​『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規

NagiKurou

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​『追放された底辺付与術師、実は【全自動化】のチートスキル持ちでした〜ブラックギルドを追い出されたので、辺境で商会を立ち上げたら勝手に世界規

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​「アルス! お前のような一日中デスクに座って何もしない無能は、今日限りでクビだ!」
​王都で最大の規模を誇るギルド『栄光の剣』。
その豪奢なギルドマスター室で、俺——アルスは、ふんぞり返るギルドマスターから突然の宣告を受けていた。
​「……クビ、ですか。俺が担当している魔力付与のラインや、物流ネットワークの管理はどうするんです?」
​「はっ! お前が何を管理しているというのだ! ギルドの武器が常に鋭く、ポーションが常に補充されているのは、我がギルドの冒険者たちが優秀だからに決まっているだろう! お前はただ、奥の部屋で紙の束と光る板(魔力盤)を睨んでいるだけではないか!」
​あぁ、なるほど。
この男は、本当に何も分かっていないらしい。
​俺の職業は『付与術師』だ。
だが、ただ剣に魔法を付与するだけではない。俺の真のスキルは【全自動化】。
​複雑な魔力回路を組み合わせ、条件分岐を設定し、作業工程そのものを自動で処理する「魔法のシステム」を構築する能力だ。
​例えば、ギルドの倉庫に傷ついた武器が置かれれば、自動で修復魔法が起動する。
ポーションの在庫が一定数を下回れば、自動で錬金術ギルドに発注が飛ぶ。
冒険者たちの報酬計算すら、俺が組んだ術式がすべて自動で処理しているのだ。
​俺がデスクに座っているのは、サボっているわけではない。
この巨大なギルドを裏で動かしている「システム」のエラー監視と、最適化のメンテナンスを行っていただけだ。
​「……本当に、俺を追い出してもいいんですね?」
​「くどい! お前に払う給料など無駄の極みだ! さっさと荷物をまとめて出ていけ!」
​「分かりました。今までお世話になりました」
​俺は静かに頭を下げ、部屋を出た。
未練など微塵もない。むしろ、24時間365日稼働し続けるこのブラックギルドのサーバー管理からようやく解放されるのだ。清々しい気分だった。
​自分のデスクに戻った俺は、魔力盤に手を触れる。
そして、ギルド全体に張り巡らせた全自動化システムの『管理者権限』を呼び出した。
​「俺との雇用契約が切れるなら、俺が個人的に構築したシステムも置いていく義理はないよな」
​俺は迷うことなく、『システム全停止』及び『構築魔力の回収』のコマンドを実行した。
​パキィィィン……!
​ギルドのあちこちで、不可視の魔力回路が砕け散る音がした。
これで倉庫の自動修復は止まり、在庫管理も手動に戻る。明日には報酬の未払いが発覚し、ギルドは大混乱に陥るだろう。
​「さて、と。俺は俺の人生をスケールさせるとしよう」
​数時間後。
王都の門を抜けた俺の横には、一体のゴーレムが控えていた。
追放されてからすぐ、回収した莫大な魔力と手持ちのスクラップを使って組み上げた、俺の新しい相棒だ。
​型式は『GR-J76』と名付けた。
無骨で角張ったフォルムを持つ、銀色の重装型輸送ゴーレム。
過酷な悪路でも走破できる強靭な四つの車輪を持ち、どんな衝撃にも耐えうる圧倒的なタフさを誇る。俺のこだわりの結晶だ。
​「よし、エンジン起動」
​俺が魔力を流し込むと、銀色の重装ゴーレムはズドドドド……と、まるで重厚なメタルミュージックのベースラインのような、腹の底に響く低い駆動音を鳴らした。
​最高にいい音だ。
​「頼むぞ、相棒。まずは辺境の街に向かって、俺たちのビジネスを立ち上げよう」
​手動の煩わしさなど、この世から消し去ってやる。
俺の【全自動化】スキルで、世界の経済の常識を塗り替えるための旅が、今、始まった。
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