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悩める少女
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あの日、あの場で、エリザは前世を思い出していた。
加藤絵梨花だった、28年分の人生を。地球という名の惑星の、日本という小さな国の、大阪というちっぽけな都会での暮らしを、人生を。
幸いにも、加藤絵梨花の知識にはラノベという異世界転生の教科書があった。記憶にある異世界転生のテンプレ的行動、チートをするヒロインや悪役令嬢の言動を思い起こせば、自分が何をしてはいけないかはわかる……ような気はする。
1.頭に浮かんだことをそのまま口に出してはいけない!
何故ラノベの登場人物達は、こうもウッカリな独り言をしてしまうのか問題だ。ベラベラペラペラ、軽すぎる口に、そもそも秘密にするつもりあるの!?と、ラノベ読者だった前世の絵梨花が何度そうツッコんだことか。(勿論、口に出してはいない)
いえ、わかっていますよ。そんなウッカリでもなければ、転生のワクワク物語ではなく、賢いチート転生者が「誰にも知られず」大成功、出世しただけの報告書みたいな話になってしまいますものね。ハイ。
問題だって簡単に解決できちゃダメなんですよね。ハイ。
でも、ここは物語の中での異世界ではなく、エリザにとって生きるか死ぬかの現実世界なのだから、独り言を言わないように、そんな癖をつけないように気をつけなくてはいけないと、気を引き締めた。
ラノベの登場人物みたいな行動なんてする気はないけれど……大人になっても、お酒を飲むのはやめようと心に決める。酔っ払って命に関わる隠し事を喋っちゃうなんて、最低最悪だから。
よし、次!
2.マヨネーズ、カレーライス、ハンバーグ、唐揚げ、トンカツ、コロッケ、白いふわふわパン、コッペパン、調味料等の、異世界グルメの新規開発厳禁!口外厳禁!
異世界転生者のグルメといえばな、王道の飯テロメニューだ。
食べたくなっちゃうし、作りたくなっちゃう、ラノベ世界の転生者達。おまけに彼らが異世界で懐かしの料理につける名前は、ほぼ地球での名前そのまま。
もしもその世界に自分と同じ国の転生者がいたらモロバレでは?
だがしかし!何故か登場人物周辺の転生者にしかバレないのだ。
国中から魂の同胞を呼び集めたりはしない、王道の飯テロの本当の被害者は、ラノベの世界を覗いている読者である。深夜のカレーライス、深夜のラーメン、深夜の唐揚げ、深夜の……飯テロとは怖いものなのだ。
連休中の深夜の飯テロ被害経験があった加藤絵梨花の魂がエリザに伝えたいのは、夜中になるまで起きてたりしないで良い子は早く寝るのよ~という母の様なアドバイスであったのだが、この世界の幼いエリザには伝わらなかった。
夕方には寝てるからね、6歳児のエリザは。
3.故郷の味を求め、醤油を探したり、お米や小豆を探したり、作ろうとするの厳禁!
これは、幸いにも、ほぼ全て、この世界でも既に製品化されているから買って食べても大丈夫だ。でも、アレンジしたりは危険かもしれない。
あくまでも、この世界で初めて食べた感をなくさないこと!これ大事!エリザは食べ物を食べる時、常に新鮮な気持ちを心がけようと誓った。
4.ヤバい、イケメン、尊い、推しなどの異世界ワードを使わないこと、推し活などという活動をしないこと!
ヤバいとイケメンは既にこの世界に馴染んでいる言葉なので良いけれど、尊いと推しはなかった気がする。スマホも大きなリボンの少女が叫んでたのを聞くまで知らなかったし。何がヤバい言葉なのか、よくわからないから、とにかく、余計なことは喋らないようにしなくてはならない。
5.少しの失敗を誤魔化す方法を考えておく!
異世界起源の食べ物を見つけた時、聞いたとき、初めてみた時、初めて食べた時の反応で、ウッカリの予感。
気をつけていても、「これ好きなんですよね」的な感じで、お初な感じを出し忘れる可能性はゼロではない。
失言しないように無口な少女になるべきかもしれないが、無口すぎると、将来の仕事を見つけるのに苦労する気がする。
コツコツ無言で仕事をこなすようなお針子とか?料理人とか?
多分、向いていない。
どんな仕事なら、異世界のことをちょっとぐらい知ってても大丈夫なのか?ちょっとの失言を誤魔化せる仕事なんてあるのか。
28歳の加藤絵梨花はの経験は前世のものしかなく、この世界に生息する現在6歳のエリザの知識で将来の道を探すのなかなかの難しいことでだった。
加藤絵梨花だった、28年分の人生を。地球という名の惑星の、日本という小さな国の、大阪というちっぽけな都会での暮らしを、人生を。
幸いにも、加藤絵梨花の知識にはラノベという異世界転生の教科書があった。記憶にある異世界転生のテンプレ的行動、チートをするヒロインや悪役令嬢の言動を思い起こせば、自分が何をしてはいけないかはわかる……ような気はする。
1.頭に浮かんだことをそのまま口に出してはいけない!
何故ラノベの登場人物達は、こうもウッカリな独り言をしてしまうのか問題だ。ベラベラペラペラ、軽すぎる口に、そもそも秘密にするつもりあるの!?と、ラノベ読者だった前世の絵梨花が何度そうツッコんだことか。(勿論、口に出してはいない)
いえ、わかっていますよ。そんなウッカリでもなければ、転生のワクワク物語ではなく、賢いチート転生者が「誰にも知られず」大成功、出世しただけの報告書みたいな話になってしまいますものね。ハイ。
問題だって簡単に解決できちゃダメなんですよね。ハイ。
でも、ここは物語の中での異世界ではなく、エリザにとって生きるか死ぬかの現実世界なのだから、独り言を言わないように、そんな癖をつけないように気をつけなくてはいけないと、気を引き締めた。
ラノベの登場人物みたいな行動なんてする気はないけれど……大人になっても、お酒を飲むのはやめようと心に決める。酔っ払って命に関わる隠し事を喋っちゃうなんて、最低最悪だから。
よし、次!
2.マヨネーズ、カレーライス、ハンバーグ、唐揚げ、トンカツ、コロッケ、白いふわふわパン、コッペパン、調味料等の、異世界グルメの新規開発厳禁!口外厳禁!
異世界転生者のグルメといえばな、王道の飯テロメニューだ。
食べたくなっちゃうし、作りたくなっちゃう、ラノベ世界の転生者達。おまけに彼らが異世界で懐かしの料理につける名前は、ほぼ地球での名前そのまま。
もしもその世界に自分と同じ国の転生者がいたらモロバレでは?
だがしかし!何故か登場人物周辺の転生者にしかバレないのだ。
国中から魂の同胞を呼び集めたりはしない、王道の飯テロの本当の被害者は、ラノベの世界を覗いている読者である。深夜のカレーライス、深夜のラーメン、深夜の唐揚げ、深夜の……飯テロとは怖いものなのだ。
連休中の深夜の飯テロ被害経験があった加藤絵梨花の魂がエリザに伝えたいのは、夜中になるまで起きてたりしないで良い子は早く寝るのよ~という母の様なアドバイスであったのだが、この世界の幼いエリザには伝わらなかった。
夕方には寝てるからね、6歳児のエリザは。
3.故郷の味を求め、醤油を探したり、お米や小豆を探したり、作ろうとするの厳禁!
これは、幸いにも、ほぼ全て、この世界でも既に製品化されているから買って食べても大丈夫だ。でも、アレンジしたりは危険かもしれない。
あくまでも、この世界で初めて食べた感をなくさないこと!これ大事!エリザは食べ物を食べる時、常に新鮮な気持ちを心がけようと誓った。
4.ヤバい、イケメン、尊い、推しなどの異世界ワードを使わないこと、推し活などという活動をしないこと!
ヤバいとイケメンは既にこの世界に馴染んでいる言葉なので良いけれど、尊いと推しはなかった気がする。スマホも大きなリボンの少女が叫んでたのを聞くまで知らなかったし。何がヤバい言葉なのか、よくわからないから、とにかく、余計なことは喋らないようにしなくてはならない。
5.少しの失敗を誤魔化す方法を考えておく!
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気をつけていても、「これ好きなんですよね」的な感じで、お初な感じを出し忘れる可能性はゼロではない。
失言しないように無口な少女になるべきかもしれないが、無口すぎると、将来の仕事を見つけるのに苦労する気がする。
コツコツ無言で仕事をこなすようなお針子とか?料理人とか?
多分、向いていない。
どんな仕事なら、異世界のことをちょっとぐらい知ってても大丈夫なのか?ちょっとの失言を誤魔化せる仕事なんてあるのか。
28歳の加藤絵梨花はの経験は前世のものしかなく、この世界に生息する現在6歳のエリザの知識で将来の道を探すのなかなかの難しいことでだった。
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