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シルビナの妹達全員に良縁がきて、苛立っていたところに、そこまで仲良くはないが、知り合いで、友人と言えるかもしれない関係の令嬢2人が、結婚と婚約をした。
2人ともシルビナにとっては、格下の伯爵家の令嬢達で、年は1つ下。1人は侯爵家の嫡男と結婚、もう1人は隣国の公爵家の息子と婚約。
シルビナには、婚約者はいないが、一応侯爵家の令嬢ではあるので、幾つかの上位貴族家の婚約者候補には入っている。ただ、候補に上がっていると聞いた家から、これまで婚約の申し込みが届いたことはなかった。
絶対に伯爵家の令嬢より、良いところに嫁ぎたいと願っているが、自分でなんとかできるものではない。
そこにトレンダム辺境伯とのスピード結婚の話が来た。
父親に、辺境に行く覚悟はあるかと聞かれ、少しだけ真剣に考えてみた。
――辺境伯?ど田舎の伯爵という意味でしょうか?
自慢できないですわ。勝てないですし。
トレンダム辺境伯の嫡男?
噂すら聞いたことがないので、わかりませんけど、山賊みたいな容姿の男では?
自慢できないですわ。勝てないですし。
トレンダム辺境伯夫人?
山賊みたいな容姿の男の妻?
恥ずかしいですわ。
あら?前トレンダム辺境伯夫人は、リーダール公爵家令嬢ですの?
リーダール公爵家のお姫様が、辺境伯夫人?
それならば、トレンダム辺境伯夫人というのは、高貴な姫の地位ですのね?
トレンダム辺境伯夫人。
誰よりも高貴な存在ですわね?
自慢できますわ!勝てますわ!
これは良縁です!絶対に結婚しなくてわ!
お父様、お父様、私、トレンダム辺境伯夫人になりますわ!
ええ!大丈夫です。辺境で、トレンダム辺境伯夫人になる覚悟はできております!
猫を500匹程、臨時募集して、無事ゴールインですわ。
だけど、夫となったジークスは、予想通り、山賊みたいな髭もじゃの大きな男で。密かに動揺しました。
――高貴なトレンダム辺境伯夫人に相応しいのは私しかいませんわ。
ですが、辺境の田舎者で、山賊みたいな髭もじゃの大きな男ジークスの妻が、私?
トレンダム辺境伯夫人の夫があれ?
高貴なトレンダム辺境伯夫人ですわよ?
初夜?ブルブルブルブル!無理ですわ!
月のものになれば、初夜をしなくて済みますわね!私、賢いですわ。仕事が大変だとか言って、大事な行事が始まる時まで、部屋に閉じ籠りましょう。そうしましょう。
たった一月ですもの。辺境の田舎者ぐらい、従わせてこそ、トレンダム辺境伯夫人ですわ!
そして、ついにやってきた社交シーズン。今年の社交シーズンまでなら、隣国の公爵家の息子と婚約した伯爵令嬢も国内にいます!ある意味最後のチャンスですわ!
――あの2人には、絶対に会わなくては!
王都に行ったら、トレンダム辺境伯夫人として、たくさんのパーティに参加して、全ての知り合いに、私がトレンダム辺境伯夫人であると教えて差し上げるの!
今年の社交シーズンで、自慢して、勝ち誇ることだけを目指して、その他のことを考えていなかったシルビナは、王都についてすぐに困った。
新婚のトレンダム辺境伯夫人が、1人で王都入りなんてするはずがない。
喧嘩したのか、離縁されそうなのかと、ルマルド侯爵家の両親なら、うるさく追及してくる。
となると、ルマルド侯爵家の王都にある屋敷には、行けない。
トレンダム辺境伯夫人なのだから、トレンダム辺境伯家の王都にある屋敷なら、辺境伯夫人の命令でなんとでもなると、夫の泊まれないぞという発言を無視して向かってみたが、表門が閉鎖されていて入れなかった。
困ったシルビナは、休憩しようと向かったカフェで、声をかけられた。
シルビナの知り合いの知り合いの知り合いだという。素敵な男性だ。
「高貴な貴婦人の助けになるなら、私の定宿を提供しましょう。貴女にぴったりな美しい宿ですよ」
キラキラした見た目の絵本の王子様のような男性だ。白い歯の笑顔が眩しい。ここまで素敵な男性のエスコートなど受けたことのないシルビナは、夢見心地で、少々派手な見た目の宿に入って行った。
そこは、キラキラひらひらした少女趣味な部屋で、シルビナの好みにドンピシャだった。
素敵な王子様が肩を抱き、綺麗だ、美しい、触れたい、可愛いと、人生初めての誉め殺しをしてくれる。
褒められて死ぬ衝撃。幸せすぎて、シルビナの平常心は行方不明になった。
綺麗なピンク色のドリンクと、可愛い形のクッキーを、美味しく食べた後、シルビナも、王子様っぽい男に、食べられた。
現在、めでたく妊娠中。
2人ともシルビナにとっては、格下の伯爵家の令嬢達で、年は1つ下。1人は侯爵家の嫡男と結婚、もう1人は隣国の公爵家の息子と婚約。
シルビナには、婚約者はいないが、一応侯爵家の令嬢ではあるので、幾つかの上位貴族家の婚約者候補には入っている。ただ、候補に上がっていると聞いた家から、これまで婚約の申し込みが届いたことはなかった。
絶対に伯爵家の令嬢より、良いところに嫁ぎたいと願っているが、自分でなんとかできるものではない。
そこにトレンダム辺境伯とのスピード結婚の話が来た。
父親に、辺境に行く覚悟はあるかと聞かれ、少しだけ真剣に考えてみた。
――辺境伯?ど田舎の伯爵という意味でしょうか?
自慢できないですわ。勝てないですし。
トレンダム辺境伯の嫡男?
噂すら聞いたことがないので、わかりませんけど、山賊みたいな容姿の男では?
自慢できないですわ。勝てないですし。
トレンダム辺境伯夫人?
山賊みたいな容姿の男の妻?
恥ずかしいですわ。
あら?前トレンダム辺境伯夫人は、リーダール公爵家令嬢ですの?
リーダール公爵家のお姫様が、辺境伯夫人?
それならば、トレンダム辺境伯夫人というのは、高貴な姫の地位ですのね?
トレンダム辺境伯夫人。
誰よりも高貴な存在ですわね?
自慢できますわ!勝てますわ!
これは良縁です!絶対に結婚しなくてわ!
お父様、お父様、私、トレンダム辺境伯夫人になりますわ!
ええ!大丈夫です。辺境で、トレンダム辺境伯夫人になる覚悟はできております!
猫を500匹程、臨時募集して、無事ゴールインですわ。
だけど、夫となったジークスは、予想通り、山賊みたいな髭もじゃの大きな男で。密かに動揺しました。
――高貴なトレンダム辺境伯夫人に相応しいのは私しかいませんわ。
ですが、辺境の田舎者で、山賊みたいな髭もじゃの大きな男ジークスの妻が、私?
トレンダム辺境伯夫人の夫があれ?
高貴なトレンダム辺境伯夫人ですわよ?
初夜?ブルブルブルブル!無理ですわ!
月のものになれば、初夜をしなくて済みますわね!私、賢いですわ。仕事が大変だとか言って、大事な行事が始まる時まで、部屋に閉じ籠りましょう。そうしましょう。
たった一月ですもの。辺境の田舎者ぐらい、従わせてこそ、トレンダム辺境伯夫人ですわ!
そして、ついにやってきた社交シーズン。今年の社交シーズンまでなら、隣国の公爵家の息子と婚約した伯爵令嬢も国内にいます!ある意味最後のチャンスですわ!
――あの2人には、絶対に会わなくては!
王都に行ったら、トレンダム辺境伯夫人として、たくさんのパーティに参加して、全ての知り合いに、私がトレンダム辺境伯夫人であると教えて差し上げるの!
今年の社交シーズンで、自慢して、勝ち誇ることだけを目指して、その他のことを考えていなかったシルビナは、王都についてすぐに困った。
新婚のトレンダム辺境伯夫人が、1人で王都入りなんてするはずがない。
喧嘩したのか、離縁されそうなのかと、ルマルド侯爵家の両親なら、うるさく追及してくる。
となると、ルマルド侯爵家の王都にある屋敷には、行けない。
トレンダム辺境伯夫人なのだから、トレンダム辺境伯家の王都にある屋敷なら、辺境伯夫人の命令でなんとでもなると、夫の泊まれないぞという発言を無視して向かってみたが、表門が閉鎖されていて入れなかった。
困ったシルビナは、休憩しようと向かったカフェで、声をかけられた。
シルビナの知り合いの知り合いの知り合いだという。素敵な男性だ。
「高貴な貴婦人の助けになるなら、私の定宿を提供しましょう。貴女にぴったりな美しい宿ですよ」
キラキラした見た目の絵本の王子様のような男性だ。白い歯の笑顔が眩しい。ここまで素敵な男性のエスコートなど受けたことのないシルビナは、夢見心地で、少々派手な見た目の宿に入って行った。
そこは、キラキラひらひらした少女趣味な部屋で、シルビナの好みにドンピシャだった。
素敵な王子様が肩を抱き、綺麗だ、美しい、触れたい、可愛いと、人生初めての誉め殺しをしてくれる。
褒められて死ぬ衝撃。幸せすぎて、シルビナの平常心は行方不明になった。
綺麗なピンク色のドリンクと、可愛い形のクッキーを、美味しく食べた後、シルビナも、王子様っぽい男に、食べられた。
現在、めでたく妊娠中。
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