15 / 73
第一章 変わり始める日常
第13話 友と共に灯を
しおりを挟む
オレの女性客への対応を見て怒るグウェンさんを宥め、仕事が終わった後に魔法のお披露目をしてようやく帰宅した。
しばらくするとドアをノックする音が聞こえてきた。
「はーい。どちらさま?」
ドアを開けるとタックとススリーが立っていた。
「よぉヴィト。おつかれ」
「こんばんは。ちょっといいかしら?」
「あら、どうしたの2人とも。とりあえず入ってよ」
2人とも子どもの頃からよく家に遊びに来ていたから勝手知ったる他人の家だ。
いつも座る自分の椅子に座っていく。
一応お客さんではあるし、お湯もちょうど沸いていたので、最近お気に入りのコロンバインティーの準備をしながら尋ねる。
「どうしたの2人してこんな夜に。もしかしてお告げの事?」
「そうだ。ヴィトもお告げを受けたか?」
「うん。受けたよ」
「そうか……。その……やっぱり天使からのお告げだったか?」
「いや、オレは神様からだったよ」
2人には最初から隠すつもりはないので正直に言った。
「なにっ!? やっぱり創造神アガッシュ様か!?」
「うんそうだったよ。2人も?」
何となくそんな気はしていたけど、やっぱり2人とも神様からお告げを受けたようだ。
お茶を出して自分も席に着く。
「あら、ありがと。実はそうなの。家族も周りのみんなも天使様からのお告げだったんだけど、私だけ神様からお告げを受けていたからおかしいなと思っていたのよ。そしたらタックもそうだったって。だからもしかしたらヴィトもそうかなって思ってきたのよ」
言い終わるとススリーはカップを右手に持ち、左手を添えてふーっと息を吹きかけ、そっとお茶を飲んだ。
『あっおいしっ』と呟くのが聞こえた。
気に入って頂けて何よりだ。
タックは男らしくズズズッと音を立てながら飲み、話を続ける。
「神様は共に戦う仲間がいるって言ってただろ? 俺はヴィトやススリーだったらいいなと思っていたんだよ!」
「ははは。オレもそう思っていたんだ。実際そうみたいだし良かったよ」
「だよなー! 良かった! それでヴィトはどんなお告げだった? 俺はアガッシュ様から“武器マスタリー”というスキルと鍛冶術を授かったんだ。どんな武器でも使いこなせるし、作れるらしいんだ!」
「私は“大魔導士”というスキルと付与術を授かったわ。どんな魔法でも使いこなせて、物にも魔法をかけられるらしいわ」
「うわーすごそうだね2人とも! オレはね!」
親友たちがすごいスキルを授かって嬉しくなり、自分も授かったスキルを説明しようとするも、なんと説明したらいいのかわからない。
「……あれ? オレは……何だろう? 魔法を使えることは聞いたんだけど、2人みたいに詳しく聞いてないな……。なんで?」
2人もそうだし、グウェンさんも具体的に何のスキルを与えられたのか聞いている。
オレはそんなに具体的に聞いてない。
この差はなに?
「そうなのか? でも魔法が使えるんだな! それで十分じゃないか!」
「あら、私と同じね。使ってみた?」
「うん。朝試しにつかってみた。そしたら危うく上手に焼けましたになるところだったよ」
竈の方を指さし、今朝の失態を話す。
するとススリーが怪訝な顔をする。
「魔法をイメージ? 詠唱とかじゃなくて?」
「うん。詠唱? そんなのあるの?」
「あるの? って……神様から聞いてないの?」
「うん。どうやって使うとか聞いてない。でもイメージが大事って言ってたからやってみたら出来たよ」
「そんなこともあるのね……。詠唱っていうのはこんな感じよ」
そういってススリーは手を出し、ブツブツと何かを唱え、最後に “トーチ”と言った。
するとススリーの手のひらの上に、明るい光の玉がふわふわ浮かんでいた。
これだけ明るいのに熱や眩しさは感じられない不思議な光だ。
「これは照明代わりの魔法ね。魔法の効果とか詠唱とかは、なぜか昔から知っているかのように分かるのよ」
「何それずるい。魔法ってこんな感じかな? でやるもんじゃないの? ちょっと神様どういうことなの……」
「なんでしょうね。でも神様が仰ることだもの。きっと何か理由があるのよ」
「そうだな。とにかく、俺たち3人とも力を授かったんだ! この力を使ってみんなの為に頑張ろうぜ!」
確かに考えても仕方がないことだ。
オレにだけ説明を忘れていたなんてことはないだろうし、とにかく魔法自体は使えるようだから自分で確かめていけばいいか。
オレたちはその後、個々人での鍛錬に加え、時間が許す限り3人で集まって訓練をしていくことを約束した。
途中タックが『これでモテモテに……』と言ってススリーに諫められていたが、気持ちがわからないでもないオレは黙っておいた。
ススリーが御代わりをしたコロンバインティーを飲み終えたところで本日はお開きとし、明日から訓練することを約束して、それぞれ帰宅していった。
2人が帰ってから、さっきススリーが使った“トーチ”を試してみる。
やわらかい光の玉が浮かんで辺りを照らすイメージ……。
「トーチ」
呟くとススリーと同じような光の玉が出現した。
熱も眩しさ感じない。
「詠唱はわからんけど、なんかできたな。なんだろうなこれ?」
よくわからない魔法に疑問を感じながらも、オレも朝からバタバタとして疲れたので光の玉を消し、早めに眠ることにした。
難しいことは明日また考えることにしよう。
しばらくするとドアをノックする音が聞こえてきた。
「はーい。どちらさま?」
ドアを開けるとタックとススリーが立っていた。
「よぉヴィト。おつかれ」
「こんばんは。ちょっといいかしら?」
「あら、どうしたの2人とも。とりあえず入ってよ」
2人とも子どもの頃からよく家に遊びに来ていたから勝手知ったる他人の家だ。
いつも座る自分の椅子に座っていく。
一応お客さんではあるし、お湯もちょうど沸いていたので、最近お気に入りのコロンバインティーの準備をしながら尋ねる。
「どうしたの2人してこんな夜に。もしかしてお告げの事?」
「そうだ。ヴィトもお告げを受けたか?」
「うん。受けたよ」
「そうか……。その……やっぱり天使からのお告げだったか?」
「いや、オレは神様からだったよ」
2人には最初から隠すつもりはないので正直に言った。
「なにっ!? やっぱり創造神アガッシュ様か!?」
「うんそうだったよ。2人も?」
何となくそんな気はしていたけど、やっぱり2人とも神様からお告げを受けたようだ。
お茶を出して自分も席に着く。
「あら、ありがと。実はそうなの。家族も周りのみんなも天使様からのお告げだったんだけど、私だけ神様からお告げを受けていたからおかしいなと思っていたのよ。そしたらタックもそうだったって。だからもしかしたらヴィトもそうかなって思ってきたのよ」
言い終わるとススリーはカップを右手に持ち、左手を添えてふーっと息を吹きかけ、そっとお茶を飲んだ。
『あっおいしっ』と呟くのが聞こえた。
気に入って頂けて何よりだ。
タックは男らしくズズズッと音を立てながら飲み、話を続ける。
「神様は共に戦う仲間がいるって言ってただろ? 俺はヴィトやススリーだったらいいなと思っていたんだよ!」
「ははは。オレもそう思っていたんだ。実際そうみたいだし良かったよ」
「だよなー! 良かった! それでヴィトはどんなお告げだった? 俺はアガッシュ様から“武器マスタリー”というスキルと鍛冶術を授かったんだ。どんな武器でも使いこなせるし、作れるらしいんだ!」
「私は“大魔導士”というスキルと付与術を授かったわ。どんな魔法でも使いこなせて、物にも魔法をかけられるらしいわ」
「うわーすごそうだね2人とも! オレはね!」
親友たちがすごいスキルを授かって嬉しくなり、自分も授かったスキルを説明しようとするも、なんと説明したらいいのかわからない。
「……あれ? オレは……何だろう? 魔法を使えることは聞いたんだけど、2人みたいに詳しく聞いてないな……。なんで?」
2人もそうだし、グウェンさんも具体的に何のスキルを与えられたのか聞いている。
オレはそんなに具体的に聞いてない。
この差はなに?
「そうなのか? でも魔法が使えるんだな! それで十分じゃないか!」
「あら、私と同じね。使ってみた?」
「うん。朝試しにつかってみた。そしたら危うく上手に焼けましたになるところだったよ」
竈の方を指さし、今朝の失態を話す。
するとススリーが怪訝な顔をする。
「魔法をイメージ? 詠唱とかじゃなくて?」
「うん。詠唱? そんなのあるの?」
「あるの? って……神様から聞いてないの?」
「うん。どうやって使うとか聞いてない。でもイメージが大事って言ってたからやってみたら出来たよ」
「そんなこともあるのね……。詠唱っていうのはこんな感じよ」
そういってススリーは手を出し、ブツブツと何かを唱え、最後に “トーチ”と言った。
するとススリーの手のひらの上に、明るい光の玉がふわふわ浮かんでいた。
これだけ明るいのに熱や眩しさは感じられない不思議な光だ。
「これは照明代わりの魔法ね。魔法の効果とか詠唱とかは、なぜか昔から知っているかのように分かるのよ」
「何それずるい。魔法ってこんな感じかな? でやるもんじゃないの? ちょっと神様どういうことなの……」
「なんでしょうね。でも神様が仰ることだもの。きっと何か理由があるのよ」
「そうだな。とにかく、俺たち3人とも力を授かったんだ! この力を使ってみんなの為に頑張ろうぜ!」
確かに考えても仕方がないことだ。
オレにだけ説明を忘れていたなんてことはないだろうし、とにかく魔法自体は使えるようだから自分で確かめていけばいいか。
オレたちはその後、個々人での鍛錬に加え、時間が許す限り3人で集まって訓練をしていくことを約束した。
途中タックが『これでモテモテに……』と言ってススリーに諫められていたが、気持ちがわからないでもないオレは黙っておいた。
ススリーが御代わりをしたコロンバインティーを飲み終えたところで本日はお開きとし、明日から訓練することを約束して、それぞれ帰宅していった。
2人が帰ってから、さっきススリーが使った“トーチ”を試してみる。
やわらかい光の玉が浮かんで辺りを照らすイメージ……。
「トーチ」
呟くとススリーと同じような光の玉が出現した。
熱も眩しさ感じない。
「詠唱はわからんけど、なんかできたな。なんだろうなこれ?」
よくわからない魔法に疑問を感じながらも、オレも朝からバタバタとして疲れたので光の玉を消し、早めに眠ることにした。
難しいことは明日また考えることにしよう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる