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第2話
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ルーグ様からの言葉を受け取った私は、そのまま王宮を去るべく準備を始めていた。
そんな時、私は一人の女性から不意に話しかけられた。
他でもない、ルーグ様が新しい婚約者として私に報告してきたリーフォである。
「あら、ルーグ様の元婚約者のナータリアさんじゃない。そんなところで一体何をしているの?」
聞くだけで相手をイライラさせる口ぶりを見せながらそう言葉を投げてくる。
それはわざとなのだろうけれど、だからこそ性格の悪さが垣間見える。
「リーフォさん、こんにちは。ルーグ様との新しい婚約関係を結ぶことができたそうですね。おめでとうございます」
「あなたに祝ってもらえるなんてうわしいわ。だってあなた、内心では悔しくて仕方がないものだと思っていたもの」
「悔しくて?」
「ええ。ルーグ様から声をかけられて婚約することになっただなんて、女性なら誰しも一度は夢見る展開。けれど、まさかそんな素敵な切り捨てられてしまうなんてねぇ。これは絶対に経験したくないことじゃないかしら?」
それを誘導したのはあなたでしょうに、自分はなにもかかわっていないという表情を浮かべてみせるリーフォ。
あなたとの出会いこそ誰も経験したくないことじゃないだろうか?
「ルーグ様はこの私の事をすごく愛してくださっている様子。私はこの世界で一番の幸せ者だということになるのね。ナータリア、私にお願いしてみたらどう?」
「お願い?」
「あなたはこの世界で一番の不幸な人間ということになるでしょう?なら私の幸せを少しくらいお裾分けしてあげてもいいわよ?あなたが私にちゃんとお願いができたらね♪」
どこまでも気色の悪い口調を見せてくるリーフォ。
それほどに自分とルーグ様との関係を見せびらかしたくて仕方がないらしい…。
ここまでくると、一周回ってなんだかかわいそうに思えてくる。
「別に大丈夫ですので…。あなたからもらうものなんて何もないし…」
「強がらなくてもいいのよ?あなたもそういう性格をこれを機に改めるべきなんじゃない?」
「改める?」
「そういうところがルーグ様に好かれなかった要因なんじゃない?もっと素直になったら?」
素直になったら、というのは聞こえの良い言葉だけれど、結局あなたにとっては言い訳でしかない気がするのだけれど…。
だってあなたたちは、素直になって浮気をしたのでしょう?
それのどこが真実の愛だなんて言えるのだろうか…。
「それにしてもあなたがこの王宮からいなくなってしまうだなんて、寂しくて仕方がないわねぇ。もっともっと私の相手をしてほしかったのだけれど…」
「そんな時間もありませんし、やる気もありませんので」
「ほら、また強がっちゃって♪」
リーフォはそれまでよりさらに一段と相手を挑発するそぶりを見せながら、続けてこう言葉を発する。
「ねぇ、本当は悔しくて仕方がないのでしょう?ルーグ様との関係を横取りされて悔しくてたまらないのでしょう?はっきり言ったらどう?今からでも関係を戻せるのなら戻したいと内心では願っているのでしょう?もっとちゃんと言ったらどう??」
それはさっきルーグ様と話している時も似たようなことを言われたもの。
でも、今の私には本当に何の感情もない。
「ルーグ様があなたを選んだのでしょう?ならお二人で好きにやっていったらいいじゃないですか。もう私はここにいらないとのことですので、出ていかせてもらうだけです。そこに後悔もなにもないので」
「かわいくないわねぇ…。あなたがきちんと綿私にお願いしてきたなら、ちょっとはルーグ様にかけあってあげようかと思っていたのに」
「いりません、結構ですから」
私はささっと荷物をまとめると、いつでも出発ができる程度に準備を整える。
そんな私の姿を見て、いよいよ話をするのは最後になるかもしれないと考えた様子のリーフォは、挑発てきな口調のままにこう言葉を発した。
「まぁいいわ。強がりたいなら好きに強がればいいと思うもの。だってあなたは竿後には間違いなく、私に泣きついてくることになるのだからね♪」
「…はい?」
「だってそうでしょう?今やルーグ様にとって一番愛する存在であるのは私になったんだもの。なら、私の言うことを一番尊重してくれるはずでしょう?」
「かもね」
「だったら、私の機嫌は取っておいた方がいいんじゃなくって?きっと今も内心じゃ後悔しているんだろうけど、今以上に後悔することになるわよ?私の言うことをちゃんと聞いておけばよかったって♪」
「……」
その自信がいったいどこから湧き出てくるのかはわからないけれど、少なくとも不貞な行為を平然と行えるような女性と仲良くなれる気は全くしない。
私は彼女の挑発に乗ることなく、最後かもしれない会話の中でこう言葉をつぶやいた。
「それじゃあ、お二人で仲良くどうぞ。私のことはいなかったものとして扱っていただいて結構ですので」
「…可愛くないわね」
あなたに可愛いと思われたくてやっているわけじゃないんだもの。
私はあなたに言われた通り、素直に言葉を発しているだけなのだから。
そんな時、私は一人の女性から不意に話しかけられた。
他でもない、ルーグ様が新しい婚約者として私に報告してきたリーフォである。
「あら、ルーグ様の元婚約者のナータリアさんじゃない。そんなところで一体何をしているの?」
聞くだけで相手をイライラさせる口ぶりを見せながらそう言葉を投げてくる。
それはわざとなのだろうけれど、だからこそ性格の悪さが垣間見える。
「リーフォさん、こんにちは。ルーグ様との新しい婚約関係を結ぶことができたそうですね。おめでとうございます」
「あなたに祝ってもらえるなんてうわしいわ。だってあなた、内心では悔しくて仕方がないものだと思っていたもの」
「悔しくて?」
「ええ。ルーグ様から声をかけられて婚約することになっただなんて、女性なら誰しも一度は夢見る展開。けれど、まさかそんな素敵な切り捨てられてしまうなんてねぇ。これは絶対に経験したくないことじゃないかしら?」
それを誘導したのはあなたでしょうに、自分はなにもかかわっていないという表情を浮かべてみせるリーフォ。
あなたとの出会いこそ誰も経験したくないことじゃないだろうか?
「ルーグ様はこの私の事をすごく愛してくださっている様子。私はこの世界で一番の幸せ者だということになるのね。ナータリア、私にお願いしてみたらどう?」
「お願い?」
「あなたはこの世界で一番の不幸な人間ということになるでしょう?なら私の幸せを少しくらいお裾分けしてあげてもいいわよ?あなたが私にちゃんとお願いができたらね♪」
どこまでも気色の悪い口調を見せてくるリーフォ。
それほどに自分とルーグ様との関係を見せびらかしたくて仕方がないらしい…。
ここまでくると、一周回ってなんだかかわいそうに思えてくる。
「別に大丈夫ですので…。あなたからもらうものなんて何もないし…」
「強がらなくてもいいのよ?あなたもそういう性格をこれを機に改めるべきなんじゃない?」
「改める?」
「そういうところがルーグ様に好かれなかった要因なんじゃない?もっと素直になったら?」
素直になったら、というのは聞こえの良い言葉だけれど、結局あなたにとっては言い訳でしかない気がするのだけれど…。
だってあなたたちは、素直になって浮気をしたのでしょう?
それのどこが真実の愛だなんて言えるのだろうか…。
「それにしてもあなたがこの王宮からいなくなってしまうだなんて、寂しくて仕方がないわねぇ。もっともっと私の相手をしてほしかったのだけれど…」
「そんな時間もありませんし、やる気もありませんので」
「ほら、また強がっちゃって♪」
リーフォはそれまでよりさらに一段と相手を挑発するそぶりを見せながら、続けてこう言葉を発する。
「ねぇ、本当は悔しくて仕方がないのでしょう?ルーグ様との関係を横取りされて悔しくてたまらないのでしょう?はっきり言ったらどう?今からでも関係を戻せるのなら戻したいと内心では願っているのでしょう?もっとちゃんと言ったらどう??」
それはさっきルーグ様と話している時も似たようなことを言われたもの。
でも、今の私には本当に何の感情もない。
「ルーグ様があなたを選んだのでしょう?ならお二人で好きにやっていったらいいじゃないですか。もう私はここにいらないとのことですので、出ていかせてもらうだけです。そこに後悔もなにもないので」
「かわいくないわねぇ…。あなたがきちんと綿私にお願いしてきたなら、ちょっとはルーグ様にかけあってあげようかと思っていたのに」
「いりません、結構ですから」
私はささっと荷物をまとめると、いつでも出発ができる程度に準備を整える。
そんな私の姿を見て、いよいよ話をするのは最後になるかもしれないと考えた様子のリーフォは、挑発てきな口調のままにこう言葉を発した。
「まぁいいわ。強がりたいなら好きに強がればいいと思うもの。だってあなたは竿後には間違いなく、私に泣きついてくることになるのだからね♪」
「…はい?」
「だってそうでしょう?今やルーグ様にとって一番愛する存在であるのは私になったんだもの。なら、私の言うことを一番尊重してくれるはずでしょう?」
「かもね」
「だったら、私の機嫌は取っておいた方がいいんじゃなくって?きっと今も内心じゃ後悔しているんだろうけど、今以上に後悔することになるわよ?私の言うことをちゃんと聞いておけばよかったって♪」
「……」
その自信がいったいどこから湧き出てくるのかはわからないけれど、少なくとも不貞な行為を平然と行えるような女性と仲良くなれる気は全くしない。
私は彼女の挑発に乗ることなく、最後かもしれない会話の中でこう言葉をつぶやいた。
「それじゃあ、お二人で仲良くどうぞ。私のことはいなかったものとして扱っていただいて結構ですので」
「…可愛くないわね」
あなたに可愛いと思われたくてやっているわけじゃないんだもの。
私はあなたに言われた通り、素直に言葉を発しているだけなのだから。
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