「外車?」
「いえいえ、日本車ですよ。ほら」
示されてエンブレムを見ると、見慣れた日本車のマークだった。
「ほんとだ、オープンカーなんて出してるんですね。知らなかった」
買えないからねえ、無職だし。車には詳しくないよと内心洋介は拗ねる。
「普段乗る時一人なんで、二人乗りで良いかなって思ったら、結構選択肢が限られていて、こういうスポーツカータイプか、軽自動車がもっと小さくなった物しか無かったんです。軽自動車タイプは僕みたいな背の高い男が一人で乗るには、ちょっと可愛過ぎるかなって思いまして、こちらに……」
苦笑されたけど、可愛いタイプも似合うと思うよ。雰囲気柔らかいから。言わないけどねと洋介は心の中でつっこんだ。
右ハンドルにホッとしながら、恐る恐る新車みたいに綺麗な車に足を入れる。たまにうるさい奴がいるのだ。土禁とか。どこのヤンキーかって思うよ。
ゴソゴソやっているので、何かなと見ると、コートの下に着られるユニクロの薄手のダウンと高価そうな鞄を抱えてどうしようという顔だった。ああ、二人乗りだから俺が助手席に座ったら荷物置くとこがないのかと洋介は気が付いた。
「それ、それ持ちましょうか?」
「え? 悪いですよ。トランクに入るんで」
「ああ、でも車で十分もしない距離でしょ。膝の上に乗せときますよ。星さんが嫌でなけりゃ」
「……じゃあ、すみません。ありがとうございます」
いやいや、と言いながら洋介は車に乗り込んで、ほいと手を伸ばした。ダウンを小さく畳んで鞄に詰め込んでから、お願いしますと手渡される。この鞄イタリアのハイブランドのだ。ユニクロダウンに親近感を抱いてたが、この鞄は高い。過去の洋介も欲しいなと思ったが、とてもじゃないが手が届かなかったやつだ。傷をつけたらマズイと膝の上が落ち着かない。
乗ってみたら、オープンカーは狭いなりに収まりは良かった。何だか包み込まれるような安心感がある。そして、車内に埃一つない。うちの親の車とはエライ違いだと洋介は感心する。家の車は、いつ洗ったのってくらい汚れてて、ボンネットには猫の足跡も残ってるしで、雨が降らない限り外装は汚いまま。中も掃除しているのを見た事がない。ダッシュボードをツーって指でなぞったら白い線が出来るくらい埃が溜まっている。
けれど、デカイ男二人で乗るにはちょっと狭いかなあとも思う。荷物がなければマシなのだろうか? 恐らく二人乗りでも作り手は男女のカップルを想定した筈だ。間違っても男同士のカップルなんて想定していない筈。などと考えていたら、顔に出ていたのか、不安げに上目遣いで、「狭いですか?」と訊かれてしまった。どうやら星は、シートをかなり下げて倒す人のようだ。また上目遣いで見られて洋介は何故かドキドキしたのだが、すぐにそんな事は忘れてしまった。それと言うのもその後、星に密着されたからだ。
「座りづらかったら、シート下げて下さい。それまだ下げられる筈ですから」と言いながら洋介の方に身を乗り出してシートを下げようとしてきたので、このままで良いからと断った。すぐ降りるのに面倒だし、ゆったりくつろいでしまいそうになるのが怖かった。それに何か、近寄ったら物凄く良い匂いがしたのだ。
ドキドキして、仰け反るように洋介が星から距離を取るとおかしな顔をされて、「大丈夫ですか?」と心配されてしまう。それを誤魔化していたら、「やっぱり狭いですかね?」と星の眉が下がる。口もちょっとヘニョってなっていて……。
「あ、いや……。ちょっとね」
気まずくなりそうだったので、いっそ狭さを認めようと笑いながら答えると、じゃあ、「上開けます?」って提案され慌てて、「いいです。このままで。オジサンにはちょっと寒いから」と拒否したら、笑われた。笑われたよ。クスって感じで嫌な笑い方じゃなかったけど。オジサンはショックだよ。洋介は傷ついた。オジサンの心臓はガラスのハートなのだ。
「岬さんはオジサンには見えないですよ」
「い、いやあ? だって、星さん薄着だよね。俺、だいぶ着込んでるよ。セーターもコートも厚手だし、下にも着てるし」
「でも僕もダウン持ってきました。中に着られるように」
「あ、ユニクロの? さっき入れてたね。ここに」
洋介がニヤッと笑って、膝の上の星のカバンを指差すとえへへと笑いながら、星がエンジンを入れる。さり気なく暖房も付けてくれた。優しい。そしてちょっと可愛いかもしれない。会社に年下の同僚もいたが、一通り仕事を覚えると皆可愛げがなくなっていく。人の揚げ足を取り、からかったりする。素直で可愛いのは最初だけだった。
ナビに、千葉動物園を入力する星を見る。その様子を見ていて気が付いた、あ、千葉動物園じゃなかった、千葉動物公園だったと。内心慌てたが、星は洋介の間違いには何も言及しなかった。
素知らぬ顔で、ふうと息を吐きシートに頭をつけて深く腰掛ける。ホームなのに、年上なのに、間違って気まずい。星は気が付かなかったのか、優しさからなのか。何となく優しさの方の気がするが、洋介の間違いを指摘しないでくれる人でありがたかった。もし指摘されていたら、すぐに帰りたくなっただろう。
それにしてもさっきのあれ、何だったのだろう。男だぜ、妊娠出来る人でも、俺的にはアウトだよ。だのに、密着しそうになったらドキドキした。ま、普通に友達でも、あんま仲良くない奴に急にすんげえ近くに来られるとやだなぁって思うのと同じ事かな。
なんて考えていたら、星があれ?という顔をした。
「何です?」
「岬さん、文庫本持ってましたよね。僕を待ってた時、駅で読まれてた」
「ああ、ポッケに入れた」
とモゾモゾ動いて、ダッフルのポケットから文庫本の頭を出して見せる。
「ああ」
「因みに、財布とスマホはコッチ」
反対側のポケットを叩いて見せる。
「ああ」
会話しながらナビを入力していた星が、あ、と声を上げた。
「何?」
「十五分です、動物公園迄」
と困ったように洋介の膝の上の鞄を見る。ああ、さっき、十分程度なら膝の上に鞄乗せてても平気って言ったからか。
「別にいいよ。ぷっ。何それ、十分も十五分も大して変わらないだろ」
笑いながら答えると、「それもそうですね、えへへ」ってまた可愛く星が笑う。良かった笑ってくれた、何だそれ、五分くらいで気にしちゃって。そんな年下可愛すぎだろと洋介は自分でも気が付かないうちに浮かれる。
ゆっくりと車を出しながら、星が訊いて来た。車の性能か、元々の性格か、星の運転は滑らかでスムーズだ。
「いつも身軽なんですか? 普段から荷物は少ないんですか?」
「んー、そうでもないよ。今日は本が小さかったからね。その時によるかな」
「それでも凄い。僕はいつも荷物が大きくなっちゃうんです。あれもこれもって持って来ちゃって」
「でも、車で移動してるんだろう? だったら、荷物が大きくても構わないんじゃないの?」
なんか、俺も微妙に敬語が取れて来たな。狭い車効果かなと思っていたら、駐車場の料金精算機の前に出た。
「あ、財布」
洋介がさっと自分の財布をポケットから出すと、いやいやとそれを制して星は洋介の膝から自分の鞄を持ち上げた。
「でもさあ、東京からわざわざ来て、ガス代もかかってるだろ?」
「でも、車で来たのは僕の勝手ですから。それに先程のお店では岬さんに払って頂きましたし。何より動物園に行きたいって言い出したのは僕ですし」
さっきの店では、俺の方がずっと年上だからって、洋介が出したのだ。わざわざ千葉まで来てくれたしって。そうしたら、じゃあ動物園は僕が払いますって言われた。動物園って幾らだろう? 多分そんな高くない、ランチより安いだろうなと、じゃあ、それでお願いって受け入れた。
ニコッと笑って、鞄から財布を出されると洋介はそれ以上強く言えなくなってしまう。しかも財布も鞄と同じブランドのやつだった。マジかよ。
「ああ、そうかあ? なら仕方ないのかな?」
「ええ」
何とか笑顔で体裁を作ってはみたが惨めになった。だって、働いてないし、金もないし。大体、食事代だって富士子から一万貰って来たのだ、奢ったと言っても自分の金じゃない。年上なのに情けないなと洋介はため息吐きたくなって、上げた口角がヒクヒクするような気がした。
千葉動物園なら、駅前からモノレールですかね、と言ったら「僕、車で来てるんです。だから車で行きませんか?」と言われ……。そして今、駅近の駐車場だ。深緑色の二人乗りのオープンカー。いや、駐車場では屋根は閉じられていたが。
「外車?」
「いえいえ、日本車ですよ。ほら」
示されてエンブレムを見ると、見慣れた日本車のマークだった。
「ほんとだ、オープンカーなんて出してるんですね。知らなかった」
買えないからねえ、無職だし。車には詳しくないよと内心洋介は拗ねる。
「普段乗る時一人なんで、二人乗りで良いかなって思ったら、結構選択肢が限られていて、こういうスポーツカータイプか、軽自動車がもっと小さくなった物しか無かったんです。軽自動車タイプは僕みたいな背の高い男が一人で乗るには、ちょっと可愛過ぎるかなって思いまして、こちらに……」
苦笑されたけど、可愛いタイプも似合うと思うよ。雰囲気柔らかいから。言わないけどねと洋介は心の中でつっこんだ。
右ハンドルにホッとしながら、恐る恐る新車みたいに綺麗な車に足を入れる。たまにうるさい奴がいるのだ。土禁とか。どこのヤンキーかって思うよ。
ゴソゴソやっているので、何かなと見ると、コートの下に着られるユニクロの薄手のダウンと高価そうな鞄を抱えてどうしようという顔だった。ああ、二人乗りだから俺が助手席に座ったら荷物置くとこがないのかと洋介は気が付いた。
「それ、それ持ちましょうか?」
「え? 悪いですよ。トランクに入るんで」
「ああ、でも車で十分もしない距離でしょ。膝の上に乗せときますよ。星さんが嫌でなけりゃ」
「……じゃあ、すみません。ありがとうございます」
いやいや、と言いながら洋介は車に乗り込んで、ほいと手を伸ばした。ダウンを小さく畳んで鞄に詰め込んでから、お願いしますと手渡される。この鞄イタリアのハイブランドのだ。ユニクロダウンに親近感を抱いてたが、この鞄は高い。過去の洋介も欲しいなと思ったが、とてもじゃないが手が届かなかったやつだ。傷をつけたらマズイと膝の上が落ち着かない。
乗ってみたら、オープンカーは狭いなりに収まりは良かった。何だか包み込まれるような安心感がある。そして、車内に埃一つない。うちの親の車とはエライ違いだと洋介は感心する。家の車は、いつ洗ったのってくらい汚れてて、ボンネットには猫の足跡も残ってるしで、雨が降らない限り外装は汚いまま。中も掃除しているのを見た事がない。ダッシュボードをツーって指でなぞったら白い線が出来るくらい埃が溜まっている。
けれど、デカイ男二人で乗るにはちょっと狭いかなあとも思う。荷物がなければマシなのだろうか? 恐らく二人乗りでも作り手は男女のカップルを想定した筈だ。間違っても男同士のカップルなんて想定していない筈。などと考えていたら、顔に出ていたのか、不安げに上目遣いで、「狭いですか?」と訊かれてしまった。どうやら星は、シートをかなり下げて倒す人のようだ。また上目遣いで見られて洋介は何故かドキドキしたのだが、すぐにそんな事は忘れてしまった。それと言うのもその後、星に密着されたからだ。
「座りづらかったら、シート下げて下さい。それまだ下げられる筈ですから」と言いながら洋介の方に身を乗り出してシートを下げようとしてきたので、このままで良いからと断った。すぐ降りるのに面倒だし、ゆったりくつろいでしまいそうになるのが怖かった。それに何か、近寄ったら物凄く良い匂いがしたのだ。
ドキドキして、仰け反るように洋介が星から距離を取るとおかしな顔をされて、「大丈夫ですか?」と心配されてしまう。それを誤魔化していたら、「やっぱり狭いですかね?」と星の眉が下がる。口もちょっとヘニョってなっていて……。
「あ、いや……。ちょっとね」
気まずくなりそうだったので、いっそ狭さを認めようと笑いながら答えると、じゃあ、「上開けます?」って提案され慌てて、「いいです。このままで。オジサンにはちょっと寒いから」と拒否したら、笑われた。笑われたよ。クスって感じで嫌な笑い方じゃなかったけど。オジサンはショックだよ。洋介は傷ついた。オジサンの心臓はガラスのハートなのだ。
「岬さんはオジサンには見えないですよ」
「い、いやあ? だって、星さん薄着だよね。俺、だいぶ着込んでるよ。セーターもコートも厚手だし、下にも着てるし」
「でも僕もダウン持ってきました。中に着られるように」
「あ、ユニクロの? さっき入れてたね。ここに」
洋介がニヤッと笑って、膝の上の星のカバンを指差すとえへへと笑いながら、星がエンジンを入れる。さり気なく暖房も付けてくれた。優しい。そしてちょっと可愛いかもしれない。会社に年下の同僚もいたが、一通り仕事を覚えると皆可愛げがなくなっていく。人の揚げ足を取り、からかったりする。素直で可愛いのは最初だけだった。
ナビに、千葉動物園を入力する星を見る。その様子を見ていて気が付いた、あ、千葉動物園じゃなかった、千葉動物公園だったと。内心慌てたが、星は洋介の間違いには何も言及しなかった。
素知らぬ顔で、ふうと息を吐きシートに頭をつけて深く腰掛ける。ホームなのに、年上なのに、間違って気まずい。星は気が付かなかったのか、優しさからなのか。何となく優しさの方の気がするが、洋介の間違いを指摘しないでくれる人でありがたかった。もし指摘されていたら、すぐに帰りたくなっただろう。
それにしてもさっきのあれ、何だったのだろう。男だぜ、妊娠出来る人でも、俺的にはアウトだよ。だのに、密着しそうになったらドキドキした。ま、普通に友達でも、あんま仲良くない奴に急にすんげえ近くに来られるとやだなぁって思うのと同じ事かな。
なんて考えていたら、星があれ?という顔をした。
「何です?」
「岬さん、文庫本持ってましたよね。僕を待ってた時、駅で読まれてた」
「ああ、ポッケに入れた」
とモゾモゾ動いて、ダッフルのポケットから文庫本の頭を出して見せる。
「ああ」
「因みに、財布とスマホはコッチ」
反対側のポケットを叩いて見せる。
「ああ」
会話しながらナビを入力していた星が、あ、と声を上げた。
「何?」
「十五分です、動物公園迄」
と困ったように洋介の膝の上の鞄を見る。ああ、さっき、十分程度なら膝の上に鞄乗せてても平気って言ったからか。
「別にいいよ。ぷっ。何それ、十分も十五分も大して変わらないだろ」
笑いながら答えると、「それもそうですね、えへへ」ってまた可愛く星が笑う。良かった笑ってくれた、何だそれ、五分くらいで気にしちゃって。そんな年下可愛すぎだろと洋介は自分でも気が付かないうちに浮かれる。
ゆっくりと車を出しながら、星が訊いて来た。車の性能か、元々の性格か、星の運転は滑らかでスムーズだ。
「いつも身軽なんですか? 普段から荷物は少ないんですか?」
「んー、そうでもないよ。今日は本が小さかったからね。その時によるかな」
「それでも凄い。僕はいつも荷物が大きくなっちゃうんです。あれもこれもって持って来ちゃって」
「でも、車で移動してるんだろう? だったら、荷物が大きくても構わないんじゃないの?」
なんか、俺も微妙に敬語が取れて来たな。狭い車効果かなと思っていたら、駐車場の料金精算機の前に出た。
「あ、財布」
洋介がさっと自分の財布をポケットから出すと、いやいやとそれを制して星は洋介の膝から自分の鞄を持ち上げた。
「でもさあ、東京からわざわざ来て、ガス代もかかってるだろ?」
「でも、車で来たのは僕の勝手ですから。それに先程のお店では岬さんに払って頂きましたし。何より動物園に行きたいって言い出したのは僕ですし」
さっきの店では、俺の方がずっと年上だからって、洋介が出したのだ。わざわざ千葉まで来てくれたしって。そうしたら、じゃあ動物園は僕が払いますって言われた。動物園って幾らだろう? 多分そんな高くない、ランチより安いだろうなと、じゃあ、それでお願いって受け入れた。
ニコッと笑って、鞄から財布を出されると洋介はそれ以上強く言えなくなってしまう。しかも財布も鞄と同じブランドのやつだった。マジかよ。
「ああ、そうかあ? なら仕方ないのかな?」
「ええ」
何とか笑顔で体裁を作ってはみたが惨めになった。だって、働いてないし、金もないし。大体、食事代だって富士子から一万貰って来たのだ、奢ったと言っても自分の金じゃない。年上なのに情けないなと洋介はため息吐きたくなって、上げた口角がヒクヒクするような気がした。
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