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エピローグ
しおりを挟む会社から帰宅してシャワーで汗を流し、体が冷める前に布団に潜り込もうとした時。小倉純子のスマホが着信を告げ、知らない電話番号が表示された。
訝しく思いながらも、仕事関係の電話だったら無視する訳にはいかない。変な電話だったら着信拒否すればいい…と思い画面をタップした。
「はい?」
「…もしもし? 純子? 私…咲江…………覚えてる?」
咲江。忘れる訳が無いその名前。久しぶりに聞く咲江の声は小さく聞き取りずらい。少し震えているようにも感じる。
「…なに?」
内心では、聞きたくも無い声と名前にスマホを放りたくなる。感情を抑えて、なるべく平常心で返したが、かなり尖った口調になった。
「あの……。直のお参りに行きたくて…。場所を教えてくれる?」
幼馴染が消えてしまってから、そろそろ4ヶ月になる。寒かった冬は終わり、桜の便りが聞こえ始め、今は満開。
彼女は冷たい石の下だ。
「どうして?」
返事は無かった。
純子は天井を見上げた。6畳の小さな天井。この部屋に彼女は何回訪れただろう?
ベッドに腰掛け、たわいもない話をどれだけしただろう。
やっと心が落ち着き始めた今、この一本の電話で寂しさが込み上げて涙が滲む。
お風呂上がりの湿った髪をタオルでかきあげながら涙を拭い、ベッドサイドに腰をおろすと、サイドテーブルに置かれている小さなぬいぐるみが目に入った。
2匹の猫が仲良く抱き合っている、握り拳ほどの大きさのぬいぐるみ…。器用で手芸が好きだった彼女から「可愛く出来たから…」と、貰ったものだ。
「器用でいいね」って言うと「暇な時間が多いだけだよ」と、返された。
その時のはにかんだ笑顔が目の前に現れて、又、涙が溢れた。
困った時は髪を触る癖があった。
髪が増えてきた時の嬉しい気持ちを思い出すんだって、言っていた。
長い沈黙の後「謝りたくて…」咲江は、消えそうなほど小さな声で返事をした。
***
澄みきった、薄い青色が高く広がる。
A市の端の小高い丘の駐車場に、純子は車を駐めて階段を上った。春らしいラベンダー色のAラインのニットに白いスキニーパンツ、ピンクベージュのスプリングコートが風になびく。
髪は綺麗に結い上げてあるが、春の強い風に当てられて乱れ気味だ。
階段の両脇には桜の木が植えてあり、足元には色鮮やかな新芽達が顔を出し、水仙が行く先を導くように、石段に沿って咲き誇る。
早くに咲いた桜は葉桜に変わりつつあり、風に舞い落ちる花弁を眺めながら一歩一歩登る。
胸に抱いた花束は、ピンクのスイトピー、ガーベラ、チューリップ、カスミソウとデルフィニウムを白のリボンを使い、小ぶりで上品にまとめてある。
店先で「女の子に」と言ったらパステルカラーで可愛く作ってくれた。
前回来たのは2月18日。暦の上では春とは言っているが、当日は雪がちらつき、世界はまだまだ冷たい灰色だった。1月の終りに「納骨が終った」と、彼女の母親から電話をもらい、それに対してなんて返事をしたのか覚えていない。自宅には何度かお参りに行ったが、お墓にはなかなか足が向かなかった。でも、彼女の20歳の誕生日にはどうしても彼女に直接お祝いを言いたかった。午後から休みを取り、ブラックフォーマルに着替えて花を買って、ここで一人、声をあげて泣いた。
あんなにも殺風景だった景色が、あっという間に春色に変わり、季節の移り変わりの速さを物語る。
風はまだ冷たいが、若葉の香りが春の空気に包まれて、爽やかに通りすぎた。
階段を登りきると両脇にはベンチが置いてあり、足元の花壇にはパンジー、ムスカリ、ノースポールなどの色とりどりの春の花達が遠くまで植えられており、奥には風にそよぐ大ぶりのこでまりと、遅咲きのしだれ桜が見えた。
市営墓地の春は花で溢ていた。
純子は花束をそっと持ち替え、ベンチに腰を下ろし、人を待った。
5分ほど待つと、待ち人がやって来た。
狭川咲江。旧姓、石山咲江が、大きな花束を抱えながらゆっくりと近づいて来た。
「突然、ごめん……」
ベンチの横に立つと、消え入りそうな声で咲江は囁いた。
「いいよ。日曜日は予定もないし…」
純子は咲江を一瞥する。ブラックフォーマルのアンサンブルで胸には、こぼれ落ちそうなほどの花束を抱えていた。白いスプレーマムを中心にカーネーション、アルストロメリア、ストックが、風に揺れる。
目を合わせる事なく立ち上がり、歩き始める。
咲江も純子と視線を合わせる事なくパンプスの音を響かせ、俯きながら後ろに付いた。
碁盤の目のように並べられた墓地の右側を歩き、迷う事なく足を止める。
純子は無言で花を生けると、慣れた手つきで蝋燭に火を付け、線香を添えて膝を折って手を合わせた。
咲江はその様子を虚ろな目で眺めた後、はっとしたように慌てて花束を供え、同じく膝を折り、手を合わせた。
どれだけ時間が経ったのだろう。
俯いたままの咲江が堰を切ったように泣き始め、声を抑えることもなく泣きじゃくる。
純子は少し驚いたように顔を向けたが、冷たい目はそのままで咲江を見つめた。
少しずつ落ち着いてきた咲江は、苦しそうに…声を絞り出すように、ぽつりぽつりと話始めた…。
「直を…見たの。その日は、Y市の病院から出産で、転院して…A病院を初めて受診したの…。旦那も、心配して付いてきてくれてね…その時に「胎児に異常があるかも」って、言われて…目の前が真っ暗になった…」
純子は話をきているのか、いないのか。視線は墓前に移し、無表情だ。
「取り乱す私を…旦那は必死でなだめてくれたの。でも…その時に直を見たの。信じられないくらいのイケメンと一緒にいてね…幸せそうに笑ってた…。憎らしくて…ね。どうして、あの子が…笑ってるの? て…思った…。し、死ねばいいのにって思ったよ…」
純子の眉がピクリと動く。でも視線は墓前から逸らす事は無かった。
「そ……その後、きちんと調べたら、子供には異常は無いって分かったの…。でも安心なんて出来なかった…」
言葉は途切れ途切れで、時々嗚咽が漏れた。でも咲江は話す事を止めずに鼻をすすりながら続けた。
「な、直が…し、死んだって…連絡が来た時は頭、真っ白になった…。だって、し…死ねばいいって思ったから…ね。……自分が…って、その時やっと、気が付いた……」
話し始めてから、どれだけ時間が経ったのだろう? 咲江は長い沈黙を挟みながらたどたどしく言葉を繋げる。手も足もガクガクと振るえ、涙は止まる事が無かった。
「こ、子供が…産まれて、検査結果も…異常なくて…ほっとしたんだけど、す、凄く心配な事があってね…。ウチの子、すごく髪が薄かったの…。し、新生児室で何人か並ぶでしょう? 一番うすくて心配で心配で…。な、直の呪いかなって…」
「…かもねっ」
純子は憤る気持ちを隠そうともせず、言葉を投げ捨てた。
咲江はビクリと体を震わせると、再び声を上げて泣いた。
「か……看護師さんは、心配ないって言ってくれたし、お義母さんも…「普通だよ」って言ってくれたんだけど…。女の子なのに、どうしようって…。今では、人並みに、なったんだけど、本当に怖かった……」
咲江の足元には無数の涙が、滝のようにぼたぼたと流れ落ちた。
「…私、直に、酷い事言った…。自分が、恥ずかしい。やっと…気が付いた。本当に酷い事、した。ごめん。ごめん。ごめん!」
最後の謝罪は、体全体から絞り出すような悲鳴だった。
「あの時は…全てが嫌いだった。その中で、弱い子ばかりを狙ってた。本当に酷いよね…私…」
純子は無言だった。咲江の境遇は知っていた。咲江だけが悪い訳ではないという事も理解できた、でも…だからといって、優しくできるほど大人にはなれない。
もしも…咲江が両親の愛情を一身に受けて育ったら? 彼女はあんなに辛い思いをしなくて済んだのだろうか?
そこまで考えて「仮説の話をしても現実は変わらない」と思い直し、軽く首を振った。
いつも小さく微笑んでいた。何かを話そうと、口を開けては閉じる動作に気が付いたのはいつだったろう。
いつか、彼女から話してくれるだろうと無理に聞くことはせずに待ってみたけど、結局聞けなかった。
咲江は自分の行動の罪を、どこまで自覚しているのだろうか?
***
4ヶ月前…。初雪が降るという予報が朝からテレビを賑わせていた。
突然の訃報に、震える足を押さえながら駆けつけ、目覚める事のない彼女と対面した。
葬儀当日は、日曜日という事もあってか同級生の姿もちらほら見えた。ほとんどが、高校の同級生だろうか? 知らない女子達が泣いていた。
中学の頃の同級生の顔も見えたが、遠巻きに様子を伺うように立っていて皆深く俯いていた為、表情は見えなかった。
『〇〇中学校同級生一同』と、黒い文字で書かれた菊や百合の花の前に佇む喪服を身に纏う彼女の母親を見つけ、純子がそっと近づくと視線だけを純子に向け、又、戻した。顔色は、死人のように蒼白で、目は虚ろだった。
「こんな花…いらないって言ったのに……」
彼女の母親は独り言のように呟き始めた。
「中学の時ね、直が部屋にこもるのが怖くて…。年頃だから勝手に扉を開けるわけにはいかないでしょう? 生きているかどうか…確認したくて…何時も扉の前で耳をそば立てたわ…音がすると、ホッとした…」
純子の顔が苦痛に歪む。胸元で拳を血が出るかと思うほど握り締めた。
「落ち着いてからも、怖かったわ。でも…もう、そんな思いしなくていいのね…」
涙を流す事はなく彼女の母親は、静かに踵を返し、その場を去った。
純子は、かける言葉が見つからず、後ろ姿を眺めるだけだった。
物心ついた頃から直とは一緒にいた。
喧嘩もした。絶交もした。意地悪もしたし、された。
けど、気が付くとまた、隣には直がいた。
入院する前の直は走る事が好きで、スカートで木登りをしたり、靴のまま川に入ったりして怒られて…それでもげらげら笑うような活発でやんちゃな女の子だった。
純子が10歳の誕生日を迎えて数日経ってから、突然「直が入院した」と、母親から聞いた。学校には何日も来なくて…。でも、ひょっこり現れるだろうと、あまり気にはしなかった。
直の母親を見かける事がなくなって、直の家は空き家のように静まり返っていた。
ある日、晩御飯を食べている時に救急車の音が聞こえて、家族で窓から覗いた。直の家の前で停まるところが見えて、母親が慌てて駆けつけた。
小さな純子にはよく分からなかったけど「赤ちゃんが危ないらしい」と大人達が言っていた。
その日から、直の父方の祖母が直の家に泊まるようになり、純子の母親も家を空ける事が多くなった。
ある日、母親に連れられて病院へ行った。久しぶりに直に会えるとうきうきしながら付いて行った。でも、病室は個室で、マスクを渡された。
入った時、殴られたような衝撃を受けた。
青白い顔。痩せた体。焦点の合わない目。薄くなった髪の毛。
この時、初めて状況の深刻さに気が付いた。正直…10歳の子供に見せるものではなかった…と、今では思う。
青白い顔をして隣に座っていた直の母親が立ち上がり「純子ちゃんが来てくれたわよ」と、直の耳もとで囁くと、直はゆっくりと声のするほうに顔を向けた。
布団から左手を出し「じゅんこ?」と弱弱しく空を探った。視線は合わなかった。
「ごめんね。今、視力が弱くて…」
直の母親に囁かれ、純子はハッとして直の手を取った。
その時の直の弱弱しながらも、嬉しそうな顔は何年経っても忘れる事ができない。
その後の事は朧気だ…。学校の話や友達の話をして帰ったような気がする…。
後から母親から聞いた話では、私達が帰った後に直は「学校へ行きたい」と少しずつ食べるようになったらしい。暫くして直の母親が「純子ちゃんありがとう」と泣きながらお菓子を持ってお礼に来た。
***
「いつか…直の、お仏壇に手を合わせに…行ってもいいかな?」
咲江が、たどだとしく声を絞り出す。
「好きにすれば?」
「ねえ、一緒に……」
「行かないよっ」
純子は突き放すように言葉を吐いた。
「その時は、あんたの取り巻き連れて、取り巻きと行きなよ! 私は、あんたとは、絶対一緒に行かないっ」
「そうだね。うん。ごめん…」
咲江は俯くと又泣いた。
純子は空を見上げた。不思議と涙は出てこなかった。そっと空の向こうにいる彼女に話しかけた…。
誠人の事が好きだったよね? だって誠人の話が出ると分かり易いくらに目が輝いて、前のめりで話を聞いてきたんだから。だから誠人の情報は知ってる限り話したんだよ。そのたびに、嬉しそうにはにかんだり、泣きそうに眉を寄せたり。恋する女の子はなんて可愛いんだって思ったよ…。
最後まで直接聞くことはなかったけどね…。
いつか機会があったら、誠人を連れてくるよ。いいよね?
風が強く吹いて、桜の花弁が大きく舞い、どこまでも続く空に吸い込まれた。
~fin~
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