悪役令嬢ですがヤンデレに愛されています。何故私がこのポジションなのでしょうか。

ゆう

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「初めまして、エドワード様。私はマリア・ロデンヌと申します」

「初めまして、…僕のこと知ってるみたいだね」

知っていますとも。
私が関わりたくないうちの一人、第一王子エドワード・レイシア。
端正な顔立ちに文武両道、それから平等に優しいという性格良しで人気が凄い。
そのエドワードが何故私に声を掛けるのか。
……周りからの視線がいたい。

「勿論です。貴方様をこの国で知らない貴族はいないと思います」

「…」

エドワードは笑みを称える。
私の言っていることが本当だと思っているから否定しないのだろう。

「ロデンヌ嬢はあまりパーティーが得意ではないのですか?」

私が壁際に居てダンスに参加しようとしないから声を掛けたのかもしれない。

「いえ、そういうわけでは…。病弱なもので。気に掛けてくださりありがとうございます」

口元に手を当てて話す。
私には父様の許可も貰って、病弱という設定があるのだから活用しないと。

「そうだったのですか…。休憩室は広間の正面扉を出て突き当り右にありますので、良ければご利用なさって下さい。良ければ案内しましょうか?」

「いえ、行けば分かると思いますので大丈夫です。ご配慮ありがとうございます」

では、とエドワードは去っていった。
ふぅと一息つくと考え込む。
……ずっと壁際にいるのも迷惑だろうし、休憩室があるのならばそちらを利用させて貰おうか。
父様に一言伝えて、休憩室へ向かう。

右だと言っていたから右に曲がったのだけれど、そこには庭が広がっていた。
……なんで?
よくよくエドワードの言葉を思い返してみると、正面扉を出てと言っていた。
私が出てきたのは正面扉からでなかったのかも……。


「はああ」

その場にへたり込む。
思えば前世の私は方向音痴だったな。
王宮は広いし、案内して貰うべきだった。
広間へ戻る位なら出来るはず。
来た道を辿るだけなのだから。
そう思っていると、言い争う声が聞こえてきた。
主に女性の甲高い声が聞こえる。

野次馬は良くないと思っていても興味本位で、見るだけ…と。
そこには、先程のエドワードと何処ぞの令嬢がいた。

「私のことば遊びだったのね!?酷い」

「君のことは好きだよ。だけどね、平等に皆のことも好きなんだ」

ぱぁんと令嬢の平手打ちを受ける。
うわ、痛そう。

令嬢は去っていき、エドワードだけが取り残された。
振り返ったエドワードは笑みを称えていた。
まるで何もかもお見通しのように。

「ロデンヌ嬢、どうしたのかな?」
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