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第6話
「それはどうでしょうね…。私が持っている書類はもう一枚ありますから」
「…なんだと?」
グレイはそう言葉を発すると、先ほどと同じく自身の懐からもう一枚の紙を取り出し、伯爵に向けて提示する。
…するとそこには、伯爵のよく知る文体でこう言葉がつづられていた。
『臣下からの信頼を失った時、貴族家は死ぬ。お前がこれほど好き勝手な行動をとる人間だとは思ってもいなかったよ。伯爵家に住まう多くの者たちからの言葉を受け、クレスト第一王子の名の下にお前の有する全権限を停止する。以上』
「…!?!?!?!?!」
その手紙を見た時に伯爵の感じた衝撃は、その前の者とは大きく違っていた。
なぜなら、そこには伯爵しか知りえない第一王子本人を示す印章があったためだ。
…つまりこれが本物であるなら、さきほどの紙に書かれていたものも本物ということになり…。
「グレイ様!!実は私はずっとグレイ様との関係を望んでいたのです!!伯爵様との婚約関係は、つなぎに過ぎないのです!私はずっとずっとグレイ様の事を見ていたのですから!」
「なっ!?お、おいスフィア!!いったいどういうつもりだ!!」
目の前に広がる光景がすべて現実のものであるということを認識した途端、途端に態度を豹変させるスフィア。
その姿はもはや清々しささえも感じるレベルであり、オードリーの言っていた事の全てが現実になった瞬間だった。
「ねぇグレイ様、オードリーお姉様よりも私の方が魅力的に決まっていますよ?今ならすぐに乗り換えることができますよ?後から後悔してしまうくらいなら、今決断された方が絶対に良いと思いますよ?」
「まてスフィア!僕の事を裏切るんじゃない!!」
「離してください伯爵様!!貴族じゃなくなったあなたに魅力なんてなにもありません!!もうこれ以上私を巻き込まないでください!!」
「ちょっとまて!!そもそも最初に僕の事を巻き込んできたのは君の方だったじゃないか!姉に先に婚約されるなんて気に入らないから、自分がそれを奪うんだとか言っていただろう!!」
「いい加減にしてください!!」
…どこまでも醜く言葉を掛け合う二人。
ここまで来たなら、これ以上グレイが何か言葉をかける必要もないのだろう。
「…なんだと?」
グレイはそう言葉を発すると、先ほどと同じく自身の懐からもう一枚の紙を取り出し、伯爵に向けて提示する。
…するとそこには、伯爵のよく知る文体でこう言葉がつづられていた。
『臣下からの信頼を失った時、貴族家は死ぬ。お前がこれほど好き勝手な行動をとる人間だとは思ってもいなかったよ。伯爵家に住まう多くの者たちからの言葉を受け、クレスト第一王子の名の下にお前の有する全権限を停止する。以上』
「…!?!?!?!?!」
その手紙を見た時に伯爵の感じた衝撃は、その前の者とは大きく違っていた。
なぜなら、そこには伯爵しか知りえない第一王子本人を示す印章があったためだ。
…つまりこれが本物であるなら、さきほどの紙に書かれていたものも本物ということになり…。
「グレイ様!!実は私はずっとグレイ様との関係を望んでいたのです!!伯爵様との婚約関係は、つなぎに過ぎないのです!私はずっとずっとグレイ様の事を見ていたのですから!」
「なっ!?お、おいスフィア!!いったいどういうつもりだ!!」
目の前に広がる光景がすべて現実のものであるということを認識した途端、途端に態度を豹変させるスフィア。
その姿はもはや清々しささえも感じるレベルであり、オードリーの言っていた事の全てが現実になった瞬間だった。
「ねぇグレイ様、オードリーお姉様よりも私の方が魅力的に決まっていますよ?今ならすぐに乗り換えることができますよ?後から後悔してしまうくらいなら、今決断された方が絶対に良いと思いますよ?」
「まてスフィア!僕の事を裏切るんじゃない!!」
「離してください伯爵様!!貴族じゃなくなったあなたに魅力なんてなにもありません!!もうこれ以上私を巻き込まないでください!!」
「ちょっとまて!!そもそも最初に僕の事を巻き込んできたのは君の方だったじゃないか!姉に先に婚約されるなんて気に入らないから、自分がそれを奪うんだとか言っていただろう!!」
「いい加減にしてください!!」
…どこまでも醜く言葉を掛け合う二人。
ここまで来たなら、これ以上グレイが何か言葉をかける必要もないのだろう。
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